金曜日, 7月 1, 2022
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ウクライナ避難民の心の支援に つくば生まれの「パロ」届く

産業技術総合研究所(産総研、石村和彦理事長)で誕生した、つくば生まれのアザラシ型ロボット「パロ」が、ウクライナ避難民への「心の支援」に役立とうとしている。「パロ」の発案者で研究開発者の産総研人間情報インタラクション研究部門、柴田崇徳上級主任研究員に1日夕、入った連絡によれば、ポーランド・ワルシャワの日本大使館で、避難民を受け入れている医療機関に「パロ」を届ける贈呈式が行われた。 贈られたアザラシ型ロボット「パロ」は、最新型のヨーロッパ向け医療機器版。1日(日本時間午後5時)、受け入れ先のマゾフシェ県神経精神医学センターとワルシャワ医療大学に、各2体が宮島昭夫特命全権大使から手交された。日本貿易振興機構(ジェトロ)のワルシャワ事務所を介し、産総研技術移転ベンチャーの知能システム(本社・富山県南砺市、大川丈男社長)の製造、寄贈による。 ポーランドの2医療機関へ 2月24日のロシアの侵攻により、紛争地からウクライナ国内や周辺国へ多くの人々が避難している。ポーランドには4月18日現在で、国外では最も多い280万人が避難したとされる。避難民へは「衣食住の確保」が最優先課題ながら、約3カ月が過ぎ「心の支援」も重要になってきている状況だ。爆撃、銃撃等による恐怖とその後のPTSD(心的外傷後ストレス障害)、避難生活や集団生活のストレス、今後の不安、抑うつ、孤独、興奮、不眠等の精神的な問題が顕著になっているという。 そこで、「パロ」のような医療機器で、避難民の「心の支援」を行えば、オリジナルの「人道的支援」を提供できると考えた。「武器の提供はできないが、日本らしい貢献になる」と柴田研究員。 「パロ」は、ぬいぐるみ状のアザラシ型ロボットの内部に様々なセンサーや電気回路、機械系統を組み込み、人工知能で制御される。産総研では1993年から、本物の動物を飼うことが困難な場所や人々のために、セラピーを目的に研究開発された。

1周年迎えるコワーキングスペース 5日に記念パーティー つくばROOMS

利用者間の交流を重視した共用の仕事・勉強の空間、コワーキングスペース「ROOMS(ルームス)」(つくば市苅間)が1日、オープン1周年を迎えた。5日には記念パーティーを予定している。サービスを立ち上げた筑波大学大学院2年の滝波俊平さん(25)に話を聞いた。 ROOMS(2021年5月6日既報)は、作業用の「個室」と「コワーキングスペース」の提供をメーンにしている。開業から1年が経った現在、個室を目当てにした利用者が主だ。利用者の多くは女性で「オンライン会議を静かなところでやりたい」という声が多い。ほかにも「アイドルのライブを一人で集中して見たい」という個室利用者の声もあった。 今年4月の利用者数は「個室」が37人、コワーキングスペース5人。これまでの累計利用者数でみても12倍ほどのひらきがある。月間の売上額はおよそ4万円で推移している。「コワーキングスペースの利用が伸びないのは意外だった。現在は、コワーキングスペースを別の形に転換することも検討している」という。 開業当初は個室とコワーキングスペースのみを提供していたが、現在は「キッチンスペース」と「イベントスペース」、「こたつ部屋」も始めた。利用者のニーズに応えるためだ。しかしイベントスペースはコロナ禍で利用する催しが少なかったため利用者はほとんどいなかった。キッチンスペースについては「クリスマス女子会やママ会などで数件の利用があった」そうだ。「お客さんの声を聞きながら少しずつ新しい挑戦をしてきた。これからも良い場を作っていくために試行錯誤していきたいと思っている」と滝波さん。 新たに提供を開始した「こたつ部屋」の様 コロナ禍での開業だったが影響は少なくなかった。「感染者数が増加すると利用者も減り、減少すると増える。このサイクルがあった」。コロナ禍のリモートワークやオンライン授業などの需要で「個室」の利用が増えるのではないかと考えていたが、実際にはそうした利用者は少なかったそうだ。

