長寿を願う9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」に合わせ、土浦市中心市街地で菊被綿(きくのきせわた)を飾るまちおこしの取り組みが行われている。同市のインターネットテレビ、VチャンネルいばらきのNEWSつくばチャンネルで14日、「菊被綿文化を守る会」代表の木村恵子さんをゲストに招いてインタビューした。

重陽の節句は五節句の一つで、菊の花の露と香りを染み込ませた真綿で体を拭うことで長寿や若返りを願う行事。平安時代から始まったとされ、菊の露と香りを染み込ませた綿を菊被綿という。

木村さんは重陽の節句を継承し、土浦のまちおこしにつなげたいと市内の商店や事業主の女性らと4年前に、菊被綿文化を守る会を発足。毎年、13人ほどのメンバーで菊被綿を作り、市役所や高校、各商店、金融機関など約80カ所に展示している。重陽の節句に再びひな人形を飾る「後(のち)の雛」という風習もあることからハスの花托(かたく)で作った「霞蓮雛(かれんびな)」も添えられている。

展示中の商店主によると「菊の上になぜ綿が?」と買い物客から尋ねられ、説明しているうちに話が弾み交流につながったケースもあったという。

木村さんは「菊被綿の現物を見たり、ふんわりした真綿に触れたりして、千年昔の伝統を感じてほしい。中心街を歩いて探してみて」と話していた。

展示期間は10月17日(旧暦9月9日)まで。問い合わせは同会の木村さん(電話029・821・1607=すがた美容室)まで。