木曜日, 1月 1, 2026
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パークPFI撤回し利用料値上げを つくば市長、県に要望 洞峰公園アンケート独自集計

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定例会見で洞峰公園のアンケート集計速報を発表する五十嵐立青つくば市長=2日、市役所

つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、五十嵐立青市長は2日の定例会見で、県が集計しなかった8月実施のアンケート項目の集計速報を発表した。その上で市として、パークPFI事業を撤回し、代替策としてプールやテニスコートなどの利用料6割値上げを県に要望していく方針を表明した。五十嵐市長は「(アンケートの)合理的帰結は、パークPFIを止めて値上げをしていくこと」だと強調した。

県が今年7月から8月に実施し回答があった1113人分の記述式アンケート結果のうち、県が集計しなかった項目などを市独自に集計した。県は7-8月実施のアンケートは記述式だったなどとして、一部項目を集計しなかった。さらにつくば市民が回答者の9割を占めたとして、洞峰公園は県民全体の税金で維持管理されていることから、県は9月に追加のアンケートを実施し、パークPFI事業への賛成が反対を上回ったなどと発表していた(10月25日付)。

市の集計速報によると、7-8月実施のアンケートの結果は、パークPFI計画全体に「改善すべき点がある」との回答が85.89%だったとした。改善すべき具体的な箇所としては、グランピング施設だとする回答が95.19%、バーベキュー施設が82.64%、クラフトビール工房(県が取り止めを発表)が67.15%、24時間トレーニングジムが60.88%だったなどとした。五十嵐市長は「『改善すべき』という回答はイコール反対ととって間違いないと思う」と述べた。

さらに、7-8月のアンケートの回答者は、週1回以上、洞峰公園を利用している人が42.79%、月に1回以上利用している人が22.07%など、普段から洞峰公園を利用している人であるとし、五十嵐市長は、県が9月に県民全体を対象に実施した追加アンケートにつして「9月のアンケートは、回答した人が洞峰公園を知っているのか、確認がとれない」と述べ、つくば市民が9割だった7-8月のアンケート結果は、県民全体を対象とした9月のアンケートと比べて重みが違うなどと話した。

8月に県が実施した説明会で、県自身がパークPFIを実施できない場合の代替案としてプールや体育館、テニスコートなどの利用料金を6割値上げする案を示したことについてもアンケートを集計し、代替案の6割値上げで「良い」との回答が24.98%、「どちらかといえば良い」が26.77%の計51.75%と5割を超えていたことにも触れ「半数を超えている方が値上げでよいと回答している。非常に重たいと感じている」などと話した。

グランピング施設などが計画されている洞峰公園野球場=つくば市二の宮

五十嵐市長はその上で県に対し、11月中にも「まずパークPFIでなく、値上げをしていただくことが利用者にとってもいいし、県も財政的問題を解決できるということを県にお伝えしていく」とした。

さらに都市公園法で位置付けられた、公園管理者と利用者などが必要な協議を行う協議会設置を改めて県に要望し、県、市、有識者、地域住民などで構成される協議会で「洞峰公園のあるべき姿から議論していくことが望ましい」などとした。

一方、大井川和彦知事が10月25日の会見で「(洞峰公園を)市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べたことについて五十嵐市長は「移管となれば、どのような費用がかかっていて、どのような経費がかかるのかを把握をしないと、簡単にいります、いりませんと安易にお答えできるものではない」と明言を避けた。

一方、つくば市の集計結果について、洞峰公園を担当する県都市整備課は「(コメントは)特にない」とし、五十嵐市長がパークPFIの撤回を県に要望したいと表明したことについては「市から何の話も受けてないので何のコメントもできない」としている。

社会を変えるはじめの一歩 土浦で高校生らのワークショップ

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「診療看護師」を目指したいと語る栗山大雅さん=茨城県県南生涯学習センター(土浦市大和町)

「つくば駅周辺に高校生が楽しめる場所がない」「通学路にゴミが散らかっている」「SNSでの誹謗(ひぼう)中傷をなくしたい」「LGBTへの理解を深めたい」―。そんな、自身や周囲が関わる課題に取り組もうと、県南地域の高校生や大学生によるワークショップ「ユース・チャレンジ・プロジェクト」が土浦市大和町の県県南生涯学習センターで、再来年3月まで、年8回程度のペースで開催されている。これまでに高校生が22人、大学生が3人参加し、問題解決にむけた、はじめの一歩を踏み出そうとしている。

医師不足に取り組みたい

「医師不足を抱える茨城で、診療看護師になりたい」と語るのは、同市内の高校に通う栗山大雅さん(18)。診療看護師は、看護師にはできない特定の診療行為を一定の条件下で行うことができるため、医師不足が進む過疎地域での活躍が期待されている。現在、全国で数百人が活動しているとされる。

栗山さんはこれまで野球に打ち込んできたことから、スポーツに携わりたいと理学療法士を目指していた。「絶対ためになるから」と高校の先生に勧められてワークショップに参加した。これまでに参加した4回の中で話題にのぼったのが医療過疎。その中で、診療看護師の重要度が高まっているのを知った。

参加者一人ひとりにアドバイスを送る入沢弘子さん=同

参加者へのサポート役を務めるのは、大手広告代理店で企業広報を務め、つくば市のプロモーションや新設された土浦市図書館の初代館長を務めるなど、地域の情報発信を担ってきた入沢弘子さん(60)。栗山さんへは「医師が不足しているというが、実際にどの程度不足しているのか、また、『医師不足』が地域のどの問題と繋がっているか、メディアなどをもとに実際の状況を裏付ける資料を探すと、提案としてより強くなる。医療不足解消へのアクションとして、具体的に何ができるのかも考えてみるといい」とアドバイスを送った。栗山さんは、診療看護師の重要性に反して実際の人数が少ない理由を探るために「まずは、医療関係者へのアンケート調査をしたい」と今後の活動目標に力を込めた。

自分たちで考えることを大切に

ワークショップは、県による「課題解決チャレンジ事業」の一環として県南生涯学習センターが実施。同センターの幸田尚志さんは「スキルを身につけるだけでなく、異なる高校や大学生とのネットワークづくりにもなる。将来的な地域の活性化につなげたい」と思いを込める。

ワークショップはこれまで4回開催された。土浦青年会議所のメンバーやOBから課題に向き合う実例を聞くなどし、参加者同士で課題について話し合った。その中で参加者の変化について入沢さんは、「みんな堂々と話せるようになったと思う。報道やウェブサイトで調べたデータと照らし合わせて裏付けを取るなど、皆さんの成長が感じられる」とし、「最終的には、大人への働きかけはしていきたい。動画での発表など、見える形にしていくことも。課題に関係する自治体があれば、そこへの提案もしていきたい。何らかの形で社会に知らせることはしていきたい」と語る。

「押し付けではなくて、自分たちで考えることを大切にしている。生涯学習という点とも結びつく。過程が大切。見ず知らずの人が集まり一つの課題に取り組むことは、どんな仕事でも基本的には同じこと。突き詰めて考えることを含めて、社会人になってからも役立つ。大変意味があると感じている」
(柴田大輔)

