金曜日, 1月 2, 2026
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「卓越大学院」に採択 筑波大 改革を先導、高度な専門人材育成

【田中めぐみ】文科省の公募型新事業「卓越大学院プログラム」に筑波大学(つくば市天王台)の「ヒューマニクス学位プログラム」が採択された。卓越大学院は産官学それぞれの部門をけん引する卓越した博士人材を育成するために文科省が7年間補助を行う。大学院の教育改革を先導する事業だ。

今年4月から公募が行われ、申請した大学は38校54件、うち13大学15件が採択され、競争率は3.6倍だった。

採択を受け筑波大は、来年4月からヒューマニクス学位プログラムを開講する。生命医科学と理・工・情報学の両分野で高度な専門性を備えた博士人材の育成を目指す。同プログラムは、ヒトの生理・病理の解明と快適生活を実現するためのバイオテクノロジーや医療福祉技術分野などの教育、研究課程だという。

1人の学生に2人の指導教員

柳沢正史機構長

同プログラムのコーディネーターは、睡眠に関わる神経伝達物質オレキシンの発見者で、同大国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長の柳沢正史教授が務める。柳沢機構長に話を聞いた。

—4倍近い競争率を勝ち抜いて採択されたのは、どのような点が評価されたからと感じていますか。

柳沢 筑波大学は睡眠研究を含むライフサイエンスも、コンピューター分野の計算科学研究センターも有名なので強みを生かした。また、IIISのみならず、筑波研究学園都市の他の研究所、企業も教育・研究に参画しやすいという地の利を生かし、プログラムを作り込んだ。医学を中心とするライフサイエンスと理・工・情報の融合は、日本が遅れている分野でもあり、日本がめざす「Society5.0(ソサエティーゴテンゼロ)」=メモ=実現のため今後重要視される。AI(人工知能)普及の戦略とも重なり評価されたのではないか。

—ヒューマニクス学位プログラムの特徴は何ですか。

柳沢 一番の特色は、1人の学生にライフサイエンスと理・工・情報の2人の指導者を立てる完全ダブルメンター(指導者)制をとっていくということ。一つの博士論文を2人の指導教員の下で書く教育体制で、両分野にわたり共同研究をしなければならないという縛りの中、研究を進めていく。

医学・薬学、生物系の学生が入ってきた場合は理・工・情報系の基礎を学んでもらい、逆に理・工・情報系の専門の学生には医学や生物系のことをきちんと学んでもらう。両分野で指導教員を1人ずつ立て、学生が来たことによって共同研究を始めてもいいし、既存の共同研究に学生が加わるのでも構わない。今までばらばらだった異なった分野の人たちを結びつける体制を作ったことが評価されたのではないか。

—文科省の公募要領で補助金の漸減策(4年目から半額、7年目に3分の1になる)が示されました。戸惑いはありましたか。

柳沢 戸惑いどころかほとんど怒りを感じている。補助金の一部は、優秀な学生への教育研究支援経費やTA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)による学生への給料など、安心して研究に専念できる環境を作ることに使う予定だ。しかし、学生は年度ごとに増えていくわけで、学生支援に要する経費は減るのではなく増えていくはず。また、初年度の補助金が一番多いが、初年度はまだ学生が入学しておらず、学生にとって最も重要な教育研究支援経費への使用もできない。

さらに、補助金はたった7年で終わる。博士課程は5年一貫なのに、5年間フルに支援できるのは2期生までということになってしまう。世界に向けて卓越した人材を育成する事業であるのにこうした財政状況は残念に思う。

共同研究にハードル感じない人材

—学位プログラムでは、学際教育の先進的モデルとして「プレアドミッションプログラム」(大学と大学院の枠を取り払った一貫教育システム)を構築するとあります。具体的にどのようなプログラムなのでしょうか。

柳沢 例えば医学の人であれば、希望すれば学部生からでも理・工・情報学の要素を学ぶことのできるシステムのこと。同時に、学際的な研究に関心を持つ優秀な学生・社会人を見出し、能力をさらに伸ばして本学位プログラムへの進学を促す役割もある。このシステムを利用するなどして複数分野の知識を身につけ、博士論文研究の基礎力があるかどうかを測る試験(Q.E.)の認定を受けて博士論文を書けば、早期修了も可能だ。専門外の分野も学ぶわけなので大変だが、専門家と同じレベルを要求しているわけでは無く、専門家と対等に話せる言語を獲得することを目的としている。例えば、工学系出身者でも医者と医療について語ることができる能力を身に付けてもらい、共同研究にハードルを感じない人材を育成したいということだ。

eラーニング(主にインターネットを利用した学習)システムの構築も行う予定で、そのための経費も計上している。eラーニングの導入により、講義がよく分からなければ繰り返して視聴できるし、時間が無い時も分割して視聴し勉強することができる。また、プレアドミッションプログラム(入学前学修)での活用も考えており、筑波大生だけでなく外部の学部学生や社会人も興味があればアクセスできる。つまり、興味がある人材を逃さず養成できるということだ。

