金曜日, 9月 19, 2025
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忘れられた化石は謎多き海の哺乳類と判明 筑波大で60年保管

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筑波大学で見つかったパレオパラドキシアの骨の化石を説明する国立科学博物館の木村由莉研究員=筑波大学本部棟

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)の古生物標本収蔵庫に60年間以上保管されていた骨の化石が、1千万年前に絶滅した謎の多い海の哺乳類「パレオパラドキシア」であることが分かった。国立科学博物館地学研究部(つくば市天久保)の木村由莉研究員と、同大生命環境系の上松佐知子准教授らが26日、記者会見し発表した。

化石は右後ろ足の大腿(だいたい)骨で、筋肉の付着面が分かるなど保存状態がとても良いことから、今後、当時の生活や他の生物との関係などを解明する手がかりになると見られている。保存状態が良好なパレオパラドキシアの化石は国内で2例目という。

1950年代前半に前身の東京教育大学の教員に預けられた標本で、木箱に入ったまま保管されていた。当時は別の哺乳類と鑑定され、そのまま忘れられていたという。

大学の標本管理方法の調査をするため昨年6月、同収蔵庫を訪れた木村研究員が、木箱に入った長さ約30センチ、重さ約1キロの未登録の骨の標本を見つけた。骨の特徴から束柱類(そくせきるい)という哺乳類の大腿骨と判断した木村研究員は、専門家による調査チームをつくって調査を開始した。

まず木箱に貼り付けてあったメモを手がかりに調査したところ、1950年代前半、福島市土湯温泉で砂防ダムの工事中に発見されたことがわかった。当時、現地では恐竜の骨とされ、ほかにも骨の化石が見つかっていたが、別の骨は1954年に同温泉で起こった大火で失われてしまったことも分かった。

さらに化石に付着していたジルコンという鉱物を分析したところ、1600万年前より新しい時代の化石であることが判明した。当時、東北地方は海の中だったという。

パレオパラドキシアは約2300万~1000万年前に北太平洋の沿岸地域に生息していた哺乳類で、名前は「謎めいた古生物」という意味。カバのような大きさで、発見された化石はやや小ぶりのものだという。

木村研究員は「パレオパラドキシアはジュゴンやマナティなどの仲間だという説とサイなどの仲間だという説があり見解が統一されていない。海の哺乳類は陸の哺乳類が海に入っていったものだが、なぜ海に入ったのか、どのように海に適応していったのかなどの解明に役立つ可能性がある」と話している。

パレオパラドキシアの復元図=新村龍也・足寄動物化石博物館提供

【高校野球茨城’18】土浦日大が大会2連覇。常総学院は無念の幕切れ

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試合終了、富田を中心にマウンドに歓喜の輪ができる
4回表1死、井上の右前打から逆転劇が始まった

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は最終日の25日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)で常総学院と土浦日大による決勝戦が行われた。結果は土浦日大が打棒の冴えを生かし常総学院を6-1と圧倒。参加102校98チームの頂点に立ち、第100回大会を記念して新調された真新しい優勝旗を手にした。同校は8月5日から阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で始まる本大会に、茨城代表として出場する。

実力伯仲と思われた両校に、意外な明暗が分かれた。土浦日大が4回表に一挙6点の猛攻を仕掛け、試合を決めた。

序盤はむしろ常総の方が優勢だった。2回裏にはこの日六番に入った二瓶那弥主将が中越えの三塁打。七番・手塚悠の内野安打で生還し1点先制。それに対し日大は2回表には1死一・三塁、3回表には1死満塁の得点機をつくるが、あと一打が出ない。

しかしここ数戦の日大は、試合の潮目を読むのが実にうまい。3回裏2死一・三塁のピンチを乗り切って流れを呼んだ。4回表1死から六番・井上莞嗣が右前打を放つと、敵失が2つ続いて満塁。ここで九番・石渡耀の中前打が出てまずは同点。「相手のスライダーに体が反応した。前の打席で詰まったのでバットを短く持ち、しっかり振って芯に当てた」と石渡。

4回表1死満塁、木原の左前打で石渡(右)ら2者生還

続く一番・鈴木健太主将の右前打で2-1と逆転。「自分のミスから先制されたので取り返したかった。目の前で石渡が同点打を放ち、楽になって打席に入った。決して納得できる当たりではないが、チームに貢献できて何より」と鈴木。次の二番・木原琉位は左前へ2点適時打。その後も四球や暴投で2点が入り、常総にとっては悪夢のような展開となった。

9回裏、ますます勢いを増す富田の力投

その後の常総は、投手を継いで日大の攻撃をかわし反撃の機会を待つが、尻上がりに調子を上げる日大の富田卓投手を崩せず。9回裏に2死から内野安打と死球で一・二塁とするが、代打・鈴木琉晟は内野ゴロに倒れゲームセット。マウンドの富田の下に歓喜の輪が広がった。

前日も奮闘した富田に先発を任せた理由を「本人の要望。一番を背負っている者の責任感が出た」と小菅勲監督。富田自身は「去年の甲子園はみんなに助けられて連れていってもらった。今年は自分がみんなを引っ張っていく。そのために体重アップや投げ方の研究にも励み、少しずつ形になってきた」と語る。

「去年は図らずも出た甲子園。だがその素晴らしい場所を体験して、もう一度行きたいと、選手たちが自主的に課題に取り組み始めた。ベンチでも何も言わなくても自分たちで考え、声をかけ合っている。それが今大会で実を結んだ」と小菅監督。きっと甲子園でも彼らは、自分たちの野球を楽しんでくるはずだ。

第100回全国高校野球選手権茨城大会 決勝(7月25日、ノーブルホームスタジアム水戸)

バッテリー
土浦日大:富田-小澤
常総学院:塙、谷田部、大木島、岡田、菊地竜-菊地壮、草部

長打
三塁打:二瓶(常総学院)
二塁打:井上(土浦日大)

挨拶を終え、応援席へ一斉に駆け出す土浦日大ナイン

 

【高校野球茨城’18】決勝は常総学院と土浦日大 強打対決が見どころ

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【常総学院-水戸商】4回裏2死一・二塁、菊地壮の中前打で吽野が本塁を陥れ、この回2点目

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は12日目の24日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)で準決勝2試合が行われた。第1試合は常総学院が水戸商を5-1で破り、第2試合は土浦日大が8-5で霞ケ浦を下した。両者による決勝戦は25日午前10時から、ノーブルホームスタジアム水戸で行われる。

常総、4回裏に一気呵成の攻め

【常総学院-水戸商】2回裏無死一塁、斉藤が先制の左前打を放つ

常総学院は水戸商のエース川澄裕音から12安打。2回裏に2安打で1点を先制し、4回表に1点を返されるが、その裏に7安打で4点を追加して試合を決めた。

ビッグイニングの口火を切ったのは2死三塁、六番・吽野圭祐の中前打。ここからの5連打で川澄を火だるまにした。「川澄はイニング前の投球練習でボールに力がなく、この回が狙い目だと思っていた。甘いスライダーを逆方向へ運ぶプランだったが、2死三塁なのでゴロヒットがほしい。ボールの上っつらをつぶす感じで転がすことができた」と吽野。

常総学院のマウンドを守ったのは塙雄裕。2回戦と4回戦でリリーフ登板はしたが、先発投手はこの夏初めて。四死球や失策でほぼ毎回ランナーを背負うが、許したヒットは散発の4本だけ。低めのスライダーをひっかけさせて3つのダブルプレーを成功させた。「塙はこの夏一番勢いあるボールを放れるピッチャー。相手の強力打線に対して最後まで逃げず、自分のボールを信じて投げきってくれた」と、佐々木力監督は満点の評価を与えた。

