《邑から日本を見る》17 東海第2原発で首都圏連絡会

「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」結成集会=東京永田町の参議院議員会館

【コラム・先﨑千尋】東海村にある日本原電東海第2発電所の再稼働と運転延長を阻止しようと、県内や東京都など首都圏1都7県の市民団体などが5月21日、東京・永田町の参議院議員会館で「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」結成集会を開いた。この会は首都圏の脱原発市民団体が呼び掛け、集会の前に東海村前村長の村上達也さん、ルポライターの鎌田慧さんらが記者会見を開いた。集会には100人以上が参加。本県からも東海村、つくば市、土浦市、水戸市、那珂市などから20人以上集まった。

会見では村上さんが、原電が今年3月に立地自治体の東海村に加え、周辺の5市に実質的な事前了解権を与える新たな安全協定を結んだことを紹介し、「原発の30㎞圏内に約96万人が住んでいる。国内で最も動かしてはいけない原発だ。住民らが首長や議会に働き掛け、再稼働を阻止しよう」と訴えた。

集会では、結成を呼び掛けた再稼働阻止全国ネットワークの柳田真・共同代表が「再稼働審査期限の11月までの7カ月が勝負だ。首都圏に最も近い東海第2原発を住民の力でなんとしても止めよう」と訴え、原電に再稼働の撤回と廃炉を求める決議を採択した。

水戸市の玉造順一さんは、東海第2原発から30㎞圏内の市町村で策定作業が進められている避難計画のずさんさや差し止め訴訟の状況、茨城での取り組みなどを報告し、「東海第2原発は東日本大震災で被災し、古い設計の老朽原発で危険だ。東海第2原発が事故を起こせば首都圏を直撃する。日本で最初に原子力の火がともった東海村からその火を消していこう」と訴えた。

参加者からは、「福島や東海原発の状況、危険性を多くの住民は知らないので、宣伝・広報に力を入れるべき。国会周辺でデモや集会をやるよりも銀座、新宿、渋谷などの繁華街で訴え、多くの人にアピールすれば効果が上がる。避難先に想定されている自治体から、受け入れは無理という声を上げてもらえば」などの意見が出された。

同連絡会は、今後、原電や同社に資金援助を決めた東京電力、経済産業省、原子力規制委員会への抗議行動を続け、署名集めなどにも取り組み、新安全協定を結んだ東海村など5市1村の首長や議会に働き掛けていく方針で、各地域の世話人を中心に運営していく。

東海第2原発の再稼働をめぐっては、これまでさまざまな組織や個人が勝手連的な活動を展開、県内でも50もの団体があるが、これらを結び付ける横断的な組織がなかった。今回の首都圏連絡会の発足によって阻止運動が加速されることになろう。

5月30日には、常陸太田市の常陸農協本店で村上達也さんを招いた講演会「日本の原発発祥の地、前村長がなぜ脱原発に転じたか」が開かれた。講演会は、同市の保守系元市議などが作る「脱原発・東海第二原発再稼働を考える会」が主催し、180人が詰めかけた。村上さんは「避難計画は荒唐無稽。東海第2原発は、旧動燃の危険な再処理工場と同居している。安全協定の見直しは住民の責任、出番になる。再生可能エネルギーの資源となる土地、水、風、太陽、森林は地方にあり、その活用が大事」と述べた。(元瓜連町長)