長屋門が点在するつくば市内の集落を訪ね歩く「長屋門みちあるき」を、NPOつくば建築研究会(同市谷田部・坊垣和明理事長)が6月から本格的に開催する。同会が取り組んでいる長屋門保存活用事業「もん泊」の活動紹介の一環として、来年1月まで計5回開催し5つのコースを歩く。
つくば市内には、江戸時代から明治期にかけて建てられ、農家や商家の物置兼住居として使われた長屋門が200軒以上ある。長屋門の新しい価値を創造し保存しようと、同会は、長屋門を改装して宿泊機能を与える「もん泊」事業を提唱している(2020年9月9日付、同9月27日付)。
「みちあるき」は長屋門を広く紹介するため、どのような集落に点在するかを実際に訪ね歩く。現在の使われ方や状態を観察し、つくば市内に埋もれている古い道筋を楽しんでもらうウォークイベントだ。2022年夏から試行してきた。4回目となった今年1月は小田城址から筑波山神社まで、15カ所の長屋門を見学しながら約14キロを歩いた(1月9日付)。
今年度は5回を予定し、各コースごとに長屋門みちを設定する。併せて地域の歴史的遺構を探訪するほか、都市部と農村部の自然環境の変化を体感してもらう。6月から開催する5コースは▷一の矢~若森縣庁跡付近▷若森縣庁跡付近~北条▷北条~菅間▷菅間~上大島▷筑波山口~筑波山神社。メーンターゲットは、つくば市周辺に住む人を中心とし、都内からの参加も期待している。
同研究会の永井正毅副理事長は「長屋門の所有者について例を挙げると、地域の歴史含め長屋門の建設経緯などについて講演し発表されたご当主を始め、家主が元市役所職員で地域貢献に積極的な考えを持つ方、子供が集まれるような地域貢献ができたらよいと考える所有者などがいらっしゃる。個人情報に関わるため毎回どこに所在する長屋門を訪ねるかは具体的に説明できないが、実際に『みちあるき』をしながら郊外の各地域の原風景を楽しんでいただきたい。当日家主と対話できれば、長屋門が地域資源として活用できる可能性を多くの人と考えていきたい」と話す。(鴨志田隆之)
◆参加費は各回2000円。全5回の参加希望者は計8000円で、もん泊のロゴがプリントされたTシャツを頒布する。1回目の参加権販売は6月10日に同市栗原の古民家レンタルスペース下邑住宅で開かれる邑マルシェで実施し、この日にTシャツも披露する。イベント予定は直前に変更、中止の場合もある。問い合わせはNPO法人つくば建築研究会(電話029-886-8039、Eメール)へ。
2023年開催予定の「長屋門みちあるき」
開催日 | 時間 | 集合場所、コース等 |
6月17日(土) | 13:00~17:00 | 一の矢~若森縣庁跡付近 |
7月15日(土) | 13:00~17:00 | 若森縣庁跡付近~北条 |
11月11日(土) | 13:00~17:00 | 北条~菅間 |
12月16日(土) | 13:00~17:00 | 菅間~上大島 |
1月6日(土) | 13:00~17:00 | 筑波山口~筑波山神社 |