月曜日, 6月 5, 2023
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東北花火紀行2023春/大曲~陸前高田 《見上げてごらん!》14

【コラム・小泉裕司】 大曲の花火~春の章~4.29 大会プログラムの一つ、45歳以下20人の花火師による「新作花火コレクション」に出品した山﨑煙火製造所(つくば市)の佐々木恵(けい)さんは、10号玉芯入割物の部で見事初優勝(大会結果)。作品名は「昇曲導付三重芯菊先銀点滅」(筆者撮影)。 筒から打ち出された花火は、「曲」と呼ばれる小さな花を開きながら上昇し、最高点で星が尾を引きながら4つの同心円(外側の円は芯に数えない)を描く菊型花火。消え際に銀色の煌(きら)めきを発する。 山﨑煙火は、昨年の土浦10号玉の部「五重芯銀点滅」で優勝、本年、創業120周年の節目を迎える老舗中の老舗。今や名実ともに不動の地位を確立した現会長の山﨑芳男氏の十八番(おはこ)は、脈々と弟子達に受け継がれ、「多重芯の山﨑」「銀点滅の山﨑」と言われるほど。 その完成度の高さ・安定度では、国内、野村花火工業(水戸市)と双璧をなす。本日、11月4日に土浦全国花火競技大会開催決定との報。茨城勢は今シーズンも盤石の予感。

土浦の「春花火」2連発 ドッドーン 《見上げてごらん!》12

【コラム・小泉裕司】「ただいま霞ケ浦湖畔で打ち上げているのは、花火師研修のための花火です」。3月11日(土)午後6時30分を少し回ったころ、花火画像とともに、このメッセージが土浦市の公式SNSに流れた。 コロナ禍、花火大会の中止が相次ぐ中、花火業界は直接的な打撃を受け、未来を担う人材育成にも赤信号がともり始めるなど、世界最高峰と言われる日本の花火技術の継承が危惧される状況にあった。そこで土浦全国花火競技大会実行委員会では、国の支援制度を活用、昨年、「花火技術後継者育成事業」を起ち上げた。 内容は、後継者育成プログラムに、「花火道」を志す全国32業者95人の花火師が参加、実績豊富な花火師による花火製造と打ち上げ技術のオンライン講習を8月から計5回開催。その成果として、参加者それぞれが製作した4号(直径約12センチ)菊型花火7発、同牡丹花火7発を順次打ち上げ、できばえを確かめたもの。 本日、「振り返り」研修をもって事業は完了。昨年にも増して花火大会の再開が予定される今年、経営危機は脱しつつあるようだが、今回の研修成果が、未来に向けて、持続可能な花火産業構築のきっかけになることを願う。 防波堤2カ所からの対打ち(同時打ち上げ)による間断無き連打1300発は、とても斬新な光景、まさに、初春を彩る「菊」と「牡丹」の品評会のごとし。作品の出来具合はピンキリだったが、これもまた一興。見上げ続けること45分、万年肩こりが、また悪化した。 三浦春馬さんをしのぶHEART花火2023

一年の計は初花火にあり《見上げてごらん!》10

【コラム・小泉裕司】新年を迎え、社会はギアチェンジしたかのように動き始めた。そこで、本コラムも昨年にも増して、「花火のまち土浦」から、打ち上げ花火の魅力をお伝えしていこう。というのが、今年の抱負なり。 さて、1月2日は、箱根駅伝をテレビ観戦しながら、酒浸りの怠惰な1日を過ごすのが、例年の「お楽しみ」だ。ところが今年は、車で遠出して花火を鑑賞するという、思い切った行動を選択した。なぜなら、昨年暮れに「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県)の「New Year HANABI」のチケットを、ほぼ完売状態にもかかわらず、運良くレーシングスタンド最上段の席を入手することができたから。 サーキットを舞台に、音楽と融合した芸術性豊かな演出は「劇場型花火」と称され、夏と冬に開催する人気の花火大会。打ち上げは、土浦や大曲など競技大会において数々の受賞歴を持つ老舗「菊屋小幡花火店」(群馬県)。 オリオンまばたく澄んだ夜空に、2尺玉に尺玉、オリジナルのフレッシュグリーンや柿色の八方咲きに千輪花火、ハートやニコちゃんなどの型物、筒から吹き上がる虹色のザラ星(上の写真)など手の込んだ花火の数々を、上、中、低空に見事にコンビネーションしたプログラムは圧巻。 手を伸ばせば届きそうな、目線の高さできらめくスターマイン花火を堪能し、幸福感いっぱいで帰路に就いた。

