火曜日, 4月 7, 2026
ホームつくば「次の市長選、市議選は必ずインターネット投票を」【スーパーシティって何@つくば】1

「次の市長選、市議選は必ずインターネット投票を」【スーパーシティって何@つくば】1

つくば市が今年4月の閣議で「スーパーシティ」型国家戦略特区に指定された。7月15、16日には市内の商業施設、イーアスつくばで、市によるキックオフイベントが開かれた(7月15日付)。国に対し、つくば市がアピールした看板事業はインターネット投票だ。スーパーシティって何だろうか。

「3年後(2024年)の市長、市議会議員選挙で、必ずネット投票を導入したい」ー。2021年5月、オンラインで実施された内閣府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)のヒアリングで、五十嵐立青市長は国の委員らにこうアピールした。

国がホームページで公開している議事録によると、「昨年(2020年)市長、市議選が行われたが、投票率は過去最低の51%。20代前半が3割を切っている。70代に向かって投票率が上がっていくが、80代以上が急落して40%を割り込む。市内で高齢化率トップの地域の役員さんにいろいろ話を聞いたところ、投票所まで行けないというのが非常に多い。インターネット投票があれば助かるという声もいただいた。筑波大での調査でも約9割がネット投票を使いたいということだった」と五十嵐市長。

続けて、市内の学校の生徒会選挙で行われたインターネット投票の実証実験の実績を強調し、「スーパーシティ基本構想の住民投票でも、必ず(インターネット投票を)活用したい」とも述べる。

特区の委員は期待、総務省は難色

つくば市をスーパーシティに選んだ、内閣府国家戦略特区の専門調査会が、同市に最も期待するのもインターネット投票の実現だ。国の委員からは「このインターネット投票をぜひできるように、そうすれば非常に大きな目玉になる」(竹中平蔵慶応義塾大名誉教授)、「つくばに関してはインターネット投票、これは何とか実現しないといけない」(原英史WG座長代理)と口々に期待を語る。

ただし公選法を所管する総務省は現時点で、インターネット投票の実施を認めていない。「選挙の公正確保の観点から課題があり、選挙制度の根幹に関わる問題であるため、各党各会派における議論が必要であり、特区として実験的に行うべきものではない」という立場だ。

投票の秘密、買収や強要に懸念

投票所以外の、どんな場所からも投票できるインターネット投票に対しては、投票の秘密が守られる環境が確保できるのかや、買収や強要などの事態が横行するのではないかという懸念がある。

国の委員の高橋滋法政大学教授は解決策として「例えば公選法を改正して、条例によって、選挙事務所で投票のために端末が利用されないよう配慮する義務を選挙責任者に課すことができるようにする、かつ、選挙責任者の違反に対しては連座制を本人に適用する、そして特定の候補者について運動した者については、有権者に対してスマホやパソコンを用いた投票の動作の確認を求め、あるいは確認してはならないとする禁止規定を罰則で設ける等の提案をする、さらには、何人も有権者に対して、スマホ、パソコンを用いた投票の動作の確認を求め、確認してはならないとする規定を設ける等、柔軟な発想、対処方法を示しつつ働き掛けをすべきではないか」などとアドバイスする。

金品をばらまいて票を買うなど金権選挙の摘発が全国各地で無くならない中、買収や強要などの懸念は払しょくできるのだろうか。

つくば市の森祐介部長(当時)は6月議会の一般質問で、なりすましや強要などへの懸念に対し、「技術的に解決できるか検討する」などと答弁。市スマートシティ戦略課はその後の取材に対し、買収の懸念について「買収された本人の意思によって投票しているため、技術的に防止するのは難しい。こうした場合は、罰則を設けるなど法令で対応する方法が考えられる」とし、強要の懸念に対しては「強要は本人の意思によらずに投票を強制されているので、上書き投票(再投票)を可能とするなど技術的に解決する方法が考えられる」とする。

ただし、上書き投票を可能にするためには、1回目にだれがだれに投票したのかを判別できることが前提になる。選挙の基本原則である、だれがだれに投票したか分からないよう秘密を守るという「投票の秘密」を侵すことになってしまう。これに対し同課は「秘密投票との関係もあるので、慎重に検討していく必要がある」とする。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

