水曜日, 10月 29, 2025
ホームスポーツ土浦一、初戦突破できず【高校野球茨城’25】

土浦一、初戦突破できず【高校野球茨城’25】


第107回全国高校野球選手権茨城大会は2日目の6日、J:COMスタジアム土浦の第1試合で土浦一が茨城と対戦。土浦一は2-6で敗れ、初戦を突破できなかった。

6日第1試合、J:COMスタジアム土浦
茨 城 200 110 020 6
土浦一 001 001 000 2

土浦一は9四死球4失策とミスが目立ち、ミスが失点に直結した。打線は相手投手の130キロを超える直球とスライダーに対応できなかった。荒木理行監督は「相手のミスのない守備と投手力に、チャンスをつくらせてもらえなかった。守備の強化が課題。この経験を次に生かしたい」と唇をかんだ。

土浦一の先発、松橋

土浦一の先発は2年生の松橋隆太郎。土浦一付属中の出身で、去年まで中学生を指導していた荒木監督とは付き合いが長く、厚い信頼関係で結ばれている。「今日は緊張して汗もかいていたので、長いイニングは難しいかもと思っていた」と荒木監督。「初回はコントロールが定まらず、思ったところへ投げられなかった。割り切ってど真ん中へ投げられればよかったが、真っ向勝負にひるんでしまった」と松橋。初回、3四死球で1死満塁から、適時打で2点を先制された。

3回裏には土浦一が反撃。8番・日下部勇の右越え二塁打と9番・星田侑希の送りバントで1死三塁とし、1番・清遠健二の遊ゴロで1点を返した。「ショートとセカンドが下がっていたので、低く強い打球で間を抜き、確実に1点を返そうと考えた。打ったのは真ん中低めのスライダー。ヒットで出られれば良かったが最低限の結果を出せた」と清遠。

3回裏土浦一1死三塁、清遠の遊ゴロで1点を返す

しかし4回表は茨城が足でかき回して追加点。1死二塁の場面、左前打からのバックホームで走者はいったん三塁にストップするが、打者走者が二塁を狙ったため捕手が二塁に送球、この間に三走が再スタートを切り、本塁を陥れた。茨城はこの後二死満塁からも、二走が飛び出して牽制を誘うが、松橋は落ち着いて対処し、ホームに送球して三走のホームスチールを封じた。

6回裏土浦一2死一・二塁、増田の適時二塁打で1点を追加

6回裏、土浦一は相手投手の乱れに乗じて2死一・二塁とし、5番・増田勇翔の適時二塁打で1点を追加。増田は前の打席でストレートを打ちあぐねたので、この打席ではスライダーに狙いを切り替えたという。「真ん中のスライダーを迷いなく振り抜いた。左翼ライン際に落ちたので一気に二塁へ向かった」との振り返り。

7回表茨城1死一塁、一走の二盗を阻止する遊撃手・高橋陸斗と二塁手・星田

その後土浦一は、7回と9回に走者を出すがどちらもダブルプレーでチャンスを潰し、得点を伸ばせず。8回表には3人目の白根大輝が捕まり、茨城に2点を加えられ大勢が決した。「最後まであきらめない気持ちはあったが相手が一枚上だった。スタンドから支えてくれた1・2年が胸を張れるようなプレーがしたかった」と清遠。増田は「この大会を目標に全員が練習の成果を出そうと取り組んできた。最後までこの仲間でやれて良かった」と振り返った。(池田充雄)

8回表茨城1死三塁、飛び出した三走を挟殺する土浦一の三塁手・清遠

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

4 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

4 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ゴミ処理の戦略 水戸とつくばの違い《水戸っぽの眼》6