 

土浦日大と霞ケ浦、継投で明暗

【土浦日大-霞ケ浦】4回表無死二・三塁、鶴見の二塁打で小澤㊧と大賀の2者生還

土浦日大-霞ケ浦の試合、先取点を奪ったのは霞ケ浦。3回裏1死一塁から二番・森田智貴が内野ゴロで一塁に走り込むと、一塁手・小菅康太と交錯し送球がそれる。この間に二走・天野海斗がホームを陥れた。さらに2死三塁から四番・菅野日向磨の左前打で森田が帰り1点追加。

)【土浦日大-霞ケ浦】3回裏1死一塁、エラーの間に二走天野が本塁を陥れ霞ケ浦が先制

ここで土浦日大は早くも投手交代に動く。先発の荒井勇人を下げて富田卓を投入。「大きく離されるといけないので早めに替えた。もともと2失点で替える予定だった」と小菅勲監督。「ミスから先に失点したが、引きずらずに切り替えて集中し、その後をしっかり防いだことが逆転につながった」と捕手の小澤礼嗣。

反撃は4回表。五番・小澤が右翼線へのヒットで出塁すると、六番・大賀玲介、七番・鶴見恵大、九番・石渡耀の二塁打3本で3点。さらに7回には一番・鈴木健太のソロ本塁打などで霞ケ浦の先発・福浦太陽を退かせる。救援でマウンドに登った鈴木寛人にも襲いかかり、8回を終えて8-2の大差をつける。

【土浦日大-霞ケ浦】7回表1死一・二塁、替わったばかりの相手投手・鈴木寛を打ち込む。打者大賀

しかし霞ケ浦もこのままでは終われないと、9回裏に最後の意地を見せる。安打4本をつないで3点を挙げるが追撃もここまで。土浦日大が決勝進出を決めた。

決勝戦、異なる打力の持ち味

決勝戦で相まみえることになった常総学院と土浦日大、共に強打を売りにするチームだが持ち味は異なる。日大は自分たちが積み上げてきた打力を信じ、ファーストストライクから積極的に狙っていく。常総は今年の特徴である長打力に伝統の機動力をハイブリッドさせ、新たなスタイルを完成させつつある。打線のどこからでも点が取れる強みは共通だ。

さらに両者とも、先頭でチームに勢いを与える一番打者の存在が光る。常総は水野勢十郎、日大は鈴木健太。ある意味四番打者より恐いこの2人の対決も、決勝戦の大きな見どころとなる。

 

第100回全国高校野球選手権茨城大会 準決勝(7月24日、ノーブルホームスタジアム水戸)

バッテリー
水戸商:川澄-小林嵩
常総学院:塙-菊地壮

長打なし

バッテリー
土浦日大:荒井、富田-小澤
霞ケ浦:福浦、鈴木寛-鈴木和

長打
本塁打:鈴木2(土浦日大)
二塁打:鈴木、大賀、鶴見、石渡、富田、小菅(土浦日大)、小儀(霞ケ浦)

蓮姿で新曲披露 れんこん大使オニツカサリーさん

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新曲「Renkon」を初披露するオニツカサリーさん(中央)=土浦市城北町のホテルマロウド筑波

【谷島英里子】かすみがうら市出身でJA土浦の「れんこん大使」を務めるシンガーソングライターのオニツカサリーさんが24日、土浦市内のホテルで、JA関係者らを前に新曲「Renkon」を初めて披露した。

オニツカさんは「レンコンを作った農家の気持ちを大事に、レンコンの気持ちになって『育ててくれてありがとう』という思いを込めた。私たちも育てていただいてここにいるので、どこか共通するものがあれば」と思いを語った。

ステージには、土浦市のデザイナー高橋成典さんが蓮の花をイメージしてデザインした衣装で登場。バッグダンサーには振り付けをしたダンサーの中島真理さん、優希さんが主宰するMari Jazzdance Companyから13人が参加した。作詞作曲は、オニツカさんと作曲家の鎌田雅人さん。

オニツカさんは「レンコンを広めるテーマソングとして世界に発信したい。曲名もアルファベットにした」と話すと「Renkon」を熱唱。指をレンコンの「レ」の形にしたり、レンコンの穴を覗くポーズをするなど歌とダンスでレンコンの魅力をPRし、会場は歓声と拍手に包まれた。

オニツカサリーさん(中央)とMari Jazzdance Companyのダンサーら

授業に役立つ学習資源紹介 26日「教員の日」、つくばエキスポセンター

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昨年の研究機関紹介コーナーの様子=つくばエキスポセンター提供
昨年のサイエンスショーの様子=同

【田中めぐみ】つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)の展示物やイベントを地域の教員などに紹介し、効果的な活用法を提案しようと26日、「教員のための博物館の日」イベントが同センターで開かれる。学校での活動や体験型授業などに役立つ学習資源を知ることができる。学校や幼稚園などの教員、旅行代理店、教員を目指す学生などは入館無料。

見どころは、つくば市内の研究機関が行っている学校向けの活動を一堂に紹介するコーナーだ。宇宙航空研究開発機構や国立環境研究所など全部で9機関が協力出展する予定で、研究機関からの講師派遣や見学の団体受け入れなどの取り組みを知ることができる。

ほかに同センター内の展示フロアを見学できるほか、プラネタリウムや科学教室、サイエンスショー、3Dシアターなど催事も体験可能だという。団体で利用する際にどのようなプログラムがあるか、どのように申し込めばいいかについて相談できるブースも出展される予定だ。

同センター学芸員の小林弘幸さんは「数多くの研究機関が集まるつくば市の特色を生かし、エキスポセンターが研究機関と教育機関、相互への情報提供のハブ的役割を担えれば」と話す。博物館と地域の教育機関、研究機関とのつながりを深めていきたい考えだ。

多くの子どもに体験をさせたいという教員からの要望に応じ、同センターでは3Dシアターの場所を移して以前より収容人数を増やした。また、団体受け入れの際には、学習効果を高めるためのワークシートを用意したり、天候に応じた予約を可能にしたりして、利用しやすくなる工夫をしているという。

「教員のための博物館の日」イベントは、国立科学博物館が中心となり、学校と博物館の連携促進を目的として2008年より始まった。イベントは全国約30の施設で開催されている。エキスポセンターでは去年から開催しており、去年の来場者数は約170人、うち小中高校の教職員や幼稚園関係者は約150人だった。

▼各研究機関の学校など向け教育活動例(詳細は各機関に問い合わせが必要)

【宇宙航空研究開発機構】「宇宙教育指導者セミナー」を実施し指導者を養成するほか、「コズミックカレッジ」活動などを実施。

【国立環境研究所】指定された見学日に施設見学ができるほか、研究紹介、自転車の発電体験など目的に応じたツアーコースを設けている。

【産業技術総合研究所】サイエンス・スクエアつくばで最新研究の紹介、アザラシ型セラピーロボットパロなどの展示物の見学ができる。

【農業・食品産業技術総合研究機構】食と農の科学館での展示物紹介、作物見本園での植物の観察などができる。

【防災科学技術研究所】講師派遣のほか、地震ザブトン体験や施設見学ができる。Dr.ナダレンジャーによる自然災害科学実験教室なども実施。

【サイバーダイン(CYBERDYNE)】イーアスつくば内サイバーダインスタジオでの団体見学ツアー、ロボットスーツHALの装着体験などを実施。

【高エネルギー加速研究機構】研究者や職員を、学校などの団体に講師として派遣する「KEKキャラバン」プログラムを実施。

つくばエキスポセンター外観

早起きをしてラジオ体操ですっきり つくば市松代

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木々の下で体操する子どもと父兄たち=つくば市松代の通称プリン公園

