木曜日, 9月 18, 2025
ホームつくば休む? 休まない? 休めない? つくば、土浦の10連休対策総ざらい 

休む? 休まない? 休めない? つくば、土浦の10連休対策総ざらい 

平成から令和へ、今年迎える改元連休は27日から5月6日まで10日間に及ぶ。即位の日(5月1日)が祝日に、また、その前後の4月30日と5月2日が国民の休日に指定されたためだ。ゴールデンウイーク超えの大型連休は、生活に影響を及ぼしかねないという不安に応え、政府は暮らしへの影響に関する対応策を発表している。つくば、土浦地域の医療や金融、保育など、暮らしに関わる分野別に連休中の対応をまとめた。

筑波学園病院によれば連休中の診療は休日扱い

【病院】

10連休中は休日当番医のほか、一部病院が外来診療を実施する。

筑波学園病院(つくば市上横場)総務課広報によれば、連休中の診療は休日扱いとなり、事前に予約していない人は料金に休日加算等が追加される。休日加算はどの医療機関でも同様に算定される。なお同病院関連施設の並木診療所(小児・内科)は27日(土)、30日(火)、5月2日(木)の診療日を設ける。

外来診療を実施する病院、診療所は以下の通り。診療時間などは電話連絡の上、確認が必要だ。(当)は休日当番医。

◆つくば市
4/27(土)=宮本病院、筑波学園病院、とよさと病院、筑波記念病院、筑波中央病院、筑波胃腸病院、筑波病院、いちはら病院、つくば双愛病院
4/28(日)=筑波胃腸病院、東郷病院(当)、南大通りクリニック(当)
4/29(月)サンシャインクリニック(当)、筑波病院(当)
4/30(火)=筑波学園病院、とよさと病院、筑波記念病院、筑波メディカルセンター病院、筑波胃腸病院(当)、筑波病院、いちはら病院、さくら内科・呼吸器内科クリニック(当)
5/1(水)=とよさと病院、筑波記念病院、おがわ内科(当)、いちはら病院(当)
5/2(木)=筑波学園病院(当)、筑波記念病院、筑波メディカルセンター病院、筑波胃腸病院、筑波病院、いちはら病院、木村クリニック(当)
5/3(金)=筑波病院、太田医院(当)、樫村内科消化器科クリニック(当)
5/4(土)大野医院(当)、寺崎クリニック(当)
5/5(日)つくば双愛病院(当)、飯岡医院(当)
5/6(月)=筑波メディカルセンター病院、宮川内科・胃腸科医院(当)、あつしクリニック(当)

◆土浦市・阿見町
4/27(土)=県南病院、都和病院、土浦厚生病院、神立病院、筑波東病院
4/28(日)=小林医院(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、淀縄医院(当)、小杉歯科医院(当)
4/29(月)=東京医科大学茨城医療センター、松本内科医院(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、野上病院(当)、高野歯科医院(当)
4/30(火)=東京医科大学茨城医療センター、県南病院、都和病院、土浦厚生病院、筑波東病院、土浦協同病院
5/1(水)=県南病院、都和病院、神立病院、土浦協同病院
5/2(木)=県南病院、都和病院、土浦厚生病院、神立病院、筑波東病院、土浦協同病院
5/3(金)=山中内科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、県南病院(当)、深谷歯科医院(当)
5/4(土)=石井内科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、中央大祢整形形成外科(当)、ホワイト歯科医院(当)
5/5(日)=萩原クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、神立病院(当)、土浦やまぐち歯科クリニック(当)
5/6(月)=東京医科大学茨城医療センター、鈴木胃腸科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、伊野整形外科医院(当)、関口小児歯科医院(当)

→10連休中のつくば市の休日当番医はこちら
→土浦市の休日当番医はこちら
→県の医療機関の外来診療の実施状況はこちら

処方せんと薬局

連休中、薬局が閉まっている場合などに対処し、継続的に使用している薬に限り、4日以内と決められた処方せんの使用期間の延長ができる。希望者は主治医に相談を。薬局はつくば、土浦とも飛び石連休が多いが、ショッピングモール内の薬局などは連日営業している。

