【コラム・山口京子】所得税の確定申告をe-Taxで済ませました。4年前の確定申告の際に、税務署でID・パスワード方式の届出をしたのがきっかけです。
年末調整で終了する場合や、公的年金の収入金額が400万円以下の場合では確定申告は不要です。ですが給与を2カ所以上から受け取っている人など、確定申告をしなければならない人がいます。また還付手続きや雑損控除、医療費控除、寄付金控除は年末調整ではできないので確定申告が必要です。
入力を終え申告内容確認票を見ることで、所得税徴収の流れがわかります。最近まで源泉徴収票を見ても所得税がどのような仕組みで徴収されるのかわかりませんでした。
確定申告の流れ
私の場合での、おおまかな確定申告の流れをお伝えします。
①収入金額を入力します:給与所得の金額と源泉徴収税額、雑所得の年金額や講演料の収入額と源泉徴収税額などを入力し、「所得の内訳書」がでます。
②所得金額が自動的に計算されます:▽給与は給与所得控除額が引かれて出ます▽年金は公的年金などに係る雑所得の計算方法によります▽65歳以上の方は年金額が110万円を超えると年金額に応じて所定の計算のもとに所得金額が出てきます▽講演料は必要経費を入力することでその額を引いた金額が所得金額となります。
③所得から差し引かれる金額が出ます(それぞれの控除金額を入力しますが、本人基礎控除の48万円は前もって記載されています):▽年金保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保険料控除額▽生命保険料や地震保険料の控除額▽扶養控除、基礎控除など▽医療費の控除額(医療費控除とセルフメディケーション税制からの選択)
医療費控除に関しては、一般的にかかった医療費から10万円を引いた額と言われていますが、正確には10万円または所得金額の5%のどちらか少ない額です。ですので、所得金額が少ない場合は控除される金額が下がるので、自分の所得金額で計算することが大事です。計算方法は「1年間に支払った医療費-保険などで補てんされる金額-10万円または所得金額の5%=医療費控除額」です。
①②から③を引くことで、課税される所得金額と税額がでます。そこから税額控除されるものを引いて、納めるべき所得税と復興特別所得税額が確定します。所得税は超過累進課税で、税率は課税所得金額に応じて5%から45%となっています。
税金は収入にダイレクトにかかるのではないこと、様々な控除があること、社会保険料の額が思った以上に大きいことに気づきました。そして、控除の種類や金額がどういう根拠で決められているのかが気になりました。(消費生活アドバイザー)