「マイストーリー」で女性起業家を支援 つくば市 三島裕子さん【ウーマン】1

つくば市大角豆のレンタルルームに毎月2回、女性起業家たちが集まり、自分の人生を語る集いを開いている。同市研究学園の三島裕子さん(53)の呼び掛けで昨年3月にスタートした。 三島さんが代表を務める「マイストーリープロジェクト」主催の「かわせみ交流サロン」だ。毎回、2人の女性起業家が、友人5~6人を前に、自分はどう生きてきたか、なぜ起業したのかを、それぞれ30分間、図や表を盛り込んだ資料を見せながら発表する。 つくば、土浦市など県南各地から参加する。これまで計18回開催され、延べ約170人が集まった。 7割が100万円未満 三島裕子さん

ポケモンGOで新たな協力者を つくば献血ルーム

コロナ禍、ひっ迫長期化懸念 つくば駅前の県赤十字血液センターつくば献血ルーム(同市吾妻)が先月23日から、スマートフォンゲームアプリ「ポケモンGO」のゲームアイテムを入手するための「ポケストップ」として登場している。ゲームを通して、新たに献血協力者を確保していくのが狙いだ。現在つくばを含む関東甲信越の献血ルーム45会場がポケストップとして登場している。 コロナ禍、県内では、学校や職場に献血バスが出張する献血会場のキャンセルが増えている。特に平日の献血バスによる献血協力者数が減少し、輸血用血液の在庫がひっ迫している。今年1月時点の県内献血会場キャンセル数は28会場に及び、献血協力達成率は計画の95%と100%を下回った。献血バスでの協力者減が長期化する可能性もあり、厳しい状況が続くという懸念もある。 その中で、つくば献血ルームの400ミリリットル献血協力者は、平日で約60人、休日は90人から100人の申し込みがある。平日の目標数は65人、休日は約95人で、全体を通し目標数を達成している。 2021年度の献血協力者の年代は、50代が最も多く23.9%、40代22.6%、20代12.4%、30代11.4%と続く。さらに同ルームの特徴として、2回目以降の協力者、つまりリピート率が高いという特徴があるという。

校舎に応援メッセージ ウクライナ支援へ募金呼び掛け 日本つくば国際語学院

学校法人つくば文化学園(東郷治久理事長)が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代)が、校舎の壁面にウクライナ国旗と応援メッセージを掲げ、避難民への募金を呼び掛けるなど支援活動に取り組んでいる。 今月6日、土浦学園線に面する校舎壁面に、英語と日本語で「STAND WITH UKRAINE」「私たちはウクライナを応援します」というメッセージと、青と黄色のウクライナ国旗を掲げた。 同校の受付にも応援メッセージを掲げ、手作りの募金箱を設置している。募金は6月末まで受け付け、日本語学校を管轄する法務省東京出入国管理局を通してウクライナ避難民に届ける。 受付に設置した応援メッセージと募金箱について説明する森山英熙本部長=同 応援メッセージと募金箱は、グループ企業のサンスイグループ(東郷理事長)が運営するつくば市内の計8カ所に設置し、6月末まで募金を受け付ける。8カ所は同校のほか、「つくばグランドホテル」(同市筑波)、「つくばわんわんランド」(同市沼田)、「つくば国際ペット専門学校」(同市沼田)、「つくば山水亭」(同市松代)とホテル日航つくば2階の「つくば山水亭別亭」(同市吾妻)、商業施設ララガーデンつくば1階の「KEY’S CAFE(キーズカフェ)」(同市小野崎)、イーアスつくば1階の「ミスタードーナッツ イーアスつくばショップ」(同市研究学園)。

