プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは31日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで第3節を行い、福岡J・アンクラス(本拠地・福岡市)を1-0で破り、今季初勝利を挙げた。通算成績は1勝2敗で12チーム中7位。次節は7日、大和なでしこスタジアム(神奈川県大和市)で大和シルフィードと戦う。
プレナスなでしこリーグ2部・第3節(3月31日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-0 福岡J・アンクラス
前半 0-0
後半 1-0

新シーズンを連敗でスタートしたつくばは、今節の初勝利に照準を合わせて準備を進め、この日はウォームアップの段階から全員の気持ちが高まっていたという。「全員で戦え、試合内容も今季一番だった」とボランチでゲームキャプテンの内藤夏鈴。「まずは気持ちで絶対負けないという意気込みで、自分たちのペースで戦えた」とFWの赤嶺美月。
立ち上がりこそやや硬さが見られたが、中盤の攻防では相手を上回る動きの良さを見せ、前半で許したシュートはわずか1本。つくばは5本のシュートと8本のコーナーキックなどで相手ゴールに迫ったが、なかなか得点は生まれない。前半33分には内藤が絶好の位置でフリーキックを得たが、蹴ったボールはバーを直撃。34分には赤嶺がスルーパスに抜け出しシュートを放ったが、相手GKがジャンプしてはじき出した。

後半のつくばは右サイドハーフに工藤古都子を投入、さらに左サイドバックの村上奈央を右の小田川真奈と入れ替え、右サイドの活性化を図る。後半も攻撃回数では相手を圧倒するが、やはり得点には届かない。
後半43分、ついに均衡が崩れた。コーナーキックの流れから、石井有紗のループシュートを相手GKがはじき、赤嶺が拾って中央の小田川へ送る。このボールを小田川が反転しながらダイレクトでシュート。敵味方の間をすり抜けてゴールに吸い込まれた。「背中を向けていたがゴールの位置は分かっていたから、振り向きざまに打った。得点で勝利に貢献できてうれしい」とのコメント。
石井は後半36分に村上と替わって投入。後半もセットプレーは多く、長身の石井はターゲットとしての役割も期待されていた。「コーナーからのこぼれ球を押し込む形は練習のときから多くつくれていた。チャンスはたくさんあったのでもっと早く決めたかった」と、キッカーを務めた内藤。

「1点取ってゼロに抑えたのは自信につながる。自分自身もチームのためにしっかり走り回れたと思う。次は得点で貢献したい」と赤嶺。「チームとしてもアグレッシブに、攻守にたくさん走って、見ていて楽しいと思ってもらえるサッカーをしたい」とも話す。
「攻撃の精度を高めたい。3点取れる攻撃的なチームを目指している」と話すのは、今季から采配をふるう佐藤誠一郎監督。日立一など名門校の監督を歴任し、2019年には水戸商を高校総体出場に導いた。「同じサッカーだが男子高校生と社会人の女性では勝手が違う部分も多い。言葉のかけ方や練習のコーディネートなど工夫しながら、高校サッカー指導歴38年のキャリアをベースにトライしている」という。
今年で水戸商を定年退職、チームには2月中旬に合流したばかり。ここからの名将の指揮の冴えに期待したい。(池田充雄)