【介護施設・事業所】

特別養護老人ホームなどの入所施設の場合は365日稼働しているため、連休の影響を受けない。通所や訪問介護など居宅サービスを行っている事業所は利用者との契約に基づいて営業しており、契約の有無に応じて休みにする事業所がある。

【保育所】

認可保育園は公立、私立とも基本的に休みとなり、連休中は一時預かり保育を実施している施設が対応する。

このうちつくば市シルバー人材センターが運営する一時保育施設「子育て支援ルームきずな」(同市台町、小倉武子施設長)は木曜日を除いて、1歳から未就学児まで毎日10人まで受け入れる。10連休はすでに毎日4人程度の予約が入っているがまだ受け入れ可能だ。

◆つくば市
3カ所で1歳~就学前を対象に一時預かり保育を実施する。
▽市立作岡保育所=4月30日(火)と5月2日(木)。利用料は1時間200円、定員6人。
▽つくばスワン保育園=全日。1日3000円。定員5人。
▽子育て支援ルームきずな=5月2日(木)を以外。1時間500円(市外は600円)。

◆土浦市
▽市立桜川保育所=4月30日(火)~5月2日(木)の3日間。定員20人程度、4時間まで800円。4時間超1600円

手数料が発生しない連休前の営業時間には混雑が必至の銀行ATM

【銀行】

▽常陽銀行、筑波銀行などの銀行窓口は10連休中は休業、銀行ATM(現金自動預け払い機)やコンビニATMは連休中も利用できる。給料日と重なる4月25日(木)と26日(金)、連休明けの5月7日(火)は窓口が大変混雑すると見込みまれることから、日数や時間に余裕をもって手続きするよう呼び掛けている。

連休中に需要の増加が見込まれるATMについて常陽銀行広報室は、委託管理会社がお札の過不足が生じないよう管理にあたっているため、連休前は通常の土日より多くお札がセットされるという。連休中のATM利用は所定の手数料がかかり、両替機は使えない。詳しくは「常陽銀行ATMご利用ガイド」で確認を。

【郵便局】

郵便局窓口は10連休中は休業。休日なども営業している一部郵便局は営業する。配達は普通郵便物は4月27日(土)と5月2日(木)のみ配達、速達や書留などは毎日配達する。ATMは連休中も利用できる。

【消費生活センター】

つくば市、土浦市いずれも消費生活センターは4月27日から5月6日まで休み。急な場合は▽国民生活センター=午前10時から午後4時まで、局番なしの188(イヤヤ)▽県警察本部・警察相談=ダイヤル#9110