ブラボーな花火2022から新しい景色が見えた《見上げてごらん!》9

【コラム・小泉裕司】「花火サーフィン」にうつつを抜かしていたら、2022年もいつの間にか、あと2週間。居間の「花火カレンダー」は、最後の1枚が間もなく役目を終える。 今シーズンの「花火初め」は、1、2月に開催された「土浦の花火~後世に伝える匠の技」。毎週末に花火が上がるという、これまで経験したことのないワクワク感いっぱいの花火企画に始まった。その後は、コロナ禍で悪化した慢性煙分依存症の欲求のおもむくまま、GWに秋田県大仙市で開催された「SPRING FESTA大曲の花火」(5月14日掲載)、長岡や大曲、片貝などのリピート観戦、柏崎や亘理町、新常総花火などの初見参を含めて、県内外22の大会を鑑賞。 12月3日、山﨑煙火製造所が担当した「牛久沼花火大会」を間近で堪能し、今年の「花火納め」とした。 結果、1月から12月まで、毎月、花火を鑑賞することができ、画期的でブラボーな1年となった。同時に、夏の風物詩と言われてきた花火大会だが、四季折々の季節感が醸し出す花火の魅力にもまた趣があることを知った。花火大会のオールシーズン化など、新しい時代のあり方を垣間見ることができたのかも知れない。 いずれにしても、進化した高品質な「日本の花火」をあらためて確認し、格別の余韻で年が暮れていく。ちなみに、花火好きが集まるSNS上の「花火観覧数アンケート」によると、50回以上の猛者を「依存症」と言うらしい。9回以下が「一般人」、筆者の22回は「花火マニア」に該当するとのこと。病状は比較的軽症のようで、家族も一安心だろう。

3年ぶり 11月5日開催決定 土浦全国花火競技大会

コロナ対策と安全対策を徹底 第91回土浦全国花火競技大会(同大会実行委員会主催)について、実行委員長の安藤真理子市長は5日の定例記者会見で、11月5日に開催することを決定したと発表した。同大会は2018年と19年は事故により途中で打ち切り、20年と21年はコロナ禍で中止となった。コロナ対策と安全対策を徹底して、3年ぶりに開催する。 安藤市長は「国内最高峰の大会であることから、3年連続で花火師が作品を発表する機会を失うことは日本の伝統文化である花火の技術を継承していくことに大きな影響を及ぼす」などと開催決定の理由を述べ、「大会を復活させなければならない使命を感じている。最後まで絶対成功させるという思いでいる」と強調した。 安藤真理子土浦市長 無料観覧席なくし有料のいす席に

花火を観るなら有料観覧席で 《見上げてごらん!》4

【コラム・小泉裕司】今月26日(火)は、3年ぶりに開催される「ぎおん柏崎まつり海の大花火大会」(新潟県柏崎市)への初参戦を予定。今シーズンは、4月末の秋田県大仙市大曲での開幕2連戦(5月14日付コラム)を幕開けに、6月の宮城県亘理町(6月19日付コラム)に続き、アウェー4戦目となる。 新型コロナ感染対策で中止が相次いだ全国各地の花火大会が、「3年ぶり」を合言葉のように次々に開催日程を発表し、観覧席の販売を開始した。このまま夏の花火シーズンに突入すると思いきや、「第7波」がやってきた。喜びもほんのつかの間となってしまうのか、新規感染者数の推移が気にかかる。 さて、花火大会主催者は、花火会場のベストロケーションに有料観覧席を設置するが、人気のある大会の場合、この「チケット」を求めて花火ファンが門前に列をなす。「宿」や「交通手段」とともに「花火旅」の三種の神器だ。 その販売方法は、地元に配慮した現地販売に加えて、遠隔地からも購入可能なネット販売を併用するパターンが多いが、茨城県外の現地販売に並ぶのは現実的に難しい。おのずからネット申し込みとなるが、これも「長岡花火」のような抽選方式もあれば、「大曲花火」のような先着方式もある。 抽選方式には家族や友人名義での複数応募、先着方式の場合は長年培った「瞬札技」を駆使することになるが、それでもアクセスが集中しパソコン画面が停止することもしばしば。過去、購入することができず鑑賞を見送ったこともあるが、今シーズンは幸いにも高勝率に恵まれている。