サイバーダイン支援で自走化

―サイバーダインヒューマニクス学位プログラム(仮称)を設置し、国の支援終了後は完全自走化を図るとありますが、ロボットスーツで知られるサイバーダイン社(つくば市学園南、社長・山海嘉之筑波大教授)に資金を提供してもらうということですか。

柳沢 山海社長に協力してもらい、将来的には学位プログラムを移行し自走化する予定だ。今回の「卓越大学院プログラム」採択も、企業との連携をうたい、実現性が高いことが評価されたと思う。

―博士号取得者の就職率が学部・修士卒よりも低いという現状があります。博士離れが進む中での人材育成についてどのように考えていますか。

柳沢 他の分野は分からないが、ライフサイエンス分野にとってそれは真実ではない。「ヒューマニクス学位プログラム」の特徴は、例えば工学や理学の分野で博士号を取ったとしてもバイオの分野に行くことができる。またバイオ系の企業もそういう人材を欲しがっている。工学系の企業でも生命医科学の知識があるということは強みになると感じている。

―来年4月からどのような学生を受け入れたいですか。

柳沢 医・歯・薬の6年制の学部出身者や臨床医を含め社会人も大歓迎で、工学系出身で何年か実務経験がありもう一度勉強したいという人、企業から派遣されてくる形でも構わない。医学・生物系出身であれば工学、情報学的なセンス、AIなどについても学び、博士論文を書いてほしい。逆もまた然り。そういう研究をしたいという人に来てほしいと思っている。

※メモ
【Society 5.0】仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会のこと。2016~20年度の第5期科学技術基本計画で日本が目指すべき社会のあり方として提唱されている。

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あけましておめでとうございます【吾妻カガミ】214

【コラム・坂本栄】高市さんのピント外れには唖然(あぜん)としています。デフレは終わりインフレが心配なのに安倍さんの経済政策をまねしているからです。トランプさんは唖然どころか呆然(ぼうぜん)です。関税政策と移民政策で国を壊しながら外交では敵と味方の区別もできないようです。以上、今年80になる高齢者の繰り言でした。 私は年相応の病を抱えながら仕事をしています。昨夏には隔月刊フリーペーパー「ふるさと通信」の会長職を引き受け、定款に広告代理店業を加えました。NPOネット媒体の活動費を補うだけでなく、地域のFM放送、ネットTV、ケーブルTVなどの広告取りを手伝うためです。 日米の首相と大統領に唖然 上の2パラは年賀状の文面ですが、少し補足します。デフレ脱却を目指したアベノミクスは金融緩和+財政出動+規制緩和で需要をつくり出すことでした。ところが世界のあちこちで戦争が起き、このところモノやサービスの価格アップが目立ちます。安倍さんの時代とは様変わりなのに、高市さんは師匠の財政大出動をなぞっています。経済の現実よりもアベノミクスに目が行くようです。 方向性が違うメニューもあります。国の内外で広がる排外的な動きに便乗したのか、高市さんは外国人の受け入れでは規制を強化しています。先進国の社会・経済は外国人の世話にならないと成り立たないのに、入国や滞在を規制するのは愚策です。 トランプさんの思考がよく見えてきました。2期入り早々、軍事・資源上の必要からデンマーク領のグリーンランドがほしい、経済圏として見るとカナダは米国の一部だ―などと言っていましたが、最近では嫌いなベネズエラの大統領を力で排除すると公言しています。こういった身勝手には友好国も付いていけません。 トランプさんの暴言を見聞きし、プーチンさん、習さんはさぞ喜んでいるでしょう。ロシアの一部だと言ってウクライナに攻め込んだプーチンさん、台湾をいずれ中国に組み込むと言っている習さん。トランプさんの思考は彼らと同じです。これでは相手の振る舞いに文句を付けられません。 告知記事・広告記事も掲載 年賀状の後段についても補足します。NPO法人 NEWSつくばは、新聞など信頼できる媒体と同じように、きちんとした取材による行政やイベントなどの記事のほか、地域の識者によるコラムを掲載しています。それに必要な経費は、企業などからの大口寄付やバナー広告収入、個人や法人の正会員と賛助会員から納めていただく会費で賄っています。 「ふるさと通信」との連携は、本サイト運営に必要な経費確保の多様化を図ったものです。取材編集と経費確保の両面で、私たちは柔軟なマネジメントを追求していきます。今年もよろしくお願い申し上げます。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長) <事務局から> 告知記事と広告記事の掲載についてはinfo@newstsukuba.jp宛て事務局に問い合わせてください。

