金曜日, 5月 20, 2022
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父の許しで里帰り展 実家は土浦「矢口家住宅」【秋アート’21⑤】

イラストレーター「かえるかわる子」こと矢口祥子さん(49)が10月2、3日、土浦市中央の実家「矢口酒店」に戻って初の個展を開く。「矢口家住宅」と呼ばれる歴史的建造物だが、約5年前の改修以降、通りに面した格子戸はほぼ閉じられたままで、ギャラリーとして公開されるのは初めて。ここに至るまで何かと敷居が高かった。 「矢口家住宅」は、天保12年(1841)9月12日(180年前!)の大火後に建て替えられたという土蔵造の建物で、1980年県指定文化財になった。旧水戸街道沿いに面し店蔵、袖蔵、元蔵の3つの2階建ての蔵が並び、江戸時代の雰囲気を残す貴重な町屋建築とされる。 2011年の東日本大震災で損傷したため、約5年かけて解体修理工事が行われた。以来、酒類の販売は裏手の店舗で行われるようになり、建物は改修後も文化財見学会などの機会に公開されるにとどまっていた。矢口さんは今回、約250点の作品を土蔵の1、2階に持ち込み、全面展開する計画でいる。 「自分が変われば周りも変わる」 和装の矢口さんが、土浦の街なかを歩けば「がんばって」と声がかかる。地元愛をふんだんに盛り込んだ手描きの「矢口新聞」は発行6年目に突入した。街で見つけたお店や食べ物、人物を、色鉛筆を使った独特のタッチでつづる。元絵はA4判の紙に描いてA3判に拡大コピー。それを四つ切りの画用紙に貼り付けて読者に配っている。 紙面には語り手が登場し、自身を投影したキャラクター「かえるかわる子」が、ツッコミ役の「土浦れんこんけし」と丁々発止やりとりする。筑波山のカエルも土浦のレンコンも、地域の名物だと知らない若い世代にアピールする趣向で、「妄想が1割入ってる」矢口ワールドに巻き込んでいる。

子どもたちのための科学イラスト集 つくばで絵本原画展【秋アート’21④】

茨城県立医療大学(阿見町)の「アイラボキッズ」活動から生まれた絵本の原画による「子どもたちのための科学と医療のイラスト展」が18日から、つくば市天久保のギャラリーYで始まる。同市在住で絵本作家をめざす島本真帆子さん(51)にとって初の個展となる。 科学の巨人、アルキメデス、ガリレオ・ガリレイ、マリー・キューリー、レントゲンらの肖像画をはじめ、動植物や医療器具などを丹念に描いたイラスト多数を展示する。島本さんが長年描きためた長女の成長を追う色鉛筆画のコーナーも設ける予定だ。 島本さんは、東京理科大卒の元薬剤師。「どういうわけか化学だけは得意だった」ため、親の勧めで薬学部に進んだが、薬局勤務は今一つ性に合わなかったそう。「数学と美術はいつも赤点ぎりぎりだった」のに、デザイン専門学校で学び直した経験もある。結婚後、娘が生まれ、その寝姿や仕草をスケッチしているうちに絵の上達に気づいた。 自宅をアトリエに、4コマ漫画を同人誌に投稿するなどしていたが、今は絵本作家としての自立を志す。「10冊ぐらいに出来上がったら出版社に持ち込もうと思っている」という絵本は、最近2年間、医療大学の「アイラボキッズ」活動の中から生まれた作品だ。 小学校に出前授業「アイラボキッズ」 同活動は、地域の小学生対象に医療と科学の体験教室の開催を意図し、20年度から医療大の地域貢献研究費の助成を受けて活動を開始した。大学内にあるシミュレーション教育実習室「あいらぼ」に子供たちを招き、科学実験や観察会を行う予定だったが、新型コロナ感染拡大の影響で、阿見町立君島小(秋山美穂校長)への出前授業としてスタートした。

