土曜日, 11月 8, 2025
ホーム土浦「音楽のある風景つくりたい」ギタリスト木村大さん 土浦駅ビルに教室開校

「音楽のある風景つくりたい」ギタリスト木村大さん 土浦駅ビルに教室開校

国内外から注目を集めるクラシックギターのトッププレーヤーで土浦出身の木村大さん(40)が、音楽教室「木村大Music Lab.(ミュージック・ラボ、通称キムラボ)」を土浦駅ビル「プレイアトレ」(土浦市有明町)3階に10日開校する。

木村さんの父親でギタリストの義輝さん主宰の木村ギター音楽院(美浦村)の分院となる。クラシックギターのほかアコースティックギター、ウクレレ、ボーカル、作詞作曲などを6人のプロ講師が教える。木村さんは子どもたちの指導をする。

木村さんは父親からギターを学び、14歳の時、東京国際ギターコンクールで優勝、17歳でCDデビューした。2002年英国王立音楽院に留学。テレビ番組にも多数出演し、これまで10枚のアルバムを発表するなど実力派だ。

考える時間たくさん取れた

開校のきっかけは、昨年開かれた市立図書館(同市大和町)での無料の演奏イベントだった。100人の定員がわずか2日で満席になり、「生まれ育った土浦に、自分が何かできることはないか」と考え始めた。

コロナ禍、新たなライブ活動はできず、その分アルバム作りや「自分が土浦にできること」について考える時間をたくさん取ることができたこともある。

コロナ前から漠然と持っていた「土浦駅にギターケースを持って歩く人を増やしたい、音楽のある風景をつくれたら」という思いが明確になった。「自分ができるのは、音楽を土浦の人たちのライフスタイルに提供することだ」と開校を決意したという。

木村さんは「気軽に立ち寄ってもらい、教室をきっかけに音楽に触れる人を増やしたい」と話し、「子どもたちの安全基地として、大人のたまり場としての役割を担っていけたらうれしい」と話す。

合唱すらできない

県内の中学の音楽授業にも、教室を役立てたい思いがある。木村さんは茨城県から依頼を受け、3年前からつくば市や大洗町などでギターの指導を行っている。中学校に赴いた際、コロナ感染予防のため合唱すらできない子どもたちを目の当たりにした。

木村さんは「子どもたちの成長を音楽を通じてサポートしたい。10年後、15年後、自信を持って学校や社会に出る手伝いができたら」と話す。

中学ではクラシックギターが授業の課題にあるものの、教えられる人材が少ない。中学生にギターを教えられる人材を教室から輩出できたらとも考えている。

4歳から100歳まで

教室のコンセプトは「4歳から100歳まで」。あらゆる年齢層に音楽を楽しんでもらいたいという思いだ。ギターやウクレレなど木でできた楽器は、使えば使うほど成長し続けて音に深みが出てくると木村さん。「楽器と一緒に成長してもらえたら」という。

オープンを前に5月からスタートした無料体験教室には、2歳から80代が訪れた。弟の祐さんに30分間指導を受けた龍ケ崎市の三ツ木正一さん(77)は「生まれて初めてギターを弾いた。楽しかった。達成感を得ながら楽しんでいきたい」と笑顔で語った。(伊藤悦子)

木村祐さん(右)にギターの持ち方を教わる三ツ木さん

◆木村大Music Lab.の問い合わせはTEL 029-821-0544 または携帯090-5373-8553(野田さん)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

