月曜日, 4月 29, 2024
ホームスポーツ女子フルは松村幸栄が大会新で初V かすみがうらマラソン

女子フルは松村幸栄が大会新で初V かすみがうらマラソン

第33回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2023(土浦市など主催)は16日、土浦市川口の川口運動公園J:COMフィールド土浦を発着点に開催された。フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門と同時開催のウオーキングを合わせ1万4056人がエントリーし、春の日差しの中で健脚を競った。

女子フルマラソンは、松村幸栄(34=コモディイイダ)が2時間39分17秒の大会新記録で初優勝した。ゴール後、「優勝は久しぶり。記録を塗り替えたことに自信を持ち、夏や冬に挑みたい」と第一声。かすみがうらは初参加で、コースを走るのも初めて。「前半はアップダウンが多いので、行きたい気持ちを我慢して足を貯めて、湖面が見えた25キロ過ぎから気持ちを切り替えた」。20メートルほどの差でトップを走っていたのは、大会3連覇中の藤沢舞(48=札幌エクセルAC)。30キロ過ぎで追い越すと、さらにエンジンをかけた。

フルマラソン女子、松村幸栄のフィニッシュ

スタート時は厚い雲に覆われていた空も、20キロくらいから日差しが出て気温も上昇。「コースには日陰がないので、給水ポイントごとに体に水をかけてしのぎ、優勝者特典のシドニーマラソン派遣を目の前にぶら下げて、気持ちを振るい立たせた」という。今年はここまで月1回のペースでフルマラソンに参加。「常にベストを出せるよう、自分の弱い部分と向き合いながら、苦しいところでもう一度踏ん張れる走りをしていきたい」と挑戦を続けている。

男子は独走でベンジャミン

男子フルマラソンは、ケニア出身のガンドゥ・ベンジャミン(31=栃木県陸上競技協会)が2時間14分56秒で優勝。大会記録(2時間14分20秒)まで36秒差。2キロ付近でトップグループを抜け出し、独走状態に入った。「かすみがうらは初めて。沿道の人たちがすごくいい応援をしてくれて盛り上がった」

フルマラソン男子、ガンドゥ・ベンジャミンのフィニッシュ

日本大学出身、4年時の箱根駅伝では2区の区間賞に輝いた。会社員や地域おこし協力隊員などを経て、今は壬生町役場スポーツ振興課で子どもたちの指導に携わる。昨年の第7回水戸黄門漫遊マラソンでは2時間18分2秒の大会新記録で優勝した。今季の目標としては、来年の東京マラソンで2時間8分を出したいという。

準優勝は牛久市在住の柴田拓真(28歳=小森コーポレーション)。「練習の一環として参加し、予定通りのレースができた」と、目標タイムを上回る2時間19分50秒を達成。コースの後半は練習でもよく走っていて馴染みがあったそうだ。北海道出身で、平成国際大学の2・3年時に箱根駅伝出場。来年のニューイヤー駅伝では好成績を出してチームに貢献したいと話す。(池田充雄)

フルマラソンのスタート=土浦市川口

その他各部門の優勝者は次の通り。
▽10マイル男子 赤津勇進(21=駒澤大学)48分07秒▽10マイル女子 梅木優子(21=拓殖大学)58分02秒▽5キロ男子 相馬一生(28=新潟県FREERUN)15分41秒▽5キロ女子 松本恭子(52=千葉県)18分04秒▽フルマラソン男子ブラインド 堀越信司(34=大阪府NTT西日本)2時間26分21秒▽フルマラソン女子ブラインド 道下美里(46=福岡県三井住友海上)3時間09分00秒

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

4 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

4 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

宇宙へのあこがれ 80mのアートに 今井義明さん 1日から県つくば美術館

画材一式を背負って世界各国をめぐり、現地で人間や環境をテーマにしたアート制作に取り組んできた画家の今井義明さん(81)=かすみがうら市在住=の展覧会が1日から県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まる。宇宙への思いのたけを幅1メートル×タテ1.7メートルのパネル80枚に描き、全作を横並びに連ねて展示するというスケールの大きな展示会で、「ゴールデンウイーク中の子供たちに観てほしい」と来場を呼び掛けている。 143回目となる展覧会は「未来へ宇宙オリンピア」がテーマ。人類の宇宙へのあこがれに、想像力を羽ばたかせたアクリル画80枚を展示室の中空に吊り下げる。1枚1枚のパネルを屏風状に連ねて吊り下げるため、美術館保有のワイヤーでは不足が生じ他館から調達して間に合わせるという前代未聞の展示法になる。 1960年代に画業をスタートさせた今井さんは車に画材や生活用具一式を積み込み、全国各地で野外絵画展を開き、93年までに全国47都道府県を巡回した。97年からはバックパッカーとなって世界各国をめぐり、中国を皮切りに5大陸を踏破して 2006年には世界一周達成展を開催、20年の「万葉集・花展」までに142回の展覧会をこなし、人類や環境をテーマとしたアートを発表し続けてきた。 さらに宇宙へとイメージをふくらませた展覧会を東京五輪に合わせ20年に企画したが、折からのコロナ禍で断念。今回は早々につくば美術館のゴールデンウイーク中の日程を押さえ、4年越しの開催に漕ぎつけた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙センターが所在し、つくばエキスポセンターも最寄りに立地する美術館で、是非とも開きたかった会場という。 「宇宙への夢を実現するのはいつも子供たちだから、この奇想天外な世界に遊びに楽しんでほしい」と今井さん。4年前の制作物を描き替え、描き加えてパネルの総延長は約80メートルになる。照明を落とし宇宙に見立てた80メートルの空間を、子供たちが聖火トーチを持って走るイメージの趣向も考えているそうだ。(相澤冬樹) ◆今井義明展は5月1日(水)~6日(月)、県つくば美術館。入場無料。電話0299-59-4152(アートセンターイマイ)

