水曜日, 10月 20, 2021
タグ 秋アート’21

Tag: 秋アート’21

父の許しで里帰り展 実家は土浦「矢口家住宅」【秋アート’21⑤】

イラストレーター「かえるかわる子」こと矢口祥子さん(49)が10月2、3日、土浦市中央の実家「矢口酒店」に戻って初の個展を開く。「矢口家住宅」と呼ばれる歴史的建造物だが、約5年前の改修以降、通りに面した格子戸はほぼ閉じられたままで、ギャラリーとして公開されるのは初めて。ここに至るまで何かと敷居が高かった。 「矢口家住宅」は、天保12年(1841)9月12日(180年前!)の大火後に建て替えられたという土蔵造の建物で、1980年県指定文化財になった。旧水戸街道沿いに面し店蔵、袖蔵、元蔵の3つの2階建ての蔵が並び、江戸時代の雰囲気を残す貴重な町屋建築とされる。 2011年の東日本大震災で損傷したため、約5年かけて解体修理工事が行われた。以来、酒類の販売は裏手の店舗で行われるようになり、建物は改修後も文化財見学会などの機会に公開されるにとどまっていた。矢口さんは今回、約250点の作品を土蔵の1、2階に持ち込み、全面展開する計画でいる。 「自分が変われば周りも変わる」 和装の矢口さんが、土浦の街なかを歩けば「がんばって」と声がかかる。地元愛をふんだんに盛り込んだ手描きの「矢口新聞」は発行6年目に突入した。街で見つけたお店や食べ物、人物を、色鉛筆を使った独特のタッチでつづる。元絵はA4判の紙に描いてA3判に拡大コピー。それを四つ切りの画用紙に貼り付けて読者に配っている。 紙面には語り手が登場し、自身を投影したキャラクター「かえるかわる子」が、ツッコミ役の「土浦れんこんけし」と丁々発止やりとりする。筑波山のカエルも土浦のレンコンも、地域の名物だと知らない若い世代にアピールする趣向で、「妄想が1割入ってる」矢口ワールドに巻き込んでいる。

子どもたちのための科学イラスト集 つくばで絵本原画展【秋アート’21④】

茨城県立医療大学(阿見町)の「アイラボキッズ」活動から生まれた絵本の原画による「子どもたちのための科学と医療のイラスト展」が18日から、つくば市天久保のギャラリーYで始まる。同市在住で絵本作家をめざす島本真帆子さん(51)にとって初の個展となる。 科学の巨人、アルキメデス、ガリレオ・ガリレイ、マリー・キューリー、レントゲンらの肖像画をはじめ、動植物や医療器具などを丹念に描いたイラスト多数を展示する。島本さんが長年描きためた長女の成長を追う色鉛筆画のコーナーも設ける予定だ。 島本さんは、東京理科大卒の元薬剤師。「どういうわけか化学だけは得意だった」ため、親の勧めで薬学部に進んだが、薬局勤務は今一つ性に合わなかったそう。「数学と美術はいつも赤点ぎりぎりだった」のに、デザイン専門学校で学び直した経験もある。結婚後、娘が生まれ、その寝姿や仕草をスケッチしているうちに絵の上達に気づいた。 自宅をアトリエに、4コマ漫画を同人誌に投稿するなどしていたが、今は絵本作家としての自立を志す。「10冊ぐらいに出来上がったら出版社に持ち込もうと思っている」という絵本は、最近2年間、医療大学の「アイラボキッズ」活動の中から生まれた作品だ。 小学校に出前授業「アイラボキッズ」 同活動は、地域の小学生対象に医療と科学の体験教室の開催を意図し、20年度から医療大の地域貢献研究費の助成を受けて活動を開始した。大学内にあるシミュレーション教育実習室「あいらぼ」に子供たちを招き、科学実験や観察会を行う予定だったが、新型コロナ感染拡大の影響で、阿見町立君島小(秋山美穂校長)への出前授業としてスタートした。

延期が決定 つくばの街と山をつなぐ芸術祭【秋アート’21③】

つくばでこの秋最大のアートイベントになると注目されていた「つくばの街と山をつなぐ芸術祭(つくばアートサイクルプロジェクト2021)」が7日までに、開催の延期を決めた。仕切り直しての開催は早くても来春以降にずれ込みそうだが、主催のつくばアートサイクルプロジェクト実行委員会では「いっそうの内容の拡充を図りたい」(野堀真哉さん)と再トライする構えでいる。 芸術祭は14日から26日まで、つくばの街と筑波の山に分散する複数の会場での展開を予定していた。テーマに「アントロポセン-分岐点を超えた景色」を掲げる。アントロポセン(人新世)は、新しい地質年代をさす造語。地質学的な意味づけは「人類の活動が地球規模で環境を激変させ、⻑期的な痕跡を残す時代」。この時代にアーティストは何を感じ表現するのかを問いかけた。 初開催にもかかわらず、参加する作家は35組。国内外から30代、40代の若手が名乗りをあげた。会場はセンター地区(センター広場、県つくば美術館、桜民家園)、研究学園(イーアスつくば内サイバーダインスタジオ)、南麓エリア(筑波山神社、登山道、筑波山温泉江戸屋、旧小林邸ひととき、神郡石蔵シテン、北条川田邸)の3つのエリアで展示を行う計画だった。 旧小林邸ひとときでの展示が予定されていた佐藤綾さんの「PUPASLEEP-CYCLE」=主催者提供 実行委員長の野堀真哉さん(37)は、筑波山でゲストハウス「旧小林邸ひととき」を運営する。「つくばという場所で現代アート展を開く意味を提案したかった。地域はホワイトキューブ(白い天井に白い壁の立方体の展示空間)ではないし、アートは主役ではないけれど、この地に確実に残される表現を五感を使って受け止めたい」と運営委員長の山中周子さん(ネオつくばプロジェクト代表)らとプロジェクトを進めてきた。 8月末まで150万円を目標にクラウドファンディングを募集、目標に及ばなかったが142人から114万円余を集めた。9月には会期中各会場を回るための共通パスポート(1500円)の販売も準備していた。運営ボランティアの募集にも、手応えがあったという。

