《食う寝る宇宙》16 宇宙から見た日食 見方を教えます


【コラム・玉置晋】我が家で掃除をしていたら、日食眼鏡が出てきました。2012年に日本で金環日食が見られたとき、ウチの奥さんがコンビニから300円ぐらいで買ってきたものです。出勤前に近所の皆さんと一緒に太陽を眺めたことを思い出しました。

日食とは、お天道様、すなわち太陽の前を他の天体(惑星だったりお月様だったり)が通り過ぎて影をつくる現象です。どういう偶然か、地上から見たお月様の大きさと太陽の大きさは大体一緒。親指の幅1個分と学校で習いました。だから、太陽がほぼ隠れちゃうので「月による日食」の時は昼間なのに暗くなります。

もちろん、本当は太陽の方が圧倒的に大きい。太陽の直径140万kmに対してお月さまの直径は約3500kmで、太陽が400倍大きい! だけど、地球から月までの距離は38万kmに対して、太陽までの距離は1億5千万kmですから、太陽は約400倍遠い!

太陽は月に対して400倍大きいけど、距離が1/400ということで、見た目の大きさは大体同じということ。でも、その時々でほんのちょっぴり、その関係性が違う。2012年5月の金環日食のときは、太陽が月よりちょっぴり大きかったので、金の環ができました。

さて、この月による日食ですが、宇宙から見たらどんな風に見えるでしょう。ナント、今時は見られるんです。気象庁さんのホームページ(※)に気象衛星「ひまわり」から見た日食の影が紹介されています。ぜひ御覧になってみてください。日本列島サイズの丸い影が動いて行くのがわかります。

この影の下で、何百万人のニンゲンが日食眼鏡をかけ、空を見上げて「お~」と歓声を上げていると想像すると、ちょっと面白いです。

今年から来年にかけて、月による日食の発生日は①2018年7月13日(部分日食)②8月11日(部分日食)③2019年1月6日(部分日食)④2019年7月3日(皆既日食)⑤2019年12月26日(金環日食)です。

このうち日本で見られのは③です。月による日食は、地球のどこかでは年に2~3回遭遇します。日本でとなると、レアなイベントとなってしまいます。次に日本で金環日食がみられるのは2030年、皆既日食は2035年です。

人工衛星の運用においては、月による日食がある時はちょっと手間がかかります。人工衛星は太陽電池で発電していますので、月による日食の影の部分を通り過ぎる際に、得られる電力量が減ります。影の移動と人工衛星の移動がいかに交差するか? 太陽がどれだけ隠れて、得られる電力量はどれくらいか?

このコラムが掲載されるころ、僕は①②に向けて泣きながら計算していることでしょう。(宇宙天気防災研究者)

※ http://www.jma-net.go.jp/sat/data/web/suneclipse_observation.html