投票者は1048人
つくば市の五十嵐立青市長が、自身が受け取る2期目の退職金をインターネット投票による評価の平均点で決めるとしていた件について(8月26日付、10月4日付)、五十嵐市長は12日の定例記者会見で、1日から11日まで実施したネット投票の結果を発表した。1048人が投票し、評価点の平均は100点満点中62.7点で、退職金額は満額の2039万4000円に対し、62.7%の1278万7038円になるとした。
マイナンバーカードの交付を受け、同市のアプリ「つくスマ」をダウンロードしている15歳以上の市民を対象にネット投票を実施した。
投票した1048人は、投票ができる15歳以上の市民21万8721人の0.48%、投票手段として必要なマイナンバーカードの交付を受けている約13万人の0.8%、同市のアプリ「つくスマ」をダウンロードしている約2万3000人の4.5%だった。
1048人の評価点で最も多かったのが①100点で219人、次いで②80点が160人、③70点が133人、④0点が119人、⑤90点が101人だった=メモ1。
62.7点という結果について五十嵐市長は「(10月27日投開票があった)市長選の得票率53%=メモ2=が民意だと思っている。(得票率の)選挙結果から1割以上、上振れしている」と自賛し、投票率が極めて低かったことに対しては「高いハードルがあったが1000人を超える人が投票して良かった」とし、「『マイナンバーカードの(暗証番号の)6桁から(マイナンバーの)12桁を覚えてない』と、かなりの人に言われた。そこのハードルが課題として大きくあった。本人と、投票した得点は結び付かないが、セキュリティについて心配があるとも言われた」などと話した。一方、投票に必要な同市のアプリ「つくスマ」のダウンロード数は通常は毎日10~20件ほどだが、ネット投票期間中の10日までは計644件、1日平均64.4件のダウンロードがあったなどと強調した。
一方、本来の退職金額2039万円からネット投票による評価1278万円を差し引いた差額の760万6962円は、市に返還されるわけではない。県内44市町村で構成し市長など市町村職員の退職金の事務を行っている県市町村総合事務組合(水戸市)は「各市町村からお預かりしている負担金は、積立金ではないので、(同組合の)事務の共同処理としてお預かりさせていただいている」としている。
同市は今年度予算にインターネット模擬投票実施の委託料約2200万円を計上している。今年度中に計3回の模擬投票を実施する計画で、退職金のネット投票はその一つという。(鈴木宏子)
※メモ1
【つくば市長2期目退職金ネット投票結果の内訳】
評価 票を入れた人数
0点 119人
10点 52人
20点 27人
30点 41人
40点 24人
50点 90人
60点 82人
70点 133人
80点 160人
90点 101人
100点 219人
計 1048人
※メモ2
【得票率】10月27日投開票のつくば市長選の有効投票数11万6184票に対する五十嵐氏の得票数6万1604票の割合