【コラム・沼田誠】2年前に初めてシンガポールを訪れたとき、不思議に感じたことが3つあった。「エネルギー」「水」、そして最も不思議だったのが「ゴミ処理」だ。入店したファストフード店ではゴミ箱での分別がなく、すべてのゴミが一緒に捨てられているのを見て驚いた。 シンガポールは東京23区ほどの面積しかない。清掃工場のようなNIMBY(Not In My Back Yard=必要性は理解しても自分の近くには建てたくない)施設をつくる余地は限られているはず。調べてみると、最終処分場の残余容量が逼迫(ひっぱく)し、ゴミ減量化とリサイクル率向上が国家的課題になっていた。 新清掃工場:市民参加型 つくば市と水戸市のリサイクル率はどうだろう。環境省の調査によると、つくばは26.6%(2023年度)、水戸は26.3%(2022年度)。数字上はほぼ互角だ。しかし、この「似た数字」の裏側には、両市のまったく異なる戦略がある。水戸のリサイクル率は、2018年度18.3%から20年度以降に25%超へと急伸した。その背景にあるのが、20年稼働した新清掃工場「えこみっと」だ。ゴミ焼却施設の処理能力は330トン/日。最新の設備だけあって、最大発電能力9550kW、発電効率20%超を誇る。年間約6万MWhを発電し、一部を売電して年間約8億円の収入を得ている。 特筆すべきは、焼却灰(主灰)の再資源化。従来は埋め立て処分していた燃え殻をセメント原料や建材に再利用し、最終処分量を大幅に削減した。排ガス処理も最新式で、白煙防止装置や無放流の排水循環システムを導入。環境負荷の低い「高効率・高環境性能」型プラントとなっている。 一方、つくばは、1997年に稼働したクリーンセンター(焼却施設)を基幹改良しながら使い続けている。処理能力は375トン/日。改修で省エネ化を図り、発電効率を約16%まで高めた。発電電力の一部は市内41施設へ自己託送され、年間約6900万円の電力コスト削減とCO2排出1900トン削減を実現している。 リサイクルの要は、2019年に稼働したリサイクルセンターだ。粗大・不燃ごみの破砕選別(26トン/5h)に加え、びん・缶・ペット・プラスチック容器包装など資源ごみの処理能力34トン/5hを持つ。家庭系プラごみの分別収集を2019年から開始し、啓発を重ねて2023年度にはリサイクル率26.6%に到達。家具の再生・展示コーナーも設け、市民参加による「リユースの文化」を根づかせている。 つくばで特徴的なのは、分別データを可視化して市民にフィードバックするしくみだ。「どんなごみが多いのか」「資源化できるものがどれほど混ざっているか」を分析し、広報紙やウェブで共有している(筆者は「もっと知りたいつくば市かわら版」で「雑がみ」という区分の存在を初めて知り、以降分別を行うようになった)。その結果、2016年以降、リサイクル率は着実に上昇している。 技術優先型:リサイクル重視 簡単に言ってしまえば、水戸の26%は技術で押し上げた数字、つくばの26%は市民の分別行動で積み上げた数字だ。どちらも循環型社会を目指すために必要なアプローチであり、互いの課題も補完関係にある。技術でリサイクル率を押し上げた水戸は市民に対するリサイクルの啓発と市民協働を今後より一層進める必要がある。 一方、つくばは市民協働を基盤にしつつも、技術の更新などを踏まえながら、今後生じる清掃工場の更新を見据えていく必要がある。つくば市戦略プラン第3期(2025~29年度)」ではリサイクル率目標を30.7%とし、「市民・事業者の行動変容が十分でない」と課題を挙げている。しかし、さらにリサイクル率の向上を図るためには、市民の努力だけに依存しない取り組みにも着手することが必要だろう。 シンガポールでは、最終処分場延命のためにリサイクル率70%を目標にしている。最終処分場を持たないつくばでは、さらなる発想転換が求められるだろう。資源循環の次の段階を目指すために、「スーパーサイエンスシティ」に関する議論の中に、技術なアプローチによってリサイクル率向上を目指す取り組みを含めてはどうだろうか。(元水戸市みとの魅力発信課長)