◆参加者は随時募集をしている。問い合わせ・申し込みは、県南生涯学習センターへ電話(029-826-1101)、またはホームページへ。

筑波山頂 深まる秋の御座替 神幸祭は春を待って

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神衣を運ぶ氏子たちを登山客が珍しそうに見守る=女体山頂付近

筑波山神社(つくば市筑波、上野貞茂宮司)で1日、恒例の御座替(おざがわり)が行われた。行動制限のない秋の観光シーズンを迎え、神輿(みこし)を担いで神社拝殿を目指す「神幸祭(じんこうさい)」の開催が期待されたが、今回も完全実施は見送り。筑波山頂での「神衣祭(かんみそさい)」と筑波山神社(拝殿)での「奉幣祭(ほうべいさい)」、2つの祭事の開催にとどまった。

神幸祭の開催見合わせは、コロナ禍に見舞われた2020年春から6回連続となる。奉幣祭も19年までは毎回約200人を招待して社殿にあげていたが、今回は100人に制限されている。記者は山頂まで登って、神衣祭の写真を撮ることになった。

中腹の神社は拝殿で、筑波山神社の本殿は男体・女体2つの山頂にある。親子の神が夏と冬に、本殿と拝殿で神坐を入れ替えることから御座替といい、毎年4月1日と11月1日に行われてきた。

女体山頂の本殿で行われた神衣祭

神社の神職らが午前9時30分に男体山、10時30分には女体山の本殿に参り、神衣(かんみそ)を取り替える儀式が神衣祭だ。この日の気温は10℃、標高877メートルの女体山、さえぎるもののない山頂では寒さが身にしみる。

しかし、紅葉シーズンを迎え山頂には朝から登山客の姿があり、珍しい儀式に遭遇する形で、神の衣が入れ替わる瞬間を興味深く眺めていた。登山客の一人は「なんにも知らないで登山をしたが、貴重な神事に立ち会えて有難い気持ちがした」と語る。

お神輿を担ぎ神橋を渡って拝殿へ

神衣が納められたお神輿を担いで山から下りてきた一行は、神橋を渡って神社拝殿に向かう。神幸祭ではさらに中腹の集落を巡って拝殿を目指す長丁場の行程となる。メーンイベント格の神幸祭を含め、通常の形で3つの祭りが実施されるのは、神社によれば23年春の祭礼からになりそうということだ。

地元の総代の中山光昭さん(67)は「総代や神官は男体山、女体山と山道の全行程を歩いていくので大変だ。それでも明治の頃はふもとの六所神社(つくば市臼井、現在は廃社)から全行程を歩くのでさらに大変な行事だったと聞く。今はケーブルカーも使うし、だいぶ楽になった」と語る。(榎田智司)

エレキの神様・寺内タケシに感化 土浦出身の映画監督 ご当地で製作発表

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土浦セントラルシネマズの街角に立つ映画監督の鈴木純一さん=土浦市川口

昨年6月に82歳で亡くなった土浦出身のギタリスト、寺内タケシさんを偲ぶ映画「俺たちの長い旅~エレキの神様に捧ぐ」が2023年夏の公開を目指し、製作される。映画監督で脚本を書いた鈴木純一さん(63)が1日、土浦市内で出演者らと製作発表に臨み、来春予定のクランクインでは、同市はじめ茨城県内オールロケでの撮影になることが明かされた。

勇気と希望と絆の青春ドラマ

映画「俺たちの長い旅」製作委員会(大石真裕委員長)による製作発表は、寺内さんの生家が営む映画館、土浦セントラルシネマズ(同市川口)の特設会場で行われた。鈴木監督のほか、出演が予定される緒形幹太さん、宮崎さやさんが出席した。

製作発表に臨む(左から)宮崎さやさん、鈴木監督、緒形幹太さん=製作委員会提供

鈴木監督と宮崎さんは同市出身。「夢のキセキ~里山の少女からもらった一粒の光~」(2017年)などの作品がある鈴木監督は、寺内さんと同じ土浦旧市内の生まれで、父親の茂さんは地元の楽団でギターを弾く音楽好きだった。幼いころ、寺内さんのコンサートに連れていってもらい、以来「大ファン」になったという。

60年代にエレキギターやバンドが非行の温床だとして学校で禁止されるようになる中、寺内さんは母校の県立土浦三高を皮切りに、数十年かけて全国1500百校近くの高校で演奏した。「ハイスクールコンサート」と呼ばれる活動。音楽を通じ、学校や保護者、地域社会の理解を得る取り組みで注目された。軽音楽好きの鈴木監督は、同じ時代を過ごした。

しかし近年、特に若者の間では「寺内タケシって誰?」となるほど存在感が薄れてしまい、映画化の思いを募らせたそう。ここ数年ミュージシャンの伝記映画がさかんだが、「寺内さんはあまりに偉大過ぎて、演じられる俳優がいない。今の時代の高校生の中に投影して、青春ドラマとして描き直すのはどうだろう」と企画した。折からのコロナ禍、修学旅行も運動会も成人式まで出来ずにいる若者の閉塞感を重ね合わせて脚本を書いた。

茨城の高校生たちでつくる軽音楽部。それぞれが抱える悩みや苦しみと葛藤する中、指導の教師から地元に「エレキの神様」と呼ばれた人がいたと聞かされる。過去にエレキ禁止令というものがあり、子供たちの音楽の自由が奪われていたこと、それをエレキの神様が救ってくれたことを知り、新たに上を向き歩み進んでいく-、勇気と希望と絆の物語に仕立てた。

一昨年には横浜にある寺内さんの自宅を訪ね、脚本を見せると「分かった、任せる」と映画化に快諾を得た。コンサート以外で初めて、対面で会う機会だった。

県内オールロケ、エキストラも県内募集へ

ところが昨年6月18日、寺内さんが他界。「同じ6月の6日に母親を亡くし、自分も参っているところへの訃報だった。母の享年も寺内さんと同じ82歳、前に進まなければならないと思った」そう。

脚本に手を加え、製作委員会を立ち上げ、キャスティングを開始。1日の製作発表に漕ぎつけた。筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に寺内さんを顕彰し遺品などを集める「寺内タケシ記念館」が開館したのが10月31日で、土浦のファンから「なんで筑西なんだ」との嘆きが聞かれるタイミングでの発表になった。

クランクインは来年3月、順調なら夏には公開の予定。寺内さんの演奏する記録映像を織り込みながら、全編を土浦を含む県内ロケで描きたい意向だ。舞台となる土浦三高には特にこだわりたいとし、「三高の桜並木のある坂道で現地ロケをしたいし、三高の名前も使いたい」と鈴木監督。

クランクインまでの間に、県内高校の軽音楽部などを通じエキストラを募集する一方、出演以外にも一般の協力を幅広く呼び掛けていくという。(相澤冬樹)

