火曜日, 12月 7, 2021
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《邑から日本を見る》77 大飯原発設置許可取り消し判決の波紋

【コラム・先﨑千尋】今月4日、大阪地裁は関西電力大飯原発3、4号機の耐震性を巡り、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は違法だとした。この裁判は、福井県や近畿地方の住民が、同発電所の設置許可を取り消すよう求めていたもので、「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落があり、設置許可は違法」という内容。一審の判決なので、確定ではないが、東海第2原発など各地で起こされている原発再稼働差し止め裁判に影響を与えよう。「琉球新報」は「再稼働のよりどころ否定。再稼働を推進してきた国や電力会社に与える打撃は大きい」と書いている(5日付け)。 争点となったのは、関電が算出した耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の値や、これを基に設置を許可した規制委の判断が妥当かどうかだった。関電は、新基準に基づき、大飯原発の基準地震動を福島原発事故前よりも引き上げて856ガル(ガルは加速度の単位)と算定し、規制委も了承した。 これに対して住民側は、この基準地震動は少なくとも現行の1.34倍の1150ガルになる、規制委の審査ガイドにも「ばらつきも考慮される必要がある」と記載されている、現在の原子炉は耐震性を満たしていない、と主張していた。規制委内部でも、元規制委員長代理の島崎邦彦氏は、この数値は過小評価であると再考を求めていた。 判決で重視されたのはこの「ばらつき」。福島原発事故や熊本地震のときもそうだったが、自然現象には「想定外」がつきものだ。規制委が審査ガイドを作る際、「基準値(計算式)よりも大きな地震が起きることを想定すべきだ」という指摘があったことを踏まえ、数値を上乗せする必要性に言及。森裁判長は「国(規制委)が自ら作った基準通りに従わず、審査すべき点を審査していないので違法」と規制委の審査姿勢を糾弾している。 再生可能エネルギーが世界の主力電源 東海第2原発については、施設が壊れるギリギリを示す原子炉基準値は1009ガル。この数値がどの程度のものなのか、素人の私にはわからないが、先月に開かれた日本原電の住民説明会でも「この数値は過小評価ではないか。この2倍の地震が来ればどうなるのか」という質問に、あいまいな回答しか返ってこなかった。東海第2では、このばらつきの上限はどれくらいなのかを聞いておきたかった。

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筑波大教授、強制わいせつ容疑で逮捕

筑波大学教授が強制わいせつ容疑で7日、つくば警察署に逮捕されたとして、同大は同日、記者会見を開き「大学としてこのたびの事態を極めて重く受け止めています。被害者の女性に対し心からお詫びします」と謝罪した。 逮捕されたのは大澤良・生命環境系長(61)。今年4月から9月にかけて同大の研究室で、20代の女子学生の胸などを複数回触ったとされる。 同大によると、被害学生本人から9月28日、同大のハラスメント相談センターに「先生の研究室でセクハラ行為を受けた」などの相談があった。 10月11日、加藤和彦副学長に報告があり、加藤副学長は同日、被害学生の話を聞いた上で、大澤教授に対し、被害学生とは接触せず電子メールなども送らないよう申し渡した。 その後11月2日から同大懲戒審査委員会が、双方から聞き取り調査などをしていたという。同大は、大澤教授がわいせつ行為を認めたかどうかについては調査中だとしている。 一方、その後も大澤教授はj、他の学生に対し教育・研究の指導業務を行っていた。

50年の味、Aセットが出迎える【クルマのある風景】2

和風レストラン キャニオン 平田貴夫さん つくば 「表筑波スカイラインをドライブして、下大島の古いレストランで食事をした後、うちにやってくるお客さんがいます。そういったミーティングとドライブコースがあるそうですよ」と、前回取材したノスタルヂ屋の松浦正弘店主が教えてくれた。 つくば市下大島の古いレストランといえば、「和風レストランキャニオン」に違いない。創業して50年を過ぎている。昔から国道沿いのにぎわう店舗として地元の常連客やクルマ好きがやってくる。創業者である平田和夫さんが、無類のクルマ好きだったこともあり、当時の言葉で言えばドライブインとして成功した店だ。 創業50年を超える老舗レストラン 平田さんは2018年に亡くなり、助手として厨房に入っていた息子の貴夫さん(51)が2代目となって切り盛りしている。メニューは50年の間に増えているが、ほとんど変わらない和風の洋食が出迎える。

グローバリゼーションに新ルール 《雑記録》30

【コラム・瀧田薫】ダニ・ロドリック氏が「グローバリゼーション・バラドクス(The Globalization Paradox)」(2011年)を出版してから、今年でちょうど10年になります。この間、「グローバリゼーション」に関する論文・著作が数多く発表・発行される中で、この本の存在感はまだ失われていません。 この書物が発行された当時、著者は世界経済の「政治的トリレンマ」(民主主義、国家主権、グローバリゼーション)を同時にバランスよく追求することは不可能で、旗色の悪くなった国家主権と民主主義を守るために、グローバリゼーションをある程度制限することもやむを得ないと主張しました。 この主張を経済学の観点から見れば、いわゆる新自由主義的論理が市場と政府は対立関係にあると考えるのに対して、金融、労働、社会保障など、国家がコントロールする諸制度が補完しない限り、あるいは政府による再分配やマクロ経済管理が機能しない限り、市場はうまく回らず、秩序あるいは社会的安定も確保できないとする考え方と言えるでしょう。 政治学においても、国家の統治能力の向上なしに持続的な経済発展は望めないとの見方が有力ですし、ロドリック氏の考えは正鵠(せいこく)を射たものと思われます。 主権国家が新たな規制枠を用意

商品はカタログや自動車雑誌【クルマのある風景】1

サーキットのモータースポーツでもオフロードのクロスカントリーでもなく、日常にある自動車と向き合う人々は数多く存在する。ニッチ(すきま市場)とも、趣味の世界ともいえる、つくば、土浦のクルマのある風景をたずねた。 ノスタルヂ屋 松浦正弘さん つくば つくば市花畑に所在する「ノスタルヂ屋」は、一見すると昔ながらのレコード店のように見える店内だが、ここで取り扱われているのは音盤ではない。ジャンル別、メーカー別、車種別に分類された、1950年代くらいから現代に至る、内外各自動車メーカーが販売した自動車、オートバイのカタログや自動車雑誌が商品、まさしく趣味の世界だ。 そんな品物に商品価値があるのかと言えば、興味のない人には古本以下だが、かつて乗ったことのあるクルマ、昔からほしかったクルマを手に入れた、そのような人々には至高の宝物がカタログなのだ。 店主の松浦正弘さん(69)は、20代の頃に東京・中野区で「ブックガレージ」という名の店を起こし、40年を超えてこの商売を続けている。自動車雑誌がオールドカーの特集を組み、特定車種のヒストリー記事をまとめる際、自動車会社にさえ現存しないカタログなら編集者は松浦さんのもとを訪ねる。