第77回春季関東地区高校野球茨城県大会は5日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で決勝戦が行われ、常総学院が3-1で境を下し3年連続18回目の優勝を果たした。3位決定戦では藤代が6-4で水城を破った。常総学院、境、藤代の3校は17日から本県で開催される関東大会に出場する。
第77回春季関東地区高校野球茨城県大会決勝 J:COMスタジアム土浦
境 100 000 000 1
常総学院 300 000 00× 3
決勝戦は1回表に境が先制。1死からの遊ゴロを水口煌太朗が一塁へ悪送球し走者二塁とされ、次打者の右前打で1点を奪われた。だが常総学院はその裏、3点を奪って逆転。3番・佐藤剛希の左前打などで満塁とし、相手投手の四球押し出しで1点を返した後、6番・吉岡基喜の右前打で2者が生還。「打ったのはまっすぐ。インコース高めを腕をたたんで捉えた。犠打を打とうとボールのラインにバットを入れたが、詰まってヒットになった」と吉岡。結局、この点差を最後まで守り切った。

常総学院の先発・小澤頼人は8回を投げて1安打1四球の自責点1。9回は野口龍馬が三者凡退に抑えた。「初回はエラーがありリズムも良くない中で、自分も調子悪いなりに最少失点で抑えられてよかった。5回のピンチも0点に抑えれば流れが来ると思った。境打線は初球からどんどん振ってくるので、低めの変化球から入る意識で抑えられた」と小澤。野口の救援について島田直也監督は「緊張する場面をストライク先行で抑えてくれた。もっといろんな選手を試したい気持ちもあったが、それよりも負けたくない気持ちの方が強かった」と話した。

5回表のピンチとは先頭打者が左越え二塁打、次打者の投ゴロを一塁ベースカバーに入った二塁手の吉岡が落球、無死一・三塁とされたもの。しかし遊撃への小飛球を水口がダイビングキャッチし一塁送球、走者戻れずダブルプレーとなった。このように常総学院は1試合で4つの失策を数えたが、一方で3つの併殺を奪うなど、ミスを帳消しにする好プレーも多かった。

むしろ課題は、追加点を奪えなかったこと。「準決勝までは打線がつながっていたが、初めての決勝の舞台に気持ちの未熟さが出た。ヒットが出なくても小技や足をからめるなど、打てないなりにできることがまだまだあるはず。一人一人が持っている引き出しの多さを発揮することができなかった」と浜崎怜央主将の振り返り。関東大会に向けては「強豪と戦える機会で学ぶことが多い。その中で自分たちの野球がどれだけできるか。チームの士気を高めながら挑んでいきたい」と意気込んだ。
春季関東大会は17日開幕の予定。常総学院は3年連続24度目、境は37年ぶり2度目、藤代は6年ぶり3度目の出場となる。(池田充雄)