中国共産党と権力闘争《雑記録》41

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【コラム・瀧田薫】中国共産党は10月23日、習近平総書記(69)=国家主席=の3期目続投(異例)を正式決定し、同時に党の最高指導部である「党政治局常務委員」(習主席を筆頭に7人)の新メンバーを公表した。内外の中国ウオッチャーを驚かしたのは、新任された4人全員が習の側近で占められていたことである。つまり、習は常務委員会内の政敵を一掃し、党と国家における「習一強体制」の実現に成功したのである。

10年前の第18期党大会において、習は常務委員会トップに就任すると同時に、党内の政敵に対する攻撃を開始した。今回の「習一人勝ち」は、過去10年にわたる熾烈(しれつ)な闘争の結果であると同時に、習が目指す、さらに高い目標を実現するために必要な、より強化された権力でもある。

過去10年、今回を含めて3度の党大会があった。大会ごとに選ばれた常務委員の顔ぶれを通観すれば、習の闘争には首尾一貫した戦略があったことが見て取れる。まず18期大会では、常務委員7人中3人が江沢民派、胡錦濤派が1人、習派は彼自身を含めて3人であった。

つまり、このときは派閥均衡による「集団指導体制」(毛沢東による独裁を2度と繰り返さないため鄧小平が定めた慣例)が機能していた。胡派は鄧小平の改革開放路線を継承し、江派は共産党の古い体質を受け継ぐ保守派、習派はソ連邦の崩壊に危機感を抱き、中国における改革開放の必要性を認めつつ、それに先んじる形での共産党の規律と権力の維持・強化を重視する立場であった。

習は鄧小平の遺産・中国流資本主義経済を共産党の強力な監督・管理下に置かない限り、かつてのアヘン戦争のように、あるいはソ連邦のように、中国が蝕(むしば)まれていくことを何よりも恐れていた。そのため、習は着々と戦略通りの権力闘争を遂行、第19期党大会において、江沢民派を排除し、今回の第20期党大会においては胡錦濤派を一掃して、「習一強体制」の樹立に成功したのである。

一党独裁システムを繰り返し精錬

習の仕掛けた権力闘争は、毛沢東が仕掛けた「文化大革命」と共通する性格をもっている。毛沢東の場合は「走資派」攻撃、習の場合は「鄧小平の改革開放路線継承派」攻撃だが、両者に通底するのは、共産党一党独裁のシステムを繰り返し精錬し直すことに全力を傾注する強固な信念である。

習は今回、チャイナセブンをイエスマンで固めることに成功した。この余勢を駆って、彼が毛沢東のように終身主席として党と国家に君臨する可能性もある。それでは、中国は習の思惑どおり、近い将来覇権国家にまで上りつめるのだろうか?

筆者は今回の習の成功が、中国にとって大きな禍根として振り返られる日が遠からず来ると予想する。今回の党大会を契機として、習の強権的支配が強まり、内外の敵に「団結」して立ち向かおうとのスローガンの下、あらゆる領域で党、国家、そして習主席個人に対する忠誠が国民そして共産党党員に要求されるだろう。しかし、それと同時に、習のプーチン化も始まっている。(茨城キリスト教大学名誉教授)

「つくばに県立高を」請願 7075人の署名添え県議会に提出

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7075筆の署名を県議会職員に提出する「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表ら=県議会棟3階議員面談室

市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は県議会12月定例会開会日の31日、つくば市などへの県立高校の新設や既存校の定員増を求める請願書を伊沢勝徳議長あて提出した。請願には7075人の署名が添えられ、つくば市選出の山中たい子県議(共産)が紹介議員となった。

2021年5月に発足した同会の県への請願は今回が初めて。請願は10日に開かれる文教警察委員会(水柿一俊委員長)で審議され、採択・不採択(継続審議)の結論は定例会最終日の16日、本会議で決定する。

請願は、①つくば市やTX沿線に全日制県立高校を早急に新設、さらに既存の県立高校の定員増を行う②高校への通学利便性を高めるーの2点を求めている。この要望事項は、昨年9月つくば市議会で全会一致で採択された請願書や、今年8月につくば市長が知事宛てに出した県要望と同じ。片岡代表(72)は「つくば市とつくば市民の願いが詰まっている。人口が増えるつくば市内では、6人に1人しか市内の高校に入れないという実情を理解し、現在の小中学生のためにも、ぜひ採択してほしい」と話した。

今回の請願に向け、同会は9月18日に署名活動をスタートさせ、メンバーや賛同者がスーパーの前などに立つなどして、43日間で7000人超の署名を集めた。考える会の横井美喜代さん(73)は自身も児童クラブをまわったり、近所に署名依頼チラシをポスティングするなどして活動を続け、「この署名を待っていたと話す方もいるなど、日に日に関心の高まりを感じた」と話している。

同会の取り組みを受けて、県議会では今年3月に星田弘司、山中たい子両氏、6月には塚本一也氏らがつくば市の県立高校問題について一般質問し、高校不足問題を顕在化させた。紹介議員の山中たい子氏は「県はあくまで教育プランに沿ってこの問題を考えている。他地域とは事情が異なり、人口増加が著しいというつくば市の実情を理解していないようにみえる」と話した。(花島実枝子)

高校生と被爆者の対話から生まれた一枚の絵 「あの夏の絵」つくば公演を前に

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「あの夏の日」の背景を語る劇作家の福山啓子さん(中央)と、対談するギタリストの稗田隼人さん(左)

原爆被害の証言を聞き取り、一枚の絵にする-。広島の高校生による、被爆者の記憶を継承する取り組みをもとにした舞台劇「あの夏の絵」(福山啓子作・演出)が12月16日、つくばカピオホール(つくば市竹園)で開かれる。これを前に、同作品を手がけた福山啓子さんによるトークイベントが30日、つくば市内のせせらぎクリニックで行われた。会場では、つくば市出身のギタリスト、稗田隼人さんによる演奏と福山さんとの対談も行われ、市内外から約30人が足を運んだ。

福山さんは2014年、原爆の被害を描いた絵に圧倒された。その絵は、広島市立基町高校創造表現コースの生徒たちによる作品だった。2007年から同校は、広島平和資料館による原爆の記憶を継承するプロジェクトに参加し、毎年、約9カ月にわたり被爆者と生徒が対話を繰り返しながら、被爆の記憶を一枚の絵にすることを続けている。福山さんは、この絵画作品との出会いがきっかけとなり、何度も広島へ足を運び「あの夏の絵」を完成させた。作品は2015年に初演されている。30日は、描かれた絵をスクリーンに投影しながら、生徒と被爆者のやりとりなど、作品の背景を福山さんが解説した。

広島で出会ったある生徒は、それまで蓋をしていた自分の記憶を掘り起こす被爆者の話に耳を傾けながら、亡くなった一人ひとりの人生を想像する過程で「描いていた遺体が人間になっていった」と福山さんに語った。「残酷さが足りない」と言われた生徒は、平和教育ではわからない、想像を絶することが起きていたことを知った。別の生徒は「かわいそうだから」という言葉を聞き、大八車に乗せられた遺体の絵に、当初はなかった布団を描き入れた。こうした行為を福山さんは「それぞれの思いが重なってできた作品。供養の意味もある」と説明する。取材を通じて「(生徒と被爆者が)一緒になって作る絵」だと実感した。