【ごみ収集】

つくば、土浦の一般ごみ収集は収集カレンダー通りに行われる。

【構成・橋立多美】

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

つくばで突風 高層の解体現場で足場倒壊 吾妻の旧国家公務員宿舎

つくば市内で18日午後、突風が発生し、つくば駅近くの同市吾妻2丁目、国家公務員宿舎解体現場で足場が倒壊したり、花室地区で2階建て現場事務所が倒壊した。栗原地区では落雷が原因とみられる火災が発生するなど多数の被害が出た。つくば市によるといずれもけが人などは確認されていない。 このうち吾妻2丁目の国家公務員宿舎解体現場では、13~14階建ての高層住宅の解体工事中、ベランダのある壁面の壁一面に取り付けてあった足場と防音防塵パネルほとんどが崩落し、敷地内の地面に積み重なった。解体現場脇の中央通りの歩道や一部車道にも散乱した。 近くのマンションに住む会社経営の40代男性は「午後2時55分ごろに出掛ける用事があったが、北側から急に風が吹いてきて強風と豪雨で出掛けるのを少し延ばしていた。雨が弱まった午後3時25分ごろ出掛けようとしたら、公務員宿舎の解体現場の足場が倒壊しているのが見えた。風の音がすごくて、倒壊した音は聞こえなかった。ちょうど解体現場の脇を通って北に向かう予定だったのでそのまま出たら巻き込まれるところだった」と話し、「足場が歩道や車道まで散乱していたので、けが人が出なかったというのは本当に奇跡だと思う」と話した。 吾妻2丁目の国家公務員宿舎では今年5月末から来年4月末までの期間で解体工事が実施され、低層住宅の解体が終わり、現在は高層住宅の解体が行われていた。18日午後5時前、白い塀で囲まれた解体現場には崩落した足場やパネルなどが高く積み重なっていて、樹木を押し倒していた。敷地内では作業員が重機を使って片づけたり、中央通りの歩道では、散乱した樹木を回収し掃除する作業員らの姿が見られた。 当時つくば市では竜巻注意報が出ていた。 18日午後8時時点で同市がまとめた市内各地の突風被害は以下の通り(18日午後10時6分差し替え)。【家屋・建物の被害】▽2階建て事務所兼倉庫の1階部分の倒壊:1件(花室地区)▽民間スポーツ施設のシャッター破損:1件(花室)▽家屋の屋根瓦の破損・はがれ:12件(上ノ室)▽消防団詰め所の外壁の破損:1件(上ノ室)▽飛来物による車庫の一部破損:1件(上ノ室)▽カーポートの被害:2棟(上ノ室)▽プレハブ倉庫転覆:1棟(上ノ室)▽園芸施設のハウス・作業所への被害(上広岡)▽栗原小学校:連絡通路の引き戸が倒れ、窓ガラス破損【倒木・落枝等】▽倒木20件(立原、要、春日、筑穂、東光台、上ノ室、大角豆、稲荷前、花園、中根、花室近隣公園、タテタシ公園、並木公園、天久保公園、葛城公共緑地、つくばウェルネスパーク内)▽落枝・枝折れ13件(面野井、花畑、松代、学園の森、下河原崎、並木、東岡、大角豆、洞峰公園通り、つくばメモリアルホール内)▽落枝による事務所ガラス破損(流星台スケートボードパーク)【火災】▽落雷が原因と思われる火災:1件(栗原)【その他】▽共同住宅の足場倒壊:1件(並木2丁目)▽公務員宿舎跡地の足場倒壊:1件(吾妻2丁目)▽飛来物による通行障害等:2件(大角豆、上ノ室)▽電線の断線(上ノ室)▽NTT通信線の断線(上ノ室)※家屋・建物の被害、倒木・落枝等については、重複が含まれる可能性がある。

何気ない風景から世界かたどる 高木紀英さん個展「短編写真」

土浦ギャラリーで20日から  土浦写真塾講師を務める同市在住の写真家、高木紀英さん(73)の個展「短編写真」が、20日から土浦駅前の土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。 市内で撮影した何気ない風景や身近な場所などから世界をかたどったモノクロとカラーの写真計60点が、「童の國」「神々の宿る場所」など12のカテゴリーに分けて各5点ずつ展示される。素材の断片を組み合わせたコラージュ作品もあり、見る人によって独自の解釈が生まれるイメージとして撮った写真という。 例えば「黒いコートの女」という作品には人物が写っているが、それは主役でなく風景の一部となっている。高木さんは「自由に見てもらうという姿勢が必要で説明はあまりしない。いろいろな角度で見てもらうのがよい」と語る。 展示される作品はモノクロが多い。「モノクロ写真の良さは、色がないということで見るイメージが広がる効果があり、よりリアル感がある」と高木さん。作品はすべて自作プリント。カラーで写した写真をプリント時にモノクロに変換することもあるという。カラー写真は15点だけ。「カラーで表現する方が好ましいと判断したものについてはそうしている」。 高木さんは土浦生まれ。1992年から本格的に写真を始めた。94年には茨城県展奨励賞を受賞するなど活躍。2019年に初の個展「神々の会話」、21年には個展「路上感撮」など開催してきた。現在、土浦市展委員、土浦美術協会委員などを務める。 写真文化衰退の助けに 今回の個展開催にあたっては、写真文化の衰退にいくらかでも助けにならないかという思いがあった。写真教室やサークルはどんどん高齢化が進み、若い人が入ってこない。若い人はスマホで写真を撮りSNSで楽しんでいる。このままでは写真文化がなくなってしまうという危惧をもったという。「接点はどこにあるか探す必要がある」と言い、写真展などにデジタル部門を作り、パソコンと大型スクリーンをつなげ鑑賞するなども方法の一つと考えているという。 底辺を広げるという意味で、今年6月に土浦市民ギャラリーで開催した「形のない集団の写真展」は、大きさやテーマにこだわりを持たず、誰でも参加できる写真展として企画した。敷居の低い作品展をどんどん企画していきたいと語り、「写真展は気軽な感じで来ていただき、心が閏っていただければありがたい」と来場を呼び掛ける。(榎田智司) ◆高木紀英さん個展「短編写真」は9月20日(土)~28日(日)、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。開館時間は午前10時~午後6時。ただし初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。月曜など休館。入場無料。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。 ◆高木紀秀さんが講師を務める「土浦写真塾」では会員を募集している。活動は、月例会を毎月第3土曜日午後1~5時、二中地区公民館で開催。会費は1000円。連絡先は吉田宣好さん(電話090-9014-5567、Eメールn_yoshida2024@yahoo.co.jp)へ。

