火曜日, 12月 7, 2021
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《吾妻カガミ》91 つくば市長の退職金辞退に違和感

【コラム・坂本栄】つくば市長2期目を目指す五十嵐さんが1期目の退職金2040万円を辞退、それを可能にする条例が9月18日に市議会で可決されました。法的な障害をクリアするために22円だけもらうそうですが、今回はこの退職金問題を取り上げます。というのは、美談風に報じられているこの件、「何か変だな」と思っているからです。 経緯や背景については、本サイトの記事「廃止を公約の退職金22円に つくば市長」(6月5日掲載)をご覧ください。ポイントは①市長は4年前の市長選で退職金廃止を公約②6月5日の記者会見で公約を果たすと言明③ただ制度上0円は難しいので最少額の22円を受け取ることにし、関連条例案を提出すると表明―です。 整理すると、前回市長選の公約「市長特権の退職金の廃止」を、今回市長選(10月25日)の4カ月半前に確認、そして市長選の1カ月ちょっと前に必要な手続きを終わらせ、公約の順守を市民に示した―といった流れになります。公約は選挙の肝(きも)ですから、五十嵐さんにとって、6~9月のこのプロセスは必要不可欠だったのでしょう。 仕事をうまくこなす自信がなかった? しかし私は、退職金廃止という公約そのものに違和感を持っています。退職金はハードな仕事をこなす市長の報酬の一部ですから、大きな失政をしないことが前提にはなりますが、堂々と受け取るべきと考えているからです。それなのに、選挙で退職金廃止を公約したのは、市長の仕事をうまくこなす自信がなかったからでしょうか? 私は33年間、経済記者として企業経営を見てきました。さらに10年間、メディアの経営に携わっていたこともあり、「仕事の達成度とトップの報酬はリンクさせた方がよい」と考えています。そうしないと、トップのやる気が落ち、仕事の結果に対する言い訳を許すからです。企業の支出に占めるトップ報酬はわずかですから、ケチるよりはきちんと報いた方が全体としてプラスになります。

廃止を公約の退職金22円に つくば市長

【鈴木宏子】1期4年ごとに約2000万円が支給されるつくば市長の退職金について、五十嵐立青市長は5日の定例記者会見で、公約に基づいて22円にすると発表した。 退職金は任期満了の今年11月16日を基準日に支給される。五十嵐市長は初当選した2016年11月の選挙戦で「市長特権の退職金廃止」を公約の一つに掲げていた。 一方、退職金を廃止することについては、県内44市町村で組織する県市町村総合事務組合が事務処理を行っており、制度上、受け取りを辞退しゼロにすることが困難だという。 市長退職金の算定方法は、任期満了日の給与月額に22を掛けた額になる。現在の月額約92万7000円だと約2000万円になるが、任期満了日の給料を1円にして22円にする。 手続きとしてはさらに市長給与特例条例の改正が必要になるが、条例改正案を議会に提案する時期は現時点で未定。 五十嵐市長は「2000万円というのは市民感覚から離れているので公約に掲げた。新型コロナで市民は大変な状態にあり、痛みを分かち合いながら約束を守っていく」と話した。

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筑波大教授、強制わいせつ容疑で逮捕

筑波大学教授が強制わいせつ容疑で7日、つくば警察署に逮捕されたとして、同大は同日、記者会見を開き「大学としてこのたびの事態を極めて重く受け止めています。被害者の女性に対し心からお詫びします」と謝罪した。 逮捕されたのは大澤良・生命環境系長(61)。今年4月から9月にかけて同大の研究室で、20代の女子学生の胸などを複数回触ったとされる。 同大によると、被害学生本人から9月28日、同大のハラスメント相談センターに「先生の研究室でセクハラ行為を受けた」などの相談があった。 10月11日、加藤和彦副学長に報告があり、加藤副学長は同日、被害学生の話を聞いた上で、大澤教授に対し、被害学生とは接触せず電子メールなども送らないよう申し渡した。 その後11月2日から同大懲戒審査委員会が、双方から聞き取り調査などをしていたという。同大は、大澤教授がわいせつ行為を認めたかどうかについては調査中だとしている。 一方、その後も大澤教授はj、他の学生に対し教育・研究の指導業務を行っていた。

