【谷島英里子】世界湖沼会議やG20貿易・デジタル経済大臣会合を控えるつくば市で5日、テロなどによる大規模災害を想定した県緊急消防援助隊の訓練が実施された。同市高野の豊里交流センターに県内全24消防本部の緊急消防援助隊70人、24車両が集結し、災害派遣に必要な宿営地の設営など後方支援活動の訓練をした。
県消防長会が主催した。訓練では、湖沼会議やG20の会場となるつくば国際会議場に神経剤がまかれ、多数の負傷者が出たと想定。同市消防本部が災害対策本部を設置して応援要請を行った。
集結した隊員らは3つのブロックに分かれて、仮眠用テントを手早く立ち上げたり、組み立て式ベッドや装備品を配備したりした。災害時用の調理器具を使ったカレー作りなども実施された。
日立市消防本部の高信均消防長は「災害時は隊員同士の信頼関係も重要なので、今回の訓練は各消防本部の隊員同士のコミュニケーションにもつながったのではないか」と話していた。
緊急消防援助隊は、被災地の消防力だけでは対応困難な大規模・特殊災害発生時に、地元市町村長や知事、消防庁長官の要請を受けて出動し、現地で都道府県単位で活動する部隊。近年、県立消防学校(茨城町長岡)を会場に訓練が行われているが、今回、湖沼会議やG20に向けて初めてつくば市で実施された。