古本回収しネット販売 つくばの障害者施設 売上の一部を工賃に

つくば市の福祉機器製造会社、幸和義肢研究所(同市大白硲、横張巧社長)が運営する障害者就労支援事業所ワーク・イノベーションセンターで、障害のある通所者が、不要になった古本を回収、クリーニングしてネット出品し、購入者に発送する活動を行っている。本の売上金の一部は通所者の工賃になる。 古本は、つくば市内や近隣市の企業10数カ所に回収ボックスを設置して回収しているほか、つくば市内の小中学校にも協力を依頼している。古本は無料で提供を受ける。竹園東中学校ではPTAの活動の一環として、回収ボックスを設置し、約150冊の寄付があった。 古本の回収用ボックス 古本の回収・ネット出品は、障害者の雇用創出などに取り組むワーキングバリアフリー(東京都千代田区)が運営する「ジョブボン(job+本)プロジェクト」によるもので、業務を通じて障害者の就労支援や自立支援を行うことを目的としている。全国で22の施設や団体がプロジェクトに提携しており、同研究所のワーク・イノベーションセンターも提携施設の一つだ。 同センターでは、昨年6月から同プロジェクトの活動を始め、これまでに約3200冊の古本を集めた。集めた本は、通所者が書き込みの有無など本の状態を調べて査定し、商品として販売できるものは表紙をアルコール消毒したり本の間のほこりをはけで払ったりしてクリーニングし、本にビニールをかける。さらに本のバーコードを利用した出品システムを用いてこれまで2500冊を出品、インターネット通販大手、アマゾンのネットショップ「早稲田ブックス」で販売している。 これまで売れた本は約340冊、売り上げは合わせて十数万ほど。通所者の工賃は現在、他の仕事も含めて月数万円程度という。今後は本の回収を積極的に進めてジョブボン事業の拡大を図る。

つくばのスリランカ人、一斉抗議行動 日本各地で母国に呼応

深刻な経済危機に見舞われているスリランカで、大統領退任を求める抗議行動が行われているのに呼応して、つくば市在住のスリランカ人約30人が10日午後、つくば駅前に集まり、プラカードや国旗を掲げて大統領退任を求める抗議行動を行った。この日は東京都渋谷区など日本各地で、在日スリランカ人が一斉に抗議行動を行った。つくばもその一つという。 10日午後、つくば駅前に集まった市内在住のスリランカ人らは、現職のゴタバヤ・ラジャパクサ大統領を名指しし、「大統領は辞任せよ」「大統領は憲法を守れ」「腐敗を止めろ」など、日本語と英語、シンハラ語で書かれたプラカードを掲げ、声を上げて抗議した。 集まったスリランカ人によると、現在スリランカは、中国から巨額の借金をしたことやウクライナ情勢の影響で、物資不足や物価高騰、長時間の停電などが起こっている。ゴタバヤ大統領は家族や親戚を閣僚に据えた政治を行っていたが、今月4日、閣僚ら26人と中央銀行総裁が経済危機の責任を取って一斉辞任した。しかし、ゴタバヤ大統領とその実兄であるマヒンダ首相は現職にとどまっており、スリランカ国内で抗議デモが過熱しているという。 筑波大学で農学の博士号を取得し、現在、市内の会社で農業コンサルティング業務に携わるアルナ・プラバートさん(42)は、市内在住の家族と共に抗議行動に参加した。「(スリランカでは)生活に必要なものがなく、物価が高い。ガソリンや子どものミルク、薬も不足している。エネルギー不足で1日に14時間停電することもある」と話し「自分はつくばに住んでいて不自由なく暮らしているが、父と母、親戚もスリランカにいるので心配でつらい。大統領には責任を取って辞めてほしい。私たちが日本でできることは抗議活動しかないが、この声が大使館などに伝わって、大統領に、国民のことをよく考えてくださいと言ってほしい」と訴える。 市内在住で下妻市内に勤務しているピカル・ハプワラーナさん(33)も家族と共に参加した。「スリランカは外貨不足になっていて海外から輸入ができず、国内に物資がなくなっている。2カ月ぐらい前から状況がかなり悪くなった。2、3カ月前に比べて物価が50パーセントも上がったと聞く。多くの会社が倒産し、みんなの仕事も大変なことになっている。スリランカに父と母がいるが、高齢なので心配している」と話す。 同日は、つくばから、東京都内で行われた抗議活動に向かった人たちもいるという。(田中めぐみ)

