【コラム・秋元昭臣】5月下旬、ビワイチ(琵琶湖一周サイクリング)走って、改めて自然のままの「カスイチ」(霞ケ浦一周サイクリング)に良さを感じました。「ビワイチ」は一般道であり、自動車に追われながら走りますが、「カスイチ」は全走路のほぼ半分が専用道路になっていて、車を気にしないで走れるからです。

また、「ビワイチ」は一般道路との交差点が多く、徐行しないで走る車が結構あり、とても危険を感じました。京都市内では、歩道の中に幅の広い自転車レーンがあり、ビックリしたものです。

車道脇にブルーラインがあるのは「ビワイチ」も「カスイチ」も同じですが、大きな矢羽根印が「ビワイチ」にはありませんでした。交差点では誘導ラインが切れてしまうので、曲がる場合、表示を見落としてしまうと、戻って出直すことに。これは「カスイチ」も同じですが…。

「ビワイチ」では、スマホのガイドは使わず、路面標識だけで走りました。案内地図には到着時間など記入もでき、休憩時に走行作戦を立てました。宿泊は、長浜と京都の2ケ所で、バイク野郎の宿「ライダーハウス」を利用。利用者は若者が多く、1畳1人で雑魚寝。宿泊料が安いのにはビックリ。

琵琶湖いろいろ:霞ヶ浦との比較

▽古代湖(世界に20しかない大昔の湖)で深い。海跡湖の霞ケ浦は浅い。水面は霞ケ浦の3倍の670平方キロ。平均の深さは霞ケ浦と同じ4メートルだが、北湖には最大深さ104メートルのところも。近年はヘドロ堆積が見られるそう。

▽「ビワイチ」の長さは200キロ。「カスイチ」+「つくばりんりんロード」=180キロ。「りんりん」も足せば、いい勝負。

▽透明度は悪くても2~8メートル。昔は霞ケ浦も10メートルぐらいあったが、今は0.6~2.5メートル。COD(水の汚れの指標、小さい方がきれい)は2.4mg/L。これは泳げたころの霞ケ浦の3分の1。琵琶湖にはかなわない。

▽京都・大阪・兵庫の水がめになっており、貯留量は270億立方メートルと、霞ケ浦の30倍。流入河川数は450本(霞ケ浦は56本)。鈴鹿、伊吹、野坂、比良山地からきれいな水が流れ込む。港の数は、大型港4、その他港65。霞ケ浦は150以上あるが、大型港は2つだけ。

▽観光船運航会社は、「大津汽船」をトップに4社。霞ケ浦は「ラクスマリーナ」「常陽観光」の2社。こちらも琵琶湖が上。

▽湖岸には砂浜が多く、水泳場やキャンプ場が多い。湖内の2島=竹生島(神様の島で人は住めない)と沖島へは、定期船が運航されている。(元ラクスマリーナ専務)