海外出張 市長はファーストクラス可 つくば市議会委員会が否決

旅費条例改正案「市民の理解得られない」 国内や海外出張をする際につくば市長や市職員らに支給される旅費について定めた市職員旅費条例改正案が開会中の同市議会9月会議に提案されている。17日開かれた市議会総務文教委員会(木村清隆委員長)で同条例改正案について審議が行われ、市長が海外出張の際に利用する航空機の運賃について、現在の旅費条例がビジネスクラスまでとなっているにもかかわらず、改正案はファーストクラスまで利用できるようになることに対し委員から「市民の理解が得られない」などの意見が相次ぎ、同改正案は賛成少数で否決された。議会最終日の10月3日、本会議で改めて審議される。 同改正案は、国家公務員旅費法が改正されたのに伴って、同法にもとづき市の旅費条例を全面的に改正する内容。円安の進行などにより宿泊費などの上限も大幅に引き上げられる。 海外出張の際の航空機の運賃について現在の市職員旅費条例は「最上位の直近下位の級の運賃」(27条)と市独自に定め、市長はビジネスクラスまでしか利用できない。一方、来年4月施行予定の条例改正案は、海外出張の場合、市長には「最上級の運賃の額」を支給できるようになり、ファーストクラスを利用できるようになる。 17日の委員会での市人事課の説明によると「国家公務員の旅費法をよりどころに旅費を3段階で設定した。特別職は出張に伴う負担が大きいため長時間の移動時間を活用して体調を維持する必要があるためより高い上限を設定した。茨城県知事や他市・区を参考にした」などとし、「必ずしもファーストクラスに乗らなくてはいけないものではなくて出張に応じて適宜判断する」とした。 これに対し委員から「ビジネスクラスでも十分体調を養うことができる。ビジネスクラスとファーストクラスは値段が違い過ぎる。現在の条例の規定をどうして緩めるのか。五十嵐市長は(ファーストクラスに)乗らないと思うが、だれが市長になっても市民感覚に合わせたものにすべき」(小森谷さやか市議=市民ネット)▽「(3段階の運賃設定のうち)ファーストクラスに乗れるというのは内閣総理大臣と一緒になる。実際に乗らないとしても乗れるように(条文改正)することが理解できない。今、政治に厳しい目が向けられている」(樋口裕大市議=Nextつくば)▽「ビジネスクラスでヨーロッパに行くのに現在100万円くらいかかるがファーストクラスは2倍の200万円かかる。他市町村長は年に1回か2回しか海外に行かないのに、つくば市長は年に何回か行っている。市民の税金で行くのに市民にどう説明できるのか。つくば市には東京都が定めているような海外出張の運用指針もない」(山中真弓市議=共産)▽「ファーストクラスにする必要はない。市民感覚からすればビジネスクラスで十分」(飯岡宏之市議=Nextつくば)など厳しい意見が相次いだ。 採決で賛成したのは塩田尚市議(つくばクラブ)と渡辺峰子市議(公明)2人だけで、同条例改正案は否決となった。議会最終日の10月3日は修正案が出される見通しという。 つくば市長の海外出張をめぐっては、今年2月と6月の市議会定例会議一般質問で山中真弓市議(共産)が取り上げ、五十嵐立青市長は直近3年間で計5回の海外出張を行い2365万円の市税を使ったこと、海外での宿泊費が市職員旅費規則に定められた金額を超過し、市の規定が骨抜きになっていることから、旅費規程の見直しが必要だ、などと指摘した経緯がある。(鈴木宏子)