花期は1週間から10日遅れ 「つくば牡丹園」9日開園

世界最大級のボタン、シャクヤクの庭園、「つくば牡丹園」(つくば市若栗、関浩一園長)が9日開園する。同園では、里山の自然の中に、ボタンとシャクヤクが800種6万株植栽されている。4月には大ぶりの花を咲かせるボタン、5月にはエレガントなシャクヤクを観賞できる。会期は5月22日まで。 今年は例年より開花が1週間から10日程度遅れている。ボタンの見頃は20日ごろから4月いっぱい。シャクヤクの見頃はゴールデンウイーク後半から閉園まで。大型連休中は、花の数は少ないものの両方の花が楽しめるとのことだ。 起伏のある6万平方メートルの園内は、ウェルカムエリア、ファームエリア、水辺エリアなど7つのエリアからなる。今年は園内で大人も子どもも参加できるスタンプラリーが開催され、それぞれのエリアでスタンプを探しながら園全体を周遊できる。 新型コロナで、一昨年には2~3000人にまで落ち込んだ入場者数は、昨年1万7000人にまで回復。今年は2万人程度との予想だ。コロナ禍は続いているが、いばらきアマビエちゃんに登録し、昨年同様の感染症対策を続けた上でオープンする。来園者には広々とした屋外施設で「密」を避け、自然に回帰してもらいたいという。 咲きほこるシャクヤクの花(同園提供)と円内は関園長 園内では、ピオニーガーデンテラスでサザコーヒー(ひたちなか市)や、抹茶、うどん、そばなどが提供される。ゴールデンウイークと5月の土日にはファームエリアにジューススタンドのベルファームつくば(つくば市下岩崎)が出店する。関園長(61)によると、園内へのピクニックマットや弁当の持ち込みも可能。園内は全て農薬不使用・酵素農法で管理されているので、安心して思い切り自然に触れてほしい、としている。

まずは旬のナノハナから 花のリレーでつなぐ下広岡花迷路 つくば

花曇りの空模様が続くなか、中根農園直売所(つくば市下広岡、中根剛代表)の設けた「菜の花迷路」第1弾が見ごろを迎えている。菜種梅雨(なたねづゆ)が明ける中旬以降に第2弾、第3弾と順次開設の予定で、さらに一帯を折々の花のリレーでつなぐ「下広岡花迷路」の仕掛けで通年の集客を募る構えでいる。 直売所付近の農地に設置した迷路は広さ1300平方メートルのミニサイズで、入場料なしに散策できる。現在満開の見ごろとなっているのはセイヨウナノハナ。茎の高さが50~80センチほど。迷路は1メートルほどの幅でルートが切り開かれており、途中でシャボン玉を作って楽しめるようシャボン液が置かれている。 ナノハナ(菜の花)には、ナタネ(菜種は正式な作物名)、アブラナなどの呼び名がある。年末から初夏まで花期の長い花だが、菜花として食するには「これからが旬」と農園の中根剛さんの解説。今後、下広岡地内で2500平方メートルに設置した「菜の花迷路」の第2弾、7000平方メートルに及ぶ「菜の花大迷路」と相次いで開設する予定でいる。 農園では昨年7月に、耕作放棄地対策として「ひまわり迷路」を開設した(21年7月16日付)。中根さんによると、コロナ禍からアウトドアレジャーが人気となったこともあり、約1カ月で延べ2000人ほどが訪れたという。 一帯の遊休農地などを借り受け「花迷路」が展開される予定 そこで今年は一念発起。ナノハナの他に、4月末から6月に咲くポピーやヤグルマギクなどの遊歩道設置、6月中旬から11月上旬には昨年好評だった「ひまわり迷路」も開設する計画で、様々な花のリレー栽培に取り組んでいく。来場者を見込んで有料の駐車場(1台100円=税込み)も農園近くの数カ所に借地して設置した。