写真で感じる科学の世界 産総研に特設サイト【秋アート’21②】

フォトグラファー伊藤之一さんが産業技術総合研究所(つくば市梅園)で撮影した写真による最新作「if-then」(青幻舎)を刊行したのを受け、産総研は特設サイト「来るべき明日のために」を公開、18日からはトナリエつくばスクエアキュート(つくば市吾妻)で写真展が始まる。 同サイトは8月27日に公開された。写真自体は産総研ならではの研究ではあるものの、どこの研究所・研究者や科学者以外の人にも共感してもらえる普遍的なサイトとなることを意識したという。 産総研によれば、「世界には多様な研究現場があり、研究に打ち込む研究者たちがいる。産総研は国内最大級の公的研究機関として様々な研究テーマに取り組んでいるが、今回は産総研という場で撮影された写真を通じて、科学の魅力を感じてもらうことを目指した」そうだ。 「キログラム」定義改定がきっかけ 写真のきっかけとなったのは、「キログラム」の国際的な定義が130年ぶりに改定された際の撮影依頼。日本国キログラム原器を管理してきた産総研では、新しい定義に則った1キログラムに相当する原子数のシリコン球を作成した。この撮影を依頼されたのが伊藤さんで、「その写真は科学という営みを人々に伝える映像について研究者が考えていた固定概念とは、異次元のものだった」という。原器から物理定数へ、2019年5月、新しい定義改定は施行された。

天然由来の材料と手法で つくばで藍染風布展【秋アート’21①】

つくば市神郡で染織工房「藍染風布」(あいぞめふうぷ)を営む丹羽花菜子さん(36)が19日まで、同市小野崎の蔵ギャラリー「Shingoster LIVING(シンゴスター リビング)」で「空高く澄みて 藍染風布+TANSU 展」を開いている。東京都内の仕事仲間であるユニットTANSU(たんす)と企画した共同個展。 丹羽さんの作品は、無農薬栽培された藍から染め上げられた生糸や生地、衣服などがさまざまな色彩の蒼(あお)を描き出す。展示されている小物のカフケースやルームクロス「Orifuse(おりふせ)」などは、TANSUの制作による手仕事作品だ。 丹羽さんは北海道出身、武蔵野美大在学中の2007年から東京都青梅市の藍染工房壺草苑(こそうえん)で働き始め、約9年間勤務した。2016年につくば市に移住。常総市の畑で藍を育て、藍染の原料・蒅(すくも)を作るようになった。藍染風布として活動を始めるのは17年で、20年に筑波山の麓に工房を移転した。 昔ながらの染色で、自然界にある原料だけを使った天然灰汁(あく)発酵建てという手法を用いる。丹羽さんは「心地のよい循環と持続性を伝えてくれます。TANSUさんの作る小物たちも、とても微笑ましくて、手に取って見たくなる風合いに満ちています」と説明する。 カフ・ケースやルームクロス「Orifuse」などは、TANSUの制作

Most Read

お友だちと「高倉町珈琲」《ご飯は世界を救う》40

【コラム・川浪せつ子】コロナが少しずつ減少してきたこともあり、ウイットネスクラブの友人からお茶のお誘いを受けました。一緒に住んでいない家族や友人などとは、ずいぶん長い間、一緒に外食をしていません。ちょっと迷いましたが、前々から行ってみたかったお店「高倉町珈琲」(つくば市小野崎)でもあり、ご一緒させてもらいました。 このお店が開店して間もなくに訪問したときは、入口で名前を書いて順番を待ちました。ですが、その際はなかなか順番が来ないような感じなので、諦めて帰りました。 今回は、コロナ禍ということもあったのでしょう、待っている方はなく、スムーズに入れました。スイーツとコーヒーのセレクション。どれもおいしそうで、迷う、迷う。1品のボリュームも食べごたえ満点。以前だったら、2人で1個ずつ頼んで、シェアするんだけどなぁ~。それはコロナ禍の下、できないので、大き目サイズを注文した、食いしん坊の私です。 ステキなカフェがいろいろ開店 友人とは、なんと! 2時間も粘ってしまいました。まぁ、話の内容は井戸端会議的なたわいもない話。でもそれが、楽しいのね。そして、すごく癒されちゃうのです。普通に、おいしいものを食べながら、気の合った友人とおしゃべりする。そんな何でもない時間が、宝物のようでした。

