日曜日, 11月 27, 2022
タグ ユニバーサルデザイン

Tag: ユニバーサルデザイン

ジオパークで学ぶユニバーサルデザイン(下) つくばの取り組みを発信

ユニバーサルデザイン(UD)が評価され再認定された筑波山地域ジオパーク。2019年2月には、「日本ジオパークネットワーク関東大会」(筑波山地域ジオパーク推進協議会主催)がつくば市などで開かれ、これまで筑波山地域で積み重ねられたUDの取り組みが発信された。 ノンステップバスで学び体験 関東地方のジオパーク関係者が集まり、活動を推進するための方法などを考える大会で、持ち回りで開かれている。2日間の日程のうち、1日目に「ユニバーサルデザインを学ぶジオツアー」が、2日目は「ジオパークとユニバーサルデザイン」と題した分科会が開かれた。 ツアーでは、通常も運行しているノンステップバスを利用し、産業技術総合研究所・地質標本館(同市東)や国立科学博物館・筑波実験植物園(同市天久保)を訪れた。それぞれ3D立体模型に触れて筑波山の地形を、手話で筑波山の植物を学ぶ体験ができた。学びながら、ユニバーサルデザインを体験し、今後、それぞれの地域のジオパークで何ができるかを考えてもらうのがねらいだ。 分科会では、筑波山ジオガイドとしても活動している特別支援学校の教員が、同じ情報を伝える際も、視覚的な図などを用いて説明すると、障害のない人にも分かりやすいことを解説した。また、参加者が目隠しをし、様々な小石を触り、手触りの違いと地質学的背景の関連を学ぶ体験もした。 推進協議会の会員で、市民団体「つくばバリアフリー学習会」代表の北村まさみさんは「興味を持ちづらいジオを、誰にでもわかりやすく伝えることは、ジオパークにとっても大切なこと。UDを意識することで、すべての人にとってわかりやすく、深い学びになる」と語る。

ジオパークで学ぶユニバーサルデザイン(上) 誰でも楽しめる筑波山へ

日本ジオパーク委員会が、筑波山地域ジオパークの「再認定」を決めた(2月6日付)。「再認定」の理由の1つに、「特にユニバーサルデザイン(UD)の取り組みは注目に値する」との評価がある。障害の有無に関係なく、誰でも楽しめるジオパークを目指した取り組みが評価された。 触って楽しく学ぶ 産業技術総合研究所・地質標本館(つくば市東)では、5年前からユニバーサルデザインにも配慮した館内ツアーが月に2回行われている。元副館長の酒井彰さんをはじめ、標本館の職員たちが、市民と研究機関をつなぐネットワーク「ジオネットワークつくば」のメンバーとして始めた。仕事が休みとなる土日を使っての活動だ。 ツアーでは、視覚障害者でも理解しやすいよう、筑波山の3D立体模型を触って、地形や地質の特徴に触れる。筑波山に分布する斑れい岩や花こう岩、風化標本を実際に触り、岩石の成り立ちによって、手触りや水のしみこみ方が異なることを学ぶ。筑波山にある岩石の特徴を触って確かめることで、もとは硬い石でも、風化などにより脆(もろ)い石に変化すること、それが原因となり、筑波山で土石流が起きやすいことも理解でき、防災の知識にもなる。 筑波山に興味を持ってもらい、実際に筑波山まで足を運んでもらうきっかけになればという思いから、地質標本館では、新型コロナ流行前までで96回ツアーを行った。

