【コラム・山口絹記】最近、訳あって新しい撮影機材を導入した。ミラーレス一眼というヤツだ。写真を撮らない方でも名前くらいは聞いたことがあると思う。
このミラーレス一眼と言うのは、その名の通りミラーが無い一眼レフのことだ。そもそも一眼レフカメラの「一眼」と言うのは、ファインダーをのぞけば撮影用のレンズを通した像を見ることができるカメラのことで、レンズを通した像をファインダーに届けるためにミラーが内蔵されている。「レフ」というのは「光を反射する」という意味なのだ。
ではミラーがなくなり、どうやって像をファインダーに届けるのかと言うと、ファインダーの中に小型液晶が搭載され、レンズを通した像をリアルタイムで映している。
実はカメラと言っても様々な種類があって、一眼に対してレンズが2つ付いた二眼レフカメラというものもあるし、レンズとは別に測距用のファインダーを持つレンジファインダーというカメラもある。それぞれ一長一短があって、カメラマンは自分にあったカメラを使うことができるのだが、実際のところ現在の主流はミラーレス一眼カメラになっている。
それでも私はこの15年ほど、ずっと一眼レフ機を使ってきた。電子式ファインダーよりも光学ファインダーののぞき心地が好きだったからだ(のぞき心地に関しても現在はほぼ解決されつつある)。
ついにミラーレス一眼にデビュー
そんな私がついにミラーレス一眼デビューしたのには、少し遠回りの理由がある。
実はこの半年ほど、バーチャルの世界での写真撮影にハマっている。バーチャル、いわゆるPCやテレビゲームの中の空間で写真を撮ることができるのだ。実は結構昔からあったシステムなのだが、最近のゲームのグラフィックの向上によって、まるで現実のような写真が撮れるようになってきている。
ゲームの世界を歩き回りながら撮影しているうち、今までの自分であれば撮らなかったような写真もゲームの中では撮るようになった。特にストリートスナップという、いわゆる街中の写真だ。
これは現実の世界でも撮ったら楽しいかもしれない、と思うのに時間はかからなかった。今まで使っていたカメラでも撮れないことはないのだが、いかんせん見た目もデカくて迫力あるカメラのため、街中でサッと使えるコンパクトなカメラ、そう、ミラーレス一眼を導入してみよう、となったわけだ。
次回は、このバーチャル世界での写真撮影、「バーチャルフォトグラフィー」というものについておはなししてみようと思う。(言語研究者)