故三浦春馬さん誕生日に特別な上映会 「聖地」土浦セントラルシネマズ

2020年に急逝した、土浦市出身の俳優、三浦春馬さんが32回目の誕生日を迎えるはずだった5日、同市川口の映画館「土浦セントラルシネマズ」に全国から多くのファンが集まった。同館では昨年1月以来、三浦さんの主演作品を上映し続けて、ファンの間で「聖地」と呼ばれている。この日、上映された3作品それぞれの冒頭に、誕生日に合わせて国内外のファンから寄せられたメッセージによる動画が上映され、会場から大きな拍手が上がった。 全国から「故郷」にファンが集う 誕生日の5日は、朝8時半から三浦さん主演で遺作となった「天外者」(2020年公開)を特別上映した。通常は午前11時から「森の学校」(2002年公開)、午後1時から「アイネクライネナハトムジーク」(2019年公開)、3時から「天外者」と、回を追うごとに三浦さんが年齢を重ね、主演俳優としての成長も見届ける上映順になっている。土浦セントラルシネマズの寺内龍地(67)社長は「三浦さんの成長を1日かけて追いかけられる」と説明する。 朝8時、開場時間を迎えるセントラルシネマズには、全国から駆けつけた100人以上のファンが並んだ。「春友(はるとも)」と呼ばれる。岡山県倉敷市の八木鈴恵さん(63)は4月2日から土浦に宿泊し、三浦さんにゆかりのある県内各地を巡りながら、思いを馳せたと話す。 待合スペースに展示される三浦春馬さんの写真は一部を除き、所有者の許可のもとSNSなどに投稿可能=同

「コロナ後」へ反転攻勢のリニューアル 筑波山観光案内所から始動

4月1日にリニューアルオープンする筑波山観光案内所(つくば市筑波)で26日、開館セレモニーが催された。つくば観光コンベンション協会会長として挨拶に立った五十嵐立青つくば市長は「つくばの観光地として圧倒的な存在感をもつ筑波山から、コロナ収束後に向け、反転攻勢へのきっかけにしたい」と意気込みを語った。 外国人観光客を取り込む 観光案内所は、筑波山神社大鳥居前にあった旧案内所を建て替えた。施設は木造一部鉄筋コンクリート造2階建て、建築面積274平方メートルで、これまでの2.2倍の広さになる。2階に案内スペースのほか、旧案内所にはなかった公衆トイレ、授乳室、周辺観光事業者などが利用できる会議室を設ける。 筑波神社入口バス停の前に立つ観光案内所は、景観にマッチするよう木材を生かした作りにしている 茨城県観光物産課による入込客数調査によると、2020年につくば市を訪れた観光客は、前年比で約4割減の272万9000人にとどまり、観光業は打撃を受けてきた。この状況下、「コロナ後」を見据え、同市観光推進課の兼平勝司さんは、県内外の観光客への呼びかけと共に、国外からの外国人観光客の取り込みにも力を入れたいと話す。