再認定! 決め手はユニバーサルデザイン 筑波山地域ジオパーク

【相澤冬樹】日本ジオパーク委員会(JGC、中田節也委員長)が5日開かれ、筑波山地域ジオパークの「再認定」を決めた。審査結果は同日、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、笠間、桜川の6市からなる同ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)の事務局本部になっているつくば市に伝えられた。五十嵐市長は「再認定は、これまでの筑波山地域ジオパークの活動が評価された結果。持続可能な地域社会を目指し、多くの方にその魅力を知っていただけるよう、活動を進めて参ります」とコメントを出した。 コロナ禍の逆境バネに 日本ジオパークは全国で43地域が認定されている。継続には4年に1度、JGCの審査を受けなければならない。今年度の再認定審査地域になっていたのは 11地域で、筑波山地域ジオパークを含む9地域が「再認定」された。今回も2地域が「条件付き再認定」 となったように、「再認定」には不断の地道な地域活動が問われる。「条件付き再認定」は2年後に再審査となり、再審査をパスできないと認定が取り消される厳しさだ。同地域は認定を受けた16年の段階で、JGCから13の課題が示されていた。事務局体制の強化などに取り組まれてきたが、多くが課題解決には至っていない。今年度に入りコロナ禍から活動の積み上げが難しくなり、市民組織である認定ジオガイドの新規募集も取り止め、ジオツアーなどの実地活動も停滞した。1月13日から15日にかけ委員会による現地調査が行われたが、事務局では緊張感を持っての受け入れとなった。5日の審査で、筑波山地域については「4年前の審査時の指摘事項について、解決に向けた取り組みが進んでいる。認定ジオガイドの育成、市民活動の推進、6市の市議会による『ジオ議連』の結成、認定商品のブランド化等を通じて、さまざまな人や組織が積極的に参加するようになった。特にユニバーサルデザインの取り組みは注目に値する。今後は、サイトの見直しを早急に進め、さらなる事業の展開を図ってほしい」との評価から「再認定」が決まった。ユニバーサルデザインの取り組みは、障害の有無や年齢、性別などにかかわらず、多くの人々が利用しやすいよう事業を展開するする考え方。たとえば県科学技術振興財団の運営するノンステップバス「サイエンスツアーバス」を使い筑波実験植物園や地質標本館を見学する催しで、手話通訳をつけたり、直接手で鉱物に触れるなどの工夫を講じた。事務局本部のつくば市ジオパーク室では「コロナ禍対応のため、逆に各市間の連絡がリモートを通じ密になり、一方ジオガイドも内部研さんに注力することができた。この辺が評価してもらえたと思っている」(伊藤祐二事務局長)とした。4年後の再度の「再認定」に向け、取り組みの達成度を上げていきたいとし、「そのためにも晴れてジオサイトで活動できる日が来るのが待ち遠しい」という。6市エリアから構成される筑波山地域ジオパークは、日本百名山にも選ばれている「筑波山」をはじめ、日本第2位の湖面積を誇る「霞ケ浦」、日本最大の平野「関東平野」など、日本を代表する大地の遺産を楽しめるジオパーク。16年に国内で41番目の日本ジオパークとして認定された。

Most Read

ふるさと納税の顛末記 ① 《文京町便り》10

【コラム・原田博夫】年末になると、ふるさと納税でソワソワするお宅もあるかも知れない。魅力的な返礼品をめぐる話題である。しかし、これは、制度導入の経緯からすると、妙な話である。今回は、その顛末(てんまつ)を取り上げたい。 そもそも、高校まで地方圏で教育を受けた若者の相当数が、大学入学や会社就職で都会に出て、その後の社会人生活や結婚後もそこで過ごすのは、20世紀後半の日本社会では(都市部と農村地域の間で教育や就業のチャンスに濃淡がある以上)当然だった。 この若者には財政の観点からは、高校卒業までは地元自治体の教育支出が投入されていた。勤務先の企業は、法人税(国税)および法人住民税を(企業の所在地へ)納めている。会社員としては、給与・報酬から所得税(国税)と個人住民税を(居住地の県・市町村へ)納めている。この会社員も企業も、当該年度に関しては立派な納税者である。 しかし、この会社員を高校時代まで成育させた出身地では、この財政収支の流れはやや釈然としない。少なくとも、地方出身者の高校卒業までに投じた財政資金のある部分は、出身の市町村・県に戻してもらいたい。とりわけ、都市部に出た地方出身者が地元に残った同世代よりも高所得者になっている場合には、そうした矛盾を感じる。 故郷へ還元できる制度はないか? 地方交付税制度は、こうした気分を一部解消する制度でもある。主要な国税5税(所得税・法人税・酒税・消費税・地方法人税)の一部(3割強)を地方の固有財源とみなして、全国の地方自治体を対象に、一定の意基準に従って(地方自治体ごとに基準財政需要額と基準財政収入額を算定し、前者が後者を上回っている場合はその差額を財源不足とみて)財源保障のために一般財源として配分する、という制度である(うち、94%は普通交付税、6%は特別交付税)。