【橋立多美】つくば市松代の手代木児童公園で夏休み恒例のラジオ体操が始まった。

早朝6時30分「あたらしい朝がきた」で始まる歌がラジカセから流れ、子どもとその父兄たちが第1、第2の体操で体をほぐした。

同公園に隣接する、手代木南小学校の北地区4丁目子ども会の地区委員と有志が「子どもは夏休みになると暑さも手伝ってダラダラと過ごしがち。早起きして規則正しく過ごしてほしい」と始めた。土日祝と雨天日を除き、8月28日まで続けたいという。

かつて学童の夏季休暇中には、全国で早朝に町内会や自治会が主催するラジオ体操の会が催された。今は子ども会が運営するケースが多い。少子化や他のスポーツ活動の早朝練習などの影響からラジオ体操は夏休みを通して行われることはなくなり、平日の2週間ほどに期間を留めたり、実施しない子ども会もある。

ラジオ体操の世話役を買って出た地区委員は「小学生対象ですが、どなたでも気軽においで下さい」と参加を呼び掛けている。

終了後、出席カードに印を押してもらう子どもたち=同

【高校野球茨城’18】昨夏覇者、今春の準優勝校を圧倒 準決勝は常総学院×水戸商、土浦日大×霞ケ浦

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【土浦日大-明秀日立】3回表の2点目の場面。小澤の中前打で木原が生還し、次打者の大賀とがっちりと握手

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は11日目の22日、準々決勝4試合が行われた。ひたちなか市民球場(同市新光町)では土浦日大が8-3の大差で明秀日立を破り、霞ケ浦は6-1で取手一を寄せ付けなかった。ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)では常総学院が中央に、水戸商が藤代にそれぞれ勝利した。準決勝2試合は24日、ともにノーブルホームスタジアム水戸で行われる。

土浦日大、強気の攻め

【土浦日大-明秀日立】7回表、鶴見が左越えに走者一掃の三塁打を放ち、塁上で拳を突き上げる

土浦日大-明秀日立の一戦は、土浦日大の富田卓、明秀日立の細川拓哉という両エースがそろって登板。互いの柱をどちらが先に攻略するかがカギとなった。

先手を取ったのは3回表の土浦日大。一番・鈴木健太主将が左翼線のクリーンヒットで二塁に達すると、二番・木原琉位の中越え二塁打で先制。さらに無死満塁から五番・小澤礼嗣の中前打などで2点を加えた。

ここでのポイントは木原に送らせず、強攻策を採ったこと。「1・2回のチャンスを逃し『ここしかない、流れをつかむぞ』とベンチが一体になった。弱気にならず、打って点を取ろうと。木原の一打がその気持ちをチームに呼び覚ました」と小菅勲監督。

援護を得て富田も波に乗る。三振とフライアウトが増え、3~7回は1安打1四球でわずか2人の走者を出したのみ。その間にも追加点。7回表は1死満塁から七番・鶴見恵大が左越えに走者一掃のスリーベース。「伝令で『スクイズなどはないから、思いきりやってこい」と言われていた。相手は全打席初球スライダーで来ていたので、そこにヤマを張って振り抜いた」と鶴見。

8回表にも3安打で2点を加え、コールドも近いかと思われた8回裏、思わぬ反撃を浴びる。明秀の一番・増田陸によるスリーラン。「2球で追い込んでから、スライダーが高めに抜けてしまった。やっぱり簡単には終わらない。でも逆にすっきりして、気持ちを切り替えて投げられた」と冨田。

【土浦日大-明秀日立】明秀日立を相手に5安打完投した富田投手

また「秋に負けてからこの日のために頑張ってきた。今日勝ちきったことで去年の夏のように乗れてくるのでは」と言葉を継いだ。鶴見も「大きな勝負だったがここが最後じゃない。あと2つ勝つまで、気を引き締めてやっていきたい」と、すぐに気持ちを切り替えていた。

霞ケ浦、守りからリズムつくる

【霞ケ浦-取手一】7回を1失点にまとめた先発の中田投手

霞ケ浦はこの日、2年生投手の中田勇輝が3回戦に続いて先発し、7回を1失点。「与えられた役割以上にやろうと、しっかり気持ちを作っていた。立ち上がりは3人で抑え、リズムよく試合に入れた。2回以降は毎回ヒットを出し苦しい展開だったが、バックが助けてくれてピンチを乗り越えられた」

8安打を打たれながら1失点に抑えたのは、要所要所で3つのダブルプレーを成功させた守備の良さも関係している。捕手の鈴木和樹主将は「守りのときも受け身にならず、しっかりと攻めの守備をし、そして守りからリズムを作って攻撃につなげる」と心構えを語る。また中田に対しても「2年生投手で夏は初めて。力が入っていたのでちょくちょく声を掛けに行った」との気遣いを見せた。

そして3回に待望の先取点。1死二・三塁から一番・天野海斗と二番・森田智貴の連打で3点を奪う。

5回には九番・中田が自らの右前打で1点を挙げた。6回には四番・菅野日向磨が右翼席への2点本塁打。「打ったのはインコースの真っすぐ。それまで変化球で2打席抑えられていたので、この打席は変化球を待っていたが、追い込まれて、真っすぐを待って変化球にも対応しようと狙いを変えた」。そこへタイミングよく来た直球を、反応良く打ち返したそうだ。

これで準決勝に進出し、次の対戦相手は因縁の土浦日大。春の大会では勝っているが、昨年の夏は決勝を延長15回で敗れ、甲子園の切符を目の前でさらわれた悔しさがある。「夏の借りは夏に返すしかない。準決勝・決勝に照準を合わせ、調子も上がってきている。ここから先は実力差はなく気持ちが大事。しっかり気持ちを出していきたい」と菅野。高橋祐二監督は「いろんな思いがあるので精一杯やりたい。相手は去年からの選手が多く、いろんな選手の特徴をつかめている。臆せず攻め、たとえ長打を打たれてもしがみついて戦いたい」と気構える。

【霞ケ浦-取手一】6回裏、2ランを打った菅野がダイヤモンドを一周後、本塁前で仲間に囲まれる

第100回全国高校野球選手権茨城大会 準々決勝(7月22日、ひたちなか市民球場)

バッテリー
土浦日大:富田-小澤
明秀日立:細川-高田

長打
本塁打:増田(明秀日立)
三塁打:鶴見(土浦日大)
二塁打:鈴木2、木原、小菅(土浦日大)

 

バッテリー
取手一:三浦、庄司、石上、林-用、内山
霞ケ浦:中田、鈴木寛-鈴木和

長打(すべて霞ケ浦)
本塁打:菅野
二塁打:出頭

ホットな霞ケ浦のワカサギ漁「解禁」で市が立つ

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採れたてのナツワカを天ぷらにして販売する(行方市の観光物産館「こいこい」店頭)

【相澤冬樹】猛暑続きで水温上昇が懸念された霞ケ浦のワカサギ漁、解禁日の21日は昨年の倍近い漁獲となって、漁師や関係者はひとまずホッとするホットな滑り出しとなった。

ワカサギはひき網のトロール漁で採捕される。日中の暑さを避け早朝の操業となるが、長時間網を引き続けると魚体が傷むため、1時間程度で切り上げる。漁師の高齢化から、今夏は熱中症の懸念も高まっており、気温と水温の上昇が不安材料となる解禁を迎えた。