9 コメント

9 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

開幕戦は引き分け つくばFC

1年で1部復帰目標 第60回関東サッカーリーグが4日開幕した。2部男子のジョイフル本田つくばFC(本拠地つくば市)は5日の開幕戦でオノデラFC(本拠地 横浜市)と対戦、互いに決め手を欠き、0-0の引き分けで終わった。開幕戦はホームのつくば市山木、セキショウ・チャレンジスタジアムで開催された。 第60回関東サッカーリーグ2部 第1節(4月5日、セキショウ・チャレンジスタジアム)つくばFC 0-0 オノデラFC前半0-0後半0-0 つくばFCは1年での関東リーグ1部復帰を目標に掲げ、開幕に向けて2カ月前から準備に取り組んできた。試合前半はその成果が出て、相手のシュートを0本に抑えつつ、ボールを保持して主導権を握る戦いができていた。だが後半はボールへの出足や運動量が鈍り、押し込まれて後手に回るようになった。最終的に、後半だけで7本のシュートを相手に許している。 「無失点で粘れたことは非常に良かったし、前半は良い守備から良い攻撃という形で、何度も相手ゴールに迫ることができた。だが後半は相手が戦い方を修正し、準備が整っているところへ自分たちが飛び込んでいく形になってしまった」と楠瀬章仁監督。 「陣形が間延びして中盤でセカンドボールを拾われ、自分たちがボールを前へ送っているつもりでも、逆に押し込まれる展開を作られてしまった。攻撃しながら守備もしっかりイメージしないといけないし、守備から攻撃への連動も必要。攻守が表裏一体でつながっている部分は、チームとしてもっと突き詰めないといけない」と菅谷将人主将。 楠瀬監督は「今日は前の動き出しが少なく、長いボールが増えてしまった。そこには開幕戦の緊張や負けたくないという思いもある。次は緊張もほぐれると思うので、フォーメーションやシステム、ボールの動かし方を調整し、もっと自分たちの目指すサッカーをやりたい」と強調する。 若手とベテランの良いバランス 今季新規加入選手の一人に関口訓充がいる。かつてベガルタ仙台や浦和レッズなどで活躍し、日本代表にも選出されたミッドフィルダーだ。5日は2列目の中央で先発し、攻撃のスイッチを入れたり、自らゴール前へ走り込んだり、ボールを落ち着かせたりなどチームの要として90分間走り続けた。「つくばはチームの雰囲気が明るく、若くて野心ある選手が多い。もっとやれるし、もっと上へ行かないといけないチーム。昇格のために少しでも力になりたい」と話す。 楠瀬監督も現役時代はヴィッセル神戸や松本山雅FCで活躍。こうした経験豊富な人材から、若い選手が学ぶことは多いはずだ。 「関口は言葉でもプレーでもチームを引っ張り、いい流れをもたらしてくれる存在。他の選手はそれに引っ張られているだけでなく、追い越していかないとトップレベルへは行けない。選手として非常に大切なこと」と楠瀬監督。 「若い選手も自分をしっかり表現することでは全然劣らず、前向きなパフォーマンスを見せている。そこで少しの食い違いやバランスの悪さを感じた時に、広い視野で働きかけるのが自分や関口の役割。経験豊富な選手にうまく頼りつつ、任せきりではなく協力し合ってチームの力を引き上げていきたい」と菅谷主将は目論む。 開幕戦でつくばFCは勝ち点1を獲得し、順位は10チーム中5位。次節は12日、とちぎフットボールセンター(栃木県矢板市)でヴェルフェ矢板と対戦する。(池田充雄)