延期が決定 つくばの街と山をつなぐ芸術祭【秋アート’21③】

つくばでこの秋最大のアートイベントになると注目されていた「つくばの街と山をつなぐ芸術祭(つくばアートサイクルプロジェクト2021)」が7日までに、開催の延期を決めた。仕切り直しての開催は早くても来春以降にずれ込みそうだが、主催のつくばアートサイクルプロジェクト実行委員会では「いっそうの内容の拡充を図りたい」(野堀真哉さん)と再トライする構えでいる。 芸術祭は14日から26日まで、つくばの街と筑波の山に分散する複数の会場での展開を予定していた。テーマに「アントロポセン-分岐点を超えた景色」を掲げる。アントロポセン(人新世)は、新しい地質年代をさす造語。地質学的な意味づけは「人類の活動が地球規模で環境を激変させ、⻑期的な痕跡を残す時代」。この時代にアーティストは何を感じ表現するのかを問いかけた。 初開催にもかかわらず、参加する作家は35組。国内外から30代、40代の若手が名乗りをあげた。会場はセンター地区(センター広場、県つくば美術館、桜民家園)、研究学園(イーアスつくば内サイバーダインスタジオ)、南麓エリア(筑波山神社、登山道、筑波山温泉江戸屋、旧小林邸ひととき、神郡石蔵シテン、北条川田邸)の3つのエリアで展示を行う計画だった。 旧小林邸ひとときでの展示が予定されていた佐藤綾さんの「PUPASLEEP-CYCLE」=主催者提供 実行委員長の野堀真哉さん(37)は、筑波山でゲストハウス「旧小林邸ひととき」を運営する。「つくばという場所で現代アート展を開く意味を提案したかった。地域はホワイトキューブ(白い天井に白い壁の立方体の展示空間)ではないし、アートは主役ではないけれど、この地に確実に残される表現を五感を使って受け止めたい」と運営委員長の山中周子さん(ネオつくばプロジェクト代表)らとプロジェクトを進めてきた。 8月末まで150万円を目標にクラウドファンディングを募集、目標に及ばなかったが142人から114万円余を集めた。9月には会期中各会場を回るための共通パスポート(1500円)の販売も準備していた。運営ボランティアの募集にも、手応えがあったという。

写真で感じる科学の世界 産総研に特設サイト【秋アート’21②】

フォトグラファー伊藤之一さんが産業技術総合研究所(つくば市梅園)で撮影した写真による最新作「if-then」(青幻舎)を刊行したのを受け、産総研は特設サイト「来るべき明日のために」を公開、18日からはトナリエつくばスクエアキュート(つくば市吾妻)で写真展が始まる。 同サイトは8月27日に公開された。写真自体は産総研ならではの研究ではあるものの、どこの研究所・研究者や科学者以外の人にも共感してもらえる普遍的なサイトとなることを意識したという。 産総研によれば、「世界には多様な研究現場があり、研究に打ち込む研究者たちがいる。産総研は国内最大級の公的研究機関として様々な研究テーマに取り組んでいるが、今回は産総研という場で撮影された写真を通じて、科学の魅力を感じてもらうことを目指した」そうだ。 「キログラム」定義改定がきっかけ 写真のきっかけとなったのは、「キログラム」の国際的な定義が130年ぶりに改定された際の撮影依頼。日本国キログラム原器を管理してきた産総研では、新しい定義に則った1キログラムに相当する原子数のシリコン球を作成した。この撮影を依頼されたのが伊藤さんで、「その写真は科学という営みを人々に伝える映像について研究者が考えていた固定概念とは、異次元のものだった」という。原器から物理定数へ、2019年5月、新しい定義改定は施行された。

