昨年末に計19万円支払う
市職員から指摘を受け、つくば市が昨年5月に明らかにした市社会福祉課職員に対する特殊勤務手当てと残業代(時間外勤務手当て)未払いのうち(2024年5月9日付)、生活保護業務に従事する職員の特殊勤務手当てについて、市は昨年末、未払い分を請求できる過去3年間にさかのぼって、職員17人に同手当て計19万1675円を支払った。同手当ては1日当たり275円で、3年間で延べ697日分が未払いだった。支払いが遅れたことによる遅延損害金(遅延利息)について5日、市議会2月定例会議本会議に専決処分の追加提案があり分かった。
市人事課によると、昨年末に支払った特殊勤務手当ては、2021年1月~24年3月まで3年3カ月分で、昨年12月26日付で支払われた。遅延損害金は17人のうち、受け取りを希望した6人に計5403円が今月4日に支払われた。
一方、未払いの残業代については、2024年4月~10月の7カ月分について、職員18人に対し計197万5111円が昨年2月21日にすでに支払われているという。延べ何時間分が未払いだったかについて市人事課は「計算してない」としている。残業代についても過去3年間にさかのぼって支払う予定だが、残りの支払いについては現在精査中だとし、支払い日などは現時点で未定。4日は、すでに支払われている197万5111円の遅延損害金について、18人のうち受け取りを希望した5人に計1万6054円が支払われた。
損害遅延金は、特殊勤務手当てと残業代未払分合わせて2万1457円で、いずれも人事課の予算から流用したという。
特殊勤務手当ての未払いは2024年2月、残業代の未払いはさらに半年前の23年9月、市社会福祉課職員から指摘があり判明した。特殊勤務手当て未払いの原因について市社会福祉課は、各職員で業務の解釈が異なっていたことが原因だったとした。残業代未払いの原因については、当時の管理職が、できるだけ申請しないよう不適切な指導を行い、職員が申請しにくい状況になっていたとし、監督責任から、五十嵐立青市長が給料を2カ月間10%、副市長2人が1カ月間10%減給した。さらに不適切な指導をした管理職に対し処分を実施するとしているが、処分はこれからという。
市は加えて、社会福祉課以外にも同様の未払いがないか全庁的に調査を実施するとし、全庁的調査は昨年6~7月に、管理職の不適切な労務管理について、実名を名乗ることを条件に全庁的に実施された。実名で回答した職員にヒヤリングが実施され、新たに分かった社会福祉課以外の未払いについても今後、未払い額の調査を実施するとしている。
今回、特殊勤務手当て支払いの対象となった職員の一人は「時間外手当て未払いの方は3年分が支払われて初めて全容が分かると思うが、なぜ未払いが発生したのか、どうして支払いが遅れたのか、遅れたことによる遅延損害金の発生や、責任がどこにあるかなどが明らかになってほしい」とし「遅延損害金は不適切な労務管理や支払い手続き事務の遅延の結果であり、一時的にせよ市民に負担をかけてしまったことは一職員としてはひじょうに心苦しい」と話している。(鈴木宏子)