あれから11年 東北未来芸術花火2022《見上げてごらん!》3

【コラム・小泉裕司】時折フラッシュバックする日帰り旅がある。東日本大震災から2カ月が過ぎた2011年5月の連休明け、地元の復旧作業の合間を縫って、甚大な津波被害を受けた宮城県亘理町荒浜地区を訪れた。 復旧間もない東北新幹線で仙台駅を経由し常磐線を南下、到着したJR亘理駅から歩くこと約1時間。途中目に映る「がれき」の山と被災者宅で活動するボランティアの勇姿は今でも鮮明に思い出される。未体験の現実を目の当たりにして呆然(あぜん)とするだけの自分に無力感を覚え、帰宅した後もしばらくの間は安易に訪れたことへの後悔の念にさいなまれる日々が続いた。 持参したカメラは、物見遊山と見られるのではないかと気がとがめ、一度もバッグから取り出すことはなかった。写真を撮影すればするほど記憶が曖昧になる「写真撮影減殺効果」という心理学の研究成果があるらしい。写真を撮ることが目的となってしまい、実際に体験したことが記憶に残らないというのだ。 逆に言えば、亘理町を訪問した11年前の記憶が今も鮮明なのは、一度もカメラのシャッターボタンを押さなかったことで、「減殺効果」が生じなかったからと言えるのかもしれない。 「茅ケ崎サザン芸術花火」 震災の月命日にあたる6月11日、犠牲者の鎮魂と新型コロナの早期収束を願い、「東北未来芸術花火2022」が亘理町鳥の海公園で開催され、1万人を超える観客が訪れた。この「芸術花火」は全国30カ所以上でツアー型花火大会として開催されており、花火と音楽のコラボによるストーリー性を重視した、1時間ノンストップで展開する花火イベントである。

満天の星 大曲のSPRING FESTA《見上げてごらん!》2

【コラム・小泉裕司】何十年ぶりだろう。最後は家族でキャンプだったのか、テーマパークだったのか、とにかく思い出せないし、今後もないはずだったGW旅行。コロナ禍、恐る恐る出かけた先は秋田県大仙市大曲。実は昨年11月、「大曲の花火実行委員会」は2022年度の花火大会の年間日程を発表、その第1弾は4月29~30日の2日連続と知り、早速、宿を手配していたのだ。 訪れた「SPRING FESTA(スプリング フェスタ)大曲の花火」は、「再始動」をテーマとして「新作花火コレクション」と「春の章 世界の花火・日本の花火プログラム」の2夜連続、合計1万3千発を打ち上げる豪華プログラムだ。 初日の「新作花火コレクション」は、45歳以下の若手花火師の登竜門となっている競技大会。茨城県からは昨年に続き、㈱山﨑煙火製造所(つくば市)の山﨑智弘さんが出品した。予報通り、冷雨の中で行われた競技は、今野貴文さん(大仙市)が総合優勝。土浦全国花火競技大会「創造花火の部」で16回優勝している老舗煙火店㈱北日本花火興業の5代目候補として、各地の競技大会で実績を積み上げている。 私のお気に入りは、アイデア豊富な芳賀火工(宮城県)の石村佳恵さんの花火。今回も、同県出身の羽生結弦選手の氷上4回転半ジャンプを時差式花火で夜空に見事に描ききり、新作花火の部準優勝を受賞した。 私が所属する日本花火鑑賞士会は、当夜鑑賞した会員によるスマホ投票で「会長賞」を決める。私は迷うことなく地元の山﨑さんを一押ししたが、受賞は次回以降に持ち越しとなった。次代を担う若手花火師の止まらぬ挑戦に胸を熱くしつつ、ホテルに戻り冷えた体を温泉でリハビリし、翌日に備えたのである。