県霞ケ浦北浦水産事務所の調べだと、この日操業した漁船は霞ケ浦(西浦)140隻、北浦38隻だった。聞き取りによる1隻当たりの漁獲量の平均は霞ケ浦81.9キロ、北浦25.4キロで、いずれも昨年を倍前後上回り、200キロを超えた船もあり、総じて満足のいく漁果。昨季は霞ケ浦全体で100トンを割り込む不漁だっただけに、今年の漁に手応えを感じられる操業初日となった。

採れた魚は早速、生ワカサギや煮干しのパック詰めとなって出荷される。漁期は12月末までだが、全国の主要産地で夏場に漁を行うのは霞ケ浦(北浦含む)だけ。今の時期のワカサギは脂がのり、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むことから、「ナツワカ」として売り込みを図っている。

行方市にある道の駅たまつくりにある観光物産館「こいこい」では、漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会による「わかさぎ解禁市」が開かれた。採れたてのナツワカを天ぷらなどにして販売したが、持ち込まれた量も昨年の1.5倍。日差しの強い屋外で、天ぷらに揚げていく作業は熱気が半端ない。

口にした来店客は「臭みがまるでなく、甘みも感じられる」と感想。霞ケ浦りんりんロードをやってきたサイクリストらが汗だくで揚げたてをほおばる姿が見られるなど、ホットな夏休み初日となった。

観光帆引き船運航始まる 霞ケ浦湖面を白い帆が走る

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巨大な帆を張り、霞ケ浦の風を受けて進む帆引き船=霞ケ浦の土浦市沖

【谷島英里子】白く巨大な帆を張り、霞ケ浦の風を受けて進む帆引き船。21日、土浦市で観光帆引き船の運航が始まった。

帆引き船はシラウオやワカサギを獲る帆びき網漁のための船。帆は高さ9m、幅16mあり1880年に霞ケ浦町(現かすみがうら市)の折本良平氏によって考案された。

1967年ごろから漁の方法がトロール船に変わり、現在は観光用に運航され、見学船や沿岸から見ることができる。今年3月に「霞ケ浦の帆引網漁の技術」が国選択無形民俗文化財に選定された。

運航初日は、同日午後1時30分に土浦港を出た見学船から帆引き船2隻が帆を上げる雄姿が見られた。

霞ケ浦に面するかすみがうら市、行方市でも運航があり、9月16日(日)は「七色帆引き船」の操業が行われる。

◆見学船の運航日時や料金などの問い合わせは土浦市観光協会(電話029・824・2810)まで。

【直売所めぐり】1 地産野菜で夏バテ知らず JA土浦さんふれ土浦店

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JA土浦さんふれ土浦店の店内

【田中めぐみ】地元の直売所巡りが好きだ。記者は四国の出身で、子どもの頃、右も左も青々とした田んぼの道を行くと、野菜の無人販売所をあちらこちらに見つけることができた。何でもあるスーパーとは違い、せっかく買いに行ったのに棚には何一つ置いていない時もある。日ごとに微妙に変わる品揃えにも興味津々だった。大人になっても直売所に行くとなぜかあの頃のわくわくした気持ちがよみがえる。土浦、つくばの直売所をめぐり、茨城の地産野菜の魅力をお勧めの食べ方などを交えて紹介する。

つくばセンターから車で土浦学園線を東に進み10分弱。JA土浦農産物直売所サンフレッシュ土浦(土浦市粕毛)の朝の店内にはみずみずしい夏野菜が色とりどりに並ぶ。計6店舗あるJA土浦の直売所第1号店。アットホームな雰囲気で、ベテラン店員に食べ方を聞きながら買い物できるのも魅力だ。

この時期、近隣の生産者およそ20人が丹精込めて栽培し、収穫したばかりの夏野菜約15種類のほか、JA女性部のメンバー約15人が手作りしたみそなどの加工品が並んでいる。特におすすめの夏野菜がカボチャ、枝豆、トマト、トウモロコシなどだという。

記者が作ったかぼちゃの煮物

女性客に人気なのが「ほっこりえびすかぼちゃ」だ。ビタミン、ミネラルが豊富で、ほっこりとして風味豊かな甘さがある。店員の酒井洋子さんのお勧めはかぼちゃの本来の味を楽しめる煮物。一口大に切ったあと砂糖をまぶし、すこし置くとかぼちゃの水分が出てくる。それに顆粒だしをパラパラ、酒ひと回し、みりんひと回し、塩をお好みで入れ、蓋をしてとろ火で煮る。記者も作ってみたところ、まったく水を入れなくてもかぼちゃ自体の水分で煮上がり、出来上がりはホックホク。もちろん、しっとりがお好みの場合は水を加えて煮てもよい。できあがった煮物を冷蔵庫で冷やしていただくのも美味だ。同店では4分の1カットも売っているので少しだけ食べたい時にも買いやすい。

枝豆も今が旬だ。特に「おつな姫」は香りのよい品種で8月半ばくらいまで出回るという。枝豆はタンパク質や鉄分が豊富なので、疲労回復にも最適だ。さやの両端をハサミでカットし、塩でもみ4~5分ゆでて、ざるにあける。ゆでたての枝豆の芳醇な香りと甘み、塩気に手が止まらない。もう2袋は買っておくべきだったと後悔した。ビールのお供にはもちろん、子どものおやつにもいい。

同店のトマトは太陽の光をたっぷり浴びて育った露地栽培だ。熟してからもぎ取るので、収穫後に追熟した普通のトマトよりも栄養分が豊富なのが特徴だ。記者のお勧めは、カットしたトマトにモッツァレラチーズを添え、オリーブオイルをかけて食べるカプレーゼ。甘み、旨味が強いトマトなので、シンプルな味付けで食べるのがいい。同じ品種でも生産者によって味が違うそうだ。ラベルに表示されている名前を見て食べ比べ、お気に入りの生産者さんを見つけて「生産者買い」できるのも直売所ならではの醍醐味だ。

トウモロコシも今が旬。この日はクリスピーホワイトとゴールドラッシュが陳列されていた。午後に行くと品切れになることもあるという。旬のトウモロコシには缶詰や冷凍のコーンにはないフレッシュなおいしさがある。弾けるみずみずしさと風味の良い甘さが特徴。皮付きのままラップし、レンジで1~2分チンするだけですぐに食べられる。人目を気にせず、家で豪快にかぶりつきたい。

お盆に帰省する際の手土産を聞くと、「れんこん黒糖バウムクーヘン」と店長の菊田豊さん。土浦の特産品であるれんこんのパウダーを使っていて珍しい。れんこんもバウムクーヘンも縁起が良く、贈り物に最適だ。カットされた個包装のものも売っているので、自宅用のちょっとしたおやつにもいい。

サンフレッシュ土浦店
住所▽土浦市粕毛705-2
電話▽029-821-4826
駐車台数▽15台(予備駐車場有)
営業時間▽午前9時30~午後6時(4~9月)、午前9時30分~午後5時30分(10~3月)
定休日▽無休(ただしお盆・年末年始は休み)

かぼちゃ(左上)トマト(左下)枝豆(右上)とうもろこし(右下)

夏休みは親子で科学! 研究所一般公開

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間近で見ることのできない宇宙飛行士の服が展示されている筑波宇宙センター=つくば市千現

【橋立多美】今日から楽しい夏休み。科学都市つくばは街全体が科学の博物館と言われ、夏休み期間中に研究所を一般公開して研究活動を紹介している。講座や子どもが参加できる体験型イベントなどの催しが企画され、親子で楽しく科学に親しむことができる。一般公開は入場無料。

