【コラム・山口京子】先月、「シニアのための消費者トラブル防止」の講座に呼ばれ話をしてきました。講座が終わって、改めてシニアをめぐる環境がどうなっているのか振り返ってみました。

日本人の高齢化率は上昇を続け、人口の3割弱は65歳以上となっています。また、世帯の構成では、単身世帯が全世帯の第1位を占めるようになりました。高齢者のお金を狙う詐欺や悪質な商法が後を絶ちません。

高齢者の抱える不安や弱みには、大きく分けて健康・孤独・お金の3つがあると言われています。

健康に関しては、テレビやラジオ、ネットやスマホ、新聞のチラシや雑誌の広告など、様々な媒体が健康食品やサプリメントなどの宣伝を四六時中流しています。老化は病気ではないのに、あたかも老化を病気のように見なし、アンチエイジングをすすめる風潮が気になります。

不安をあおって商品を購入させようとするマーケティング戦略が主流なのでしょうか。自分の軸をもって、批判的に広告を読み取る姿勢が求められているように思います。

孤独に関しては、1人暮らしが寂しい、話し相手がいない中、たまたま来た業者がやさしそうな人だったから、家に入れてしまった。話を聞いてくれて親切にしてくれたので、勧められた商品を断れず、次々に高額な買い物をしてしまったというケースがあります。

また、1人で対応したため、押し切られて契約してしまったなど、そうしたことを防止するには、地域の見守りを広げることです。高齢者の異変のサインに気づき、声をかけ、相談につなげる取り組みの重要性が指摘されています。

自分の不安や弱みを自覚する

お金に関しては、何年か前「老後2000万円問題」が話題になりました。老後のお金の見通しが立たない、お金が底をつくのが先か、寿命が先かという不安の声を聞きます。預金だけでは利息が付かないため、必ずもうかるという投資を勧められたが、お金を振り込んだ後連絡が取れない―といった相談が警察や消費生活センターに寄せられています。

トラブル防止には、自分の不安や弱みを自覚すること、相手となる悪質な業者の手口を知ること、対処の方法を事前に学んでおくこと、トラブルに遭ったら1人で悩まないで周りに相談することです。

そもそも広告のお勧めではなく、自分が本当に必要なのかを見極めること。購入の基準を価格の安さではなく、自分の必要度におくことが大事でしょう。お金の算段については、長期的な収支予想を立てたいものです。(消費生活アドバイザー)