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新アウトドアスポーツで ジオパークの魅力堪能

【富永みくに】日本ジオパークの一つ、筑波山地域ジオパークを会場とした、アウトドアスポーツ「第2回フォトロゲイニング大会」(同実行委主催)が27日、つくば市の筑波山や宝篋山(ほうきょうさん)で開かれ、約150人が参加した。 フォトロゲイニングは1976年にオーストラリアで生まれたスポーツで、地図を頼りに制限時間内にどれだけ得点を獲得できるかを競う。難易度の高いチェックポイントほど高得点が配分され、指定の観光スポットを利用するとボーナスポイントがもらえる。幼い子どものいる家族も景色や地元のグルメを楽しみながら参加できる。 チェックポイントは筑波山地域ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が提案し、ジオパークの見どころを盛り込んだ。高得点が配分されたのは、筑波山山頂の石碑、同ケーブルカー、宝篋山山頂の印塔、尖浅間山頂など。 スタート前の午前9時20分、地図とチェックポイントが配布され、各チームが作戦会議を開始。高得点が得られるルートを入念に選んだ。午前10時のスタート時には、同市のゆるキャラ「つくつく」「フックン船長」がスタートゲートに登場し、盛り上げた。 3時間の部で優勝した「時折若柴」チームは製薬会社の同僚3人で参加。加島美穂さん(33)は「日頃の運動不足の解消にと思い参加した。制限時間が短かったため、近場の宝篋山を登るコースを選んだ。思っていたよりも山道が厳しかったがとても楽しかった」とコメントした。 市ジオパーク室の杉原薫主任主査は「北条街づくり振興会など地元の皆さんにも協力いただき、ジオパークだけでなく、地域の隠れた見どころを知ってもらえるようなコースを提案した」と説明した。 会場では宝篋山の名前を、国土地理院の地図に載せる署名活動も行われた。現在、約500人の署名が集まっており、2000人を目指してこれからも呼び掛けるという。

知事、国会議員ら北朝鮮情勢や日報問題に言及 霞ケ浦駐屯地65周年

【崎山勝功】陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地(土浦市右籾)開設65周年・関東補給処創立20周年記念の一般開放イベントが26日同所で開かれた。記念式典には大井川和彦知事や県選出国会議員らが参加し、緊迫する北朝鮮情勢やイラク日報問題などに言及した。 大井川知事は「北朝鮮の核実験施設の廃棄が報道されたが、過去の経緯からみても予断を許さない。尖閣諸島の中国工船や漁船の度重なる領海侵犯など、我が国の主権を脅かす事案が発生している」と述べ「自衛隊には北朝鮮情勢に関する情報収集、警戒活動や有事即応体制のさらなる強化、さらには2年後に開催される東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策など国民の期待はこれまで以上に高まっている」との考えを示した。 藤田幸久参院議員(国民民主)は、不存在とされた陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題に触れ「現場で命がけで戦っている皆さんの現場の叫びがトップまで届いていない1年間」だったと述べ「第2次大戦でも皆さんの記録がしっかり後で教訓として生かされている。皆さんにとっては遠い地まで行っていながら、それ(現場の声)が伝わっていないことが最大の問題」と、自衛隊トップに苦言を呈した。 式典には国光文乃、青山大人衆院議員、中川清土浦市長や県会議員、同市議らが多数出席した。 一般公開ではヘリコプターが地上にいる被災者を救助する訓練が披露されたほか、実際に使われている防弾ベストとヘルメットを試着する体験なども催された。

人工知能で次世代の地銀へ 筑波銀行など7行が新会社

【鈴木宏子】筑波銀行(土浦市、藤川雅海頭取)は25日、他県の地方銀行計7行と連携し、人工知能(AI)などを使って金融サービスや業務のデジタル化を進める共同出資会社「フィンクロス・デジタル」(東京都中央区、社長・伊東真幸元横浜銀行頭取)を6月25日に設立すると発表した。 現金を使わずスマートフォンによる電子商取引が広がったり、IT企業が情報技術を駆使してフィンテックと呼ばれる新しい金融サービスを提供するなど、めまぐるしいスピードで経済のデジタル化が進む中、地方銀行が共同出資してデジタル化を進める。 7行はほかに、池田泉州銀行(大阪市)、群馬銀行(前橋市)、山陰合同銀行(松江市)、四国銀行(高知市)、千葉興業銀行(千葉市)、福井銀行(福井市)。新会社の資本金は1億円、設立時の純資産は1億4000万円。14.3%ずつ出資する。 新会社は、7行がもつ顧客情報を匿名化してデータ分析し、顧客の生活スタイルや子供の成長などに合わせた最適な金融商品を個別に提供などする人工知能を研究・開発する。さらに人工知能を用いて事務作業を効率的に自動化するロボット(RPA)を導入し銀行業務の効率化を進めたり、店舗のペーパーレス化やキャッシュレス化などを進めるという。 他の金融機関の参加を歓迎するほか、今後、複数行による協働事業も検討するという。ただしシステムの統合などは実施しないとしている。