コロナ対策避難所を検証 つくば 水素燃料バスで電源供給も

つくば市の指定避難所となっている旧筑波東中学校体育館(同市北条)で14日、新型コロナウイルス対策を施した避難所レイアウトの検証が実施された。併せて、災害時の停電を想定した水素燃料電池バスによる電源供給の実証実験も実施された。 つくば市と筑波大、茨城県が共同で実施した。避難所感染症対策の検証は、筑波大医学医療系感染症内科学の鈴木広道教授がアドバイスなどした。水素燃料電池バスによる電源供給は内閣府の戦略的イノベーション創出プログラムの一環で実施された。避難所の新たな電源供給の在り方として今後、同大システム情報系の鈴木健嗣教授らが国に提案などしていくという。 ブルーシート敷き区切る 感染症対策をした避難所のレイアウトとして、体育館1階の床に、単身用、2人家族用、3人家族用と大きさが違うブルーシートを敷いて並べ、それぞれ2メートルまたは1メートルの間隔を空けて区切り、家族ごとにまとまって過ごせるようにする。 感染の疑いがある人が避難してきた場合は、入り口に近い、換気のよい体育館2階に間仕切りテントを設置し、非感染者とは別の場所で、家族ごとに過ごせるようにする。

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日本はプーチンのロシアになるのか 《ひょうたんの眼》50

【コラム・高橋恵一】プーチンのロシアの理不尽なウクライナ侵攻を見て、日本の危機と防衛力の強化が叫ばれている。よくメディアに登場する「専門家」は、防衛省関係者・自衛隊幹部OB、あるいは旧大日本帝国の残影が残る関係者が大半だ。 「専門家」の解決策は、ロシアを押し返して、妥協できるところで停戦するシナリオだろうが、それまでにどれだけのウクライナ人が死ななければならないのだろう。ロシアの兵士は何万人死ぬのだろうか。世界の穀倉地帯の混乱で飢餓に陥る人々は16億人を超すとも予測されている。 プーチン大統領は、核兵器使用もいとわないという、無茶ぶりだ。NATO欧州加盟国は、防衛費をGDPの2%に増額するという。長期戦略として効果的かどうかも疑わしいが、少なくとも今のウクライナには間に合わない。 現在の日本の防衛予算は世界第8位。取りざたされているGDPの2%になれば、米国、中国に次いで、世界3番目の軍事費大国になる。 プーチンの侵略行為が、先の大戦のナチスドイツや大日本帝国軍の行動によく似ていることを考えれば、日本の防衛力強化は軍国日本の復活ともとられ、世界や日本国民が受け入れるとは思えない。世界は、そう見るのだ。 当然、中国もロシアも北朝鮮も、対抗して防衛力を強化する。それどころか、日本を警戒する意味で、韓国、台湾、フィリピンなどとの緊張も高めてしまうかもしれない。米国も、軍事産業部門以外からは、歓迎されないのではないか。

安売りカメラ店 《写真だいすき》9

【コラム・オダギ秀】また昔の話で、ゴメン。でも、店への愛を込めて書きたいのだ。とても若いころ、写真家仲間が頼りにしていた安売りカメラ店のことだ。 新宿の裏通りのその店は、間口が2、3間ほどだったろうか、住宅のような、お店とは思えないようなところだった。ガラスの引き戸を開けて入るとカウンターがあり、商品は並んでいない、カメラや写真の材料を売る店だった。近所にかつて浄水場があったので、その名前が付けてあった。 カウンターで「トライ、長巻き、2缶」のように言うと、無口な細っこいアンチャンが奥の棚から品物を持って来てくれた。貧しいカメラマンたちには、ありがたい安売り店だった。品物は並んでいないから、何というどんな商品か、価格はいくらならいいのか、わかる者だけが出入りする店だった。プロ機材ならまず手に入ったし、価格に不満なこともなかった。安かったのだ。 1年ぐらいしてからか、天井に穴を開け、2階の倉庫から品物をひもで吊り下げるようになって、品ぞろえとスピードが少し増し、店員も2人から5人くらいに増えたと思う。 昔、写真は、フィルムという感光シートか、それを細く巻いたロールで撮影していた。フィルムはパトローネという小さな金属ケースに巻き込まれていて、パトローネには36枚撮影分のフィルム入り、というのが普通だった。 プロやそのタマゴたちはパトローネ入りではなく、ずっと長くてコスパのいい100フィート入りの缶を買い、適当な長さにフィルムを切って、使用済みのパトローネに詰め、フィルム代を安くあげるようにしていた。