【筑波宇宙センター】夏休み特別展示「宇宙(ひこうしの)服」が9月2日まで、プラネットキューブで開催されている。実際に宇宙飛行士が国際宇宙ステーションやカザフスタンの基地で着用した、船内服と船外活動服などが展示されている。また常設展示館「スペースドリーム」は同センターの歩みと取り組みが紹介されて人気が高い。▽開館時間午前10時~午後5時。つくば市千現2-1-1。電話029-868-5000。

【農業・食品産業技術総合研究機構】「実感!食と農のサイエンス」をテーマに、農業の研究に関するクイズやゲームなど小・中学生向けの企画や自由研究のヒントを提供する。また明治150年にちなんで蚕(カイコ)の解剖図など近代農業の歴史の特別展示も開催される。▽公開は7月28日(土)午前9時30分~午後4時(午後3時30分受付終了)。同市観音台3-1-1。電話029-838-8980。

【森林総合研究所】野生種クマノザクラ発見の講演会や森林浴の効果、木を発酵したアルコールなど最新の研究成果の紹介と、昆虫や鳥獣の標本庫見学など。木製バッジ作りなどのウッドクラフトとつみき遊びのコーナーもあり、自然と触れ合うイベントが盛りだくさん。▽公開は7月28日(土)午前9時30分~午後4時(午後3時30分受付終了)。同市松の里1。電話029-829-8372。

【国土地理院 地図と測量の科学館】地図や測量の新しい技術などを総合的に展示している。同館の夏休みイベントは次の通り。▽講演「山の高さはどう決まる?」+測量体験教室「分度器を使って高さを測る」。7月27日(金)午前10時~、午後1時10分~。定員各20人。▽「伊能忠敬になって日本を測ろう!」。8月8日(水)午前10時~、午後2時~。定員各18人。▽「GPSで地上絵を描こう」。午前10時~、午後2時~。定員各20人。同市北郷1。電話029-864-1872。

【高エネルギー加速器研究機構(KEK)】普段は公開されていない世界最強の加速器「スーパーKEKB」や大型測定器などを体感できる。研究者による解説やサイエンスカフェ、子ども対象のイベントもある。▽公開は9月2日(日)午前9~午後4時30分。同市大穂1-1。電話029-864-5113。

【国立公文書館つくば分館】今夏の企画展のテーマは「和歌の世界-親子で楽しむ百人一首のなぞ」。現代ではお正月のかるた大会でお馴染みの小倉百人一首だが、新春の風物詩になった理由は判明していない。成立事情や選歌の不思議に迫る。▽企画展は7月23日~8月31日まで。期間中、和綴じのメモ帳作りが無料で体験できる。開館は午前9時15分~午後5時、土日祝日は休館。同市上沢6-6。電話029-867-1910

※つくばサイエンスツアーバス 夏休み期間(7月21日~8月31日)の月曜を除く毎日、6つの研究機関を回る巡回バスが運行される。大人500円、小学生250円で乗車券を提示すれば1日乗り放題。詳しくはつくばサイエンスツアーオフィスまで。電話029-863-6868。

【高校野球茨城’18】16強が激突 土浦日大、常総学院、霞ケ浦が準々決勝進出

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2回裏、2ランの鈴木をベンチで出迎える土浦日大ナイン

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は10日目の20日、4回戦全8試合が各球場で行われた。笠間市民球場(同市箱田)の第2試合では、土浦日大が鉾田一を8-0と7回コールドで下し、準々決勝へ駒を進めた。ほかに地元勢では常総学院と霞ケ浦が勝利。土浦湖北とつくば国際大は惜しくも敗れ、16強で大会を終えた。

土浦日大、上げ潮を感じる戦いぶり

昨年の覇者、土浦日大が強さを見せつけた。立ち上がりから打線のつながりが良く、初回は先頭の鈴木健太主将が二塁打で口火を切ると、二番・木原琉位が送って1死三塁、すかさず三番・小菅康太の犠飛で先制という、お手本のような点の取り方。守備でもスキを見せず、2回表は先頭からの2連打で無死一・二塁とされるが、二塁走者は捕手・小澤礼嗣のけん制で刺殺、次打者を6-4-3のダブルプレーで打ち取り、鉾田一のチャンスを霧散させる。

二回裏は5安打で3得点の攻撃。1死二・三塁から九番・石渡耀の右前打で1点を奪うと、次打者の鈴木が右翼席へ2点本塁打。「打った瞬間、打球が上がったのを見て『行った』と思った」。前打者のとき、2人目の走者が本塁に突入し、アウトにされたことも考慮したという。「相手に流れを渡さないよう、ここで1本打っておきたかった」

2回裏2死一塁、鈴木が右翼席への2点本塁打。鈴木は4回にも単打を放ち、4打数3安打の活躍

3回裏にも1点を加え、4回裏は小菅の三塁打と四番・井上莞嗣の犠飛で計3点。「1・2打席の不調を3打席目で修正できた。自分のやるべきことをやり、そこに結果がついてくればいい」と小菅。

投手陣では先発の荒井勇人が5回を6安打無失点。「周りに助けられてゼロに抑えられた。球数を考え、無駄な四球を出さず、ストライクゾーンに投げることを意識した」という。テンポの良い投球が守りや打撃のリズムにも影響したようだ。最終回は左投手の清水樹が試合を締め、1年生投手の中川竜哉も公式戦のマウンドを経験できた。

3回戦の勝田戦に続いて先発し、試合を作った荒井投手

次は22日、ひたちなか市民球場で第2シードの明秀日立と対戦。秋の県大会では0-16と大差で破れた相手だ。荒井はこのとき先発で1死しか取れずノックアウト。そのため「夏は絶対に勝ちたい。一番から九番まで油断できないバッターがそろっているが、一人一人集中し、全員三振させるつもりで行く」とリベンジに燃える。鈴木主将も「打線が勢いを取り戻し、投手陣も無失点で、全員がいい状態で入れるようになってきた。秋は打ち負けたので打ち勝ちたい。しっかり守ってリズムを作っていきたい」と高い気概を見せた。

第100回全国高校野球選手権茨城大会 4回戦(7月20日、笠間市民球場)

※7回コールド

バッテリー
鉾田一:大和田-大貫
土浦日大:荒井、中川竜、清水-小澤

長打(すべて土浦日大)
本塁打:鈴木
三塁打:小菅
二塁打:鈴木、大賀、鶴見、小澤

共同研究契約や個人情報など漏えいか 産総研サイバー攻撃 3カ月以上気付かず

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産業技術総合研究所つくば本部=つくば市梅園

【鈴木宏子】産業技術総合研究所(本部つくば市梅園、中鉢良治理事長)がサイバー攻撃を受け、今年2月から2カ月近く、外部へのインターネット接続などを遮断していた問題で、同所は20日、被害状況や原因について調査結果を発表した。

不正アクセスが発覚したのは2月6日だが、昨年10月27日から3カ月以上にわたって気付かないままサイバー攻撃を受け続け、被害が広がっていたことが分かった。漏えいした可能性がある情報は、共同研究の契約情報208件、未公表の研究情報120件のほか、契約職員の採用書類、学会・イベントの参加者名簿、職員の氏名と所属などの個人情報4849件の計5177件が盗まれたか閲覧された可能性があるという。ただし、国の安全や研究所の業務に重大な損害を与える恐れがある情報は漏えいしていないという。

だれが攻撃したかは特定できなかったが、日本も含め13カ国・地域のIPアドレスが用いられ、月曜から金曜の午後4時30分ごろから深夜2時ごろに活動するという特徴があったという。特定の種類の閲覧ソフトが継続して使用されていたことから、一連の不正アクセスは、同一人物か同一グループによる1人か数名の攻撃だと推定できるという。