男だってヘアドネーション つくばで自立支援の浅井和幸さん

【鈴木宏子】引きこもりの若者などの自立を支援しているつくば市のNPO若年者社会参加支援普及協会アストリンク理事長の浅井和幸さん(46)が12日、約4年間伸ばした髪を切った。小児がんなどの治療で髪の毛を失ってしまった子供たちにウィッグ(かつら)を提供するヘアドネーションに協力するためだ。伸ばした長さは30㎝以上。男性がヘアドネーションに協力するのは珍しい。どんな思いだったのか。 5年程前、インターネットのニュースでヘアドネーションを知り協力しようと思ったという。世間には男らしい髪形や女らしい髪形、男が長髪なのはおかしいという常識があって、常識に合わない人は自分を恥じ、縮こまってしまう状況に異議申し立てしたいという思いがあった。支援する引きこもりの若者の中に、床屋に行かず、髪が伸び放題になっている若者がいたことから、自宅に居ながらできるボランティアがあることも知ってほしかったという。 普段は後ろ髪を一つに縛り束ねていた。理由を話すと多くの人は「すごいね」などと応援してくれた。一方で髪を伸ばした浅井さんに嫌悪感を抱き、一時、浅井さんを避けるようになった知人もいたという。利点も多いと強調し「一度会っただけで覚えてもらえるし、講演会で話すネタにもなる」という。 髪が肩まで届くようになると、バックや趣味のギターを肩に掛けた際、髪の毛がからまったり、就寝し寝返りを打った際、引っ張られて目を覚ますこともあったという。洗髪は10分ほどで終えたが、乾かすのが大変で、寒い冬はぬれた髪が冷え冷えしたなどの苦労もあった。 長さが規定の31㎝を超えたため、12日、ヘアドネーションに協賛しているつくば市二の宮の美容サロンIRIS(イーリス、東海林瑛人代表)で髪を切った。 まずひもで縛って6束に分け、ばっさりカット。長い髪は38㎝あった。浅井さんは「久しぶりに首が軽くて涼しい」と感想。同店で、30㎝の髪ではショートヘアのウィッグしか作れないこと、ロングヘアーを作るには50㎝以上必要であることを教わったので「何年先になるか分からないが、次は50㎝以上伸ばしたい」と、浅井さんはすぐに次のチャレンジをスタートさせた。 2日に1人が協力 同店を経営する美容師で妻の夏奈さんによると、ヘアドネーションはテレビやメディアで紹介され認知度が上がってきており、今年に入って急に協力者が増えているという。 同店の場合、4月は18人が協力。ほぼ2日に1人のペースだ。5月も同じペースで、男性も浅井さんが2人目だという。女性の場合、もともとロングヘアで、七五三や小学校入学、成人式などの節目に合わせて切り、何かに役立てたいと協力する人が多いという。 同店は、店をオープンした2年前からヘアドネーションに協賛している。夏奈さんは「ウィッグを待っている子どもたちが現在100人以上おり、一つのウィッグをつくるのに10人から30人の髪の毛が必要になる。パーマをかけていても、染めていてもOK。普段の生活をしている人ならだれでも協力できる」と協力を呼び掛けている。

