バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は今季最終戦の26日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで大同特殊鋼(本拠地名古屋市)と対戦し、セットカウント3-2で勝利した。これで通算成績11勝15敗、10チーム中8位で今季を終えた。この試合でVリーグ通算231試合出場を果たした瀧澤陽紀が現役引退を発表した。
2022-23 Vリーグ2部男子(3月26日、つくばカピオアリーナ)
つくば 3-2 大同特殊鋼
25-20
25-23
29-31
23-25
15-13
つくばは危なげない立ち上がりで第1、第2セットを連取。セッター于垚辰の緩急あるトス回しとレフトの架谷也斗、ミドルの松田康河らの息がピタリと合った。
于は今季入団、中国代表の主将も務めた経験がある。高いトスや低くて速いトスを巧みに使い分け、196センチの身長を生かしたブロックやツーアタックも得意とする。
架谷は昨季、大阪体育大でエースと主将を務め、関西大学リーグで得点王にも輝いた。今季開幕からレギュラーとして定着、持ち前の高さとパワーを生かしたスパイクのほか、この日は軟攻や一人時間差などの小技も発揮。「もともとハイセットをしっかり打ち切るタイプだが、それだけでは戦っていけないので、最近は小技も意識している。今日は最近でもベストのパフォーマンスが出せた」とのコメント。
松田は3年目のミドルブロッカーで、この日はBクイックが面白いように決まった。「相手がコミットしてくるので避けながら、どんどん使っていいよと話していた」と、浜崎勇矢監督は明かす。
第3セットからはメンバーを入れ替え、鈴木匡教や松林哲平らを投入。アキレス腱断裂で戦列を離れていた鈴木は、慣らし運転でもさすがの決定率の高さを見せた。松林は2年目。「ジャンプ力があり、いいところで決めてくれる。来年が楽しみ」と浜崎監督の評。
だが第3、第4セットとも途中から相手を追い掛ける展開になり、終盤はデュースにもつれ込むがセットを落としてしまう。「競っている中でチームの若さが出た。克服したい部分」と浜崎監督。要所で出たサーブミスやつなぎのミスも痛かった。
第5セットは一度だけ逆転を許したものの、ほぼ終始リードを保ち、シーズン有終の美を飾ることができた。途中出場の瀧澤陽紀がチームを落ち着かせ、サーブの安定感なども光った。
瀧澤は2013年に東北学院大を卒業して入団。チームがV1に手が届きそうだったときや、都澤凡夫初代監督との死別のときも知る今では数少ない一人。主将やコーチを歴任し、チームのムードメーカーでもあった。浜崎監督も「ほぼ10年一緒にプレーしてきただけに、特別な思いがある」とその引退を惜しむ。
「チームが良い方向へ行くよう、意見を言いながらこれまで頑張ってきたが、若い選手も自分たちでできるようになってきた。次の自分の役目を考え、サンガイアバレー教室などでのレッスンを通じて、未来のある子たちのためバレーを発信していきたい」と今後の展望を話す。(池田充雄)