民有林に防除対策費を補助 ナラ枯れ被害拡大防止へ つくば市

ナラ枯れなどによる森林被害の拡大を防ごうと、つくば市は今年度新たに、市内に森林を所有する民間地権者を対象に、防除対策費用の2分の1を補助する制度を創設した。 筑波山周辺の森林や公園など市有地のナラ枯れ被害に対してこれまで同市は、防除対策に取り組んできた。一方、筑波山周辺など市内の民有地の森林でも被害が出ており民有地で対策を施さないと被害拡大を防ぐことができないことから新たに補助を実施する。 同市鳥獣対策・森林保全室によると、現時点での申請者はゼロで、市が相談を受けている地権者が一人。市はホームページや市報などで広報してきたが、補助制度や防除方法を知らない地権者もいると見られる。 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という体長5ミリほどの昆虫の被害を受けたコナラやクヌギなどが、昆虫の体に付着した病原菌、ナラ菌の繁殖により水分が枝葉に行き渡らなくなり、紅葉前の7~8月頃に急速に葉の色が赤褐色に変色し枯死する被害。幹が太く樹齢を重ねた樹木が被害を受けやすいとされ、枯死した樹木は早期に対策をとらないと、翌年以降、被害が拡大するとされる。2020年9月に県内で初めて、つくば市内で被害が確認され、以後、拡大し、県林業課によると現在、県内44市町村中36市町村で被害が確認されている。 筑波山系では2022年に朝日トンネル付近で確認されたのが最初。翌23年には筑波山や周辺の森林でナラ枯れが目立つようになる中、つくば市では23年、南麓の同市臼井、市有地の筑波ふれあいの里で、ナラ枯れが確認された32本を伐採し、薬剤によるくん蒸処理を実施した。翌24年には観光拠点の筑波山梅林奥の市有地の林道、四季の道周辺に被害が広がり、市は13本を伐採しいずれもくん蒸処理した。 一方、今年は筑波山の林道沿いの市有地に関しては新たな被害は確認されていないという。昨年、四季の道沿いで、被害を受けやすいとされる幹が太く樹齢を重ねた樹木をあらかじめ伐採などしたことなどが被害の拡大を防いだとみられている。 つくば市で補助対象となるのは①幹にあらかじめ殺菌剤を注入し行き渡らせておく殺菌剤を樹幹に注入する方法(補助額は1回当たり上限5万円。カシナガに入り込まれ木くずが出た時点で注入しても効果は期待できない)②成虫が飛来する5月ごろから約半年間、樹木の幹に粘着剤やビニールシートを巻き付けカシナガが入り込むのを防ぐ方法(同5万円、粘着剤にとらえられたカシナガを生きたまま放置すると仲間を呼び寄せることがあるので、粘着剤と殺虫剤を併用する方法もある)③被害を受けた樹木を伐採し薬剤で燻蒸処理または焼却処理する方法(同15万円)。今年度予算は165万円で、市は1件につき平均20万円程度、8~10件の申請を想定している。 市鳥獣対策・森林保全室の石塚正巳室長は「市として、ふれあいの里や四季の道など市の施設で、伐倒しくん蒸処理するなどの対策をしてきたが(被害が)全て無くなったわけではない。個人の土地については広報するのみで、(市が)直接的な対策をしていないので根絶はなかなか難しい」という。 一方土浦市は2024年、ナラ枯れ被害に遭った朝日トンネル付近のコナラ16本を伐採した。費用は、運搬、処分、交通封鎖の人件費を含み計583万だった。同市はナラ枯れに対応できる補助金として小規模森林整備補助金があり事業費の70%を補助できるとしている。 ナラ枯れの被害については、全国で毎年調査が実施されている。県林政課によると23年度に被害が確認された市町村は33市町村、24年度は34市町村、25年度は36市町村と市町村数は徐々に増えている。県全体の被害面積はつくば市内で初めて確認された2020年が200平方メートル、21年も200平方メートルだったが、22年に3000平方メートルと15倍に広がり、23年はさらに前年の2.3倍の6700平方メートルに拡大した。24年度の被害面積は6100平方メートルと前年度の91%だが、同課は、森林の奥の広葉樹まで調査が及んでいないなどから、被害は前年と同程度とみている。(榎田智司)