土浦市大岩田2区のコミュニティーセンターに2日、「みんなの食堂」がお目見えした。地元にキッチンカー「八右衛門」の厨房を持つ久保田紀子さん(47)が子ども食堂をモデルに始めた。用意した50食は30分程度で完売、月1回ペースでの今後の継続に手応えを得た。
1回目のメニューは、地元産のレンコンをふんだんに使った大岩田ツェッペリンカレー。久保田さんが自宅で調理したものをコミュニティーセンターで加熱して容器に盛り、子供たちが配膳した。
子ども100円、高校生以上300円で提供した。地域の子供たちは開店前に6人が集まったが、全員がエプロンを着けボランティアスタッフとして提供側に回り、自ら食べる間もなく売り切った。

久保田さんは神奈川県横浜市出身、食育インストラクター1級を取得している。2021年に地元食材を使った手作り弁当のキッチンカーを始め、嫁ぎ先の屋号「八右衛門」を掲げた。最初の出店場所がコミュニティーセンターで、その後土浦市の霞ケ浦総合公園やつくば市の研究学園などに展開している。
「折からコロナ禍真っ最中でなかなか大変だったが、3年間続けて何とかやっていけそうと感じている。これまでいろいろ支えてくれた地元の人たちに少しでもお返しできたら」とコミュニティーセンターを拠点にしたみんなの食堂を企画した。キッチンカーに食材を提供してもらっている同市内外の農家などの協賛を受けている。
子ども食堂をモデルにしたというが、開店してみると来店客の大半は地域のお年寄り。ボランティアの子供たちから手渡されるカレーライスをうれしそうに持ち帰った。

土浦の旧村部にある大岩田は少子高齢化が進行、コロナ禍が加わることで町内会の行事は休止を余儀なくされた。区長の長谷部勝弘さんによれば「夏祭りは昨年3年ぶりの開催にこぎつけたが、この間子供たちには何のイベントもなくかわいそうだった。だからボランティアとして参加したい気持ちはよくわかる。高齢者にもコミュニケーションのいい機会になったのではないか」と語る。
大岩田小2年、坂本りおんさんは「楽しかった。次もまた手伝いたい」という。次回は7月21日の開催を予定している。(相澤冬樹)