【伊達康】7日に第100回全国高校野球選手権茨城大会が開幕する。土浦・つくばエリアは有力校が多数ひしめく。注目校8校を6回にわたって紹介する。
春の県王者・常総学院は12日の2回戦から登場。J:COMスタジアム土浦で佐竹と海洋の勝者を迎え撃つ。史上最強ともいわれる強力打線を武器に第1シードとして3年ぶりの甲子園出場を目指す。
昨秋県準決勝で明秀学園日立に1点差で敗れた悔しさをバネに、冬場のトレーニングで徹底的に打撃を強化して多くの選手の打撃が開眼。レギュラーメンバーの全員が高校通算2桁ホームランを記録している。6月の練習試合では仙台育英や聖光学院など全国レベルの強豪校に競り勝ち好調を維持していたが、6月30日の作新学院戦では5安打完封負けと自慢の打線が振るわず不安を残す結果となった。
打線は力のある選手が並ぶ。上位を打つ主将の二瓶那弥(3年)は春季県大会で4本のホームランを記録した強打者だ。明秀学園日立との決勝では途中出場したエース細川拓也(3年)からダメ押しのホームランを放ち、春の県内チームで唯一、細川から得点を奪った。
同じく上位打者の水野勢十郎(3年)は関東大会で関東学園大附と東海大相模からホームランを放ち15打数9安打と4強入りに大きく貢献した。
3番の斉藤勇人(2年)、4番の藤川寿真(3年)、5番の菊田拡和(2年)の中軸はいずれも180㎝80㎏を超える迫力ある体格の打者が並ぶ。
斉藤は準決勝の日大三戦で特大ホームランを放つなど2戦連発のアーチをかけて躍動した。藤川は変化球への対応力が高い好打者。チャンスに強く追い込まれてからのしぶとい打撃が持ち味だ。菊田はとてつもない飛距離を誇る長距離打者だ。県準々決勝の取手一戦と関東大会準決勝の日大三戦でバックスクリーン弾を放った。その後の練習試合でもホームランを量産している。その他に調子に応じてスタメン起用される大久保龍成(3年)や、代打の切り札・野澤翔(3年)も恵まれた体格から逆方向にホームランを打てる力を持っている。
投手陣はスライダーが武器の谷田部健太(3年)と、剛球とチェンジアップのコンビネーションでねじ伏せる岡田幹太(2年)のいずれも最速140㎞を超える右腕2枚看板を軸に春の大会を勝ち上がった。春の勝ち頭・谷田部は完投するスタミナが十分に備わっており、大会を通じてエースの風格が漂う頼れる存在となった。ただ、最近の練習試合では調子を落としており、谷田部の復調が常総学院優勝の絶対条件だ。下級生の岡田は関東大会準決勝・日大三戦で救援登板も打ち込まれて敗退した経験を糧にさらなる成長が期待される。さらに春はベンチ入りをしていなかったが、最速142㎞を誇る塙雄裕(2年)や試合をつくる能力が高い菊地竜雅(1年)といった下級生投手が練習試合で台頭しており、夏の戦力としてベンチ入りが濃厚だ。