経年劣化しボルト破断が原因 筑波大渡り廊下屋根崩落事故

【鈴木宏子】筑波大学(つくば市天王台)で昨年12月10日、教室がある建物と建物の2階部分をつなぐ連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した事故で、同大は24日、原因は経年劣化により、建物のコンクリートに打ち込んで屋根を固定していたボルトがさびて腐食し破断したためと発表した。外部の専門家を加えた特別チームを設置し事故原因を調査していた。 崩落した屋根は42年前の1975年に建設された。鉄骨造、長さ約17.5m、幅約4.5m、重さ約13.6tで、2つの建物と両側20本のボルトで固定されていた。普段は学生が渡り廊下を歩いて教室を行き来しているが、事故時は日曜日のため学生がおらずけが人はなかった。 さびた原因は、長年にわたって雨水が直接かかり腐食したという。事故前からすでに破断していたとみられるボルトや、細くなっていたボルトもあり、屋根の重さを支えきれない状態になっていたと考えられるという。この日氷点下2.3度を記録したため部材が収縮したことがきっかけになった可能性もあるという。 対策について、これまで目視により定期点検を行っていたが、ボルト部分は鋼板で覆われていたため、さびなどを確認することができなかったとした。一方、2004年に建物の耐震診断を実施した際、崩落した屋根については構造計算をしておらず、当時計算していれば事故を防げた可能性があったとした。 事故後、同大は、学内の渡り廊下77カ所の緊急点検を実施し、これまでに平砂宿舎の渡り廊下など計3カ所を撤去したり改修した。他に、崩落事故があった屋根と同様にボルトで固定されている渡り廊下が3カ所あることから、さらに点検を進めるとしている。 調査結果について永田恭介学長は「学内施設に対する安全性への信頼を低下させる極めて深刻な事故。今後同様の事故が発生することがないよう安全・安心の確保のため全力を尽くしたい」とするコメントを出した。

高齢化で在宅介護の相談急増 民生委員自ら初の研修 つくば市茎崎

【橋立多美】住宅団地住民が一斉に年をとり、急速な高齢化が進むつくば市茎崎地区で、民生委員が在宅介護に関する相談を受けるケースがここ数年、急増している。こうした状況を受け、同地区の民生委員自らが初の試みとして、在宅介護のシステムと現状を知る研修に取り組んだ。 茎崎交流センターで18日開かれた、同市茎崎地区民生委員児童委員協議会(関口光治会長)による全体研修で、初めて在宅医療と介護をテーマにした。 訪問診療を専門に行っている、つくば在宅クリニック院長の渡辺拓自さんの講演と3人を看取った介護者の体験談が語られ、会場に集まった32人の委員たちは静かに耳を傾けた。 渡辺さんは同市を中心に、10市1町の在宅患者約140人の診療にあたっている。様々な患者と家族の例を挙げながら「在宅医療は看取りのための医療ではなく、患者の意思に添いながら訪問看護師などがチームで支える医療」と話した。その一方で「本人にとって介護が生活の基盤で家族の理解と協力がないと成り立たない」とも。 続いて谷田部地区民生委員の久保田美智子さんが、実母と夫、従妹の順で介護し見送った体験を語った。「本人の痛みをコントロールしてくれる在宅医がいたから、9年に及んだ介護の日々を乗り切ることができた」と振り返った。 参加した民生委員からは「相談に乗ってくれる良い主治医を探すには?」「知りたかった訪問診療にかかる費用が分かって良かった」などの質問や感想が聞かれた。 民生委員は、地域の身近な相談相手として必要な支援を行う非常勤の公務員。あしび野に住む民生委員の稲川誠一さんによると、2005年に施行された個人情報保護法でお年寄りの安否確認が満足にできなくなって業務に弊害が生じたり、民生委員自らが高齢になって辞めるなど、なり手不足になっていると課題を指摘した。