頑張る土浦応援花火打ち上げ サプライズなのにファン参集

【相澤冬樹】悪疫退散! コロナに負けるな! と打ち上げる「頑張る土浦応援花火」が3日夜、土浦市の霞ケ浦畔を会場に行われた。「3密」対策から、打ち上げ場所を伏せてのサプライズ花火だったが、地元の花火ファンたちはどこからか情報を聞きつけて、続々と会場付近に参集。30分間、1200発の花火が織りなすショーに見入った。 89回目を迎える今年の土浦全国花火競技大会は市制施行80周年記念の節目の大会となるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で中止となった。応援花火はその代替として、一部競技要素を盛り込んでの開催。競技大会の目的である花火技術の維持向上を図るとともに、各地の花火大会の中止で苦境に陥った業者への支援を掲げている。 市内ではこれまでに、9、10月の2回開催されているが、10号玉やスターマインなど1200発を打ち上げる今回が最大規模。例年、競技大会に出場している北海道から鹿児島まで52業者が参加した。花火は同大会の実行委員会が管理して打ち上げる。例年の開催場所から桜川を下った霞ケ浦の河口部に、台船4台をつなげて特設した。 「会場は霞ケ浦」との情報を聞きつけた市民ら土浦の花火ファンは、早々に霞ケ浦総合公園などに集まり、対岸の湖岸堤にあるつくば霞ケ浦りんりんロード側にも車列ができた。前夜の雨も昼には上がり、曇天ながら無風に近い花火日和となった。 日のとっぷり暮れた午後6時半、最初の1発が上がり、短い間隔で10号玉が夜空に散っていく。マスク姿で見上げる観客から歓声が上がり、ため息が漏れた。「土浦の花火」は2年連続して事故で途中打ち切りになり、今年はコロナ禍で中止、地元の花火ファンは花火に飢えていた様子だ。

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博物館の歴史論争拒否、土浦市法務が助言 《吾妻カガミ》159

【コラム・坂本栄】今回は158「土浦市立博物館が郷土史論争を拒絶!」(5月29日掲載)の続きになります。市立博物館と本堂清氏の郷土史論争。博物館の論争拒否に対し、本堂氏は「(博物館がそう出るなら同施設を管轄する)市教育長に検討申請書を提出する」と反発しており、エスカレートしそうな雲行きです。 また取材の過程で、本堂氏を門前払いするようアドバイスしたのが市の法務部署であったと聞き、土浦市の博物館マネジメントにも唖然(あぜん)としました。論争を挑む本堂氏をクレーマー(苦情を言う人)並みに扱うよう指導したわけですから。 郷土史をめぐる主な論争は3点 私は中世史に疎いこともあり、市立博物館(糸賀茂男館長)の学芸員にこの論争の要点を整理してもらいました。 いつから山の荘と呼ばれたか ▼本堂氏:『新編常陸国史』(国学者中山信名=1787~1836=が著した常陸国の総合史誌)の記述からも明らかなように、「山の荘」(土浦市北部の筑波山系地域)の名称は古代からあったのに、博物館は同歴史書の記述を無視して同名称を古代史から抹消した。

阿見町の予科練平和記念館 《日本一の湖のほとりにある街の話》12

【コラム・若田部哲】終戦直前の1945年6月10日。この日は、阿見・土浦にとって決して忘れてはならない一日となりました。当時、阿見は霞ヶ浦海軍航空隊を有する軍事上の一大重要拠点でした。そのため、B29による大規模爆撃を受けることとなったのです。当時の様子は、阿見町は予科練平和記念館の展示「窮迫(きゅうはく)」にて、関係者の方々の証言と、再現映像で見ることができます。今回はこの「阿見大空襲」について、同館学芸員の山下さんにお話を伺いました。 折悪くその日は日曜日であったため面会人も多く、賑わいを見せていたそうです。そして午前8時頃。グアム及びテニアン島から、推計約360トンに及ぶ250キロ爆弾を搭載した、空が暗くなるほどのB29の大編隊が飛来し、広大な基地は赤く燃え上がったと言います。付近の防空壕(ごう)に退避した予科練生も、爆発により壕ごと生き埋めとなりました。 負傷者・死亡者は、家の戸板を担架代わりに、土浦市の土浦海軍航空隊適性部(現在の土浦第三高等学校の場所)へと運ばれました。4人組で1人の負傷者を運んだそうですが、ともに修練に明け暮れた仲間を戸板で運ぶ少年たちの胸中はいかばかりだったかと思うと、言葉もありません。負傷者のあまりの多さに、近隣の家々の戸板はほとんど無くなってしまったほどだそうです。 展示での証言は酸鼻を極めます。当時予科練生だった男性は「友人が吹き飛ばされ、ヘルメットが脱げているように見えたが、それは飛び出てしまった脳だった。こぼれてしまった脳を戻してあげたら、何とかなるんじゃないか。そう思って唯々その脳を手で拾い上げ頭蓋に戻した」と語ります。また土浦海軍航空隊で看護婦をしていた女性は「尻が無くなった人。足がもげた人。頭だけの遺体。頭の無くなった遺体。そんな惨状が広がっていた」と話します。 累々たる屍と無数の慟哭 この空襲により、予科練生等281人と民間人を合わせて300名以上の方々が命を落とされました。遺体は適性部と、その隣の法泉寺で荼毘(だび)に付されましたが、その数の多さから弔い終わるまで数日間を要したそうです。

