金曜日, 2月 6, 2026
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【土浦駅前「本屋」座談会】㊥ 図書館+古本店+新刊店による「ブック回廊」

文化的基盤が厚いまち土浦

歩いて1~2分のところに、3つの本を扱う店・施設が集まっています。そこは駅ビル内とその近隣ということもあり、市内の高校に通う学生がたくさん行き来します。土浦は昔の県南の中心で、知的好奇心が高い方が住んでいる。こういった好環境で本を扱うわけですが、それぞれの立ち位置から3者コラボのアイデアを出してください。

入沢 土浦は古いまちで文化的基盤が厚く、文化人がたくさん出ているまちで、市民もそれを誇りに思っています。本を通じてみんなをつなぎたい。若い子は勢いのある近隣の市に目をとられ、土浦は古くて衰退していると思ってしまいますが、土浦は文化基盤があることに誇りを持ってほしい。

古書店 いまは「本の骨董店」

この座談会を機に、本の3業態の「回廊」のイメージをつくりたい。どうつながり、どうつなげるか、意見を聞かせてください。

佐々木 入沢さんのお話のように、土浦には地元の作家がかなりいらっしゃる。高田保(1895~1952、随筆『ブラリひょうたん』など)とか。うちは、そういった人の手紙とか直筆とか短冊とかを集めています。6月に開催した「第15回古本まつり」で、長塚節(1879~1915、常総市出身、小説『土』など)の手紙などを集め、カタログにしてお客さんに送ったところ、長塚節関係の本をごっそり買った方もいました。私の仕事はそういうことなのですが、それを知っていただく方法が意外とないんです。

つちうら古書倶楽部は、古本屋というよりも骨董屋のイメージですね。

佐々木 本の骨董品屋です。直筆の書簡とか、戦前の子どもの本や古地図とか、そういうものを集めてカタログをつくり、何十年も温めてきた全国の約2000件のお客さんに送っています。

こういう古本屋さんの取り組みは、天狼院さんの営業とは対立しないですね。

三浦 対立しないし、コラボできるところです。いま私は大学で教えていて、大学の先生とコラボして論文ゼミをやっていますが、「役に立たなくていいからテーマを見つけて調べよう」というゼミもあります。まずは古書店のカタログを見て、論文の題材を探そうということをやってもいい。

駅ビル・アトレに泊まり論文書き

学生のゼミの教材としては、古書店は宝の山ですね。

三浦 古書店には作家の手紙とか一次資料もある。それを使った論文の書き方は体験型の「論文ゼミ」で教えます。土浦は東京から近いので、大学の先生に来てもらえますから。もう一つ、天狼院には「小説家養成ゼミ」もあるので、小説の題材を探しに古書店に行きましょうということもやれる。この間、うちのゼミから松本清張賞が出たんです。

大きな古本屋さん、図書館が近くにあるのはメリットで、もう東京から学生と先生に来てもらうしかないですね。僕らは「旅部」という旅行ゼミもやっています。全国から学生を集めて熱海とかに行くんですが、それを土浦にも持ってこようと思っています。

駅ビル「プレイアトレ」に来年オープンするホテルに彼らを缶詰にして、一次資料を調べて論文をつくるとか。僕らはどこでも缶詰になって、集中して書くことをやっているんです。市立図書館の閉架図書を使って調べることもできます。

缶詰をやってリフレッシュしたいと思ったら、自転車で霞ケ浦を回っていけばいいんじゃないですか。戦国武将の気持ちになりたいときは城跡とか行ってもいい。(笑)

店内の黒板に受講案内が書かれた天狼院書店プレイアトレ土浦店の各種ゼミや部活、同好会など

入沢 アトレはサイクリストの拠点ですが、天狼院さんが入られて、そのあたりに特化していくことは考えているんですか。アトレが企画する「散走」ツアーがあって、いろいろなところに行っていますが。

三浦 これまで文科系中心で体を使うことをやっていなかったので、そろそろやりたいと思っています。カメラを携えて行くみたいなこともやりたいですね。何でもやります。手間がかかってもやります。

土浦市内10高校の「学祭」も応援

天狼院さんが「土浦という素材」を掘り起こすことに期待しています。

三浦 出店するということはそのまちに学ぶところが多い。京都とか福岡とかもそうですが、何年もかけて学んで、ようやくフィットしていくみたいなところがあります。

ゼミなどの企画で、土浦に学生を連れてくるのはいつごろになりますか。

三浦 土浦店の第2形態は秋を見込んでいるので、そのあたりから見えてくると思います。スタッフもどんどん入ってきているので、秋になるんじゃないかと思います。例えば「ライティングゼミ」ですが、毎週、2000字の記事を提出するという課題があります。そこでの問題はネタ切れになることですが、土浦でゼミを開けば、図書館でも古書店でも宝さがしができる。ネタだらけじゃないですか。

新刊本屋さんというより、知的な企画をどんどん持ち込むんですね。

三浦 あとは、9000人の高校生がいること、高校が10校あることですよね。工業高校も進学校もあるということは、ここは日本の高校の縮図ですよね。東京に近い地方都市でもある。ここの高校生を活字中毒にできれば、日本全体を活字中毒にできる可能性があるということですね。(笑)

入沢 土浦の特徴は高校生が多いことなので、去年から10校の高校生を集めて「学祭(がくさい)」という催しを駅前でやっているんです。今年は8月3日に開き、各学校自慢の部活披露や、学校案内の展示や相談、美術作品展示などを行います。ビブリオバトルも盛んで、去年も学校対抗で盛り上がりました。

周辺自治体の親子さんも来て、土浦はいいところねとか、土浦の学校に行かせようとか、そういう効果が生まれる。OBやOGもやって来て、後輩を応援しようとか。初回の去年は2000人ぐらい集まりましたが、今年は2万人を目指しています。

三浦 学祭なら僕らもいろいろ応援できますよ。学祭のパンフや雑誌をつくるために、写真や文章から、デザイン・レイアウトまで。高校生用の講座もできます。僕ら、全国を回る「コンテンツサーカス団」だと思っていて、コンテンツをショーにしているんです。(つづく)

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)

消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)

人の意見を聞く勇気《続・気軽にSOS》169

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