北京冬季五輪で採用目指す ヒト型ドーピング検査ロボット開発 産総研など

【富永みくに】スポーツ選手のドーピング検査の自動化を可能とするヒト型ロボット「まほろ」が23日、つくば市春日の筑波大学高細精医療イノベーション棟で報道陣に公開された。2022年の北京冬季オリンピックでの採用を目指して開発を進めている。 近年ドーピングは巧妙化し、禁止薬物を使用するのではなく、遺伝子操作を行った細胞を体内に注入する「遺伝子ドーピング」が行われるようになっている。従来の尿検査では検出できず、特殊な検査が必要となるため、国際オリンピック委員会(IOC)や世界反ドーピング機関(WADA)は、対策に頭を悩ませている。 産業技術総合研究所(つくば市)は、安川電機(福岡県北九州市)らと共同で昨年4月、ドーピング解析の自動化を目的としたプロジェクト「まほろプロジェクト」を設立。オリンピックなど世界的なスポーツイベントでの採用を目指している。 熟練者の動き再現 産総研創薬分子プロファイリングセンターの夏目徹センター長によると、「まほろ」には2本の腕と7つの関節が付いている。器具などを次々と持ち変えながら、液体を注入したり、遠心分離機を操作するなど一連の動作をこなす。熟練した検査員の基本動作を1台のロボットで再現した。 普段、検査員が使用している器具・機材をそのまま使える。さらに遺伝子検査は通常のドーピング検査に比べて検査工程が多く、髪の毛1本落とすことも許されないクリーンルームでの作業となるため、ロボットを活用することでさらに不純物の混合が避けられる。オリンピックなどの大会期間中、不眠不休で作業に当たることも可能。5年間24時間働き続けてもミスを起こさない性能を持っている。 リース価格は1台につき約1億円だが「人件費や開発費などを考慮すると数年で回収できる」と夏目センター長は話す。工程の追加・入れ替えをするだけでドーピング検査に限らず幅広い検査に活用できる。 当初、2020年の東京五輪での採用を目指していたが、公式的な作業手順の策定や、検査を行う研究所の設置などが間に合わなかった。夏目センター長は「スポンサーが見つかれば東京オリンピック中にもデモンストレーションをやってみたい。今は人の動作を完全にまねているが、いずれはAIを使って最適な動作が行えるようになる」と意気込みを語った。 https://youtu.be/XFhi8HNFOtA

来年6月8、9日 つくば国際会議場 G20大臣会合日程決まる

【鈴木宏子】来年つくば市で開催されるG20貿易・デジタル経済大臣会合の日程と会場が決まった。6月8、9日の2日間の日程で、つくば市竹園、つくば国際会議場(同市竹園)で開催される。会場は16年5月に開催されたG7科学技術大臣会合と同じ。 大井川和彦知事は22日の定例会見で「非常に注目される会議になる。貿易とデジタル経済の2つの大臣会合が合同なのでおそらく非常にたくさんの参加者がいらっしゃる。県としてはこの機会を最大限に利用して、茨城を知ってもらう、楽しんでもらうことに全力を尽くしたい。県内の観光インフラ、おもてなしの機運、知名度、そういうものの振興に全力を注ぎたい」と話した。 さらに各国の大臣を案内したい場所として、つくばの研究機関の視察のほか、大洗、石岡のフラワーパーク、水戸の偕楽園、霞ケ浦などを挙げ「いろいろなところを見ていただきたいし、食事も含めて茨城の良いところを是非体験していっていただきたい。息抜きにりんりんロードをサイクリングしていただくのもありかなと思っている」などと述べた。 地元つくば市の五十嵐立青市長は「準備から会合当日まで1年余りの間、つくば市の魅力を国内外に発信する絶好の機会。未来につなげるレガシーを創出すべく、市民を始め、政府、県、関係機関と連携し、成功に向けて準備を進めたい」とコメントを出した。 同会合は、来年6月28、29日に大阪で開かれるG20サミットに併せて、全国8カ所で開かれる関係閣僚会合の一つ。自由貿易の推進や IoT(身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる仕組み)、AI(人工知能)などの革新的技術を通じて、世界の経済成長を力強いものとするための取り組みについて議論する予定という。

平成最後の大会は10月6日 土浦全国花火競技大会

【谷島英里子】第87回土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・中川清市長)は22日、市内で会議を開き、今年度の大会を10月6日(土)に学園大橋付近の桜川畔で開催することを正式決定した。 会議には土浦警察署や公共交通機関の関係者、地元区長らが出席した。中川会長は「平成最後の大きな節目の年だと思っている。すばらしい花火大会で終わらせたい」と話し、「安心安全な大会運営に努め、夢と感動を与える大会にしていきたい」と述べた。 実行委によると、花火は午後6時から約2時間30分、2万発を打ち上げる。競技種目はスターマイン、10号玉、創造花火の3部門あり、全国の花火師が腕と創意を競う。中盤で打ち上がる大会名物の横幅500mに及ぶ「ワイドスターマイン土浦花火づくし」(主催者提供花火)は約2100発が9カ所から打ち上げられ、夜空一面を鮮やかに彩る。昨年は約75万人の観客があった。 花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。