報酬改定の加算分を5年間未払い 障害児放課後デイサービス つくば市

45事業所に901万円  障害児を対象とした放課後デイサービスで、つくば市は28日、同事業を実施している障害児通所支援事業所45事業所に、5年間で計約901万2458円の未払いがあったと発表した。2021年度に障害福祉サービスの報酬が改定され加算があったにもかかわらず、事業者に加算分を支払っていなかった。 市障害福祉課によると、未払いがあったのは放課後デイサービスの個別サポート加算で、食事やトイレ、移動などの際、より手厚い介助が必要な障害児に対する支援。 2021年度から障害福祉サービスの報酬改定があり、併せて障害児に対する支援や介助の状況を判定する調査票の指標の一部が見直された。市は新しい様式の調査票で調査すべきだったにもかかわらず、改定前の旧来の調査票を使い続けたことから一部判定を誤り、加算分の未払いが生じた。判定指標の見直しに関する厚労省の通知は市に届いていたが、確認が漏れていたという。 今年3月、他の市町村から、報酬改定後の新しい様式の調査票を使っているかどうかを確認する問い合わせがあり、改定前の旧来の様式の調査票を使い続けていたことが分かった。これを受けて同課は、報酬改定後の2021年度から25年度まで5年分、計6000件の調査票について、新しい様式の調査票で再判定を実施した結果、5年の間に複数の事業所を利用した障害児を含めて、計36人の障害児が利用した放課後デイサービスについて、加算の未払いがあったことが判明した。 45事業所に対しては、8月から順次、未払い分の支払いを実施しているという。再発防止策として同課は、国の通知や関係法令を再度確認し、チェック体制を強化して、適切な運用を徹底するとしている。

古民家開放しカフェやコンサート 筑波山麓秋祭り㊤

筑波山麓の歴史と文化を楽しむ秋祭り「筑波山麓秋祭り2025」が、山麓のつくば市筑波、田井(神郡、臼井)、北条、平沢、小田地区で開かれている。地域で活動する21団体が、古民家を開放したり、コンサートや体験ツアーを開いたり、地元特産の福来みかん狩りを開催するなど、29会場で39の企画を開催し、秋の山麓をにぎやかにする。開催は10月25~26日と11月1日~3日の5日間。 今年で15回目となる。新たな企画として、10カ所のスタンプ台で手ぬぐいに秋祭りスタンプスタンプを押して自分で記念てぬぐいを作る「手ぬぐいスタンプめぐり」や、賞品付きフォト・動画コンテストなども開催される。 神郡塾生が作品展示 古民家「美六山荘」 同市臼井にある古民家、美六山荘では、飲食チェーン、坂東太郎の青谷洋治会長が塾長を務める「神郡塾」が11月3日に「古民家ギャラリー&カフェ」を開催し、塾生による作品を展示したり、絵手紙体験、味噌玉作り体験などを催す。 神郡塾は教育者、経営者、地域のリーダーを育成することを目的とした塾で、毎月セミナーを開催、著名人を講師に招いて歴史、文化、芸術など様々な分野で講演会を開いている。塾生は県内外から100人を超える。 当日展示されるのは、同塾理事で彫刻家の磯山芳男さん(70)による発泡スチロールや真ちゅうで作られた二つの作品で、毎月のセミナーの中で実施された講座で、塾生が作った文人画・刻字なども並べられる。同塾理事の猪瀬愛子さんは絵手紙体験講座を開く。猪瀬さんは県内外の小中学校などで、絵手紙教室を開くなどしている。 磯山さんは「今回は普段使わない材料でいつもと違う作品を作ってみた。色々な形の芸術作品があることを知ってもらい、ぜひ見にきてほしい」と話す。 つくば道沿い4カ所で地区住民が中心 江戸時代につくられた筑波山神社の参詣道、つくば道沿いの神郡地区では、地区住民が古民家や石倉、寺院など4カ所で11月3日に「田井の里の秋祭り」を開く。山麓秋祭りの参加団体は有志や企業が多いのに対し、神郡だけは2008年に開催した「田井の里の秋祭り」を継続する形で地区住民が中心になり祭りをつくる。 会場の一つで、元は農協の米倉だった「石倉Shiten:」前では、神郡地区の生産者が福来みかん、白菜、大根、柿、ユズなどの農産物を販売する。古民家、武井邸では囲炉裏を開放し、抹茶が楽しめる。古民家、佐治右衛門邸は庭を開放、古い家のたたずまいを見ながらくつろぐことができる。鎌倉時代に建てられた普門寺では古刹(こさつ)拝観とクラシックやポップスなどのミニコンサートが開かれる。 同地区の小松崎丈幸区長(72)は「地区をまとめるのが大変だった。それでも徳川家光の時代から続く古い町並みを多くの人に見に来てもらい、まつりを楽しんでもらえたら」と話している。(榎田智司) ◆筑波山麓秋祭り2025はつくば市北部、筑波山麓の筑波、田井(神郡、臼井)、北条、平沢、小田の5地区で10月25日(土)、26日(日)と、11月1n日(土)~3日(月・祝)の5日間開催。詳しくは同秋祭りのホームページへ。 続く