乳がんについて知っておきたいこと《メディカル知恵袋》4

ありふれた病気 【コラム・乳腺科医師】乳がんは今や日本人女性の9人に1人が発症する時代となりました。好発年齢が40代および60代と社会や家庭で活躍する年齢層であり、乳がんの発症によりその重要な役割を充分に果たせなくなることは社会問題であると言えます。 罹患率こそ女性第1位でありますが、5年相対生存率(あるがんと診断された場合に治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標の一つ)は92.3%(2009~11年:がん情報サービスがん統計より抜粋)と決して低くありません。ただし病期(ステージ)が進むにつれ治療も難しくなるので早期発見・早期治療が肝心です。 初期治療 乳がんの初期治療には、手術、放射線療法といった局所療法と薬物による全身療法があります。最適な治療方針を決定するためには組織診断と画像診断が不可欠です。乳がんが非浸潤(ひしんじゅん)がんか浸潤がんか、リンパ節やほかの臓器に転移をしていないかなど、がんの進行度や特性に応じて治療を行っていきます。 非浸潤がんは、乳管・小葉内にがんがとどまっている状態を指し、局所療法のみで根治可能です。浸潤がんは乳管・小葉周囲にがんが広がった状態であり、すでにリンパや血液の中にがんが潜んでいる可能性があることから、それらを根絶するために全身治療が必要となります。 局所療法 乳がんの手術は乳房と領域リンパ節にある病巣の切除からなります。乳房の手術は乳房をすべて切除する全切除と、病巣を切除する部分切除(乳房温存術)があります。乳房温存術は病巣が小さい、限局しているといった適応となる条件があり、術後は残った乳房に放射線療法を行う必要があります。全切除では、乳房の喪失感を補うために乳房再建術を同時に行うことも保険適用で可能です。 領域リンパ節の手術は、術前に明らかなリンパ節転移を認めない場合に「センチネルリンパ節生検」を行います。センチネルリンパ節とは、リンパ流に乗ったがん細胞が最初に転移するリンパ節のことです。センチネルリンパ節に転移を認めなかった場合にはそれより奥のリンパ節の郭清(根こそぎ切除する)を省略可能であり、上腕の浮腫や知覚鈍麻の発症を防ぐことができます。術前からリンパ節に転移を認める場合やセンチネルリンパ節に転移を認めた場合にはリンパ節を郭清(かくせい)します。 全身療法 薬物療法には、ホルモン療法、化学療法(抗がん剤治療)、分子標的薬療法、免疫療法があります。乳がんの約7割はホルモン受容体陽性で女性ホルモンの一種であるエストロゲンにより増殖が促されるため、エストロゲンを抑える治療を行います。  HER2(がん細胞の増殖に関係するタンパク質)陽性乳がんには、抗HER2療法を用います。化学療法はがん細胞に対する効果が期待されると同時にがん以外の正常な細胞に影響を与える可能性があり、適応や使用には十分に注意します。 脱毛や悪心などに代表される副作用に対する支持療法も発展してきています。近年では、ホルモン療法にCDK4/6阻害薬という分子標的薬を併用したり、化学療法に自己の免疫を賦活化させる免疫療法を併用させたりすることで、再発予防効果が高まることが知られています。 遺伝も関連 乳がんの5~10%はその発症に遺伝が関連していると言われています。親から子に受け継がれる遺伝子に変化を認めることで、がんを発症しやすくなる体質のことを遺伝性のがんといいます。 その中でも、BRCA1またはBRCA2遺伝子に変化を認めることを「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)」といい、乳がんの約5%でみられます。生涯にわたり乳がん、卵巣がんを発症する確率が高いほか、前立腺がんや膵(すい)がんの発症とも関連していることがわかっています。HBOCの場合、がんを発症していない側の乳房や卵巣の予防的な切除や遺伝子の変化に対応した治療薬による治療を行うことが可能です。 1人ひとりに合った治療を提供 このように、乳がん治療は多岐にわたります。それに加え、仕事や学業、妊娠・出産、子育てなどの生活との両立に悩まれる方も多いのではないかと思います。治療のためだからといって、すべてを諦める必要はありません。必ずあなたに合った治療があると思います。私たちは、1人ひとりの患者さんに合った治療を提供していけるよう、日々診療を行ってまいります。(筑波メディカルセンター病院 医師)