手口は巧妙で、昨年10月27日から12月末までと、今年1月23日以降の2回の攻撃があった。まず外部システムにあるメールから職員のメールIDを盗み出し、パスワードを幾パターンも試して配列が簡単だった143人分のパスワードを特定した。その後、IDとパスワードを使って職員に成りすまし、共同研究で使用していて内部システムにつながっていた外部のレンタルサーバーを踏み台にして内部のサーバーに侵入し、さまざまな情報に不正アクセスしたという。

被害を発生・拡大させた要因として同所は、メールがIDとパスワードのみで見られる設計だった、外部から内部サーバーを遠隔操作できる外部サイトがあった、内部ネットワークの監視が不十分だったなどとして、再発防止策を講じ、さらに今後、システムの強化や運用の見直し強化などに取り組むとしている。

調査結果を受けて、同所は情報漏えいに関係する外部機関に説明し謝罪した。さらに関係者に多大な迷惑を掛けたことを踏まえ、副理事長と担当理事が1カ月分について給与10%を自主返納するという。

40年ぶりの2人展 土浦市民ギャラリー

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安東さんの作品を見る男性=土浦市民ギャラリーオープンギャラリー

【鈴木萬里子】「安東克典×西丸式人(さいまる・のりと)二人展」がアルカス土浦(同市大和町)1階の土浦市民ギャラリーで開かれている。共に土浦一高、東京芸術大学で学んだ先輩西丸さんと後輩安東さんが、学生時代に1度だけ開催した二人展を40年後の今、再び開いた。現在2人は都内在住だが、故郷土浦に市民ギャラリーが誕生したことがきっかけで再び組むことになったという。

安東さんは人生の深みを描いた肖像画と心象風景を描いた色鉛筆画34点を、西丸さんは最新作を含む水彩画36点の計70点を展示している。

安東さんは資生堂宣伝部に所属し、デザイナー、アートディレクターとして「君のひとみは10000ボルト」など数々のキャンペーンに携わった経歴を持つ。2004年頃から水性色鉛筆で描く「心象画」を発表し、現在「生きる」をテーマに作品を描いているという。「一般に想像されるのとは違った、色鉛筆で重厚な作品作りをしていきたい」とも話していた。

西丸さんは水彩アーティストとして毎年、都内を始め各地で個展やグループ展を開いている。現在彩画会アスールを主宰し、多数の書籍出版がある。毎年国内外を問わず写生ツアーを主催している。開催初日の17日には東京教室の生徒を多数連れ、絵画鑑賞後に同市川口のラクスマリーナで写生会を実施したという。

土浦駅前にオープンしたばかりの同ギャラリーを見に来て同展に立ち寄ったという千葉県柏市と松戸市の70代の女性2人は「人物を描くのは難しいのに、やっぱりプロは違うと実感した。素晴らしい」「色彩がとてもきれい。作者の目線が面白い」と述べ「これからもプロの作品展があれば常磐線1本なので訪れたい」「駅もきれいだし1日楽しみたい」と話していた。土浦市の60代の男性は「絵の新鮮さ、いきの良さが感じられる」と話した。

◆会期は22日(日)まで。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は4時まで)。入場無料。作品は全て購入可能。原画だけでなく、デジタル印刷のジグレー版画も購入できる。問い合わせは安東さん(電話090・2331・1473)、西丸さん(電話03・3451・0345)

西丸さんの最新作「森の奥へ」を熱心に見る来場者=同

推薦入試にビブリオバトル 筑波大 知識情報・図書館学類

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情報学群知識情報・図書館学類がある筑波大学筑波キャンパス春日エリア

【田中めぐみ】筑波大学(つくば市天王台)情報学群知識情報・図書館学類は今年11月の推薦入試から、ビブリオバトル方式の面接を導入する。大学入試にビブリオバトルを導入するのは全国でも初の試みだ。

ビブリオバトルは、参加者が読んで面白いと思った本を順番に紹介し合い、最後に一番読みたくなった1冊(チャンプ本)を決めるコミュニケーションゲーム。近年では小学校から大学院まで、コミュニケーション能力を向上させる方法の一つとして授業などで導入されている。

同学類の募集定員は100人で、そのうち推薦入試は40人。ビブリオバトルの面接試験は1グループ4~6人の受験生で入室し、公式ルールにのっとって本のプレゼンテーションと質疑応答を行う。どのようなジャンルの本を選んで紹介するかは受験生に任されており、漫画や時刻表などを選んでもよいという。チャンプ本はグループの受験生の投票によって決められるが、チャンプ本になるかどうかは評価にはかかわらない。

同学類は昨年までの推薦入試で個別面接を実施してきた。しかし受験生は面接に向けて入念な準備をしてくるため、評価で差がつきにくい状況となっていたという。ビブリオバトルは、5分間の本の紹介を事前に準備できるが、質疑応答では臨機応変な対応力が必要となる。本の紹介からは表現力や論理性などによる説得力、質疑応答からは判断力や質問力、他者とのコミュニケーション力など、受験生を多角的な視点で評価することが可能だという。通常のグループディスカッションでは、発言権が得られなければアピールすることもできないが、ビブリオバトルでは各々5分の紹介時間が与えられるため、試験の公平性も高くなるという。

同学類は、インターネットや図書館など知識共有の仕組みの企画・運営やそれを支える情報システムについて学び、知識や情報の蓄積・流通の成り立ちやシステムのあり方を探求する。膨大な情報があふれる昨今、それらの情報をどのように収集、保存し有効活用するのか、包括的に学び、研究していくことが使命という。研究分野は政策、法律から情報システムまで多岐にわたり、幅広い視点を持って専門外の分野についても主体的に学んでいく姿勢を求めている。

歳森敦学類長は「文系、理系の枠に縛られず勉強してほしい。文系だから、理系だからと自分の能力を限定してしまうのではなく、教科を横断した視点を持ってほしい」と受験生にエールを送る。

同学類は一般入試や推薦入試の他、AC入試(自己推薦に基づく選抜)、国際バカロレア(大学入学資格が与えられる海外の教育プログラム)特別入試など様々な受験方式を設けることで、多様な能力、資質を持つ学生を幅広く受け入れる。

*ビブリオバトル公式ルール

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
2.順番に一人5分間で本を紹介する。
3.それぞれの発表の後に参加者全員で発表に関するディスカッションを2~3分行う。
4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。
(知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイト http://www.bibliobattle.jp/ より引用)

生徒70人の水彩・色鉛筆画ずらり 県つくば美術館

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パステル画と色鉛筆画の作品が並んでいる会場入り口=つくば市吾妻の県つくば美術館

【鈴木萬里子】「アトリエ・ハートタイム展ーこれから絵を始めたい人の為の水彩画と色鉛筆画の教室」が18日、県つくば美術館で始まった。主宰者の田中己永(みのり)さんは土浦、石岡、東京で水彩画の教室を多数持つ水彩画家で、書籍も複数出版している。才能、感性、基礎力に関係なく誰でも楽しく描ける技術の指導には定評がある。今回は田中さんと、色鉛筆画講師三上詩絵さん両方の生徒の作品を合わせた展覧会となっている。

同展の第1回は2007年に10人が参加して開かれた。今年で12回目となり、参加者も約70人と大幅に増えた。今展の作品は一人2~3点を出品し、水彩画174点、パステル画と色鉛筆画の39点、計213点が展示されている。来場した阿見町の80代女性は一つひとつ丁寧に見て回り「昨年より作品がのびのびとしていてとても良い。題材の選び方にも個性が良く出ている」と述べた。友人の作品を見にきたつくば市の60代女性は「プロを超えた素人と感じる作品が何点もあって見応えがある」と話していた。

