月曜日, 6月 9, 2025
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【クレオ再生問題】キュートとモグ 筑波都市整備が日本エスコンに譲渡 つくば駅前

【鈴木宏子】つくば駅前の商業施設キュート(Q’t)とモグ(MOG)が20日、不動産会社の日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)に売却された。両施設を所有していた筑波都市整備(つくば市竹園、石原孝社長)と、新たに取得した日本エスコンが同日、それぞれのホームページで発表した。

日本エスコンは全国でマンションや商業施設、ホテルなどの開発を手掛けるデベロッパー。キュートもモグも引き続き商業施設として運営し、名称も当面変更はないという。

西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退した後、空き店舗となり閉鎖されているクレオについても、キュートやモグと一体で日本エスコンに売却する方向で調整を進めているとみられる。クレオについてつくば市は12月議会一般質問に答弁し、旧西武棟は既存建物を利用して商業施設とし、イオン棟は解体してマンションにすると聞いているなどと説明している。

筑波都市整備は、日本エスコンに譲渡した理由について「同社は、つくば市が掲げるまちづくり方針に共鳴し、施設運営のみならず、エリアマネジメントの発想に基づく面的な活性化に高い意欲をもっており、中心市街地の活性化に寄与できる」としている。

一方、両施設を取得した日本エスコンは「これまでの多面的な不動産開発のノウハウを生かし、つくば駅前開発を推進していく」とし「つくば駅前という交通拠点の強みと、ペデストリアンデッキでつながる駅周辺街区の回遊性の良さを生かし、地域に根差した開発を行うと同時に、エリアマネジメントを充実させることで駅前地区の活性化とさらなる発展に貢献していく」などとしている。

キュートは2005年3月に開業、敷地面積約9900平方㍍、地下1階地上4階建て。モグは1993年10月開業、敷地面積約1100平方㍍、地下1階地上4階建て。両施設には物販店、飲食店など約110店が入居している。

筑波都市整備は「売却後も、つくばセンタービルの運営など中心市街地の活性化に向け努力して参りたい」としている。

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今こそ日本の食と農を守ろうー東京で緊急総会《邑から日本を見る》183

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裏方で国際貢献 土浦市消防本部が資機材洗浄など支援

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つくば市内県立高の説明会で生まれた希望《竹林亭日乗》29

【コラム・片岡英明】5月18日、つくば市役所コミュニテイー棟で行われた「第6回高校進学を考える市民の集い」(つくば市の小中学生の高校進学を考える会主催、つくば市・市教育委員会後援)には会場いっぱいの120人が参加した。第1部のつくば市内4つの県立高校の校長先生による自校の魅力紹介が圧巻だった。その説明を聞きながら、生徒や保護者に高校説明会の開催に強い希望があると感じた。 この集いでは、初めに篠塚英司つくば市副市長があいさつし、五十嵐立青市長のビデオメッセージがあった。続いて、4人の校長先生がそれぞれの学校の魅力を力強く語った。 今年着任した竹園高校の桜井良種校長は進路状況を説明した後、自分が撮った生徒の主体的な学びの様子を映しながら、学園風景を新鮮に語った。 筑波高校の鈴木恒一校長は映像を用いて、3学級の高校での細やかな指導と地元とつながる「つくばね学」を通した生徒の伸びる可能性を丁寧に語った。 つくばサイエンス高校の石塚照美校長は、科学技術科と普通科の2学科制の可能性、設備が充実した教育環境、生徒の活躍の姿を豊かに語った。 茎崎高校は担当教諭が3部制フレックス高校の7つの特徴を説明の後、𠮷田真弘校長が手厚い教育的取り組みと地域に開かれた高校の魅力を熱く語った。 校長先生の説明はライブ感いっぱいで、多くの参加者の学校理解が進み、感動していた。そして学校説明会で地元高校を知ることは、高校が地域に根づく懸け橋にもなった。 以前は、中学校ごとに生徒と保護者向けに、卒業生の進学者が多い県立・私立高校を呼んで高校説明会が行われていた。受験する可能性のある高校の話を幅広く聞き、比較対照しながら、生徒は自分の受験校を絞った。 最近、その高校説明会はなくなり、各自が夏休みに高校の説明会に参加する形になった。そのため、受験校の全体をとらえずに個別学校の説明会に参加している。夏休み前に受験校がある程度絞られていない生徒にとっては、不安が高まる高校研究の流れである。 高校が一堂に会する「場」に期待 確かに、つくば国際会議場などでも、いくつかの団体などが企画する高校説明会はある。しかし、これらは個別対応で、人気校には長い行列ができ説明が聞けない状況だ。生徒が各校の個別研究に入る一歩前の全体の学校説明の段階が必要である。 今回の説明会は、生徒と保護者が必要な基本的情報を直接入手し、受験生の学習スタートにもなると分かった。 中学3年の6月には部活動がほぼ終わり、保護者や教員は生徒が受験モードに入ることを期待するが、実際は切り替えできない生徒が多い。そのような生徒のためにも、高校説明会という「場」が必要である。 受験生を励まし、学びのスタートを切るためにも、今回の集いで行った県立高校の試験問題の解説や学習法と組み合わせた高校説明会を、ぜひ中学や地域などで夏休み前に開いてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

ごみ出し支援スタート つくば市 高齢者や障害者対象に

高齢化が進み高齢者のみの世帯が増える中、自宅からごみ集積所にごみを運ぶことが困難なお年寄りや障害者を支援しようと、つくば市は5日からごみ出し支援事業をスタートさせる。週1回決められた曜日に市指定のごみ収集業者が、自宅の玄関先などにごみを回収しに来る。 要介護の認定を受けているお年寄りや身体障害者、精神障害者のうち、家族や親族、ヘルパーなどの協力を得ることができない世帯が対象で、無料で利用できる。 週1回の収集日に燃やせるごみ、燃やせないごみ、プラスチック製容器包装、ペットボトル、缶、びん、古紙、古布などを一括して回収する。それぞれ分別し、燃やせるごみなどは指定のごみ袋に入れて出すことが必要になる。 3~4年前から、ケアマネジャー、民生委員、医療関係者などが集まる市の地域ケア会議で「ごみ出し支援ができないか」などの意見が出て、検討してきた。 市地域包括支援課によると、ごみ出しが困難な世帯はこれまで、近所の人がごみ出しを手伝ったり、ホームヘルパーがごみ出しの時間に合わせて訪問したり、親族がごみを持ち帰ったりするなどそれぞれ対応しているが、収集日にごみを出すことが困難な世帯もあったという。 市は今年度、100人の利用を想定してごみ出し支援に1132万2000円を計上した。スタート時の5日時点では民生委員やケアマネジャーなどから申請があった高齢者など4世帯が利用する。本人のほか、親族、ケアマネジャー、民生委員、相談支援員などから随時申請を受け付け、利用者を増やしていく。 複数回にわたりごみが出されない世帯があった場合は、市が安否確認を行う方針だ。 ごみ出し支援事業は2023年度時点で県内44市町村のうち25市町村ですでに実施しているが、対象や方法などはそれぞれ異なっている。土浦市の場合、2012年度から単身の視覚障害者を対象にごみ出し支援を行っており、週1回、市職員が無料で回収している。現在5人が利用しているという。(鈴木宏子)