コロナ禍影響
ボランティアがサンタクロースにふんして子供たちにプレゼントを届ける活動が今年もクリスマスイブの24日、つくば市で実施される。コロナ禍を経た今年は、支部の運営スタッフが確保できず、継続できるか不透明な時期もあった。「クリスマスを祝うことも難しいような経済的に困難な家庭の子供たちに、思い出を届けたい」というスタッフの熱意で継続できることになった。
NPOチャリティーサンタ(東京都千代田区)つくば支部による活動だ(2020年11月27日付)。事前に応募があった家庭にサンタ姿のボランティアが、保護者があらかじめ購入したプレゼントを届けに行く。子供たちにはサプライズでサンタが自宅にやってくる。経済的に困難を抱える家庭の子供たちには無料でプレゼントを手渡す。その費用は、他の家庭の寄付金でまかなわれる。
つくば支部が立ち上がったのは2017年で今年7年目になる。現在、支部の代表を務めるつくば市在住の会沢和敏さん(59)は、20年度の活動でも代表を務めた(20年11月10日付)。「今年度は運営の中心を担う代表者が5月頃まで決まっていなかった。ここで活動が休止になってしまっては、サンタが来る街をつくば市から広げていくという夢もかなわなくなってしまうと考え、代表に立候補した」と話す。会沢さんは20年度に続き、2度目の代表を務める。
「クリスマスを祝うことも難しいような経済的に困難なご家庭もある。そうした子ども達にとって、サンタが家に来て祝ってくれることは一瞬のことかもしれないが、未来まで明るくするものでもあるように感じる。小学校低学年のときに訪問した子どもが、中学校に上がっても毎年のようにサンタが来た思い出を話しているということも聞いた」と会沢さんは語る。
スタッフ不足の原因として「コロナ禍の影響も少なくなかった」と指摘する。21年、22年も、人と人との接触を極力避けることが求められる中で、サンタ活動を継続していくことは難しい場面もあったと振り返る。
今年は運営を担うスタッフが会沢さんを含めて4人、当日のボランティアは10人ほどが参加する。当日ボランティアは事前の講習会を通してチャリティーサンタとしての活動内容や注意点などを学び臨む。
筑波大学医学類の山田夏鈴さんも運営スタッフの一人だ。「子どもの年齢や性格に合わせて対応することを心掛けている。子どもたちや両親の笑顔を見ると、こちらも素敵なプレゼントをもらった気持ちになる」と活動を継続することの意義を話す。(山口和紀)
◆チャリティーサンタつくばはX(旧ツイッター)で情報を発信している。NPO法人チャリティーサンタのホームページはこちら。つくば支部では今年の当日ボランティアの募集は締め切っているが、来年度に向けての運営スタッフを募集している。来年の当日スタッフは10月頃に募集を行う予定だ。