【橋立多美】市民有志が2013年にノバホールで、翌14年には同ホールやセンター広場の野外ライブを中心に3日間にわたる「つくば市民音楽祭」を開催した。3回目の音楽祭から「音の宝箱」と改称し「音楽で人をつなぎ、街の音楽祭へと成長させる」ことを目指して活動している。市民ボランティアを主体に文化財団や地域企業が協力している。

今年は実力派ジャズピアニスト水岡のぶゆきと、そのグループが出演するスペシャルジャズライブを11月17日、つくば市吾妻の筑波学院大学大講座室で開催する。また、プロの演奏家と吹奏楽部に属する市内の中学生3人が共に演奏する企画が予定されている。

この催しを告知するポスターとチラシを、同大のメディアデザインコースで学ぶ2年生7人が制作した。学生たちは、社会参加活動を行う必修授業「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」の受け入れ団体の中から、「音の宝箱・つくば企画運営会議」の運営を体験することにした。同企画運営会議がBiViつくばで月1回開催している「BiViコン」のスタッフとして活動しながら、ポスターとチラシ作りに取り組んだ。実社会にアピールするポスターとチラシ作成を任せられるとは予想していなかったという。

ポスターとチラシの原稿と写真を入手したのは8月上旬だった。手分けして参考になりそうなポスターやチラシを集めることから始め、より多くの人にライブ開催を伝えるにはどうしたらいいか、話し合いを重ねた。やり直しを命じられたこともあったがめげずに取り組み、1カ月で校了した。9月中旬、黒をベースにピアノの生演奏が聴こえてきそうなシックなイメージのポスター(A2サイズ)50枚とチラシ(A4サイズ)8500枚が刷り上がった。

キャラクターデザイナーを目指す秋間綾乃さんは「会場準備に参加し、観客とは違う目線でライブに関わることができて新鮮だった」。ウェブデザイナーを志す大塚保奈美さんは「音楽を身近に感じてわくわくした。学生の枠を超えて仕事ができた」と話す。

「Jポップ一辺倒だったがこの体験で音楽の幅が広がった」と言うのはグラフィックデザイナー志望の小松崎匠さん。「校内に(作った)ポスターが貼られているのを見た時はなぜかドキッとし、それからうれしくなった。力を蓄えてもっといいデザインをしようと思う」とも。

音の宝箱・つくば事務局長の奈良間英樹さんは「7人が協力して波及効果の高いポスターとチラシを作ってくれた」と評価する。

開催に向け、吾妻地区のポスティングや当日のプログラム制作もある。大役は果たしたが「当日まで気は抜けません」と小松崎さんは話した。

◆「音の宝箱・つくば2018」は11月17日(土)午後3時30分開場、同4時開演、筑波学院大学。入場無料、全席自由だが事前に特設サイトから申し込みが必要。

問い合わせは音の宝箱・つくば企画運営会議電話029-895-4335(奈良間さん)まで。