牛久沼近くで谷田川越水 つくば市森の里北

台風2号と前線の活発化に伴う2日からの降雨で、つくば市を流れる谷田川は3日昼前、左岸の同市森の里の北側で越水し、隣接の住宅団地、森の里団地内の道路2カ所が冠水した。住宅への床上浸水の被害はないが、床下浸水については調査中という。 つくば市消防本部南消防署によると、3日午前11時42分に消防に通報があり、南消防署と茎崎分署の消防署員約25人と消防団員約35人の計約60人が、堤防脇の浸水した水田の道路脇に約100メートルにわたって土のうを積み、水をせき止めた。一方、越水した水が、隣接の森の里団地に流れ込み、道路2カ所が冠水して通行できなくなった。同日午後5時時点で消防署員による排水作業が続いている。 越水した谷田川の水が流れ込み、冠水した道路から水を排水する消防署員=3日午後4時45分ごろ、つくば市森の里 市は3日午後0時30分、茎崎中とふれあいプラザの2カ所に避難所を開設。計22人が一時避難したが、午後4時以降は全員が帰宅したという。 2日から3日午前10時までに、牛久沼に流入する谷田川の茎崎橋付近で累計251ミリの雨量があり、午前11時に水位が2.50メートルに上昇、午後2時に2.54メートルまで上昇し、その後、水位の上昇は止まっている。 南消防署と茎崎分署は3日午後5時以降も、水位に対する警戒と冠水した道路の排水作業を続けている。

論文もパネルで「CONNECT展」 筑波大芸術系学生らの受賞作集める

筑波大学(つくば市天王台)で芸術を学んだ学生らの作品を展示する「CONNECT(コネクト)展Ⅶ(セブン)」が3日、つくば市二の宮のスタジオ’Sで始まった。2022年度の卒業・修了研究の中から特に優れた作品と論文を展示するもので、今年で7回目の開催。18日まで、筑波大賞と茗渓会賞を受賞した6人の6作品と2人の論文のほか、19人の研究をタペストリー展示で紹介する。 展示の6作品は、芸術賞を受賞した寺田開さんの版画「Viewpoints(ビューポインツ)」、粘辰遠さんの工芸「イージーチェア」、茗渓会賞授賞の夏陸嘉さんの漫画「日曜日食日」など。いずれも筑波大のアートコレクションに新しく収蔵される。芸術賞を受賞した今泉優子さんの修了研究「樹木葬墓地の多角的評価に基づく埋葬空間の可能性に関する研究」は製本された論文とパネル、茗渓会賞を受賞した永井春雅くららさんの卒業研究「生命の種」はパネルのみで展示されている。 スタジオ’S担当コーディネーターの浅野恵さんは「今年は論文のパネル展示が2作品あり見ごたえ、読みごたえがある。版画作品2作品の受賞、漫画の受賞も珍しい。楽しんでいただけるのでは」と来場を呼び掛ける。 筑波大学芸術賞は芸術専門学群の卒業研究と大学院博士前期課程芸術専攻と芸術学学位プログラムの修了研究の中から、特に優れた作品と論文に授与される。また同窓会「茗渓会」が茗渓会賞を授与している。 展覧会は関彰商事と筑波大学芸術系が主催。両者は2016年から連携し「CONNECT- 関(かかわる)・ 繋(つながる)・ 波(はきゅうする)」というコンセプトを掲げ、芸術活動を支援する協働プロジェクトを企画運営している。 (田中めぐみ)