ウクライナ避難民支援募金を大使館に寄付 日本つくば国際語学院

学校法人つくば文化学院(東郷治久理事長)が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(同市松代)が、4月からつくば市内で呼び掛けていたウクライナ避難民支援募金(4月13日付)が9月末までに計24万5000円集まり、10月26日、東京都港区の駐日ウクライナ大使館に寄付した。 募金箱はグループ企業のサンスイグループ(東郷理事長)が運営する市内計8カ所に設置した。当初6月末までの予定だったが延長し、9月末まで寄付を募った。 8カ所は同校のほか、つくばグランドホテル(同市筑波)▽つくばわんわんランド(同市沼田)▽つくば国際ペット専門学校(同市沼田)▽つくば山水亭(同市松代)▽つくば山水亭別亭(同市吾妻、ホテル日航つくば2階)▽KEY’S CAFE(キーズカフェ)ララガーデンつくば店(同市小野崎、10月16日閉店)▽ミスタードーナッツ イーアスつくばショップ(同市研究学園)。特にKEY’S CAFEとつくば国際ペット専門学校に設置した募金箱には多くの寄付が集まったという。 今回の募金活動は「ウクライナ避難民の支援はまず日本語学校から手を挙げてやるべきではないか」という東郷理事長の言葉がきっかけとなった。寄付金を受け取ったウクライナ大使館の担当者からは感謝の言葉が述べられたという。 同校の森山英熙本部長は「みなさんに関心を持って寄付をしていただき、本当に感謝しています。寄付金が避難民の方々のお役に少しでも立てれば」と話し、「これからもウクライナ避難民で日本語を学びたいという人がいたら積極的に受け入れていきたい」と語る。

百年亭再生プロジェクトが進行中 《宍塚の里山》95

【コラム・佐々木哲美】宍塚の自然と歴史の会では、2019年7月に里山に隣接した築100年以上の住宅を購入し、「百年亭」と名付け、修復作業に取り組んでいます。その資金集めに、クラウドファンディング(CF)を使いました。期間は9月5日~10月21日、目標額は300万円としました。 建物の完成には800万円程度が必要ですが、CFに並行して、助成金申込みや様々な手法で、宍塚の里山の重要性を伝えながら資金を集めます。 CFの結果、223名の方から317万5000円の寄付をいただき、目標を達成することができました。どんな方から寄付があったかまとめたところ、会員から27%、非会員から73%と、非会員の寄付が多くを占めました。居住地別では、つくば市32%、土浦市15%など、県内で62%を占めました。 県外では東京都が14%と多く、関東全体では28%を占め、関東以外は9%でした。宍塚から離れると人数は減少しますが、県外からの寄付者が全体の37%にもなり、宍塚の里山保全への支持が全国に広がったことを示しています。 寄付額は1万円が119名(59%)と最も多く、次いで5000円が65名(29%)と続きます。10万円という高額寄付者が4名もいました。今回の成功のカギは、もちろん、寄付していただいた方、知人・友人に働きかけていただいた方、プロジェクトメンバーの努力ですが、ホームページ(HP)の役割も少なくありません。仲介業者READYFORの方々の親身なサポートもありました。 百年亭の創建年と大工名が判明

空気汚染の健康被害を知ってほしい 市民科学者、故 津谷裕子さんの著書を公開

有害化学物質による空気汚染の被害者で、2021年2月に92歳で死去した土浦市の市民科学者、津谷裕子さんが、化学物質による健康被害について知ってほしいと09年に執筆した著書「絵でとく健康への環境対策ープラスチックからの新しいVOC空気汚染」(A5判、98ページ、社会評論社)が、「忘れるな 杉並病・寝屋川病~プラスチックリサイクルで生活を奪われないために」と題したウェブサイト内でこのほど全面公開された。 公開したのは東京都千代田区の市民団体「化学物質による環境汚染を考える会」代表の森上展安さんだ。森上さんは1990年代後半、当時住んでいた東京都杉並区で津谷さんと共に、プラスチックなどの不燃ごみ圧縮・詰め替え施設で健康被害を受けた周辺住民の実態調査や原因究明に取り組んだ。「杉並病」と呼ばれた健康被害だ。 公開された著書は、アレルギーやアトピーなどの患者が増える中、身の回りのさまざまなところから、これまで無かった、ごく微量の揮発性有機化合物(VOC)が発生し、新たな空気汚染が広がっている実態を知ってほしいと執筆された。 東京都杉並区の施設周辺住民の健康被害の調査結果や、プラスチックごみの圧縮や詰め替えで揮発性化学物質がなぜ発生するかをまとめている。その上で「プラスチックは不完全な加熱や機械的処理では、多種類で多様のVOCが発生し、毒性がごく強いものに変質することもある」などと指摘し、今日推進されているプラスチックのリサイクルについても疑問を投げ掛けている。 予防、救済、解明へ