【コラム・小泉裕司】平成の大合併から20年。昨年から今年にかけて、全国あちこちで「市制施行20周年」を冠したイベントが催され、もちろん茨城県内も例外ではない。前回(6月22日掲載)に続き今回も、合併して誕生した筑西市や常総市の花火大会の見所を紹介しよう。
9月20日(土)午後6時35分から約85分間、鬼怒川河川敷を会場に、例年1万3000発のところ、合併(2006年に1市1町が新設合併)記念として、今年は約2万発(最大8号)に増量する。
山﨑煙火製造所、野村花火工業、紅屋青木煙火店(長野市)、北日本花火工業(大仙市)など、著名な煙火業者が一堂に会する大会には、全国からコアな花火好きが集う。昨年の人出は約13万人。公共交通は、関東鉄道常総線を利用。車でのアクセスは、無料駐車場は用意されていないため、チケット購入と同時に有料駐車場の確保が必要。
名物となったナイアガラ富士でのオープニングや個人申込によるメッセージ花火は定番の人気。日本煙火芸術協会会員によるコンテストは、例年、高品質の凝った作品が持ち込まれ、花火大会になじみのない人にも見応え十分。打ち上げ幅はそれほど広くないので有料の協賛席が良席。チケットの販売は7月18日から始まっている。
大会発展の最大の功労者である澤辺悦雄氏(元常総市商工会)は、煙火業界では著名人。本人とは盃を交わす仲だが、「澤辺悦雄物語」の記事を打診したところ、かたくなに首を横に振り続けている。
10月18日(土)19時から約60分、道の駅グランテラス筑西周辺を会場に約2万発を打ち上げる。担当は、山﨑煙火製造所(つくば市)、野村花火工業(水戸市)、森煙火工場。昨年の人出は17万人。道の駅会場には下館駅や無料駐車場からのシャトルバスが便利。ちなみに筑西市は2005年、1市3町が新設合併して誕生した。
すべて県内の煙火業者だけで打ち上げる大会はここだけ。野村花火や山﨑花火の安定感と高いクオリティは言うに及ばず、森煙火工場は地元筑西市の花火会社で、土浦全国花火競技大会で毎回、競技の基準となる10号の審査標準玉の製作を30年以上担当する実績十分の業者。
約1時間に凝縮した2万発を超えるスターマインは、すべて音楽付き。グランドフィナーレのワイドスターマインは、3社共同のプログラム。最大幅400メートル、3カ所から打ち上げられる大パノラマを満喫できる。
筑西市と同じ20周年を迎えた人気アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」とのコラボレーション花火は、昨年の大好評で今年も実施。IPコンテンツとのコラボは各方面で耳目を集めるが、観客参加型のプログラムとして成功した希有な事例だ。チケットの一般販売は、8月下旬を予定している。
ちなみに、サブタイトルの「時速20,000発」は、担当職員のアイデアとのこと。
茨城県は魅力的な大会がいっぱい!
前回から2回にわたり、6つの花火大会を紹介したが、県内にはまだまだ魅力的な花火大会がいっぱい。9月13日(土)利根川大花火大会(境町)、9月27日(土)大洗海上花火大会、10月4日(土)おみたま花火大会、10月11日(土)鹿嶋市花火大会、10月25日(土)サンセットフェスタIN天王崎2025(行方市)。
いばらきの花火は、7月26日の水戸偕楽園花火を皮切りに、11月1日の土浦へとまっしぐら! 本日は、これにて打ち留めー。「いばらきの夜空に どどどーん」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)