2 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

2 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

人生100年時代、終活は「住まい」から サンヨーホームズが提案

【PR】人生100年時代を迎えて健康寿命が延びる一方、「老後の暮らし」や「介護」「終活」といった課題は、本人だけでなく親を持つ世代にとっても共通の悩みになっている。このような漠然とした不安に対し、東証上場企業のサンヨーホームズ(本社・大阪市西区西本町)が提案する「新しい住まいの選択肢」が注目を集めている。同社は、関東・中部・九州を中心に建設・不動産事業を展開し、安心できる暮らしを提供している。 自分らしく新たなシニアライフ 同社でシニア住宅の専門家として活躍する岩本将哲さんは、宅地建物取引士、終活カウンセラー、福祉住環境コーディネーターなどの資格を持つ「人生の相談役」。岩本さんは「終活は決してネガティブなものではなく、残りの人生を自分らしく生きるための前向きな準備だと思っています」と話す。 終活と聞くと、身の回りの整理や相続を想像しがちだが、「住まいこそが終活の鍵を握る」と強調する。老朽化した自宅は段差が多く、転倒のリスクが高まるほか、1人暮らしでは安否確認や緊急時の迅速な対応が難しく、家族にとっても大きな心配事となる。これらの問題を放置すると、いざ介護が必要になった際に精神的・身体的な負担が本人や家族に集中してしまう。 こうした背景から高齢者向けの住まいが増えているが、サンヨーホームズが展開する「サンミットひたち野東ステーションフロント」(茨城県牛久市ひたち野東 1-32-8)は、JR常磐線「ひたち野うしく駅」に直結し、一般的な施設とは一線を画すシニア向けの分譲型マンションだ。 「資産」として相続や売却も可能 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のような賃貸契約を基本とする高齢者向け施設とは異なり、サンミットは「資産」として所有できる点が特徴。万が一の際も相続や売却が可能で、家族への負担軽減につながる。 さらに、単なる不動産物件ではなく、入居者の生活を豊かにし、介護予防にもつながる多様な共用施設を完備。24時間365日常駐するスタッフによる見守りや緊急時対応、全館バリアフリー設計が安心感を提供。レストラン、大浴場、カラオケルーム、シアタールームなどの充実した共用設備は、入居者同士の交流を生み、新たなコミュニティを育む場となっている。 「安全な環境が整ったここでの暮らしは、これからの人生をどう楽しむかというワクワク感に満ちています」(岩本さん)。新しい趣味や仲間との出会いが生活の質を高め、心身ともに生き生きとした毎日を実現する。これは本人にとってだけでなく、親が元気に暮らす姿を見る家族にとっても大きな喜びとなる。 元気なうちに自分で未来を選ぶ 「終活は元気なうちに自らの意思で未来を選ぶことが重要。サンミットのような住まいを検討することは、終活を前向きに進める第一歩。ご家族と話し合うきっかけにしてください」と岩本さん。住まいから始める終活。サンヨーホームズの提案は、シニア世代に新たな安心と希望をもたらしている。 <資料請求や見学希望> 電話0120-555-712、または「サンミット」を検索。

子育てとカブトムシの関係《ことばのおはなし》87

【コラム・山口絹記】ぶぅーん、バチバチバチ。夜中になると聞こえてくる、こんな音に悩まされなくなると、あぁ夏が終わったんだなと実感する。そう、こどもが捕まえてきたカブトムシの羽音である。 我が家には4歳の男児がいるため、ご多分に漏れず夏になるとカブトムシと同居をしなければならない。これは親の義務教育のようなもので、もちろん例外もあるだろうが、そういったご家庭はまた違った何かを背負って日々を送られていることと思われるので、ここで語ることはしないこととする。 話をカブトムシに戻そう。世の中にはこんなにも娯楽があふれていて、子育ての悩みと言えばスマホの扱いをどうするとか、YouTubeは見せるべきか否かなどと言ったことがそこかしこで語られているのだが、カブトムシをどうするか、という議論は見かけたことがない。まぁ、親が大変、以外の問題がないからなのだろう。 飼わせてあげればいいじゃない。そんな声が聞こえてきそうなのだが、世の親御さんたちに代わって申し上げると、飼うのは子ではなく親なのである。賭けてもいいが(何を賭けるのは知らない)昆虫になど微塵(みじん)の興味のない親御さんでも、カブトムシの育て方は知っているはずなのである。これはもう義務教育だから仕方がない。 しかし、21世紀も四半世紀を過ぎてなお、こどもにとってのカブトムシの魅力とは何なのだろうか。論文を探してみたが見つけられなかったので誰か研究してくれないだろうか。 小さいころの夢は昆虫博士 まるでカブトムシを育てることを否定するかのような文面になってしまったので念のため断っておくと、私の小さいころの夢は昆虫博士になることだった。今は全く関係ない仕事をしているが、昆虫は今も割と好きである。 しかし、実は今も玄関にカブトムシの幼虫がいるのだ。2匹である。どこかで譲ってもらったらしい。私もカブトムシの幼虫を育てたことは無いので、これから勉強しなくてはならない(言語研究者)