「若い人に見てもらいたい」中高生100人を招待

「あの夏の絵」には、広島で出会った高校生をモチーフとした3人が登場する。異なる立場で被爆者と向き合い絵を描くなかで成長していく若者の姿を描いた。福山さんは「高校生の皆さんにも、色々なことを感じてもらえるんじゃないかと思っている」と呼びかける。

主催するのは、つくば市内で活動する複数の市民団体による「『あの夏の絵』を観る会」。代表の穂積妙子さん(73)は、「亡くなる方も増えている中で、戦争体験の継承は難しくなっている。思いもかけない形で戦争が始まったこういう時期だからこそ、若い人に見てもらいたい。伝わることがあるはず」と話す。

若者への参加を呼びかける同会では、先着100人の中学・高校生を無料で招待するために、15万円を目標に寄付を募っている。目標金額を超えた場合は、招待枠の拡大も検討している。(柴田大輔)

◆舞台劇「あの夏の絵」 12月16日(金)午後7時からつくばカピオホール。チケットは一般3000円、大学生以下1500円。問い合わせ、申し込みは、つくば子ども劇場(電話029-852-9134、メール:298kodomogekijo@gmail.com)へ。

土浦の写真文化を育てる プロ写真家のオダギさん【キーパーソン】

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写真家 オダギ秀さん

土浦市在住の写真家、オダギ秀さんが中心になって土浦写真家協会を立ち上げてから1年3カ月。先日、その会報「土浦写真家協会だより」第2号、「第17回土浦の写真コンテスト」募集チラシ、「オダギ秀写真展 旅の途中・2022秋」案内はがきが、一緒に送られてきた。そこで、土浦市観光協会主催の写真コンテストで審査員をしているオダギさんに、市の写真展のこと、写真家協会の現況、自分の写真展のことを聞いた。

写真コンテストはA4でもOK

「土浦で感動を撮ろう!!」と呼び掛ける写真コンテストの後援者には、土浦市、市教育委員会、土浦商工会議所、JA水郷つくばなどが名を連ねているが、今回から写真家協会も後援者に加わった。募集期間は24日~11月23日。審査を経て、土浦まちかど蔵「野村」(来年1月29日~3月3日)と小町の館(3月4日~3月31日)で展示される。

第1回からオダギさんは審査員を務めている。ほかのメンバーは、商工会議所副会頭、JA水郷つくば理事、市産業経済部長といった顔ぶれで、写真のプロはオダギさん1人。「コンテストの趣旨を踏まえ、土浦の魅力をPRできるものを選びたい。同時に、写真としての良さもポイントになる」と、審査基準を語る。

17回展の要項で新しくなったのは、家庭用プリンターで印刷できる「A4判(210ミリ✕297ミリ)」での応募も可能になったこと。従来は「ワイド4切(366ミリ✕254ミリ)」といった写真の規格が応募条件になっていた。「まちの写真屋が減り、写真のプリントを頼めるところが少なくなっている。スマホで撮る人にも参加しやすいように、一般的なA4サイズでも受け付けることにした」という。

「10年前を撮った写真展」?

本サイトの記事「土浦写真家協会が発足…」(2021年7月4日掲載)にもあるように、オダギさんは写真家協会の事業として、「市などが主催する写真展の後援」のほか、「街なかで開ける小規模な写真展」や「昔の写真の保存(アーカイブ)」などを計画している。

「写真展はまだ実現していないが、『たった10年前のことを撮った写真展』といった企画を議論している。10年後の写真展に向け、日常の生活風景などを、今、撮っておこうというものだ」「アーカイブの方は範囲が広く、苦労している。災害とか催事の写真は残っているが、ごく日常のものは意外と少ない。学校の制服とか、新聞配達のバイクとか…。50~100年先を考えると、そういった民俗資料的な写真を保存したい」

「かざぐるま」旅の途中・2022秋

まだまだ続く「旅の途中」展

個人展「旅の途中・2022秋」は、11月20~27日、つくば市高野台のカフェギャラリー・ロダンで開く。「これまで、石仏の写真は古民家の文庫蔵ギャラリーで、日常を切り取った写真はカフェギャラリーで、展示してきた。ところが、好きだった文庫蔵が使えなくなってしまった。これからは、カフェの方でまとめて展示する」

「ボクの人生=旅の途中で、いろいろなシーンを見てきた。これからも、年1回のペースで『旅の途中』展を開いていきたい」

【おだぎ・しゅう】本名は小田木秀一。土浦一高、早大政経各卒。写真家。技術に裏付けられた写真に定評があり、県内写真界の指導的立場。専門はコマーシャルフォト全般およびエディトリアル。日本写真家協会(JPS)、日本広告写真家協会(APA)各会員。土浦写真家協会会長。1944年、水戸市生まれ。土浦市在住。

【インタビュー・後記】オダギさんは中高の2年先輩。中学の文化祭に出展された墓石群のモノクロ写真は今でも覚えている。放送部では米国の原爆実験を扱った番組を製作。バックに使ったムソルグスキーの「禿(はげ)山の一夜」は効果的だった。写真も音楽も表現のセンスはそのころから。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

「イマジン ロータリー」を推進 つくばでRC大会 県内会員約1100人集まる

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地区大会で現況報告などをする大野治夫ガバナー=つくば市ノバホール

国際的な社会奉仕団体、ロータリークラブ(RC)の茨城大会に相当する国際ロータリー第2820地区の2022-23年度地区大会が29、30日、つくば市吾妻のノバホールで催された。今年度の地区長を務めるつくば学園RCの大野治夫ガバナーは「大いに楽しみながら奉仕活動をしましょう」などと呼び掛けた。

2820地区は県内60のRC(会員総数1872人)で構成され、今年度はつくば学園ロータリークラブ(大堀健二会長)がホスト役を務める。例年、年度後半の春や年度末に地区大会を開催してきたが、今年は年度前半の10月開催となった。

国際ロータリー会長の代理として、甲府RCの高野孫左ヱ門さんが出席したほか、茨城地区の友好国であるフィリピンとネパールのRC会員らが参加した。来賓として五十嵐立青つくば市長らがあいさつした。

大会では県内のRC会員約1100人が一堂に会して、今年度の国際ロータリーのテーマ「イマジン ロータリー」を推進していくことなどを全会一致で決議し、地区目標に「エンジョイ・ライフ(人生を楽しむ)」を掲げて活動していくことなどを確認し合った。

大野ガバナーは「イマジン ロータリー」の意味について、国際ロータリーのジェニファー・ジョーンズ会長が「想像してください。私たちがベストを尽くせる世界を。私たちは毎朝目覚める時、その世界に変化をもたらせると知っています」と呼び掛けていることなどを話した。

高野会長代理は「117年前の創設時のRCは、信頼できる仲間づくり、仲間の中で仕事の紹介などが行われていた。社会環境の変化の中で、個の利益より社会や地域の豊かさをどうつくり出すかが求められている」などと話し、テーマを推し進めるため、多様性、公正さ、インクルージョン(包摂性)の強化などが重要だなどと説明した。

