【コラム・三浦一憲】音楽祭プロデュースのボランティア活動はいきなり始めたわけではなく、きっかけになることがありました。1999年、娘が県立つくば工科高校・建築科に入学したことが、その「始まりの始まり」です。
学校から帰ってきた娘に「建築の授業どうだった」と聞くと、「つまらなかった。みんな寝ていた」。この返事には笑うしかないのだが、何がつまらなかったのか聞いてみると、何も知らない高校生に、いきなり構造・工法の授業だった、と。大学とは違うと思っていたから、まず建築に興味を持たせるのではなく、最初の授業から構造・工法に入るのかと、驚きました。これで、何とかしないとの気持ちが湧きあがってきたのです。
目の前に何とかしないとのことが起きている。どうしたらいいのか思案した結果、建築の持っている面白さとか、可能性みたいなことを高校生に見せ、体験させることが一番ではないか思い、当時の助川校長に掛け合いました。ボランティア活動では、これが一番大事なことです。
「高校生をサポートさせてください」と校長に話したら、「面白い! 応援するからやってください」ということになり、「つくば工科高校サポートクラブ」が立ち上がります。重要なことは、学校のテリトリーに入り何かするのではなく、外から有益なプログラムを提供することです。プロデユーサーとしての私のスイッチが入った瞬間でした。当時のつくば市は公共建築ラッシュ。これを利用しない手はないと、いろいろ企画しました。
当時のワープロ(フロッピーに保存)で書いた案内は印刷することができず、文字が薄くなったチラシをデジタル処理してなんと判読できる状態にまでしました。それでも分からない箇所は撮影したネガフィルムなどから記憶をたどり、苦労して復元したのがコラム写真です。
サポートクラブの記録(1999~2001)
- 1回 1999年7月17日 友部で建設中のショッピングセンター見学
- 2回 1999年8月 3日 国際会議場、カピオホール、ノバホール見学
- 3回 1999年9月18日 ウェディングドレスできるまで(学内教室)
- 4回 1999年9月23日 アメリカン2×4住宅見学
- 5回 2000年2月19日 外国人宿舎「二の宮ハウス」見学1回目
- 6回 2000年2月26日 エポカルつくば「フランクロイドと日本」講演会
- 7回 2000年3月18日 クラッシックフレッシュコンサート(学内音楽室)
- 8回 2000年8月 3日 科学技術未来館~ビーナスフォート~東京国際フォーラム見学
- 9回 2000年11月27日 外国人宿舎「二の宮ハウス」見学2回目
- 10回 2001年3月27日 外国人宿舎「二の宮ハウス」見学3回目
- 11回 2001年10月18日 竹中工務店・技術研究所見学
(まちかど音楽市場代表)