《食う寝る宇宙》18 特異日 衛星落下と仏革命


【コラム・玉置晋】暑過ぎてモチベーションの維持が難しくなっています。いわゆる地球温暖化問題が、いよいよ私の生活に支障をきたすようになって来たということでしょうか。化石燃料の燃焼を主体に電気を生み出している我が国の現状において、文明の利器エアコンを用いてしまうことは温暖化を助長する愚かな行為です。でも、すみません。もう我慢できません。エアコンのスイッチを押します。はあ~快適。

さて、最近、僕のまわりの若手たちのモチベーションが下がってしまい、ちょっと可哀そう。なぜ下がっているかについては、組織的な問題もあるでしょうし、身近な人間関係もあるでしょうし、そういうお年ごろということもあるでしょうね。

正直、本人たちもよくわかってないと思います。ある人は旅立ち、ある人は踏ん張り、ある人は天井を見上げ思考を停止しているようですが…。この件は「正解がない」が正解なのでしょうから、僕は愚痴を傾聴しつつ、見守ることにします。組織内のオッサンの自慢話「俺の若いころは~」を聞くより、組織外の専門家の声を聴いた方がよいと思いますよ。

さて、僕はですね、貴重な研究時間を休日出勤で奪われましたので、睡眠時間を削ってリカバー中。大人なので笑っていますが、目は笑っていません。業務を優先する条件での社会人学生ですから、文句は言いませんよ。僕は(合法的に)興奮剤を投入してでもモチベーションを上げる必要があります。

「銀河宇宙オデッセイ」のサントラ

本コラムを執筆しているのは2018年7月15日。遡ること18年前の2000年7月14日~15日は、宇宙天気防災の観点から特異日です。

7月14日に発生した大規模太陽フレアから放出されたプラズマの塊は7月15日に地球に襲い掛かり、大磁気嵐を発生させました。Bastille Day event(バスティーユイベント)と呼ばれています。1789年7月14日にフランス王国パリの民衆がバスティーユ牢獄を襲撃し、フランス革命が始まったことに由来します。

大磁気嵐は地球の高層大気を加熱し、大気が人工衛星の飛行する高度まで膨張しました。高度440kmを飛行していた日本のX線天文衛星「あすか」は、急激に増加した大気抵抗により姿勢を崩し、お天道様から電力を得られず運用を断念。結局、地球に再突入し、大気摩擦で燃え尽きました。衛星オペレータが宇宙天気のモニタを必要とする理由がここにあります。

やっぱり僕にとって、モチベーションを上げる興奮剤は「宇宙」みたいです。今日のBGMは「A GALACTIC ODYSSEY」。NHKスペシャル「銀河宇宙オデッセイ」のサウンドトラックです。(宇宙天気防災研究者)