里山に響く若者たちの声《宍塚の里山》134

【コラム・齋藤桂子】宍塚の里山には、月1回、法政大学のサークル「キャンパス・エコロジー・フォーラム(略してキャンエコ)が通ってきています。初めて来たのが2002年11月と聞いていますから、今年で24年になります。私がキャンエコと活動するようになってから10年になります。私の体力は少しずつ低下する一方で、学生たちのエネルギーはますます々アップしているように感じます。 最近の参加人数は、平均すると30人ほどですが、50人に達することもあります。具体的な活動内容は、外来魚や外来植物の駆除、雑木林での落ち葉かき、増え過ぎた植物の伐採や抜き取り、竹細工、溝さらいなどですが、彼らの表情はいつも明るく楽しそうです。 最近は、学生たちからの「〇〇をやってみたい」という提案で始める活動が増えています。提案は、学生の代表から出る場合もありますが、1年半前から実施している活動後のアンケート結果から生まれることもあります。その結果、生き物調査、里山ダンスの創作、山道の階段づくり、森の看板づくり、森づくり、ピザづくり、竹炭づくりなどの活動が進行しています。 これらは、全員でやるよりも数人で取り組んだ方が効率が良いので、希望者を募ってプロジェクトチームを結成して進めています。 階段づくりプロジェクトチームは5人で結成し、昨年11月からの3回で二つの階段を造り上げました。仲間と試行錯誤しながら仕上げたときの達成感は、この上ない喜びとなったことでしょう。寒い中で顔を真っ赤にして汗を流す彼らの表情は、喜びと充実感がみなぎっていました。活動後の反省文に「またこのようなプロジェクトに参加してみたい」とありました。 今日は一番楽しかった さまざまなプロジェクトは、まだ始まったばかりですが、細分化されればされるほど私1人の力では動かすことが難しくなります。しかし、宍塚の会の方々はみなさん協力的で、学生の気持ちに寄り添いながらサポートしてくれます。里山に集まってくる人たちは、やさしさも一緒に連れてくるような気がするのは、私だけの感覚でしょうか。 学生たちの活動が活性化しているもう一つの要因は、彼らが上手にSNSを使っていることだと思います。アンケート調査と集計はネットでやっています。また、事前に私から活動内容を受け取ると、代表が参加者の希望を聞きながらグループを決め、里山に到着した後、すぐに活動に入れるようになっています。 キャンエコ代表の任期は、10月から翌年の9月までです。昨年10月、新代表が初めて35人のメンバーを連れて里山にやってきました。代表としての初日、さぞかし緊張しているのだろうなと見守っていましたが、活動後のあいさつで「代表になって初めての活動でしたが、今日は今までで一番楽しかったです」と、ニコニコ顔で話した瞬間、みんなの拍手が里山に響き渡りました。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

切り捨て《短いおはなし》

【ノベル・伊東葎花】 2100年、人間は2種類に分けられる。AIを使う人間と、AIに使われる人間。約7割の人間は、AIに使われている。AIロボットの指示で働き、失敗すると容赦なく切られる。切られた人間はスラム街へ流れ、一生這い上がれない。 私はもちろんAIを使う側の人間。 「おはよう、アンジー、西区の売り上げを出してちょうだい」 「かしこまりました。ケイト様」 「Bブロックの業績が悪いわ。原因は何だと思う。アンジー」 「ロボット30台に対し、人間200名は多いかと。人件費が無駄です」 「そうね、50名ほど切りましょう。ピックアップお願い」 「承知しました」 AIロボットは、人間みたいに迷わない。的確に、能力が低い人間を切り捨てる。 「ケイト様、今日はマリアさんのバースデーです」 「あら、そうだったわ。ぬいぐるみでも贈っておいて」 「ケイト様、マリアさんは12歳です。アクセサリーがよろしいかと」 「そう。じゃあアンジー、お願いね」 結婚はしていないけど娘はいる。遺伝子を残すために作った娘。それがマリア。研究施設に預けて、優秀な子育てロボットに全てを任せている。面会は年に一度。成長を確認しに行くだけ。 今日はマリアとの面会日。高級なお菓子を持って、研究施設に行った。ここには人間の大人はいない。完璧なシステムを組み込んだAIロボットが、食事から学習、運動能力から就寝まで管理する。「いらっしゃいませ、ケイト様」 「こんにちは。マリアはどこかしら」 「マリアさんはC棟です」 「C棟? そんな施設あったかしら」 オートカートに乗って着いたC棟は、まるでスラム街のようだ。すさんだ目の子どもたちが、私からお菓子を奪ってむさぼるように食べた。ひどい場所。こんなところにマリアがいるはずない。 「ママ」 振り向くと、マリアがいた。擦り切れたジーンズを履いている。 「マリア、いったいどうしたの? ママが送った服は?」 「高価な服は、落ちこぼれ棟には回ってこない」 「落ちこぼれ? マリアが?」 「そう。あたし勉強できなくて、AI先生に切られたの」 「何ですって?」 「でもね、こっちの方がいい。自由だもん」 何てこと。信じられない。私はすぐに、施設長に苦情を言った。 「多額の寄付をしているのに、どういうことなの?」 「マリアさんは、われわれの理想とするレベルには程遠いです。よって、切り捨てました」 「切り捨てた?」 「私たちはそのようにプログラムされておりますので」 「戻しなさい。すぐにマリアを戻しなさい」 AI警備隊によって、私は外に出された。クレーマー対応ボタンが押されたのだ。 能力が低ければ切り捨てる。すべて私がAIにやらせていたこと。それが正しいと信じていたこと。混乱しながら、フェンスを伝って歩いた。 「ママ、バイバイ」 C棟の前で、マリアが無邪気な顔で手を振った。娘の笑顔を初めて見た。そして私は、初めて泣いた。 (作家)