自治会やPTAが市に要望 用地購入し公務員宿舎跡再生を つくば市竹園

【鈴木宏子】小中学校など公共施設が老朽化する一方、人口が急増し過密化が深刻な問題となっているつくば市竹園3丁目、国家公務員宿舎跡地の再生問題で、地元自治会やPTAなどが新たに住民団体を結成し、22日、市に同地区の中心にある用地の購入を検討するよう求める要望書を提出した。購入は、緑豊かで統一のとれた同地区の一体的な再生に不可欠だとしている。 同用地所有者の都市再生機構(UR)が今年度中に、用地を民間に売却することが明らかになったのがきっかけ。用地は宇宙航空研究開発機構(JAXA)宿舎跡地約9900㎡で、昨年8月、つくば市が計画を中止した「竹園3丁目地域拠点再構築事業」区域の一部だった。中止前の計画では、築40年以上が経過し老朽化している小中学校や幼稚園、保育所、交流センターなどの公共施設を一体的に建て替える区域の中心に位置していた。市の計画中止を受けてURは、同用地を売却する。 4月に売却計画を知った住民らが、地元自治会や区会、中学校PTA、児童館や保育所の父母会などに呼び掛け、5月13日、計8団体で「竹園学園地区まちづくり連絡協議会」(小島崇宏会長)を結成し、要望書を提出した。 要望書は、竹園3丁目地区は公共施設の老朽化や公務員宿舎の廃止などにより、国家事業として全国に先駆けてつくられた緑豊かなコンパクトシティが崩壊しつつあるなどとしている。一方で公務員宿舎跡地で急速な宅地開発が進み、子育て世代が著しく増加し、教育施設や児童福祉施設の過密化が深刻な問題となっていると指摘している。 老朽化、過密化している公共施設の増築や建て替えは避けられないのに、各施設の敷地面積は十分でなく、個別に建て替えることは非効率で、利用者は多大な負担を強いられるなどとし、市に対し同用地の購入を検討して、公務員宿舎跡地の一体的な再生に取り組むよう求めている。 一方、22日、要望書を受け取った飯野哲雄副市長は、個人的な感想だと前置きした上で「(土地の)取得は目的を明確にしないと難しい。個別の話をすべて実現できるかというとそれは違う」などと答えるにとどまった。要望に対しては、検討し回答するとしている。 要望書を提出した同連絡協の小島会長(44)は「(同地区の)再構築を実施し、新たなまちの姿をつくる上で購入は必要不可欠」だと強調し、住民の一人、三橋俊雄さん(68)は「公務員宿舎は緑豊かで日本でも誇れる環境だったが、どんどん売却され普通の宅地に変わっている。つくばは40年前、(最初に公務員宿舎が建設された)竹園3丁目から始まったのだから、竹園3丁目から新しい姿を模索してもらいたい」と話している。

二刀流で土浦を発信 入沢弘子図書館長

【鈴木宏子】土浦市立図書館の入沢弘子館長(55)がこのほど、市広報マネージャーに任命された。全国にも例を見ない館長と広報マネージャーの二刀流で、今後は図書館だけでなく市全体の魅力を発信していく。 週4日、館長として図書館に勤務し、週1日、市役所広報広聴課シティプロモーション室に勤務する。大手広告代理店、博報堂の広報統括ディレクターだった経験を生かし、市の情報発信を総合的にプロデュースしたり、関連事業を企画、立案するという。 具体的な構想として「高校生パワーで土浦を盛り上げたい」と抱負を話す。「土浦の良さは高校生が多いこと。県立、私立を含め9校ある自治体は周辺にない。高校生が多いという強みを生かしたい」という。 高校との連携事業は図書館で8日からスタ―トしている。県立土浦二高図書委員会の生徒にお薦め本を紹介してもらい、高校生が多く集まる4階学習室隣りのロフトに28冊の推薦文を展示し、本を貸し出している。今後、他校にも声を掛け広げていく方針だ。 現在、高校対抗ビブリオバトル(書評合戦)や制服ファッションショー、部活紹介などの企画案を温めているところだという。 さらに「土浦の高校を発信することは、進学を目指している小中学生や家族が土浦に足を運んでくれる機会にもなるのでは」と期待を寄せる。 「連携企画を通して土浦の高校生に楽しい思い出をつくってもらい、ずっと土浦のファンでいてほしい。進学や就職でいったん土浦を離れても、土浦に戻ってきたり、家族を連れて遊びに来たり、将来、土浦で事業を展開するなどしてくれれば」と夢を語る。 つくば市在住。父親が朝日新聞記者で転勤族だったことから全国各地を転居し、小学2年から中学2年まで土浦で過ごした。 博報堂退職後は、つくば市でプロモーションマネージャーを務めた。土浦市中心市街地活性化の核として昨年11月、駅前にオープンした市立図書館の館長に公募で選ばれ、今年3月、通信制大学で司書の資格を取得した。

