桜といえば春を代表する花だが、9月末、桜の花が数輪咲いた。場所は土浦市大岩田の自宅庭。昨年3月、2~3㍍の苗木を注文、造園屋に植えてもらった山桜の若木。昨年4月は数輪、今春はそれなりの花を付けたが、まさか初秋に咲くとは…。
異常気象のせいか、吉兆かとコメントを付け、フェースブック(FB)に写真を載せたところ、「いいね!」「超いいね!」が並び、大ヒット。でも、冷静な「お友だち」もおり、「四季桜ではないか」との指摘が。四季桜?
Wikipediaで調べると、「狂い咲きでない状態で年2回開花」「4月上旬ごろ、10月末ごろ、開花する」「花は薄く淡い紅花」「エドヒガシとマメザクラの交雑種」と説明されている。「四季桜」(栃木県宇都宮酒造)という銘柄の日本酒まであることも知った。
植物にあまり関心がなかった私。「人が犬に噛みついた」級のニュースだと、FBに出して恥をかいたわけだが、その威力を知る機会にもなった。フェイク・ニュース(嘘記事)をチェックしてもらえる場にもなると。
FBは、名前、誕生日、出身校、勤務先、趣味など、個人情報を公開するほど、友だちが集まる仕掛け。友だちの友だちまで紹介してくれるから、輪はどんどん拡がる。あまり拡げると、日々のやりとりが大変なので、OKを出すのは抑え気味にしている。
もともとFBは、大学の同級生が情報を交換するためのソフトだった。これは便利だと世界に拡がり、ビジネス化され、ネット時代の優良企業になった。何だ、それはと、ソフトをダウンロードしたのは、同社がNYに上場したときだった。
FBなどを動かす場=インターネットが拡がったのは1990年代後半。そのころ、ネットは若い人のツールで、メカに弱いシルバーは敬遠すると言われていた。私は逆に、インターネットはシルバーのツールになると思ったが、予想は的中した。
300人超のお友だちは、地域の方々のほか、大学の友だち、記者時代の知り合いも多い。FBを使うと、彼らと毎日コンタクトできる。自宅で繋がるから、動くのが苦手なシルバーにはピッタリ。文字だけでなく、写真や動画まで使える。
桜花をアップしてから4日後、狭い庭に1本のコスモスが花を付けているのを発見した。「秋の桜」と、はしゃいだ反省を込め、ニュースでも何でもない「秋桜」を「秋の桜」との対比(言葉遊び)でアップしたところ、こちらも「いいね!」。
地域どころか、Google Mapsでは点のような庭のことも、ニュースになる? それが全国、世界に発信される。女房が秋桜の花を2輪カット、トイレの一輪差しに。世界はますます絞られる。(坂本 栄)