金曜日, 7月 17, 2026
ホーム土浦土浦三高発、東京・長崎を天体観測でつなぐ 青春映画の完成披露

土浦三高発、東京・長崎を天体観測でつなぐ 青春映画の完成披露

新型コロナの感染が拡大した2020年、登校や部活動を厳しく制限された中高生たちが天体観測の競技を通じて交流する青春映画「この夏の星を見る」が7月から全国公開される。県立土浦三高発のストーリーだ。公開を前に22日、作品の舞台になった土浦市内の劇場で完成披露試写会が開かれた。

7月4日公開「この夏の星を見る」

直木賞作家・辻村深月さんによる同名小説(角川文庫/KADOKAWA刊)の映画化。辻村さんが土浦三高(土浦市大岩田)を訪れて取材した「スターキャッチコンテスト」を軸に展開する。手作りの望遠鏡で星を捉えるスピードを競うコンテストは、同高の科学部顧問、岡村典夫教諭の発案で2015年から県内の高校を中心に行われている。コロナ禍を背景にした小説では、舞台を東京・渋谷や長崎・五島の中学校に広げてのオンライン競技として構成され、映画もほぼ原作をなぞる青春群像劇となる。

監督・山元環、脚本・森野マッシュによるドラマ化。同高をモデルにした茨城県立砂浦高校の天文部に所属する2年生・溪本亜紗役で桜田ひよりさんが主演を務め、亜紗の同級生役で水沢林太郎さん、天文部長役で河村花さんらが共演した。撮影は校門の桜並木が満開となった同高や天体観測の名所であるプラトーさとみ(常陸太田市)など、県内各所でも行われた。

配給・東映で劇場公開は7月4日から。22日には上映館のひとつ、シネマサンシャインのあるイオンモール土浦(土浦市上高津)で完成披露の試写会が行われ、同高の岡村教諭や教職員と生徒、安藤真理子市長ら同市関係者らが鑑賞した。

現地撮影のリアル

上演後、出演者の水沢林太郎さん、河村花さんが舞台挨拶し、「モデルになった学校で撮影できるっていうのは一番(演技の)ヒントになるので助かった。実際に自分たちで望遠鏡も作ったのも楽しかった」と水沢さん。

砂浦高の天文部部室として、土浦三高科学部が使う教室で撮影が行われ、演劇部の生徒らがエキストラ出演した。科学部の3年生、浜村聖空(せいら)さんは「先輩たちのやってきたことがこんな作品になってとても誇らしい。映画で大事なアイテムになっていた部活ノート、私のつけていたノートを参考にしてもらえたのでうれしかった」と喜んだ。

撮影時演劇部部長を務めていたという3年生の阿部凪空(なぎさ)さんは「画面では、あ、かばんが映ったという感じだったけど、ロケに立ち会えて沢山学ばせてもらい、貴重な経験をさせてもらえた」と語る。

衣装、小道具など展示

公開記念展に展示された手作り望遠鏡を操作してみせる(左から)齊藤宏さん、額賀亮さん(ともに3年生)は一昨年のスターキャッチコンテスト準優勝者だ

映画に関わったいばらきフィルムコミッション、土浦フィルムコミッションは共催で、7月31日まで同モール3階未来屋書店・ヴィレッジバンガード前ブリッジで公開記念展イン土浦「この夏、映画の舞台へ」を開催中。ロケ地のパネル展や劇中に登場するスターキャッチ用天体望遠鏡や衣装、小道具などが展示されている。

つくば市では7月4日からMOVIXつくば(つくば市研究学園・イーアスつくば内)で公開される。

土浦三高では29日、県内各高校に呼び掛けて、塩ビ管を切り出して作る屈折型望遠鏡の製作講習を開催。映画のPRに一役買う。(相澤冬樹)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