50年の味、Aセットが出迎える【クルマのある風景】2

和風レストラン キャニオン 平田貴夫さん つくば 「表筑波スカイラインをドライブして、下大島の古いレストランで食事をした後、うちにやってくるお客さんがいます。そういったミーティングとドライブコースがあるそうですよ」と、前回取材したノスタルヂ屋の松浦正弘店主が教えてくれた。 つくば市下大島の古いレストランといえば、「和風レストランキャニオン」に違いない。創業して50年を過ぎている。昔から国道沿いのにぎわう店舗として地元の常連客やクルマ好きがやってくる。創業者である平田和夫さんが、無類のクルマ好きだったこともあり、当時の言葉で言えばドライブインとして成功した店だ。 創業50年を超える老舗レストラン 平田さんは2018年に亡くなり、助手として厨房に入っていた息子の貴夫さん(51)が2代目となって切り盛りしている。メニューは50年の間に増えているが、ほとんど変わらない和風の洋食が出迎える。

グローバリゼーションに新ルール 《雑記録》30

【コラム・瀧田薫】ダニ・ロドリック氏が「グローバリゼーション・バラドクス(The Globalization Paradox)」(2011年)を出版してから、今年でちょうど10年になります。この間、「グローバリゼーション」に関する論文・著作が数多く発表・発行される中で、この本の存在感はまだ失われていません。 この書物が発行された当時、著者は世界経済の「政治的トリレンマ」(民主主義、国家主権、グローバリゼーション)を同時にバランスよく追求することは不可能で、旗色の悪くなった国家主権と民主主義を守るために、グローバリゼーションをある程度制限することもやむを得ないと主張しました。 この主張を経済学の観点から見れば、いわゆる新自由主義的論理が市場と政府は対立関係にあると考えるのに対して、金融、労働、社会保障など、国家がコントロールする諸制度が補完しない限り、あるいは政府による再分配やマクロ経済管理が機能しない限り、市場はうまく回らず、秩序あるいは社会的安定も確保できないとする考え方と言えるでしょう。 政治学においても、国家の統治能力の向上なしに持続的な経済発展は望めないとの見方が有力ですし、ロドリック氏の考えは正鵠(せいこく)を射たものと思われます。 主権国家が新たな規制枠を用意

商品はカタログや自動車雑誌【クルマのある風景】1

サーキットのモータースポーツでもオフロードのクロスカントリーでもなく、日常にある自動車と向き合う人々は数多く存在する。ニッチ(すきま市場)とも、趣味の世界ともいえる、つくば、土浦のクルマのある風景をたずねた。 ノスタルヂ屋 松浦正弘さん つくば つくば市花畑に所在する「ノスタルヂ屋」は、一見すると昔ながらのレコード店のように見える店内だが、ここで取り扱われているのは音盤ではない。ジャンル別、メーカー別、車種別に分類された、1950年代くらいから現代に至る、内外各自動車メーカーが販売した自動車、オートバイのカタログや自動車雑誌が商品、まさしく趣味の世界だ。 そんな品物に商品価値があるのかと言えば、興味のない人には古本以下だが、かつて乗ったことのあるクルマ、昔からほしかったクルマを手に入れた、そのような人々には至高の宝物がカタログなのだ。 店主の松浦正弘さん(69)は、20代の頃に東京・中野区で「ブックガレージ」という名の店を起こし、40年を超えてこの商売を続けている。自動車雑誌がオールドカーの特集を組み、特定車種のヒストリー記事をまとめる際、自動車会社にさえ現存しないカタログなら編集者は松浦さんのもとを訪ねる。