県国際交流協会やつくば市への寄付金贈呈なども行われた。

大会後、ホテル日航つくばで催された大懇親会ではマグロの解体ショーなども披露され、参加者を沸かせた。

土浦初の介護医療院 協同病院跡地に1日開院 計138床

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土浦リハビリテーション病院・介護医療院のリハビリテーション室。旧病院の駆体を活かし天井高も高く確保できた=土浦市真鍋新町

土浦市真鍋新町の土浦協同病院跡地に、つくばセントラル病院(牛久市)などを運営する社会医療法人若竹会(竹島徹理事長)が11月1日、合計138床の医療・介護の複合施設を開院させる。「土浦リハビリテーション病院 介護医療院」(岩﨑信明院長)で、要介護者に対し、同一施設内で医療と介護を一体的に提供する介護医療院は、つくば・土浦地域で初の開設となる。

若竹会運営、都和病院は廃院

新病院は29日、土浦市長ら関係者を招いての竣工式の後、30日まで医療・介護関係者に施設を公開する内覧会を行った。ケアマネジャーなど多数が参加した。同法人は、同市西並木町で運営する都和病院を31日で廃止、1日朝に入院患者35人を転院させ、開院を迎える。

救急医療協力病院として外来診療に当たるほか、入院は回復期リハビリテーション病棟(34床)と地域包括ケア病床(8床)で受け入れる。介護医療院は96床とし、要介護高齢者の長期療養と生活の施設になる。

介護医療院は、2018年4月の介護保険法などの改正法施行で新たに法定化された。これまで県内に7施設できたが、いずれも介護療養病床・医療療養型病床などから転換したもので、新設は初めてという。医療保険ではなく介護保険の適用を受けるため、市町村は財政圧迫の懸念から容易に取り組めなかった。

土浦市は、第8次老人福祉計画と介護保険事業計画で、介護医療院の整備を位置付け、事業者を募集していた。老朽化した都和病院の移転先に協同病院の跡地利用を目論んでいた同法人が応募し、検討委を経て市が認めた。

介護医療院のベッド回りはプライバシーの確保から、カーテンではなくパーテーションや家具による間仕切りがされ、広めのスペースが確保されている

要介護者に対し適宜、医師と看護師らの医療介入が施されるのが介護医療院。「いつまでも入っていられる施設とも言える。在宅生活復帰をめざしじっくりリハビリテーションに取り組める一方、ここを終の棲家(ついのすみか)とするターミナルケア(終末期医療)機能も果たすことになり、実際の利用は二極化したものになるのではないか。いずれにしても快適な環境を提供したい」(岩﨑院長)としている。

土浦協同病院は、2016年3月に土浦市おおつ野に新築移転。若竹会は今回の土地に隣接する協同病院がんセンター跡の建物を先に取得し、18年2月から「介護老人保健施設セントラル土浦」(100床)を運営している。今回は敷地面積1万553平方メートルの跡地と、16年の移転以降残っていた旧救急センターの建物を取得。昨年10月から増改築工事を行っていた。

同法人によれば、1989年竣工の同建物は「基礎や耐震構造などしっかりしており、駆体をそっくり利活用する形で、短期間で工事できた」という。鉄筋鉄骨コンクリート造(地下1階、地上6階建て、延床面積6940平方メートル)の建物は、1階に外来受付と人工透析(30台)が置かれ、2階には都和病院が引っ越しする形で入り、42床の回復期リハ病床となる。3階にリハビリテーションセンター、4~6階に介護医療院が配置された。先行の老健施設とは地下通路で結ばれる。

土浦リハビリテーション病院 介護医療院の岩﨑信明院長

外来診療は11月7日から開始。診療科目は内科、泌尿器科、整形外科、小児科、リハビリテーション科。医師やスタッフ約180人の陣容を整え、春からつくばセントラル病院、都和病院などで経験を積み、開院に備えてきた。院長には、県立医療大学付属病院で院長を務めた岩﨑信明さん(63)が就いた。小児神経科とリハビリテーション科の専門医で自ら診察に当たる。(相澤冬樹)

泉秀樹研究② あなたはなぜ神など信じるのか?《遊民通信》51

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【コラム・田口哲郎】

前略

泉秀樹さんは1983年に『率直にきこう あなたはなぜ神など信ずるか』という本を、遠藤周作の愛弟子の加藤宗哉さんと共著で、女子パウロ会という出版社から出しています。同会はカトリックの女子修道会が運営する出版社です。この本で出てくる神とは、キリスト教の神です。内容はインタビュー形式で、対談相手はカトリック関係者です。

その中で目に留まるのは、矢代静一、遠藤周作、曽野綾子、三浦朱門といった当時一線で活躍していたカトリック作家です。そしてマザー・テレサも登場していて、往年のカトリックの勢いを感じます。

面白いのは、泉さんも加藤さんもカトリック信者ではないことです。信者ではない人が、信者に「なぜ神を信じるのか」と問う。なかなか鋭い質問を投げかけるコンセプトです。すべての対談者がそれぞれの個性を出しながら、信仰を語ります。それぞれの味があり、凄(すご)みもあり、なるほどと思わせます。

圧巻は遠藤周作へのインタビュー

泉さんと加藤さんは「三田文学」という慶應義塾の文芸誌で、遠藤周作が編集長をしていたときに、スタッフとして関わっていたそうです。遠藤周作といわば師弟関係にあったわけで、対談も親密さが手伝って、結構深いところまで踏み込んでいるので、読み応えがあります。

泉さんは聞きます。神というものは結局人間がつくったものではないのですか? 遠藤周作は答えます。若いころはそう思うこともあった。でも、もし神が人間の創造物ならば、もうとっくに信仰を捨てていただろう、と。人間生きている間に、罪も犯すし、どうしようもない苦しみに遭遇するときがある。人に言えないけど、心に残って苦しむ罪や不治の病などです。それは人間自身ではどうしようもない。

そのときに、神の方から人間に寄ってきて、苦しみや悲しみを背負ってくれるときがある。「神さまが出てくる時」が人生にはあって、人それぞれだというのです。

神と人間がそうやって関わるときに、人間は救われることがある。それが何なのか、わからない。遠藤はそれを数式の「X」にたとえます。このXは解明し尽くされることはないけれど、自分なりに理解してゆくことが信仰なのだそうです。

こうした信仰というとても個人的な問題に、ためらいなく、軽妙に、しかし真剣に切り込んでゆく才覚を、泉さん、加藤さんはお持ちなのでしょう。この本は日本人のキリスト教信仰についての貴重な証言になっていると思います。

J:COMテレビで「泉秀樹の歴史を歩く」で、神奈川の旧跡を巡って、人間の悲哀を語る泉さん。若いころから人間をじっくり観察しているからこそ、できることなのかもしれません。知れば知るほど魅力的な人物だと思います。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

3年ぶり「わんわんランド」で学園祭 つくば国際ペット専門学校

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昼も夜もずっと一緒に過ごすパートナードッグとドッグレースを披露する学生たち(右)=つくば市沼田、つくばわんわんランド

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が29日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第13回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。新型コロナの影響で2019年以来3年ぶりの開催となり、晴天の下、多くの来場者でにぎわった。

犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちは、クイズ大会やドッグレース、トリミングコンテストなどのイベントを企画し、これまで学んだ成果を披露した。愛犬も入場が可能で、愛犬と一緒にイベントを楽しむ親子連れが多く見られた。

ペットケア総合コースで学ぶ学生たちはドッグレースを企画。勉強のために毎日一緒に過ごしている「パートナードッグ」の中から10匹を選んで2レースを行った。同コース2年の仲林優希さん(19)と白岩優衣さん(19)によると、速く走れそうな犬、レースの途中で遊んでしまわない犬を選んで出場させたという。犬同士の相性を考慮して組み合わせるのに試行錯誤し、「犬友祭」直前になって組み合わせが決まったと苦労を語った。同校では昨年から、飼い主がいないなどの理由で一時的に保護されている保護犬を「パートナードッグ」に採用している。レースに出場した10匹のうち2匹も保護犬で、仲林さんと白岩さんは保護犬にかかわる仕事に興味を持っているという。

トリミングコンテストで実演をする学生たち

ドッグトリマーコースで学ぶ学生たちは、毛をカットする前と後の犬の写真を並べ、同じ犬を選んでもらうビフォーアフタークイズや、トリミングの実演などを行った。クイズに参加した来場者は写真を何度も見比べ、悩みながら答えを紙に記入していた。同コース2年の神永優翔さん(19)は、「トリミングする時には犬にけがをさせるといけないので気をつけている。学校ではわんわんランドにいる犬たちをカットさせてもらっているので練習がたくさんできる」と話した。

ひたちなか市から家族8人で訪れたという三村武夫さん(83)は「きょうだいの孫が学校に通っていて、トリミングを勉強している。自分も犬が好きで来た。にぎわいに驚いた」と感想を語った。(田中めぐみ)

多くの来場者でにぎわう、犬の形の木造犬展望台「モックン」前の広場

生理用品を無料配布 31日から つくば市

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つくば市役所

物価上昇が続く中、経済的理由で生活に困っている人を支援しようと、つくば市は31日から、生理用品の購入に困っている人を対象に、生理用ナプキンを無料で配布すると発表した。

市役所2階の社会福祉課、大穂保健センター、桜保健センター、谷田部保健センターの4カ所で、計1200セットを先着順で原則1人1セット配布する。1セットには昼用と夜用が各1パック、およそ1カ月分入っている。

コロナ禍で生理用品を購入することが困難な「生理の貧困」が言われる中、同市では昨年6月から順次、市内の小学4~6年生と中学校の女子トイレの個室に生理用品を配置するなどしてきた。

個人に無料配布するのは今回が初めて。事業費は約130万円。

旧統一教会関連団体を広報誌で紹介 つくば市市民活動センター

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旧統一教会関連団体の情報が国際協力団体として掲載されたつくば市市民活動センターの広報誌

旧統一教会の関連団体、世界平和女性連合の地域組織「WFWP世界平和女性連合つくば支部」の団体情報が、つくば市市民活動センター(同市吾妻)が9月に発行した「広報71号(2022年9・10月号)」に国際協力団体として掲載されていることが分かった。

紙面では、今年7月までに使用団体情報提供書を同センターに提出した、市内で活動する158の市民団体の一つとして紹介されている。

同センターの担当者は「紙面を編集した7月の時点で(同連合が)旧統一教会の関連団体であることは認知していなかった」と説明する。使用団体情報提供書は、センターの運営が指定管理者から市に移った2021年4月、施設を利用する市民団体に対してセンターが提出を勧めていた。世界平和女性連合つくば支部は、団体冊子をセンターに置いていたことから、団体活動を国際協力団体として提出し、今回の掲載につながった。

茨城県内には世界平和女性連合の地域組織が二つあり、つくば支部は土浦市に拠点を置く茨城第2連合会に属し、同連合主催の女子留学生日本語弁論大会(10月20日付)や、エチオピアの里親支援などをボランティアで会員が行ってきたと、支部担当者は説明する。同連合の公式サイトによると、全国47の各都道府県に156の連合会を置いている。

被害者救済と実態解明求める意見書可決

つくば市議会は9月議会最終日の10月6日、旧統一教会と関連団体による被害者救済と実態解明を国に求める意見書を賛成多数で可決した=メモ=。国に提出された意見書では、霊感商法など教団によるこれまでの違法行為や政治家への働き掛けなどの問題点を指摘した上で、国民の信頼回復のために被害実態の解明、被害者やその家族の救済に向け関係機関が連携して取り組むこと、教団と政治家の関係を究明・公表し決別することを求めている。

意見書を議員提案したつくば・市民ネットワーク代表の永井悦子さんは、関連団体が市民活動センターの広報誌で市民団体として紹介されたことについて「旧統一教会自体は、反社会的なことを行っていることが民事訴訟等で明らか」との認識を示し、「関連団体は市民への入り口となっていると理解している。(団体の動きを)注意しなければならない」と見解を述べた。

市民活動センターは今後の対応について「センターの施設規約では、政治・宗教活動を目的とするものについては、施設使用を許可できないことになっている」としつつ、「国の指針等が出ていない現段階では、市民団体と宗教団体との関連は、それが虚偽かどうかを含めて明確な対応基準はなく、公平性の観点からも判断はしかねる」との見解を示した。(柴田大輔)

【メモ】旧統一教会及び関連団体による被害者の救済と実態解明を求める意見書
▷賛成した市議19人=ヘイズ・ジョン、宮本達也、塚本洋二、飯岡宏之、鈴木富士雄、川村直子、あさのえくこ、小森谷さやか、皆川幸枝、山本美和、浜中勝美、小野泰宏、高野文男、山中真弓、橋本佳子、川久保皆実、木村清隆、塩田尚、金子和雄
▷反対した市議8人=長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫、木村修寿、小村政文、中村重雄(敬称略)

