病気や事故、自殺などで保護者を亡くした遺児の進学支援を訴える「第95回あしなが学生募金」が21日、つくば市吾妻のつくば駅前など県内2カ所で始まった。朝から雨が降り、学生スタッフたちは雨がっぱを着て、道行く市民に募金を訴えた。
県内の学生スタッフが不足しているため、つくば駅前では、あしなが奨学生で新潟青陵大学3年の大平京夏さん(21)が新潟県からつくば入りして支援を訴えた。この日県内から参加した学生4人はいずれも水戸駅前で募金活動をしているという。
大平さんは父親を亡くし、高校生のときから奨学金を借りている。大学進学後の現在はあしなが育英会から月4万円、日本学生支援機構から月8万円借りているが、大半を大学の学費に充てており、日々の生活費はアルバイト代月4~5万円とパートで働く母親の若干の仕送りが頼り。「学費と教科書代の出費が痛い」と窮状を口にする。
「まだ支援が行き届いていない子どもたちが国内にまだいることを訴えたい」と話し「衆院選で大学授業料無償化などの議論があるので(教育問題に)世間の注目が集まるかも」と期待を寄せる。
午後からは、つくば市に住む私立高校2年の梅原萌乃さん(17)が募金活動に加わった。梅原さんは「奨学金をもらえなかったら今の高校を辞めて他の学校に行かないといけなかったのでありがたい」と感謝し「将来は管理栄養士になりたいので、大学か専門学校に進みたい」と夢を語った。
募金活動は22、28日にJR取手駅前で行われ、遺児らが街頭に立つ。(崎山勝功)