田中さんの教室はリタイアして第2の人生を楽しむ人が多くいることから、楽に描ける、誰でも描ける描き方を教えている。意外と難しいオーソドックスなデッサンはやらないという。田中さんは「光と影が表現出来れば良しとしている。夢中になって遊ぶ子どものように、絵に夢中になり一歩ずつ達成感を味わえるように教えていきたい」と話した。三上さんは「作品展を見て教室に入った生徒が多い」と語り「色鉛筆でも絵画的な表現ができる。入り口は楽だが描くと奥が深く、どんな表現でも出来る色鉛筆画を見てほしい」と話していた。

◆会期は22日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時まで)。田中さんと三上さんがが実際に絵をかくデモンストレーションが20日(金)午前10時~正午(色鉛筆画)と午後2時~4時(水彩画)に実施される。問い合わせは田中さん(電話090・1203・2439)。入場無料

丁寧に見て回る来場者ら=同

「ナツワカ」うだる? 霞ケ浦ワカサギ漁21日解禁

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夏のワカサギ「ナツワカ」(霞ケ浦北浦水産振興協議会提供)

【相澤冬樹】連日の猛暑から霞ケ浦の水温も上がって、21日解禁となるワカサギ漁への影響が気遣われている。今の時期のワカサギは、魚体は小さいものの脂がのり、栄養豊富な初物「ナツワカ」として珍重される。ところが梅雨明け後の気温の上昇で、水温も湖の表層部で軒並み30度を超えた。水温が高いとワカサギの食欲も減じて漁獲量に響く。試験操業の結果から、不漁だった昨季の挽回が期待された今シーズンだったが、いきなり暗雲が垂れ込めてきた。

霞ケ浦(北浦含む)で21日解禁となるのは、ワガサギ・シラウオひき網漁業(トロール)。漁期は12月末までで、昨年の解禁日には199隻が出漁した。このうちワカサギについては、ほぼ霞ケ浦産が占める茨城県内の漁獲量は全国3~4位で推移し、一時の低迷を脱した。2000年に51トンにまで落ち込んだが05年から16年までは12年連続100トン以上を記録した。

全国の産地で夏場に操業を行うのは霞ケ浦だけのため、県は霞ケ浦北浦水産振興協議会を通じ「ナツワカ」として売り出しを図ってきた。不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むのがウリだ。今季は「平成最後のナツワカ」と力を入れた。

ここで不安は天候不順。安定していた漁獲が2017年に92トンに減少したのも気象条件に左右された。県の水産試験場内水面支場(行方市)は、「冷夏と日照不足で記憶される昨年だが、実はワカサギの生長期である解禁前の7月までは日照時間が長く、降水量が少ない展開だった。エサとなるワムシなど湖内の動物プランクトンも減少して生育環境が整わなかった」のを不漁の原因とみる。

今季は同試験場が7月3日と4日に漁期前調査を行い、魚体のサイズは5.4センチ平均と小さめだが、エサの量は十分にあるため「100トン以上には回復しそうだ」との見通しを示した。ところがここに来て連日の猛暑、水温もウナギ上りで、表層の水温が軒並み30度を超えた。ワカサギは水温が27度を超えるとエサを食べなくなり、魚体が大きくならない。まだへい死など影響は出ていないが、天候不順に正直に反応するサカナなのだ。

21日にわかさぎ解禁市開催

解禁初日の漁は、霞ケ浦で21日午前3時30分から5時まで、北浦で同4時から8時まで。漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会は同日午前11時から、行方市の道の駅たまつくりにある観光物産館「こいこい」で「わかさぎ解禁市」を開く。採れたてのナツワカを天ぷらなどにして販売する。売り切れ次第終了というから、出足の漁獲高が注目される。

▷解禁市の問い合わせは、道の駅たまつくり観光物産館「こいこい」電話0299-36-2781

200種の花ハス見頃 土浦 霞ケ浦総合公園

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早朝からハスの開花を楽しむ来園者ら=土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園水生植物園内花蓮園
土浦在来の「紅之輝」=同

【鈴木萬里子】土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園・水生植物園内の花蓮園で白、紅、桃、黄色の花ハス約200種類が見頃を迎えている。ハスの花は夜明けとともに咲き出し、午前7~9時頃に満開となり、その後閉じてしまう。開花も4日間だけと短い。開花の瞬間を逃さないように、カメラ愛好者や早朝散歩の市民らが多く訪れている。

ハスは極楽浄土に咲く花とされ日本人になじみのある花の1つ。土浦はレンコン(ハスの茎)生産量日本一を誇ることから、園内には土浦在来の花も多く見られる。

花蓮園には、種類ごとに分けて池に植えられた約60品種と、たるの容器で栽培されている約140品種の計約200品種の花が咲く。例年は6月下旬に咲き始め7月下旬から8月にかけて最盛期を迎える。今年は6月中旬に開き始め、7月中旬の今が最盛期だという。

土浦市の男性(80)は「今年の来園は6月から今日で6度目。異常気象のせいか今年の花は昨年に比べて少ないし、勢いがないような気がする」と話していた。

花蓮園は土浦市建設部公園街路課が管理している。ハス池の水は霞ケ浦の水を引き込み、オランダ型風車でろ過し、水生園の小風車で霞ケ浦の水を再び混ぜて使っている。ただし今年はポンプの故障で井戸水を使っているそうで、担当職員の萩島徹さんは「水の違いが花に影響しているのかもしれない」と話していた。

22日 はす博士の解説会

同園では22日(日)午前7時から、第2回「はす博士の解説会」が開かれる。同市公園管理アドバイザーで元日本花蓮協会学術研究主幹の香取正人さんがハスとスイレンの違いや、花ハスの花の咲き方、花色による分類などについて、実際の花を見ながら解説する。第1回の7月8日は都合により中止となった。22日も中止となる場合もあるので、心配な人は問い合わせてほしいそうだ。萩島さんは「花ハスの品種が多い水生園に、是非足を運んで実際の花を見てください」と呼び掛けている。

◆問い合わせは同市公園街路課公園緑地係・萩島さん(電話029・826・1111内線2258)。平日のみ。

【高校野球茨城’18】土浦一と土浦三 3回戦で力尽く

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【土浦一-境】5回裏1死一・二塁、代打下町の中前打で二走先崎が生還。ここから土浦一の反攻が始まる

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は9日目の17日、3回戦の残り8試合が行われた。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦には、他球場で2回戦を勝ち上がり、一回り成長して戻ってきた2校の姿があった。だが土浦一は境に4-13で7回コールド負け、土浦三は取手一に0-10で5回コールド負けを喫し、大会から姿を消すことになった。

土浦一、最後の力振り絞る

土浦一は13日、Bシードの日立一を敵地で破るという快挙を遂げた。だがその代償は大きかった。エースの大松崎智也は疲れが抜けず、主将の矢追駿介は足のけいれんのダメージが残り、いずれも今戦はベンチスタート。先発投手には日立一戦で好救援した古宮学樹が名乗りを上げた。

【土浦一-境】先発として熱のこもった投球をする古宮投手

捕手の横島健太朗は「古宮は今までで一番真っすぐが走り、いけると思ったが、自分の配球が合わなかった。相手のデータは全部頭に入っていたが、それを投手に伝えきれなかった」と悔やむ。

2回2死から甘く入った初球を打たれ、そこから一挙5失点。「布陣を組み替えたのが裏目に出て、選手に良い入り方をさせてあげられなかった」と藤田大輔監督。

さらに4回にも1失点し、スクランブル登板した大松崎も、一度ついた境打線の火を消せず、5回に6安打を浴び7点を失う。一方、自軍の打線は2安打と沈黙。藤田監督は「相手の変化球には甘いところもあったが、大量失点を受けて打席で考え過ぎてしまった」と分析する。