高校総体大会新、アジア選手権で三つのメダル 平泳ぎ 常総学院 中澤心暖選手

目標は「世界と戦える選手」 常総学院高校(土浦市)水泳部3年の中澤心暖(こはる)選手が、8月の全国高校総体女子200メートル平泳ぎで大会新記録で優勝、9月にインドで開催された水泳のアジア選手権で三つのメダルを獲得するなど輝かしい成績を残した。24日に土浦市の安藤真理子市長らを表敬訪問しこれまでの成績を報告。安藤市長は「今後の活躍に期待します」などと激励した。 中澤選手は、高校総体(水泳競技は8月17~20日、広島市ひろしんビッグウェーブほか)の女子200メートル平泳ぎに出場し2分24秒63で優勝。大会新のこの記録は、日本記録に4秒98差で迫る。「高校3年間で一番気合いが入ったレースだった。すごく狙っていたので優勝できてうれしかった」と感想を述べた。ほかに女子400メートル個人メドレーで2位、女子4×200メートルフリーリレーで5位の成果も上げている。 第11回アジア選手権(9月28日~10月1日、インド・アーメダバード)では女子200メートル平泳ぎで2位、女子400メートル個人メドレーで2位、女子100メートル平泳ぎで3位に輝いた。「日本とは違った環境で、周りの選手の強みやレースプランなども分からず心配だったが、レースが進む中で調整でき、いい経験になった」と中澤選手。具体的には「自分の持ち味である後半の強さを生かし、ストロークテンポを上げ過ぎず、落ち着いて自分のペースで泳げた」と振り返る。 中澤選手は古河市出身。保育園の時、古河あかやまスイミングスクールで水泳を始め、古河三中3年時には全国中学大会の女子200メートル平泳ぎで優勝するなど頭角を現した。得意種目の平泳ぎだけでなく、昨年のジュニアオリンピックでは400メートル個人メドレーで優勝しており、どちらでも戦えるような強い選手を目指している。 同校水泳部監督の飯嶋弥生教諭は「レース前は普段通りで、緊張もあるはずだが顔には出さず、控え室でみんなとわいわい楽しくやっており、競技になるとまた別な顔で、闘争心むき出しではないけれど、集中した表情も出てくる」と話す。「あまり緊張し過ぎても硬くなるので、リラックスしつつも緊張感を持ってレースに臨んでいる」と本人の弁。 現在は大学進学を控え「文武両道でどちらも怠ることなく頑張り、世界と戦える選手になっていきたい」と目標を語る。壁谷恵校長も「これから世界に羽ばたく人材。人間的にも大きく成長してほしい」とエールを送る。(池田充雄)