山麓の田んぼに「逆さ筑波」出現

田植えを前に田んぼに水が張られ、筑波山麓では「逆さ筑波」が現れ始めた。田んぼの水面が鏡となって筑波山が逆さに映る。 筑波山東側の石岡市に住む出版業、野末琢二さん(65)は、逆さ筑波を地域の魅力の一つとして捉え、2015年からフェイスブックで「逆さ筑波」の写真を募集し発信している。 毎年30点ほどの作品が集まる。二つ峰の逆さ筑波のほか、女体山が男体山に隠れて一つ峰になった逆さ筑波などが水面に映る。 野末さんは「田植え前に水が入る時期から、田植えが終わって早苗が成長して水鏡に山が映らなくなるまで、ちょうど4月下旬から6月上旬まで、わずかな時の逆さ筑波との出合いを大事にしたい」という。 野末さんが逆さ筑波を発信するようになったのは、11年の東日本大震災と12年の北条の竜巻災害がきっかけだ。「災害が2年続いて起き、精神的に落ち着かない日々だった。翌13年、桜の季節が終わり、田んぼに水が張られた頃、筑波山がぽっかりと水面に映っていた。逆さに映った筑波山がとっても新鮮で愛らしかった」と話す。逆さ筑波は毎年出現していたはずなのに、急に魅力的に感じられ、皆が撮った写真を募集してみようと思い立った。 山麓の同市神郡に住む肥田芳宣さん(58)は、地元をジョキングする合い間に逆さ筑波を撮影し、野末さんの呼び掛けに応じて毎年、写真を投稿している。 肥田さんによると撮影のポイントは「風が吹き始める午前6時前が狙い目。場所としては、西はつくば市寺具や筑西市赤浜、南はつくば市小田、北は桜川市樺穂まで」と言い、1枚の田んぼでは、水が張られてから田植えまで約1週間と、田植えから苗が成長するまで約3週間の1カ月間が撮影のチャンスだという。 筑波山麓ではほとんどが5月上旬までに田植えを終える。野末さんは間もなく、今年の逆さ筑波の写真の募集を開始する予定だ。 逆さ筑波は、風がない晴れた日に見ることができる。筑西市の母子島(はこじま)遊水池の逆さ筑波などが知られる。(榎田智司)

解消が進まない所有者不明土地問題《文京町便り》27

【コラム・原田博夫】日本の土地利用に関してはこのところ、耕作放棄地、空き家問題、ゴミ屋敷問題、シャッター商店街に加えて、所有者不明土地問題も、人々の口の端に乗るようになっている。要するに、本来、公共的性格をもっているはずの土地利用が、街づくりや災害復旧の現場をはじめ、さまざまな局面で滞っていることの表れのようだ。 こうした問題に対応するため、国は近年、関連諸制度の見直しに取り組んでいる。2018年6月の「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」(所有者不明土地法)の制定を皮切りに、2020年3月には土地基本法が30年ぶりに見直され、土地の適正な「利用」と並んで、「管理」の重要性が土地政策の基本に位置付けられた。 同法では、法の対象とする「所有者不明土地」を、「相当な努力がはらわれたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地」(2条)と定義する。 2023年4月には改正民法が施行され、所有者不明土地や管理不全土地に特化した新たな管理制度や、相続制度・共有制度等に関する新規律の運用が始まった。同月には、所有者不明土地の予防策として、相続により取得した土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」もスタートした。 この「相続土地国庫帰属制度」は、申請要件として、管理コストの国への不当な転嫁や所有者が通常の管理を怠るなどのモラルハザードを防ぐ観点から、建物がある土地や境界が明らかでない土地等は不可であり、また、10年分の土地管理費相当額の負担金を納めることが必要とされる。 2023年4月27日に施行され、同年2月22日の事前相談開始から24年3月31日までの13カ月で2万件超の相談が寄せられ、申請件数は1905件、うち248件は国庫帰属が確定している。2024年4月からは相続登記の申請義務化も始まったので、この傾向は加速する可能性がある。これは事態改善への一歩前進である。 負担が重い土地所有者の探索 一方、人口減少下の国土管理の新たな手法として、国、都道府県、市町村、地域の各レベルで、土地管理の在り方を検討する「国土の管理構想」の仕組みが2021年6月に策定された。要するに、土地所有者の責務の明確化と「地域」の役割の重視、である。ポイントは、「所有者以外の者」すなわち「近隣住民・地域コミュニティ等」を、土地政策の担い手の一つとして明確に位置付けたことである。 具体的には、所有者不明土地対策の実施に要する費用の一部を国の直轄調査を通じて支援する「地域福祉増進事業」制度があり、全国展開を図るために先進的な取組の募集・採択が行われている(採択数は、2019年度6件、20年度7件、21年度7件など)。しかし、この制度を使って所有者不明土地の活用に至った事例は、新潟県栗島浦村(自治体)による1件に留まっている(2023年12月現在)。 スムーズな導入が進まない背景には、推進調査の実施主体の設定の難しさに加えて、土地所有者を探索する負担の重さがあるようだ。現状は、問題解決というより所在の端緒(たんちょ)に、着いたばかりである。(専修大学名誉教授)