金利引き上げ影響 増収増益に 筑波銀行 26年中間決算

筑波銀行(本社・土浦市、生田雅彦頭取)は7日、2026年3月期 第2四半期(中間)決算を発表した。半年間の純利益(連結)は37億8800万円で、前年同期比94.6%の大幅増となり、増収増益となった。生田頭取は「金利上昇の影響や(貸し倒れに備える)与信関係費用の減少などが増収増益につながった」などと話した。 本業による収益から経費を差し引いた単体のコア業務純益は前年同期比32.9%増の46億7400万円と過去最高になった。 連結の経常収益は前年同期比17.8%増の239億4700万円。金利上昇局面において、貸出金利息の増加に加え、有価証券利息配当金など資金運用収益が増加した。 経常費用は、与信関係費用が大幅に減少したが、預金金利の引き上げに伴う預金利息の増加や賃上げに伴う人件費の増加などから、前年同期比9.7%増加した。 預金残高は、法人預金は増加したものの個人預金と公金預金が減少し、前年同期比347億円減の2兆5995億円となった。預かり資産は、投資信託が同比200億円増加、生命保険が92億円増えたなど347億円増加し4040億円になった。 貸出金は、マイカーローンなど個人向け貸出や地方自治体向け貸出が増加。さらに地元中小企業の資金繰り支援に積極的に取り組み、中小企業貸出が8153億円になったなどから、貸出金全体では半年間で586億円増加し、2兆1746億円となった。そのうち住宅ローンは、人口増加が続く県南を中心に前年同期比185億円増の5974億円となった。 地域経済の状況について生田頭取は、トランプ関税の影響について「影響はあると思うが、資源高、物価高、人件高の影響が大きい。今後、金利が上がってくると金利負担などいろいろな面で影響があると捉えている」と述べた。高市政権が誕生し金利への影響については「金利の話になるとまだよく分からないが、我々もシミュレーションをして予算を立てる。当初は10月、11月の時期に上がると捉えていたが、若干ずれ込むのかな、12月か1月になると捉えてる」などと話した。(鈴木宏子)

筑波技術大で壮行会 東京2025デフリンピック 15日開幕

学生、卒業生17選手が出場 聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」が15日開幕するのを前に、聴覚障害者らが学ぶ筑波技術大学 天久保キャンパス(つくば市天久保)で5日、壮行会が開かれた。同大からは学生6人と卒業生11人が選手として出場するほか、開閉会式のパフォーマンスに学生2人、ボランティアのサポートスタッフとして学生108人が参加する。 大会に出場する同大選手は▽ハンドボール=林遼哉(4年)▽テコンドー=星野萌(4年)▽バレーボール=大坪周平(4年)▽陸上=中村大地(2年)▽バドミントン=沼倉昌明(大学院)、沼倉千紘(同)の6選手。ほかに開閉会式のパフォーマーとして伊東咲良さん(3年)、瀧澤優さん(2年)の2人が参加する。バドミントンの沼倉昌明選手は男子ダブルスでメダルが期待されているという。 サポートスタッフとして参加するのは、聴覚障害者が学ぶ産業技術学部の学生108人で、同学部学生の約半数に及ぶ。108人は大会期間の15~26日の12日間、4グループに分かれて、大会運営拠点となる国立オリンピック記念青少年総合センターに泊まり込み、選手らのサポート、受付、案内、誘導などを実施する。同大は大会期間中、同学部の授業を休講にして学生らを応援する。 壮行会には大会に出場する選手のほか、サポートスタッフとして参加する学生らが参加。石原保志学長は「選手として、パフォーマーとして、ボランティアとして参加する皆を応援している。世界中の人と交流して視野を広げてほしい」などとあいさつした。 壮行会にはいずれも4年でバレーボールの大坪選手(22)、ハンドボールの林選手(21)、テコンドーの星野選手(21)と、卒業生でサッカーの岩渕亜依選手(32)、ハンドボールの小林優太選手(2選手が参加した。 テコンドーの4年、星野選手は「今まで同じ障害の人と練習したり対戦する機会がなく、孤独を感じることもあったが、大学の友達や先生方が支えてくれた。見てくれる人の目に留まるような最高のパフォーマンスをして、テコンドーを知らない人にも魅力を伝えられたら」と話した。 男子ハンドボールのキャプテンを務める卒業生の小林選手は「日本のデフハンドボールは筑波技術大のサークルから始まった。毎週木曜とか土曜の夜に練習して、2人しか集まらずキャッチボールをして終わった日もあった。卒業して東京でデフハンドボールチームをつくり、社会人チームと試合をして実力を付けた。個人的には24年と25年に右膝と左膝をそれぞれ負傷し、スポーツに対する熱意を消失し一人で泣いてしまうこともあったが、出来ないことは誰かがカバーしてくれるなどチームスポーツの素晴らしさを改めて感じ、自分のできることを頑張ればチームに還元することができると思えるようになった。(大会は)まずは一勝し、デフリンピックの祭典を楽しみたい」などと話した。 デフリンピックは、ろう者による国際スポーツ大会で、1924年にフランスのパリで第1回大会が始まって以来、4年に一度、夏季と冬季大会が開催されている。2025年は100周年記念となる25回目の大会で、初めて東京で開催される。期間は11月15日から26日まで12日間。世界70~80カ国・地域から、約6000人の選手と関係者が参加し、21競技が東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場など19会場で実施される。大会エンブレムのデザインは同大の卒業生、多田伊吹さんが考案した。(鈴木宏子)