結婚したい《短いおはなし》8

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【ノベル・伊東葎花】

秋晴れの日曜日。

バラの花とハートの風船で飾られた、素敵なウエディングパーティ。

新郎新婦はとびきりの笑顔で、世界で一番幸せそう。

職場の先輩は、宣言通り30歳の誕生日前に結婚式を挙げた。

白いドレスがまぶしくて、思わずうっとりしてしまう。

フィナーレは、独身女性が目の色を変えて挑むブーケトス。

私は居並ぶアラサーたちを押しのけて、最前列を陣取った。

そして若さと得意の運動神経で、ブーケをこの手にキャッチした。

「はっ? 何でいちばん若いあんたが取るのよ」

先輩たちの冷たい視線を感じながら、私はブーケを空に掲げた。

「次は私の番だー」

ごめんね、先輩方。

若くても、私は焦っているんです。

結婚したいんです。できれば春までに。

2次会を断って、大好きな卓也が待つ家に帰る。

今日こそ、結婚の話をちゃんとしよう。

「ただいま、卓也」

ちらかった部屋でゲームをしていた卓也がちらりと私を見た。

「おかえり。きれいな花だね」

「ブーケトスでね、私のところにブーケが飛んできたの。すごいでしょ。これって運命よ」

「ふうん。よかったね」

「花嫁さんからブーケを受け取るとね、次に結婚できるのよ」

「ふうん。そうなんだ」

卓也は、たいして興味がなさそうに言った。

彼は、ブーケよりも引き出物のケーキに興味があるみたい。

私は卓也のためにケーキを切り分けて、となりに座った。

「ねえ、卓也。10月ももう終わりだね」

残り少ないカレンダーを眺めながら言ってみた。

「11月22日って、いい夫婦の日なんだって」

「へえ」

「いい夫婦って、何だろうね」

「知らないよ。オレに聞くなよ」

「そうだよね」

「ねえ卓也。私が、結婚したいって言ったらどうする?」

「結婚? 誰と?」

「誰って…それは…」

「うん。別にいいよ。結婚したかったらしなよ」

「いいの? だって、卓也、私と結婚したいって言ってたじゃない」

「いつの話だよ。それ、2年くらい前でしょ。オレ、もう違うから」

「そうか。そうだよね。うん。わかった」

私は、一抹の寂しさを感じながら、卓也をそっと抱きしめた。

「卓也、春までに、絶対ステキなパパを見つけるからね」

「うん。オレ、一緒にサッカーしてくれるイケメンのパパがいい」

口の端にクリームをつけた卓也が、元気いっぱいに笑った。

17歳で子供を産んで、ひとりで育てて来た。

卓也は6歳。生意気だけど可愛いの。

卓也が小学校に上がるまでに、収入が安定したパパを見つけなきゃ。

ねっ、卓也。ママ、頑張るね。(作家)

つくばセンタービルを情報発信基地に 11月3日、市民団体が40周年プレイベント

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代表の冠木さんと、ホテル日航つくば3階廊下のモンローカーブを撮影した40周年プレイベントのポスター=同市吾妻、ホテル日航つくば内

構想を提案、アート拠点として活性化へ

建築家、磯崎新さんによるポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年6月に40周年を迎えるのを前に、40周年プレイベントとなるシンポジウム「ポストモダンの殿堂 つくばセンター・アートミュージアム構想」が11月3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれる。

ホテル、コンサートホール、市民活動拠点、オフィスと、中央広場などで構成されるつくばセンタービル全体を、市の新たな情報発信基地と位置づけ、アート拠点として活性化させようという構想を提案する。

市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が主催する。同会は、つくば市が同ビルの中央広場にエスカレーターを設置するなどのリニューアル計画を発表したことをきっかけに昨年、発足した。昨年6月には「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」と題したシンポジウムを開催し、リニューアル計画の見直しを求めてきた。さらに市に要望書を提出し、リニューアル計画は大幅に見直された。今回は第2弾のシンポジウムになる。

磯崎さんが設計した同ビルは、ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表的なカンピドリオ広場の空間造形が中央広場に埋め込まれ、傍らにギリシャ神話に登場する女神ダフネの彫像が立つ。18世紀を代表するフランス革命期の建築家ルドゥーが構想した理想都市への敬意が込められ、さらに20世紀のセックスシンボル、マリリン・モンローの肢体の緩やかなカーブが空間の輪郭やロビーの椅子に密かに仕込まれている。さまざまなアートの集積として誕生した建築であることから、ビル全体をアート拠点として活性化させ、新たな情報発信基地として再生させる提案をする。

シンポジウムでは、筑波研究学園都市の建設当初から都市の成り立ちと変遷の写真を撮り続けてきた、つくば市在住の写真家、斎藤さだむさんが「写真でみるセンタービルとつくば」と題して話すほか、筑波大学の鵜沢隆名誉教授が「かつて筑波サロンで語られたこと」、神奈川大学の六角美留教授が「つくばvs水戸 磯崎新の創造した“にわ”」をテーマに話す。続いて筑波大学の加藤研助教の司会で、今後どのようにセンタービルを活性化するかについて、参加者と一緒に議論する。

会場となる同ホテル3階宴会場「ジュピターの間」に続くロビーの大理石の壁には、「時の歩廊」と呼ばれる、パルテノン神殿のような柱が等間隔で並んだ列柱廊のレリーフが描かれている。これまではカーテンで覆われていて見ることができなかったが、ホテルがイベントを機にカーテンをはずし、レリーフを見ることができるという。

代表の冠木さんは「(つくば市によるリニューアル)計画の見直しで建物の意匠を守るという目的が達成できた。今後はどのように活性化するかに踏み込んでいく。(センタービルで)こんなことをやりたい、あんなことをやりたいという人が1人でも2人でも出てきてくれたら。また、やりたくてもどう実現したらいいのか分からないということがある。市民の意見を吸い上げるシステムの構築も必要」と話す。(田中めぐみ)

◆つくばセンタービル40周年プレイベントは11月3日(木・祝)午後0時30分から3時。つくば市吾妻のホテル日航つくば本館3階、ジュピターの間で開催。参加費無料。定員100人。参加申し込み・問い合わせは「つくばセンター研究会」ホームページへ。

茨城発高温ガス炉と原発再稼働 《ひょうたんの眼》53

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朝はしらふ 夕時はほろ酔いの酔芙蓉(すいふよう)

【コラム・高橋恵一】岸田首相は、エネルギー政策として、既存原発の再稼働と新たな原発の導入を打ち出した。原発の再稼働には、自治体の了解のほか、安全確保と避難計画の策定が必要で、再稼働の条件がなかなか整わない。

広島、長崎などの犠牲を受け、反省を込めて、人類の智恵を生かす試みが原子力の平和利用であった。医療や工業技術への成果があり、エネルギー面の活用が原発であり、その実践に踏み出したのが東海村の原発である。平和利用先駆け県の茨城では、既存型の原発とは別に、日本原子力研究開発機構・大洗研究所で、高温ガス炉の開発が進められている。

高温ガス炉は小型の原発で、既存原発の利用可能温度が300度程度であるのに対し、1000度以上の熱を取り出す。溶鉱炉にも利用できそうだと、米国はじめ各国が開発に取り組んだが、高温が達成できず、米国は開発をあきらめた。

日本、ドイツ、ロシアだけが実験を続け、大洗研が900度の熱取り出しに成功したのが2005年だった。900度は製鉄には向かないが、大洗研は水を分解して水素を発生させ、さらに余熱で発電することに成功した。高温ガス炉は1機で30万人都市の電力と燃料としての水素を供給できる。

実用化すれば、ロス割合が高い長距離送電が必要なくなるし、新興国の都市密度の低い地域のエネルギー供給には極めて有効と考えられる。

高温ガス炉は、炉心は黒鉛を構成材に用い、熱の取り出しは安定元素(爆発しない)のヘリウムガスを用いる。燃料の核物質は4重被服のセラミック使用のペレットで、炉心溶融や放射能放出事故の恐れのない、安全な原子炉とされている。

つまり、事故時、住民避難の必要がない原子炉とされている。使用済み核燃料処分の課題は残るが、温暖化ガスを空中にまき散らす化石燃料より、安定地層に保管する方が現実的かも知れない。

