《地域包括ケア》17 平均寿命-健康寿命=男9年・女12年


【コラム・室生勝】厚労省は7月20日、2017年における日本人の平均寿命は、男性が前年度より0.11歳のびて81.09歳、女性が0.13歳のびて87.26歳と発表した。ところで、病気で寝たきりになったり介護サービスを利用したりしない「健康寿命」をご存じだろうか。厚労省が今春発表した16年の男性は72.14歳、女性は74.79歳である。

平均寿命と健康寿命の差は、介護を受ける期間ということになる。その期間は、男性が8.95歳、女性が12.47歳となる。つまり、要支援あるいは要介護の期間が、男性で約9年、女性で約12.5年あるということだ。厚労省はこの差を短縮させるために、介護予防・生活支援(互助活動)を進める方針である。

介護保険制度では、65歳以上の第1号被保険者あるいは40歳から64歳までの第2号被保険者(※)が、介護保険サービスを利用するために市町村(保険者)に介護認定を申請すると、訪問調査結果や主治医意見書を総合して認定審査会が審査し、非該当、要支援1、2から要介護1、2、3、4、5のいずれかに判定する。

要支援1は、日常生活動作はほぼ自分でできるが、予防のために支援を要する状態。要支援2は、要支援1の状態から日常生活動作がさらに低下し、何らかの支援が必要な状態である。

要介護1は食事、排せつ、着替えはなんとか自分でできるが、何らかの支援または部分的な介護が必要な状態。要介護2は食事、着替えはなんとか自分でできるが、排せつは一部手助けが必要な状態である。

要支援と要介護

4月14日のコラムに書いたように、厚労省は2015年度から特別養護老人ホーム(特養)の入所基準を要介護3以上とした。しかし、要介護1、2でやむを得ない事情(認知症、知的障がい・精神障がい、被虐待、単身、高齢者のみの世帯等の高齢者)の「特例入所」は認めている。

要介護1、2の場合、通院は介護保険タクシーでヘルパー資格を持つ運転手が乗り降りする際の介助、受診の手続きや院内の移動の介助もしてくれる。買い物は、ヘルパー(訪問介護)が日用品や食材などは行ってくれるが、近隣店舗での買い物に限られる。

要支援の中には、歩行は自立していても屋内と家の周りくらいしか歩けない人がいる。通院も買い物もひとりでは無理だが、支援があれば行ける場合、90分以内ならケアプランに入る。介護サービスは病院の往復時の介助だけで、待合室と診察室の介助は病院側に依頼する。全てが90分以内に終わるのは不可能だが、近くの診療所の予約診療なら可能である。

要支援に該当するが介護認定を受けていない、ひとり暮らし後期高齢者や後期高齢者のみの世帯がある。買い物や通院だけでなく日常生活で助けが必要なのに、民生委員や区会役員、近所の人たちの援助を拒む人たちがいる。地域住民の助け合いを進めるには、拒む人たちと触れ合う方法も考えねばならない。(高齢者サロン主宰)

※ 第2号被保険者では介護サービスの対象となるのは16の特定疾病だけ。市町村ホームページ参照。