月曜日, 4月 21, 2025
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TX堅調 20年3月に新型車両導入

【鈴木宏子】つくばエクスプレス(TX)が堅調だ。2017年度の営業実績は09年度から9期連続で経常黒字を達成し、開業以前からの累積損失を解消した。今後も乗客数の伸びが続き、東京オリンピックが開催される2020年度は現在より8%増加すると見込む。輸送力を増強させるため同年3月に新型車両TX-3000系を導入する計画だ。

TXを運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、柚木浩一社長)が発表した18年度から3年間の中期経営計画によると、沿線自治体の人口は引き続き増加し、20年の1日平均乗客数は17年度の37万人から40万人に達すると見込む。

20年に運行予定の新型車両は30両編成で、現在の車両を基本に先鋭感を強調したデザインになる。車両は走行時の消費電力を約13%削減。車内は車いすやベビーカー利用者が利用しやすいよう各車両にフリースペースを設置などする。

輸送力増強の取り組みとしてほかに20年春から、最混雑区間で朝のラッシュ1時間の最大運行本数を現在の22本から25本に増やす。

安全性の向上では近年、乗客数の急増を背景に、ドアに荷物が挟まるなどの事故が発生していることを受けて、20年度までに八潮駅など8駅のホームドアにドアの挟みを検知する3次元センサーを設置する。ほかに混雑の激しい秋葉原駅のホームを延伸する。

東京オリンピックをきっかけに外国人観光客が増えると見込まれることから、同五輪バリアフリー指針を踏まえて、全20駅のトイレの便座を温水洗浄便座に改修するほか、全駅の窓口に翻訳サービス端末を配備する。

駅ナカや高架下の空間活用として、子育て支援施設の整備に積極的に協力。20年4月には八潮駅高架下に学童保育施設が開設される予定という。

同中期経営計画の設備投資額として計約300億円を予定している。

TX-3000系車内イメージ図(同)

開業以来初の利益剰余金計上

一方、2017年度の営業実績によると、1日当たりの平均乗車人員は16年度と比べ1万6000人(4.5%)増の37万人、経常利益は22.7%増の61億4800万円となり、9期連続の黒字となった。当期純利益は24.3%増の46億100万円となり、前期末に22億2000万円あった累積損失が解消し、開業以来初めて利益剰余金23億8100万円を計上した。一方、TX建設に要した鉄道・運輸機構に対する債務が6000億円近く残っているとしている。

施設・設備は17年度までに、総合基地(つくばみらい市)入出庫線複線化、守谷駅追越設備新設、車体更新場新設の守谷3事業が完了し、基盤が整った。

TX一日平均乗車人員(人)
2017年度 2016年度
つくば 18,606 18,425
研究学園 7,148 6,821
万博記念公園 2,974 2,705
みどりの 4,326 3,952
みらい平 5,094 4,835
守谷 24,959 24,516
柏たなか 4,909 4,434
柏の葉キャンパス 16,431 15,451
流山おおたかの森 36,491 34,702
流山セントラルパーク 4,707 4,346
南流山 35,913 34,619
三郷中央 14,069 13,164
八潮 22,414 20,613
六町 14,462 13,902
青井 6,651 6,440
北千住 48,741 46,556
南千住 5,159 4,989
浅草 10,803 10,536
新御徒町 20,310 19,389
秋葉原 66,070 63,849

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6年間で280件、誤った発信者名で通知 つくば市

福祉事務所長と市長業務の区別誤る つくば市は17日、認可外保育施設に対する指導監査事務と生活保護に関する事務について、法令や市の規則に定められた福祉事務所長が行うべき業務と、市長が行うべき業務の区別を誤り、2019年度から24年度まで6年間で計280件について、誤った発信者名で通知を出していたと発表した。 市社会福祉課によると、認可外保育施設の指導監査については、毎年1回行っている指導監査などの立ち入り調査や調査結果の通知を、23年度は63カ所に対し128件、24年度は54カ所に対し108件、計236件の通知文の発信者名を、つくば市長名で出すべきところ、市福祉事務所長名で発送していた。 児童福祉法に関わる認可外保育施設の指導監査事務については、権限が知事から市に移譲され、さらに市長から市福祉事務所長に委任された。その後22年度末に市の規則が改正されて市福祉事務所長への委任が削除されたことから、つくば市長名で通知を出すべきところ、市福祉事務所長名のままで発送していた。 一方、生活保護行政に関わる事務については、2019年度から24年度までの6年間で計44件の通知文について誤った発信者名で通知していた。具体的には①遺留金品の処分について、金融機関に対し23年度と24年度に計3件、市福祉事務所長名で通知すべきところ市長名で通知を出していた ②医療扶助や介護扶助の損害賠償請求に関しては、保険会社に対し20年度から24年度までの5年間で計5件、市長名で通知を出すべきところ福祉事務所長名で出していた ➂生活保護受給者らへの費用の徴収に関しては、受給者に対し19年度から23年度まで5年間で計36件、市長名で通知文を出すべきところ、市福祉事務所名で出していたという。 生活保護法に関わる生活保護の行政事務については、市の規則により、市長から福祉事務所長に委任されている事務と委任されていない事務があるにもかかわらず、一部の通知文で誤った発信者名で通知していた。 今年4月、社会福祉課内の職員から指摘があり、過去にさかのぼって調査したところ、誤りが分かった。市の規則について、当時の管理職を含む職員の認識不足が原因という。 今後の対応として市は、市ホームページに関係機関に対するお詫びと、通知文の内容は無効でない旨を掲載すると共に、関係機関と関係者に順次、説明と謝罪を行うとしている。 再発防止策として、根拠法令と市の規則を再度確認し、管理職を含む課内職員全員で適切な運用を徹底していくとしている。 福祉事務所は、社会福祉法に規定された福祉に関する事務所で、福祉6法に定められた事務を行う社会福祉行政機関。市役所とは別の行政機関になるが、市役所内にあり、市社会福祉課など市の関係部署の職員で構成されている。福祉事務所長は市福祉部長が務めている。 【14時15分 訂正】認可外保育施設について「指導監督」を「指導監査」に、生活保護について「扶養義務者」を「生活保護受給者ら」に訂正しました。