10年の区切りに…《令和樂学ラボ》40

【コラム・川上美智子】45年にわたる大学勤務を70歳で終えて、ちょうど10年が過ぎた。老後の時間をどのように過ごすかは、誰にとっても大きな課題であろう。それまでの経験を生かして生きがいを持ちながら、自分を活かす方法を探ってきた10年間の足跡を総括してみた。 大学では73歳まで非常勤講師として勤務できることから、3年間は週2コマ程度の授業を担当しながら、新たに水戸に開設された民間の認可保育園の園長を3年間務めた。大学勤務の時に茨城県初の認定こども園設置のモデル事業を担当した関係で、幼児教育には少しはなじみがあったが、保育現場で発生する課題の多くを知る3年であった。 ここで学んだ経営管理手法を生かし、つくばの認可保育園「みらいのもり保育園」開設に関わることになり、準備期間1年、園長4年を務め、その後は会社のアドバイザーの立場で関わりをもっている。今年の3月にはゼロ歳児であった園児が卒園を迎え、旅立ちの姿を見届けることができた。 毎年、園児には卒園制作として陶芸体験をさせ、ペンダントを作らせている。どの子も思い思いにユニークな形に練り上げ、出来上がりをとても楽しみにしてくれる。卒園後、宝物やお守りのように大事にしてくれる子もいる。こちらも、大学生や院生に卒論や修士論文を仕上げさせた時のように、一緒に小さな達成感を味わっている。 これと並行して某社を訪問し、週1~2時間、野菜関係の商品開発や研究などについて社長より相談を受けている。こちらは、筆者の専門領域を生かせる分野であり、研究や学びの継続につながっている。 またNPO活動の「子ども大学常陸」では、長らく学長と理事を務めており、年1回、小学生を対象に大学レベルの授業をわかりやすく行っている。このNPOでは、若い理事長が積極的に動いており、日立駅前の子どもの屋内型遊び場「Hiタッチランド・ハレニコ」運営の指定管理を日立市より受けていて、ほぼ年中無休で開館している。 さらに先日は、高萩ユーフィールド運営会社と連携協定を結んだ。屋内だけでなく、緑豊かな自然環境の中での子どもたちの体験活動プログラムを展開して、広く子どもの育ちを支援できればと考えている。 ボランティア活動にもいろいろ関わってきた。ロータリー活動の一環で、水戸市内の子どもの遊び場の玩具の清掃、年1回の障害のある子どものアート展開催、子どもフードパントリーの手伝いなど、また学区内の学校運営協議会への参加、町内会長としての防犯パトロールなど、高齢なりに地域活動ができたと思う。 次の10年こそは… 趣味が高じた陶芸活動にも少し欲が出てきている。暇を見つけての作陶で一つの作品を作るのに時間はかかるが、展覧会に出す大型作品の制作だけはずっと続けて行きたいと考えている。 地域に役立つことと自己表現に力を入れた10年であったように思うが、本当に短かった。次の10年こそは、断捨離と研究の整理など先延ばしにしてきた自分のことをやり、子どもや孫と過ごす時間も大切にしたいと思っている(関彰商事アドバイザー、茨城キリスト教大学名誉教授)。