原発の再稼働・新設は止めるべき

岸田首相のエネルギー政策では、東海第2原発も再稼働の対象だが、90万人もの避難計画を策定する必要があり、現実味がない。福島の例を見れば、いまだに帰還困難区域があり、避難の概念からはかけ離れているだろう。地震や津波、隕石(いんせき)や航空機の墜落などがあっても、安全が確保できない限り、原発の再稼働あるいは新設は止めるべきだ。

福島の事故については、政治的な事情で曖昧になっているようだが、元々、原子炉の暴走を止めることができる安全装置(自動復水器)を止めてしまったことなど、運転側の基本的なミスだった。緊急ブレーキのない原発などありえない。どのような先端技術も、基本の技術・操作を無視しては成り立たないのだ。(地図好きの土浦人)

乗用車がつくバスに衝突 小学生と高校生ら乗客14人が軽いけが

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つくば市役所

26日午前7時50分ごろ、つくば市島名、県道土浦坂東線で、直進してきた乗用車が対向車線にはみだし、対向してきた同市のコミュニティバス「つくバス」に衝突、バスに乗っていた小学生2人があごの下を切ったり、胸を打つなどして救急車で病院に運ばれたほか、小学生9人、高校生2人、社会人1人の計12人が打撲などによる痛みなど軽いけがを負った。

つくば市総合交通政策課によると、バスは谷田部窓口センター発研究学園駅行き谷田部シャトル上り3便で、現場は片側1車線の直進道路。乗用車が対向車線にはみだしてきたことから、バスは左側によけブレーキをかけたが、乗用車がバスの前方右側に衝突した。

事故時、バスには通学や通勤途中の小学生や高校生、社会人など計40人が乗車していた。

救急車で運ばれた小学生2人は病院で検査を受け帰宅した。打撲などによる痛みが生じた12人のうち11人はそのまま学校に登校したり、出勤したという。

同課はけがを負った小学生と高校生について27日に再度、症状や具合を確かめたいとしている。乗用車とバスの運転手にけがはなかった。

事故を受け市は、運行事業者である関東鉄道に安全運転の徹底を指示したとしている。

つくば市長「まずはアンケートを分析」 県との協議開始は早くて年末 洞峰公園

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グランピング施設などが計画されている洞峰公園野球場=つくば市二の宮

つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、つくば市の五十嵐立青市長は26日、県のアンケート結果発表を受けて、「まずは(市独自に)アンケート結果をきちんと分析したい」と強調した、県は分析に2カ月かかったが、市は2カ月かけずに分析結果を出すとし、県との協議開始は早くて年末になるとの見通しを示した。

五十嵐市長は「昨日の夕方初めて(知事の)記者会見後にアンケートの生データをいただいた」とし、紙のデータとCD-ROMの電子データがあり、紙のデータはこれから入力した上で分析するとした。その上で「市民の声、利用者の声、県民の声をきちんと把握した上で今後の方針を協議することが県との約束。アンケートをきちんと分析して、本当に利用者や市民、県民が望んでいることが何なのかを把握しないと、私どもは次の段階には行けない」と述べた。

県が25日発表したアンケート結果は、パークPFI事業導入の是非について、8月実施分は記述式だったとして賛否の集計はされなかった。五十嵐市長は「県の発表の仕方についてコメントするつもりはない」とする一方、県が集計しなかった8月の記述式アンケートについても賛否の集計を実施するとした。

五十嵐市長はさらに今後の県との協議について「単純に数の多寡で決めるのではなく、(アンケートの)中身をじっくり見た上で、どういうのが望まれているのか、普段から利用している人のアンケート(8月実施分)と追加アンケート(9月実施分)の重みをどう判断するかということも分析したい」とした。

大井川和彦知事が25日「市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べたことに対しては、「まだ中身に入る段階ではない。市民、利用者がどう望んでいるか、把握した上で協議に入ることが筋」だと繰り返した。

一方、25日の県の発表について、つくば市の市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」の木下潔代表は「アンケート結果すべてがオープンになってないことにしっくりきていない。大井川知事が(25日の知事会見で)『反対のための反対』『反対ありきの人たち』などと発言したことはとても残念。反対する人が『変な団体』」という印象を与えている」などとコメントした。

宝篋山を臨む家庭菜園 《菜園の輪》8

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小島さんの畑。宝篋山が見える

【コラム・古家晴美】2006年に退職してから16年間、畑で自家用野菜を作ってきたつくば市在住の小島幹男さん(76)。地域の役員を務める飲み友達のグループでは、全員が家庭菜園で野菜を育てている。皆、実家が農家だったが、勤めに出ていた。定年退職後に、自分の食べる分だけでも、と始めた。

そんな仲間から、自然と野菜に関する情報が入ってくる。「これ、食べたことあるかー」と、新たな品種のものを持ってきてくれる。「うまいなー」と言うと、「じゃあ、種を持ってきてやるよ」と、やり取りが交わされる。

このようにして持ち込まれた野菜の中で、幹男さんと奥様の陽子さんのお気に入りは、赤玉ねぎとラッキョウをかけあわせた赤いエシャロットだ。普通のエシャロットが3月に収穫されるのに対し、1月には採れ、実も大きく、シャリシャリしている。3年前にもらった種が、畑でどんどん増えている。

この季節の収穫物は、大根、ネギ、白菜が主だ。大根は4種類作っている。青首大根をタクアンや切り干し大根用に作るほかに、切漬けや煮物用に少し短めの大根。また、赤い大根や中心部分だけピンク色の大根も栽培している。珍しい品種はたくさん作らないが、楽しみの一つだ。白菜やネギも2種類ずつ作っている。

大根のほかに、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、小松菜、ほうれん草、チンゲン菜、春菊なども。いずれも、種をまいて家の軒下で苗を育ててから植え付けた。

花畑の前で足を止め、立ち話

このほか、ネモフィラ、キンセンカ、パンジー、ビオラ、デイジー、菊などの花類も、種から育て畑の入り口に植えている。仏壇にはキンセンカや菊は供えるが、他の花は畑に植えておく。散歩する人が、筑波山に連なる宝篋山(ほうきょうさん)を眺めながら、この花畑の前で足を止め、立ち話をしていく。そのひと時を楽しめるように、花を植えているのだという。

これだけ様々な野菜を作っていて、最もおいしいと思ったのは何ですか、という問いかけに、陽子さんから即座に答えが返ってきた。「やつがしらですね」。胃の調子を崩したときに、軟らかくてクリーミーなこの里芋(さといも)を、煮たり味噌汁に入れたりして食べ続けた。もう少ししたら、本格的に収穫時期に入る。

また、畑には、小豆(あずき)をはじめ、大豆(だいず)、黒豆、花豆(はなまめ)など様々な豆類の葉が、青々と茂っていた。実がなり、自宅まで運ぶところまでは幹男さんの仕事だが、そのあと、鞘(さや)から実を出して選別するのは、陽子さんの仕事とのこと。

これだけの広さの畑から採れた豆が、どれだけの量になるかと思うと、気が遠くなる。陽子さんがんばってください。陰ながら応援したくなった。(筑波学院大学教授)