【ひと】「つくばなれ」現象を問題提起 筑波大大学院 和田桃乃さん

【柿内典子】「これからつくばでどう生きる?みんなで考えるつくばライフ」と題したトークイベントを4月下旬、筑波大近くの共有オフィスで開催し、筑波大生の「つくばなれ」現象を問題提起した。 大学入学を機に出身の福井県からつくば市に転居して6年目。現在、同大大学院システム情報工学研究科2年で、新規プロジェクトを応援する共有オフィスの学生スタッフを務める。 「つくばなれ」は和田さんが作った造語だ。つくば市に住むのではなく、千葉や東京のつくばエクスプレス(TX)沿線に下宿して大学に通う筑波大生が増えている現象を指すという。「特に卒業を間近に控えた学生が、流山おおたかの森や浅草などに移住する傾向にある」と話す。 和田さんが暮らした6年の間に、つくば市は西武筑波店、イオンつくば駅前店など大型商業施設の相次ぐ撤退があった。昨年12月には、学内で渡り廊下の崩落事故が発生、施設の老朽化を実感した。学生宿舎では3つあった銭湯のうち2つが廃業となった。「学生にとってつくばは緩やかに暮らしにくくなっている」と感じ「『つくばなれ』の背景にあるのでは」と指摘する。 一方で、学生自身による、つくばならではの学生コミュニティを再構築しようという新たな動きが起こっていることに着目。4月のトークイベントでは、全国初の大学サッカー部ファンクラブ設立に向けたクラウドファンディングの取り組みをしている学生や、唯一残る平砂学生宿舎の銭湯を生かしてコミュニケーションの場をつくろうと挑戦している学生の取り組みを紹介した。 和田さん自らは、学生同士のつながりをつくる手法として県人会に着目。今年4月、自らツイッターで福井県出身の学生に呼び掛けて、福井県人会を再開させた取り組みを、トークイベントで紹介した。 「都内に住む学生と違ってつくばは深い人間関係が築けることが魅力」と話し、「筑波大生として市内でコミュニティ活性化を目指している学生を紹介し、つくばでの暮らしをもう一度考えて欲しかった」と和田さんは説明する。 そうした積極的な姿勢が評価され、現在は市役所や筑波大同窓会「茗渓会」から声がかかり、地域活性化に向けた協力もしている。茗渓会からは、各県にいる筑波大卒業生と、現在つくばにいる人たちをつなげて欲しいと相談がきたという。「コミュニティの輪をさらに広げ、つくばを離れて暮らす人にもつくばに興味を持ってもらいたい。たくさんの人と協力し、つくばのイメージアップにつなげたい」と話す。

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さらに2人感染、計15人に つくばの高齢者施設 新型コロナ

つくば市内で新型コロナウイルスの感染が確認された同市北条、介護老人保健施設アレーテルつくば(運営・恵仁会)の40代女性職員の濃厚接触者について、県は6日、さらに2人が感染していることが判明したと発表した。同施設での感染者は計15人になる。 2人は、土浦市に住む同施設職員の40代女性と、つくば市に住む入所者の90代女性。いずれも2日に発熱し、現在、咳などの症状がある。 6日は施設の入所者と通所者、職員と家族の計24人のPCR検査を実施し、22人は陰性だった。県は濃厚接触者をさらに調べている。 「施設関係者は首都圏の人との接触自粛を」 一方、大井川和彦知事は6日の記者会見で、県内でこれまでに発生した4つのクラスターのうち、つくば市の筑波記念病院と社交ダンススクールのクラスターについて、経過観察期間が過ぎたのでこれ以上の感染拡大はないとした。 その上で、県内のこれまでの感染状況について、茨城県の場合、知らないところで感染が拡大しているということではなく、県外からやってきた人と濃厚接触者の範囲でとどめていると強調した。