つくばの坂路で実証実験 森林総研に電動四足歩行ロボット

森林総合研究所(つくば市松の里、浅野透所長)は28日、ソフトバンク(本社・東京都港区、宮川潤一社長)と取り組む「電動四足歩行ロボット」による実験を公開した。スマート林業の実現と脱炭素社会をめざし、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受け、21年度からロボットの歩行実験を行っていたもので、6月から研究所内の施設で実証実験を開始した。 取り組むのは「NEDO先導研究プログラム/農山村の森林整備に対応した脱炭素型電動ロボットの研究開発」。傾斜角度が30度までの斜面の上り下りが全自動で出来るアメリカ製の四足歩行ロボットを採用して、森林環境において、高精度な自動歩行がどこまで可能になるか、通信の改善をどのように実現するか、など実地に検証する。 造林作業向けに開発 従事者の高齢化や担い手不足から、わが国の木材自給率は40%程度に留まり、国産材の供給力の強化が林業の課題になっている。近年は特に木材を伐採した後、新たに苗木を植えての「再造林」が進まないことが悩みになっているそう。 抜根や下刈りなどに人手を要するうえ、傾斜地での作業となるため労働負荷が大きい。この「造林」作業にマッチした走行性能を有するモビリティーの開発を目指している。具体的には、シカの食害対策のため設置する防鹿柵の点検、苗木の運搬、森林資源の調査・計測などの作業を想定している。 21年度は森林総研と連携協定を結ぶ北海道下川町で、造林地や急傾斜地、積雪などの環境下で電動四足歩行ロボットの歩行能力について調査・検討を行った。一定の条件下であれば斜面や障害物などがあっても安定した歩行ができることが分かった。

500号の大作も 県つくば美術館で「茨城の美術セレクション」展

茨城県で活躍中の作家たちの作品を展覧する「茨城の美術セレクション」展が28日、県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。県の美術界を代表する27人の作家による日本画6点、洋画16点、彫刻5点を展示する。 今年1月に県近代美術館(水戸市)で開かれた「第12回現代茨城作家美術展」に出品した100人の中から27人、27点の作品を選抜して展示する。19日までの県陶芸美術館(笠間市)に続く移動展覧会で、来年3月1日から12日には県天心記念五浦美術館(北茨城市)開催と、それぞれ異なる作品の展示となる。 昨年の開催では約1400人が来場した。作家自身が来場者に技法や制作への思いを話す「ギャラリートーク」が毎回好評だが、今回は来場者との対面スタイルでは実施せず、会期終了後にYouTubeでトークの動画を配信予定だという。 会派やジャンルの垣根を越えた大作が一堂に会する。展示された作品の中には、500号の大きさの絵画2つで構成された筑波大学名誉教授、玉川信一さんの作品「愚者の階梯(かいてい)」や筑波大教授、仏山輝美さんが自らの顔や手をモチーフとして描いた作品「月光」など、生と死を感じさせるような作品が並ぶ。 県美術展覧会事務局(水戸市千波町)の学芸員、天羽かおるさんは「生と死のテーマは作家が生きていく中で突き当たる必然。現役の作家が今まさに感じていることを表現している。コロナ禍以後は、作品にじっくり対面し丁寧に見られている方が多くなった。肌感覚だが、以前より特に男性で、お一人で来場される方が増えているように感じる」と話す。 市内から訪れた男性は「図書館に寄ったついでに見に来た。近代的な感じの作品が多く、おもしろい展覧会」と話した。(田中めぐみ)