不適切な事務 新たに4点 つくば市生活保護行政 県監査で指摘

生活保護行政をめぐり茨城県福祉部が今年度実施した一般監査で、つくば市に対し、新たに4点の不適切な事務を指摘し、市に改善を求めていたことが情報開示請求で分かった。 つくば市の生活保護行政をめぐっては、誤認定や過支給など不適正な事務処理が2024年度に相次いで明らかになり、市は今年6月、実態調査の結果と再発防止策を記した報告書をまとめたばかり。報告書の調査は十分だったのかが問われる。 県の監査結果は今年8月に市に通知され、市福祉部は9月に改善報告書を県に提出した。市は4点の指摘事項をいずれも認め、県に改善に向けた取り組みを報告している。 問われる再発防止策の実効性 不適切だと指摘を受けた4点のうちの一つは、2024年度に発覚した障害者加算の誤認定の後処理をめぐるもの。県の監査で「自立更生費の検討過程について記録が不十分な事例」があり不適切だなどと指摘された。 市は、誤認定により生じた過支給分の返還を生活保護受給者に求めるにあたり、一部の受給者について、過支給分から「自立更生費」を差し引いた上で返還を求めた。自立更生費とは、受給者が就労や健康回復など日常生活や社会生活上の自立を目指すために必要な費用で、家電の買い替え、資格取得の学費、就労に必要な衣服の購入費、住宅の修繕費などが認められる。 6月の報告書で市福祉部は、誤認定をめぐる再発防止策として「今後の誤認定を防止するため、法令を再確認し、チェックリスト、フローチャートの作成を行い」「法令と根拠資料を突合し、要件の確認を徹底していく」など、自ら再発防止策を掲げていたにもかかわらず、県から指摘を受けた。 県の指摘に対し市は「ケース診断会議で自立更生費の詳細な検討は行っていたものの、記録についての認識不足により検討過程の記録が不十分だった」と県に回答しており、6月の報告書で自らまとめた再発防止策の実効性が問われた形だ。 自立更生費に清涼飲料水121万円 一方、市が誤認定の後処理をするにあたり、具体的に何を自立更生費と認め、返還金から控除したかが、情報公開された資料で一部明らかになった。返還に関する資料に自立更生費として「清涼飲料水代121万750円」「電動自転車12万円」「貸し倉庫利用料10万6244円」などが記されており、生活保護に詳しい関係者によると、通常は認められることが難しい内容だという。 自立更生費として控除したのは最大で過去5年分という。詳細は明らかにされてないが、121万円の清涼飲料水の場合、仮に1本150円と計算すると8071本分、1日当たり4.4本に相当し、5年間にわたって毎日、150円の清涼飲料水を4.4本を飲み続けた額に相当する。この点について市社会福祉課は、医師に病状調査し決定したなどとし、対象者の生活状況や病状によって必要かどうか個別に検討した結果であり、適正だったとする。 不適切な診断料500件超 監査での県の指摘事項はほかに①生活保護受給申請者の親、きょうだい、配偶者などに経済的に援助する力がないかを調査する扶養能力調査が適正に実施されていない事例があった、②受給者の収入の課税調査について、遅くとも8月分の保護費に反映するとされているにもかかわらず、課税調査の完了が9月となっている事例があった、③障害年金の受給を申請する際に必要となる診断書料の支給手順について、本来、市が検診命令を出し、医療機関からの請求を受けて、市が医療機関に支払うべきところ、申請者が医療機関に診断書料を払い、市が申請者に支給していたなど、国の通知に基づかない不適切な診断書料の支給が2019年度から5年間で500件を超過していたことが新たに認められたーなど。 ③500件を超える不適切な診断書料の支給について市社会福祉課は「県には以前から運用誤りの報告をしていた」などとして、県に監査結果通知の訂正を求めていたが、県は「見解は変わらない」としている。市によると、不適切な診断書料の支給は550件225万1350円分で、国に返還する必要はないとしている。(鈴木宏子)