大学入学共通テストが13日始まった。試験は14日までの2日間。初日に地理歴史・公民、国語、外国語、2日目は数学と理科が実施される。会場となる筑波大(つくば市天王台)では、昨年より154人少ない6303人が受験を予定している。
全国の志願者数は、前年度から2万667人少ない49万1914人。県内では昨年とほぼ横ばいの1万2327人となっている。新型コロナが5類になって以降、初めてとなり、会場では入り口に消毒液が置かれたものの、マスクの着用が求められないなどコロナ以前の環境での受験となる。
「気張らず、いつも通りに」
午前7時30分、つくば市で最低気温マイナス3度を記録し冷え込む中、快晴の筑波大本部南駐車場には、受験生を会場に送り届ける車が徐々に集まり始めていた。
土浦市の松本信明さん(18)は緊張の面持ちで「今日は特別な日だけど特別視はせず、気張らずにいつもの模試のような気持ちで臨みたい」と話し、小美玉市の武井美佳さん(18)さんは、同級生3人と会場に向かいながら、「自宅を出たのは6時。昨日はよく眠れた。頑張りたい」と笑顔を向けた。阿見町から車で娘を送り届けた50代の男性は「いつもと同じ時間に起きて、同じように朝食を食べてきた。普段通りの力を発揮できるように頑張ってほしい」と言葉を送った。
痴漢被害者は追試験の対象
今年の共通テストをめぐっては、1月1日に発生した能登半島地震を受けて、今回の本試験を被災した生徒が受けられない場合、27日と28日に予定している追試験を金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市)でも受験できる特例措置がとられると発表している。
ほかに12日、加藤鮎子男女共同参画担当相は記者会見で、大学入学共通テストに遅刻できない受験生を狙った性暴力を扇動する投稿がSNSで拡散されていることを踏まえて、「痴漢は重大犯罪であり許されるものではない」とし、被害を受けた場合、追試験の対象になると述べた。また松村祥史国家公安委員長も12日の会見で「しっかりと対策を講じる」と、警察として列車内などでの性暴力加害への警戒を強化するとした。大学入試センターは、被害にあった際は受験票に記載されている問い合わせ大学に電話連絡し、追試験を申請するよう求めている。(柴田大輔)