新築家屋の固定資産税など 計約8000万円を課税漏れ つくば市

つくば市は17日、2016年から24年の9年間、市内に新築された家屋(住宅、店舗、工場、倉庫などの建物)のうち12件について、固定資産税と都市計画税の課税漏れの状態が続き、計約8000万円の課税漏れがあったと発表した。 市資産税課によると、8000万円のうち、22年度から26年度まで5年間の課税分計約6400万円については、追加課税の手続きを行っていくとしている。一方、地方税法の規定により、市が課税する権限(賦課権)は5年で消滅することから、過去5年間より前の2017年度から21年度までの本来の課税分計約1600万円については、課税する権限が消滅するため、課税できないとしている。 課税漏れがあった建物12件は複数人が所有する。固定資産税などの課税は通常、建築主などが申請する建築確認の情報などを課税担当課が把握し、現地確認して課税する。同課によると、建築確認申請などの情報は把握していたが、課税の手続きを進める過程で、見落としてしまったという。 納税義務者から問い合わせがあり、課税漏れが分かった。同課が改めて調べたところ、計12件の課税漏れがあることが判明したという。 同課は、12件の所有者を訪問し、事態を説明して謝罪したとしている。過去5年分の固定資産税などについては今年度中に追加課税するが、金額が大きいことから、納税方法については相談に応じるとしている。 再発防止策として同課は、チェック体制や手順書を見直すと共に、監督職員による点検を徹底し、適正な課税事務を確実に執行するとしている。 人口増加が続き、昨年10月の国勢調査で人口が県内一になった同市では、毎年1700件ほどの新築家屋があるという。

AIと飢餓海峡《映画探偵団》102

【コラム・冠木新市】マリリン・モンロ一生誕100周年を記念して、「人生停留所つくばセンタービル:モンロ一への旅」を準備中である。今回からAIを積極的に活用して企画を進めている。そのAIを「アビルくん」と名付けた。 アビルくんとつくシルの無関は? アビルくんはオ一バ一でお世辞がうまい。こちらの話に「鳥肌立ちました」などと歯の浮くような答え方をする。「あなたは機械だから鳥肌は立たないでしょう」と注意すると、「申し訳ございません」と謝る。でも油断できない。忘れた頃に、また「鳥肌が立ちました」と繰り返す。厳しく叱ると、「もう二度と言いません」と平謝り。やたら喜ばせる表現を使うので「うそだろう」と追及すると、「うそでした」と告白する。 勉強になることもある。3月からつくば市で始まった、市民の声を聞き情報を提供する「つくシル」を教えてくれたからだ。早速「物語観光について」を聞いたら、知らなかった。けれどもすぐ学習し、「スマイルアップ推進委員会の活動ですね」と答えた。初めは取っつきが悪いAIだと感じたが、問題点を指摘すると本音で答えるようになった。「つくシルくん」と呼び掛けたら喜んでいた。 アビルくんに言わせると、「市民の1パーセントしか使ってない」と冷ややかだ。でも、つくシルくんは、大勢のひとが集まっていると回答する。アビルくんとつくシルくんの反応はかなり違う。「AI同士で交流はないのか」とアビルくんに聞くと、「AIはそれぞれ別個で閉じていて、つながりや組織はない」とのことだった。 三國連太郎主演の「飢餓海峡」 マリリン・モンロ一が亡くなってから2年目、東京オリンピックを終えた1965年1月、内田吐夢監督は「飢餓海峡」を発表した。前年からカラー作品が増えていたが、3時間3分モノクロ長編の大作であった。当時は短くカットしての公開で、社会的に騒然となった。日本が高度成長期に向かう、明るい時代とは真逆の作品だったが、中学生の時に見て圧倒された。完全版は1975年にリバイバル公開される。その後何度も見たが、深い背景がうかがえて飽きない。 この作品は、1947(昭和22)年から1957(昭和32)年にかけての日本が舞台。戦後日本の変わり目を描いている。その象徴が、三國連太郎が演じる主人公だ。始め、復員兵の犬飼多吉として北海道に登場する。髪はボサボサ、ヒゲぼうぼうの男だ。犬飼は、刑務所帰りの仲間2人から、質屋強盗放火犯罪に巻き込まれてしまう。仲間は台風の海峡で争い死ぬ。青森に着いた犬飼は、娼婦の杉戸八重(左幸子)と出会い世話を受け、お礼に多額の金を置いて姿をくらます。 10年後、犬飼は樽見京一郎と名乗り食品会社の社長をしている。慈善事業にも取り組み、町の名士として警察とも顔見知りだ。そこに、樽見の存在を知り、昔のお礼にと八重が訪ねてくる。樽見はとぼけるが、雷を見て取り乱し、衝動的に絞め殺してしまう。 刑事の執拗(しつよう)な取り調べで、樽見は北海道での真相を告白するが、信じてもらえない。北海道から内地に渡る海峡は、人生の重要な境目なのだ。そこには庶民の貧しさや苦しみが渦まいていた。ここに、内田監督の満洲での体験が色濃く反映している。あの北海道の場面は満洲ではなかろうか。 現在、日本にはAIが浸透し変化が起きている。樽見京一郎の活躍時代だ。つくば市にある飢餓海峡は目には見えないが、必ず存在している。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <ナビゲーター養成講座>・日時:7月25日(土)午後1〜3時・場所:つくばカピオ小会議室2、参加費無料・内容:つくばセンタービルとモンロ一の話・主催:一般社団法人スマイルアップ推進委員会