天然由来の材料と手法で つくばで藍染風布展【秋アート’21①】

つくば市神郡で染織工房「藍染風布」(あいぞめふうぷ)を営む丹羽花菜子さん(36)が19日まで、同市小野崎の蔵ギャラリー「Shingoster LIVING(シンゴスター リビング)」で「空高く澄みて 藍染風布+TANSU 展」を開いている。東京都内の仕事仲間であるユニットTANSU(たんす)と企画した共同個展。 丹羽さんの作品は、無農薬栽培された藍から染め上げられた生糸や生地、衣服などがさまざまな色彩の蒼(あお)を描き出す。展示されている小物のカフケースやルームクロス「Orifuse(おりふせ)」などは、TANSUの制作による手仕事作品だ。 丹羽さんは北海道出身、武蔵野美大在学中の2007年から東京都青梅市の藍染工房壺草苑(こそうえん)で働き始め、約9年間勤務した。2016年につくば市に移住。常総市の畑で藍を育て、藍染の原料・蒅(すくも)を作るようになった。藍染風布として活動を始めるのは17年で、20年に筑波山の麓に工房を移転した。 昔ながらの染色で、自然界にある原料だけを使った天然灰汁(あく)発酵建てという手法を用いる。丹羽さんは「心地のよい循環と持続性を伝えてくれます。TANSUさんの作る小物たちも、とても微笑ましくて、手に取って見たくなる風合いに満ちています」と説明する。 カフ・ケースやルームクロス「Orifuse」などは、TANSUの制作

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入国待ちわびた留学生52人 日本つくば国際語学院で3年ぶり入学式

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の入学式が20日、隣接の日本料理店、山水亭で催され、コロナ禍の中、入国を待ちわびた13カ国の52人が入学した。3年ぶりの入学式となった。 2年間入国できず待機していた留学生が多いという。例年なら4月に入学式を開催するが、コロナ禍で留学生の入国が遅れたため1カ月遅れの式典となった。 出身国は、イラン、ウズベキスタン、タジキスタン、スリランカ、ネパール、ガーナ、カメルーン、ミャンマー、モンゴル、中国、韓国など。 新入生一人一人に学生証を手渡す東郷治久理事長兼校長(右)=同 式典では、東郷理事長が一人ひとりに学生証を手渡し、「去年、おととしは入学式が行えなかった。待ちわびていた入学式が盛大に行えたことは大きな喜び」とあいさつした。さらに「コロナの中、一度は入学を断念しようかと考えた人もいたと思うが、将来の夢の実現のために目標を果たすという強い意志が扉を開いた」と称えた。その上で「日本語を楽しく学び、日本を好きになってもらおうというのがモットー。たくさん日本語で話して上手になってください」などと呼び掛けた。 新入生を代表してイラン出身のハディース・ダナーさん(28)が日本語であいさつし「もし世界中のどこにも戦争がなかったら、おそらく今日、ウクライナ人やシリア人も私たちとここで入学式を祝うことができたと思う」と語り、「ここにいる新入生は、大きな願いを達成し成長するために留学を決意し、さまざまな人が安全に安心して一緒に暮らせる日本を選んだ。今の気持ちを忘れずに精一杯頑張るつもりです」などと決意を話した。

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例外だった私の子ども時代 《電動車いすから見た景色》30

【コラム・川端舞】学校教育法では特別支援学校の対象となる障害の程度が定められていて、それより重度の障害を持つ子どもは就学時に教育委員会から特別支援学校への入学を提案される。2007年から、障害児の就学先を決定する際は保護者の意見を聞かなければならないとされたが、それでも特別支援学校の就学基準に該当する障害児はそのまま特別支援学校に入学するのがほとんどだろう。 私も小学校入学時、特別支援学校への入学を提案されたが、両親の強い意向により、私は重度の障害を持ちながら、通常の小学校に入学した。 障害があるのに通常学級に通っている自分が例外的な存在であることは、小学校時代から薄々気づいていた。身体障害のある子どもは自分しか学校にいなかったし、数人いた知的障害のある同級生は、ほとんどの授業を別の教室で受けていた。 時々、道徳の授業で教材に出てくる障害者は、教室で学んでいる同級生とは異なる世界で生きている「特別な存在」だと言われている気がして、実は「障害者」に分類される人間が同じ教室にいることがばれないように、私は息を殺して授業を聞いていた。 「障害を持って通常学級に通う…」 大学で特別支援教育を学び、改めて法律上は、私は特別支援学校の就学基準に該当することを知った。特別支援学校での障害児支援に関する研究はたくさんあるのに、子ども時代の自分のように通常学校に通う重度障害児への支援に関する研究はほとんど見つからず、「そんな障害児はいない」と言われているようで、無性に悔しかった。当時の私の調べ方が足りなかったのかもしれないが、通常学校に通う障害児もいる。

国保税の口座振替依頼書を別人に誤送付 つくば市

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