茨城6区は青山、国光両氏が届け出 衆院選公示

解散に伴う衆院選が19日公示された。小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=と、医師の国光文乃氏(42)=自民=が立候補を届け出て、12日間の選挙戦に突入した。投票は31日行われる。期日前投票は20日から30日まで実施される。 青山氏「与野党拮抗した緊張感ある政治を」 青山氏は午前11時、土浦市乙戸の街頭で第一声、下村寿郎土浦市議、皆川幸枝つくば市議、地元、乙戸地区の下村利充区長らが応援に駆け付けた。下村市議は「政党関係なしで応援している。土浦から国会議員が出た。今回は小選挙区で必ず当選させる」などと話した。 これを受けて青山氏は「昨年、新型コロナの感染が国内で広がり、一斉休校、アベノマスクなどがあった。常陸牛が余ってしまい自民党は和牛振興券を配ろうとまとまりかけた。当時、私は農林水産委員をしていて『子供たちの学校給食に提供してはどうか』と提案し、結果的に和牛振興券ではなく学校給食に提供することになった」と話し、「野党だと何もできないということはない。どういう気持ちで政治をやるかだ。地元の一人一人の意見が政治の原動力。地方に活力をもたらす政治が必要。消費税を上げようと言う声も起きているが、それは全く違う。必要なところに必要な対策を施し、無駄なものは省くのが政治の仕事」と述べた。その上で「前回は自民党に5000票差で負けた。与野党が拮抗した緊張感ある政治、信頼できる政治のために力を貸してください」などと訴えた。 この日は土浦市右籾、永国、下高津などを回り、市内6カ所で街頭演説した。

与野党の一騎打ちに 茨城6区 衆院選あす公示

解散に伴う衆院選が19日公示される。つくば、土浦市などが選挙区の小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す医師の国光文乃氏(42)=自民=と、元県議の青山大人氏(42)=立憲=が立候補し、与野党の一騎打ちになるとみられる。 6区は前回の2017年、自民の国光氏、希望の党(当時)の青山氏、共産の古沢喜幸氏が立候補し、国光氏は10万2820票、青山氏は9万6987票、古沢氏は2万4227票を得票した。今回は共産の田谷武夫氏が立候補を取り下げ、青山氏を支援する。 国光氏は1期目の実績として、現役医師の知見を生かしたコロナ対策、国道6号バイパスの予算拡充、国立病院機構霞ケ浦医療センターの黒字化達成、農業用電力の価格上昇阻止、子育て支援に向けた妊娠・出産費用の負担減などを強調し、6号バイパスの早期完成、TX延伸、農家所得の拡大などを訴える。山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐などを務めた。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選し、自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長などを務めコロナ対策に関わる。 一方、青山氏は、1期目の実績として、コロナ禍で需要を失った和牛食材の学校給食への提供、国会での国産ワクチン生産体制の予算強化、つくばの研究施設の老朽化対策や運営費交付金確保の訴えなどを強調し、幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立、消費税減税、原発からのエネルギー政策転換などを訴える。土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書を経て、県議を2期務めた。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選した。立憲民主党政務調査会会長補佐などを務める。

つくば学園都市は公立高過疎地 《吾妻カガミ》118

【コラム・坂本栄】困った数字がこのサイトで紹介されています。教育環境が自慢の学園都市には県立の全日制高校が少なく、つくばは公立高の過疎市だというのです。平均的な学力の中学生を私立よりも学費が安い公立に入れたいと思っている親にとって、つくば市は「住みにくいまち」のようです。 詳しくは「つくば市に県立高校新設を 市民団体が市議会に請願」(9月29日掲載)と「付属中併設は泣きっ面にハチ」(9月30日掲載)をご覧ください。 ▼市内の県立高に進んだ中学生は18%に過ぎず、46%が市外の県立高に、36%が市内外の私立高に行った、▼以前は6つあった全日制高が、近隣市の県立高への併合、定時制への移行、中高一貫への衣替えによって半減した、▼この20年間に減った全日制学級数は、水戸が2%、日立が21%、土浦が20%だったのに、つくばは61%も減った―などがポイントです。 つくば市は県全体の流れとは逆に住民が増えているのに、県は少子化に伴う学校・学級の整理整頓という方針の下、実におかしな対応をしています。大井川知事の経歴(経産省キャリア→IT企業役員)も影響しているのか、県はエリート教育には熱心ですが、平均的な学生を抱えた平均的な家庭の事情に鈍感ではないでしょうか。 優秀な学生を育てることには賛成です。私は、今春に中高一貫を併設した県立土浦一高の評議員を10数年やっています。その議論の中で、中高一貫を導入するよう歴代の校長に進言、現知事の1期目にやっと実現しました。競争環境を整え、突出した学生を鍛えることが日本はもちろん世界に必要と思うからです。