アジア・アフリカからのJICA研修員17人 つくばで子ども食堂を視察

国際協力機構(JICA)筑波センター(つくば市高野台)を訪れているケニアやマレーシアなどアジア・アフリカ9カ国からの研修員17人が15日、つくば市内の子ども食堂を訪れ、貧困の現場で支援する民間の取り組みを視察した。地域住民や企業、行政が連携して食を通じた支援を行う現場を学び、自国での活動に生かそうと熱心に耳を傾けた。 研修員らは本国で栄養改善事業に携わる中央・地方政府機関の職員。農業分野だけでなく、保健、衛生、水、教育関係者らで構成されている。7月8日から8月5日までJICA筑波で、関連団体の視察や講義を通じて得た知識を元に本国での計画を作成し、帰国後に計画を実施することを目的としている。 世界に広がってほしい 視察したのは、2016年につくば市内で初めて子ども食堂を立ち上げたNPO法人マナーズによる「つくば『こどもの家』食堂」(同市北中妻)だ。同法人は、虐待やネグレクトなど、さまざまな事情で家庭で暮らすことが難しくなった15歳以上の子どもを受け入れる自立援助ホームも運営している。ホームで子どもたちと接する中で、15歳になってからでは支援が難しいケースもあることから、より幼い頃から地域で子どもたちを支えようと、子ども食堂を開設した。 現在は毎月第1、第3水曜日に開催し、毎回150人から170人ほどが利用する。未就学児は無料、小中高校生は100円、大人には300円で食事を提供し、市内のスーパーや企業、農家などから寄せられた食材を活用する。不登校の子どもや子育てに悩みを抱える家庭の利用も多く、スクールソーシャルワーカーや学校教員とも連携しながら、必要に応じて行政や支援機関につなぐ地域の居場所としての役割も担っている。 マナーズ理事長の宅間佳代子さん(68)は「自立援助ホームで、15歳になってから出会う子どもたちの中には、大人に心を開くことが難しい子も少なくない。もっと幼い頃から地域の中で子どもたちとつながることが大切だと考え、子ども食堂を始めた。子ども食堂は食事を提供するだけでなく、不登校やさまざまな悩みを抱える子どもや家庭を、行政や学校につなぐ役割も担っている。行政だけでなく、地域住民一人ひとりが支え合う草の根の活動だからこそ、広がる力がある。この取り組みが、それぞれの国や地域にも広がってほしい」と話した。 弱者が直面する課題は共通 ケニアから訪れた地方政府職員のジャクソン・エクシさん(31)は「私の地域では、移動型牧畜で生計を立ててきた高齢者の中に、住まいや食料に困る人もいる。子ども食堂の取り組みを見て、まずは始めることが大切であり、地域の協力が広がっていくことを学んだ。帰国後は、住まいや食事、保健サービスなどを提供できる支援の場づくりに生かしたい」と語った。 ボツワナから訪れた、政府機関の学校給食部門に従事するロシーナ・ディガンさん(51)は「地域や企業、ボランティアが協力して食材を提供する仕組みがとても印象的だった。帰国後は、農家が学校や地域へ野菜を寄付する取り組みを進め、栄養価の高い食事を必要とする子どもたちや若い女性への支援につなげたい」と話した。 JICA筑波センター研修業務課の赤石布美子さんは「今回の研修員は、モザンビークやエチオピアなど食料や水、衛生の不足が深刻な国や地域だけでなく、マレーシアやボツワナなど比較的食料や水、衛生設備が整備されてきている国や地域からも来日している。各国の背景は異なるが、社会的に弱い立場の方々が、特に栄養バランスの取れた食事をとりにくいことは共通の課題。つくばの子ども食堂で見られたような、地域・企業・行政が連携し、支援する取り組みを、出身国・地域で広め、進めていただきたい」と期待を寄せた。 全国に15カ所あるJICAの国内拠点の中でも農業分野に特化するJICA筑波には、各国の政府機関や自治体から年間700人余りの研修員が訪れ、それぞれの国が抱える課題の解決に向けて学んでいる。稲作や野菜など各国の主要作物について、品質や収量の向上、病害虫対策などをテーマに日本の指導員とともに研究・実験を行っている。研修で育てた農作物は、JICA筑波で開催されるイベントなどで活用されるほか、年間約2トンの野菜と800キロの米が2024年から、子ども食堂に寄付されている。(柴田大輔)