【土浦一-境】5回裏1死満塁、矢追の左前打で2者が帰り、3点目の得点にベンチが湧く

だが0-13と大差をつけられ、ついに打線が奮起。4点を奪い、5回コールドを回避することに成功。2点適時打を放った矢追主将は「このままでは終われないし、日立一にも申し訳ない。絶対に4点取るぞとベンチで話し合った」と明かす。3年生が最後の力を振り絞ってヒットをつなぎ、2年生へ思いを伝えられたことは、来年に向けての良い材料になった。

 

土浦三、力出し切れず

土浦三は13日、古河三に7-0でコールド勝ち。エースの濱崎鉄平は1回戦に続いてこの試合も最後まで投げ抜いた。そして迎えた今日の取手一戦。コンディションは問題なかったが、試合の入り方がいつもとは違ってしまったという。

【土浦三-取手一】2回裏1死一・三塁、三塁ゴロからのバックホームで三走・松浦直哉がタッチアウト

「自分は初回の先頭を抑えることで乗っていくスタイル。だが今日は気持ちが足りなかった。入りがおかしくなり、配球やリズムを変えて修正もしたが、一度相手に行ってしまった流れを戻せなかった」

1・2回で計6点を失ったが、クリーンヒットはさほど多くない。逆に自軍は、いい当たりが出ても後に続かない。わずかな歯車のかみ合わせの違いによって、全く逆の展開になっていてもおかしくなかった。

「なぜだか最初のバント処理からチームにスピード感がなく、ゲームにならないまま終わってしまった。若いチームなので流れを止められない。また3回戦ともなると、相手もこちらのわずかなスキを見逃さない」と松浦三喜男監督。

さらに4点を失い、0-10で迎えた5回裏。コールド負けが迫る中、濱崎はベンチ前でキャッチボールを始める。「ここで終わらず、次の回にも行くぞ」というメッセージを込め、チームを勇気付けようという彼の作戦だった。それでもツーストライクと追い込まれ、今度は「冷静に」と直接声をかける。だがその願いもむなしく、バットは空を切る。土浦三の夏が終わった。

【土浦三-取手一】5回裏2死、濱崎がキャッチボールの手を止め最後の打者を見守る

 

第100回全国高校野球選手権茨城大会 3回戦(7月17日、J:COMスタジアム土浦)

※7回コールド

バッテリー
境:野口、染谷、猪瀬-大江
土浦一:古宮、大松崎、先崎-横島

長打(すべて境)
三塁打:稲毛田和
二塁打:大江2、野口

 

※5回コールド

バッテリー
取手一:三浦-用
土浦三:浜崎-木村

長打(すべて取手一)
三塁打:和方
二塁打:用、菅原

【高校野球茨城’18】常総、つくば国際大共にベスト16

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【常総学院-総和工】5回表2死三塁、菊地壮の右前打で手塚が生還。水野とグータッチを交わす

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は、8日目の16日から3回戦に入った。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦では、常総学院が総和工に10-0で5回コールド勝ち。つくば国際大は東洋大牛久に粘られるも8-7で突き放し、共にベスト16入りを果たした。

常総の先発・岡田、立ち上がり以外は満点

常総学院は岡田幹太投手が今大会初登板。「秋と春は勝利に貢献できなかったので、この夏は絶対に自分が投げてチームを勝たせようと思っていた。序盤は制球が悪くチームに迷惑をかけたが、粘りの投球ができたことはよかった」

立ち上がりに1安打2四球を許し、初回は無死二・三塁、2回は2死三塁のピンチを招くが、いずれも後続を断って無失点。3・4回は三者凡退できっちりと締め、佐々木力監督も「最初は力んでバタバタしたので20点を引き、80点の出来」と高く評価。

【常総学院-総和工】4回を1安打無失点に抑えた先発の岡田幹太投手

打線では、春から好調を維持している水野勢十郎を先頭に置いた。期待に応え全打席出塁を果たし、長打2本で4打点という暴れっぷり。「相手投手はコントロールが良かったので、甘い球には積極的に行こうと思っていた。自分はミート力に自信があるので、特に狙い球はつくらず、打てると思った球を振っている。つなぐつもりで行き、結果的に長打になって良かった」

次戦は20日、ノーブルホームスタジアム水戸で下館工と対戦する。「前の試合も今回も5回コールドでこられたが、この後はそうそううまくいかない。暑くて体がつらいが最後まで気を抜かず、試合終了まで全力でプレーする」と水野。二瓶那弥主将も「2つ快勝したことは大きいが、これでチームが緩まないようしっかり締め直したい。どのチームがきても関係なく、自分たちの野球で冷静に熱く、いい試合をしたい」と意気込みを語った。

 

つくば国際大・福島、投打に大車輪の活躍

【つくば国際大-東洋大牛久】試合終了時、勝利の雄叫びをあげる福島脩馬投手

つくば国際大は東洋大牛久を相手に取っては取られてと、片時も目を離せない熱戦を繰り広げた。飛び交った安打数は両チーム合わせて26本、残塁数は21となった。

接戦を制した要因について山口幸彦監督は「最後まで諦めず元気に、追い付かれても1点ずつ取っていこうと話し、その通りにやってくれた。相手の石上投手への対策として、同じ左でタイプも似ている福島に投げさせて練習してきた」と語る。その成果が初回の、相手の立ち上がりに乗じて挙げた2得点だ。また3回には、6安打に相手のエラーなどをからめて4点を奪った。

しかし、東洋大牛久も2・3・4回とこまめに得点を挙げ、6-5と追いすがる。つくば国際大の先発は、2回戦に続いて登板の福島脩馬投手。「体が重い中、力を入れるところは入れて、後はスピードよりも制球重視」と山口監督。エースで四番、打撃でも4打数4安打という活躍に、体を休めるいとまもなかった。五番でこの日3打数3安打だった秋谷凌平が、途中で足を痛めて離脱したことも、福島の重責をさらに重くした。

「秋谷の分までやってやろうと気力で頑張った。9回の1点差のピンチも、絶対打たせないという強気の気持ちでいった。苦しい試合だったがつらいというより楽しかった。なかなかああいう場面は味わえない」と福島。

【つくば国際大-東洋大牛久】8回裏、三塁けん制の場面。7-6と1点差に迫られ、さらに2死一・三塁のピンチが続く

秋谷と交代してグラウンドに入った米崎響は、セカンドの位置から福島の背中を見て「(福島)脩馬さんが最後まで自分のペースで投げ、それに応えるように全員が打って勝った。尊敬する最高の先輩。自分も投手としてその跡を継げるよう全力で頑張りたい」との思いを抱いたという。

つくば国際大の次戦は20日、ひたちなか市民球場で水戸商と対戦する。

【つくば国際大-東洋大牛久】9回表1死二・三塁、六番・坂田峻之助の一打がチームに決勝点をもらたした

 

第100回全国高校野球選手権茨城大会 3回戦(7月16日、J:COMスタジアム土浦)

常総 1 4 0 1 4 10
総和工 0 0 0 0 0 0

※5回コールド

バッテリー
常総学院:岡田、大木島-菊地壮
総和工:中村、櫻井-功刀

長打(すべて常総学院)
三塁打:水野
二塁打:水野、二瓶

つくば国際 2 0 4 0 0 0 1 0 1 8
東洋大牛久 0 2 1 2 0 0 0 1 1 7

バッテリー
つくば国際大:福島-高田
東洋大牛久:石上、山田-井田

長打
三塁打:石上、土屋、井田(東洋大牛久)
二塁打:福島(つくば国際大)