【コラム・玉置晋】実は僕のまわり、放送大学がちょっとしたブームになりつつあります。僕が楽しそうに研究しているからかな?布教活動が功を奏しているようです。しめしめ。というわけで、今回は放送大学の話をします。

放送大学は、国が設置した私立大です。設置したのは国だけど、放送大学学園法(2002年法律第156号)に基づき、放送大学学園が運営しているから、国立大ではなく「私立大学」なんだそうです。

放送授業やインターネット授業が主体の通信制大学です。働きながら学ぶには最適な大学の一つです。大学院もあり、2014年には博士課程ができました。在籍されている学生には様々な年齢の方がおり、高校生(科目履修生として在籍可能)から定年退職後の生涯学習を楽しむ方まで、学部生数は8万人超えです!

その道でただものではない方々も多数在籍しており、あまりのハイレベルさに驚かされます。学部には、「生活と福祉」「心理と教育」「社会と産業」「人文と文化」「情報」「自然と環境」の6つのコースがあり、分野は多岐にわたります。中にはすべてのコースを卒業する「グランドスラム」達成猛者もいらっしゃいます。

僕は放送大学大学院の「修士全科生」です。これは、一般的な大学でいう修士課程の大学院生と同義です。志望する研究テーマや地域を考慮して、放送大学に所属する先生だけでなく、他大学の先生に指導いただくこともあります。僕の場合は、茨城大学の先生に指導いただいております。

放送大学は入学試験がないと思っている方も多いと思いますが、大学院は入学試験もしっかりありまして、筆記試験と面接試験の2段階の選抜を合格する必要があります。甘くない筆記試験と研究遂行可能かをみる鋭い面接試験が待っておりますので、入学希望の方はしっかり準備の上、受験ください。

大学院にもやはり単位というものが存在しておりまして、授業に出て試験を受けて―というプロセスがあります。

正直申しますと、フルで働いて、授業に出て、試験勉強をして、研究を行うというのは至難の業でございます。せめてもの緩和策として、修士全科生になる前に科目履修生、選科履修生として、授業の単位を先行して取得しておくことをお勧めします。僕は3年かけて研究以外の単位をすべてそろえた上で、修士全科生の入試に挑みました。

現在、仕事と家庭サービスを除いたすべての時間を研究に投入していますが、非常に充実しています。何より視野や人的ネットワークが格段に広がりました。社会人大学院生にならなければ、このコラムだって書いていないのですから。(宇宙天気防災研究者)