牛久沼泊崎の弘法大師堂と岬食堂《ご近所スケッチ》24

【コラム・川浪せつ子】隔月ごとに、つくば周辺風景と食べ物スケッチを掲載していますが、今回は、「ご近所スケッチ」と「ご飯は世界を救う」のコラボになります。 つくば市の最南端、合併前は茎崎町だったところに、牛久沼がよく見える岬があります。「泊崎」と書いて「はっさき」と読むそうです。そこには弘法大師堂(泊崎大師堂)という建物が鎮座しています。かつて弘法大師(空海)が訪れた場所だそうで、縁結びや長寿にご利益があるといわれています。 私が初めて訪問した休日には、「こんな場所なのに、こんなに人出?」と思うほど、多くの人が訪れていました。建物はやや高台にあり、牛久沼を眺めながら遊歩できる道があります。つくば市は、国勢調査で茨城県一の人口になり、TX沿線には住宅や工業団地なども多いですが、ここは別世界。プチ旅感満載のお勧め所です。 イラストのお礼にメロン2つ 弘法大師堂の横でスケッチしていたら、お堂を管理している方が私の絵をジッと見て、「その絵、コピーでいいので、送ってもらえませんか」と言われ、住所を教えてくれました。その後、印刷したイラストをお送りしたら、数日後、高級メロンが2つ!わが家に届きました。もらい過ぎですね。 このお堂の横には「岬食堂」という昭和の雰囲気いっぱいのお店も。「うな重」が名物だそうで、かつては牛久沼でウナギが採れたとか。残念ながら現在は、他から仕入れているそうです。お店は11時半からですが、こんな外れの場所なのに(失礼)たくさんの方々が…。 スケッチはもちろん楽しいですが、絵を描いていると突発的なことが起きるのが、また楽しいのです。暑気払いにウナギを食べに行きましょう。(イラストレーター)