一転、5月6日まで休校 県南の県立高校 新型コロナ

6日新学期が始まった県立高校について、大井川和彦知事は同日、東京への通勤者が多いつくば、土浦市などの県立高校や中等教育学校を、ゴールデンウイークが終わる5月6日まで臨時休校にすると発表した。 3日時点で大井川知事は、県内の新型コロナウイルス感染者の発生状況から感染の連鎖を止められているとして、県立高校は6日から通常通り再開するとしていた。しかし新学期スタート初日に方針を見直す。東京との交流人口が多いことから県が「感染拡大要注意市町村」に指定した、つくばエクスプレス(TX)や県南の常磐線沿線など10市町に立地する県立高校32校をさらに1カ月間、臨時休校とする。 7日は通常通り入学式を実施し、8日からゴールデンウイーク明けまで臨時休校となる。 大井川知事は方針を一転させた理由について、3日の発表後、インターネットやその他で心配する声が大変多く寄せられたとし「恐怖心、心配、不安が強い中でこれ以上無理に学校を再開しても、逆に不安な心理の中で通常の学校生活が送れないのではないか」と判断したと説明した。 TX沿線や県南の常磐線沿線市町の住民に3日、平日夜間と週末の外出自粛を呼び掛けたことに触れ「予防的な措置として外出自粛を要請したが、それが引き金となって不安感が増して休校を求める声が多くなっていった」とし「不安な心理の中で学校を続けることはマイナスの方が大きい」とした。 休校期間については夏休みを短縮することで取り戻すことを検討しているという。

つくば市長、受け入れに難色 日本財団9000床整備計画

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐため、日本財団がつくば市南原、つくば研究所跡地に軽症者向け病床約9000床を7月末までに整備すると発表した問題で、地元の五十嵐立青市長は6日の定例記者会見で、「住民理解が不可欠だが、プロセス構築が極めて困難」だなどとして、受け入れに難色を示した。 五十嵐市長は「すでに医療崩壊が起き始めており7月末では間に合わない。筑波大附属病院は800床、9000床は全国どこにもない規模。移送体制や医療従事者はどう確保されるかなどさまざまな課題をクリアしなくてはならない」などと話した。 課題として①研究所跡地に残っている建物を取り壊すので7月末までという時間が掛かってしまう②施設に他地域の患者や医療従事者を移送することに課題がある③大規模施設は住民理解が不可欠だが、市役所職員は市内の感染拡大防止に集中しており、住民理解を得るためのプロセス構築は極めて困難ーと指摘した。 これに対し日本財団経営企画広報部は「ご理解いただいた上で、つくば市や茨城県と協議しながら進めていきたい」としている。 新型コロナウイルス感染者の軽症者向け施設として県に提供された、ゆかりの森 宿舎あかまつ森のセンター=つくば市遠東

新社員寮が土浦に完成 関彰商事 ライフスタイルの変化に対応(上)

【池田充雄】総合商社の関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)が、新しい社員寮「至誠館」を土浦市真鍋4丁目に完成させ、1日から本格稼働が始まった。 社員寮の場所は旧国道6号沿い、県立土浦一高の北側。かつては国道125号入口と呼ばれた丁字路の前だ。同社系列のガソリンスタンドの奥に以前の寮があったが、それらをまとめて取り壊し、敷地を広げて建て直した。旧寮から移った入居者からは「新しくきれいになって気持ちいい。駐車場も広くなって通勤に便利になった」と喜ばれている。 建物の概容は、延床面積約1500平方メートル、鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造の2階建て。男子寮21室、女子寮7室、女性家族寮2室という内訳だ。内外装ともコンクリート打ち放しのモダンなデザイン。1階南側は全面ガラス張りで開放感があり、2階部分は外装のルーバーがシャープな印象を高め、個室のプライバシーを守りつつ採光も確保している。 家族寮以外はいずれも1人用のワンルーム。男子寮はベッドとトイレ付き、浴室は共用だがライフスタイルの変化に対応し、大浴場ではなくシャワー4基とユニットバス3基になった。ランドリーには大型の洗濯機と乾燥機が3台ずつ置かれ、利用時間の短縮も図れそうだ。女子寮では全室にキッチンとユニットバスを完備した。 室内の様子 希望者には朝食と夕食の賄い付き。残業や遅番勤務でも食堂に自分のご飯があるのは独身者にはありがたい。寮母の平岡牧子さんは「前の寮より人数は増えるけれど、10人前でも20人前でも手間は一緒」と頼もしい。物価上昇でやりくりには苦労するが、若い人にも野菜をしっかり摂ってもらえる献立を心掛けているという。