29日から写真展とコンサート
昨年11月に亡くなった詩人・谷川俊太郎さんを追悼する連続企画がつくば市で始まった。29日からつくば市民ギャラリー(同市吾妻)で、谷川さんの詩と写真家 松本美枝子さんの写真による写真詩集「生きる」の写真展が9月4日まで開かれる。9月19日には、谷川さんと多数の作品を生み出してきたフォークシンガー 小室等さんによるコンサート「小室等 谷川俊太郎を歌う『いま生きているということ』」が、つくばカピオホール(同市竹園)で開かれる。演奏は、谷川さんの長男でピアニストの谷川賢作さん、バイオリニストの太田惠資さん、歌手のこむろゆいさん、ドラマーの河野俊二さんら。
主催するのは、1979年から2000年まで同市天久保にあった多目的ライブハウス「クリエイティブハウスAkuAku(アクアク)」を運営した野口修さん(69)らによる実行委員会。アクアクでは1980年代、つくばエキスポセンター・プラネタリウムを使用して谷川さんの作品を上映するなど、3度にわたり市内で谷川さんとイベントを開催してきた。
野口さんは谷川さんの印象について「できるだけ平易に、多くの人に伝えられる言葉を使い、人の人生に関わる言葉を投げかける方だった。アクアクの若いスタッフと交流する際も、ごく普通のたたずまいに優しさを感じた」と語る。
今回写真展を開く松本さんは、2008年に谷川さんとともに写真詩集『生きる』を刊行した。写真展では、写真集のページをめくるように、写真と詩を交互に展示する。現在、茨城県を拠点に国内外で活躍する松本さんが初めて個展を開いたのも、アクアクだった。

小室等さんは1978年、谷川さんとの共作アルバム「プロテストソング」を発表。その後も谷川さんの詩を歌い続け、亡くなった後も作品を歌い継ぐ活動を行っている。市内の県立並木中等教育学校(旧・県立並木高校)の校歌も、谷川さんと小室さんによるものだ。
私たちの中で詩が生きている
一連の企画について野口さんは「追悼的な企画をやらないといけないと思っていた」とし、昨年12月、谷川さんの逝去直後に都内で開かれた小室さんらのコンサートに参加した際、出演者にオファーしたことがきっかけとなったと語る。
野口さんは「谷川さんが亡くなってから、SNSなどで俊太郎さんの詩が多く共有された。亡くなっても、私たちの中で常に詩が生きていると感じた。俊太郎さんは『詩はむしろ詩作品と読者との関係に潜んでいるはず』とも語っていた。イベントの主催者側の企画意図ではなく、作品を見たり聞いたりすることで感じるものが、来場者の中に残ってくれたらいい。多くの方に俊太郎さんの言葉に出合っていただければ」と思いを語った。コンサート会場では、演奏される曲と谷川さんの詩をもとに、つくば市在住の「絵描き」natunatuna(なつなつな)さんによる即興ライブペイントも披露される。(柴田大輔)
◆谷川俊太郎×松本美枝子写真詩集「生きる」写真展は、つくば市吾妻2-7-5、中央公園レストハウス内 つくば市民ギャラリーで、8月29日(金)~9月4日(木)まで開催。開館時間は午前10時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。会期中の8月30日(土)午後2時から松本美枝子さんによるアーティストトーク、31日(日)午後2時から自由参加の朗読会が開催される。いずれも入場無料。
◆コンサート「小室等 谷川俊太郎を歌う『いま生きているということ』」は、つくば市竹園1-10-1、つくばカピオホールで、9月19日(金)午後7時から。入場は一般5000円、学生・障害者4000円。イベントのホームページはこちら。