【コラム・玉置晋】ハワイに短期留学していた妻は、無事に学校を卒業しました(コラム17回参照)。僕は妻のお迎えのために、7月下旬から現地に入りました。そう、今、私は南の島のビーチでサンセットを眺めながら、優雅にコラムを書いているはずでした。

が、予定通りにはいきませんね。バタバタ仕事を片付けて(いや同僚に押し付けて)、飛行機に飛び乗りましたが、大学院のレポートがまだ書けていない。機上では、ほぼ徹夜で論文読解に費やし(エコノミーなので寝られやしないのでいいのですけど)、ホノルル空港に到着。

現地の友人にピックアップしてもらい、空港近くで朝マックして、滞在するコンドミニアムに到着。疲労の限界で、以降記憶がございません。夜中の2時に目が覚めました。外では酔っ払いが騒いでおります。ワイキキの夜はまだ長い。さて、レポートを書くぞ!

ハワイといえば、天文学の拠点の1つであります。僕が今回滞在しているのは、ハワイの中心都市ホノルルがあるオアフ島ですが、各国の大型望遠鏡が設置されているのは、ハワイ島のマウナケア山です。

星を観る上で大事な条件は、「空気が澄んでいる」「星が雲に隠れない」ことです。地球上で空気が澄み、晴れが多い場所として有名なのが、南アメリカのアンデス山脈、北アフリカ・モロッコ沖のテネリフェ島、ハワイ島のマウナケア山です。

補償光学(AO

マウナケア山には、日本のすばる望遠鏡が設置されています。口径8.2㍍の大型光学望遠鏡です。この望遠鏡はスゴイらしい。マウナケア山の空気はとても澄んでいますが、そこに空気があるかぎり、そのままでは大気のゆらぎから逃れられません。星が瞬いているのは大気のゆらぎが原因です。

瞬いている星の像を出来るだけ補正したいというのが、天文学者の欲というものらしくて、すばる望遠鏡では望遠鏡の鏡を36個のアクチュエータで意図的にたわませて、この瞬きを相殺しようという試みを実現したそうです。補償光学(AO:Adaptive Optics)と呼ばれています。

こういうことを考えつく人は、スゴイなあと思います。僕はまだ、すばる望遠鏡を見学したことがありません。いつか訪れたいなあ、と妄想しております。

追伸。このコラムの仕上げは、成田に向かう帰りの飛行機の中で書いています。え~と、レポートがまだ完成しておりません。WHY?(宇宙天気防災研究者)