【崎山勝功】中学1年生のとき東日本大震災で被災した福島県三春町出身の橋本航太さん(20)が10日、陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地(土浦市右籾)で成人式に臨んだ。橋本さんは3等陸曹。「災害派遣や訓練で辛い状況に置かれても屈しない強さを持った自衛官になりたい」と抱負を語った。きょう11日は震災から6年10カ月目。
震災直後、被災者の救護支援活動に従事する自衛隊員を目の当たりにし「身近に姿を見て憧れた」。中学卒業後に陸上自衛隊高等工科学校(神奈川県横須賀市)に迷わず入校し、卒業後、正式に入隊を果たした。
「環境が変わり最初は慣れるのに時間が掛かって、訓練が大変だったけど、2年間ここ(霞ケ浦駐屯地)にいて慣れてきた」と語り、「将来的には地元(福島県内の駐屯地)に帰って親を支えられたらと思う」と抱負を述べた。福島県の復興に役立ちたいという。
霞ケ浦駐屯地では今年、自衛官と事務官計47人が成人の仲間入りをした。式典には任務などによる欠席者を除く38人が出席し、1人ずつマイクスタンドの前に出て「成人としての自覚と自信を持ち業務に励んでいきます」などと抱負を述べた。
同駐屯地司令の山内大輔陸将は「心身ともに健康で明るく、楽しく、地域から信頼される自衛隊員として、一日一日を大切に生き、輝かしい明日を期待して日々精進することを期待する」などと訓示。新成人者代表の澁山虎留(たける)3等陸曹(20)は「いついかなる任務が与えられようとも、完遂できる隊員となれるよう使命を自覚し、若さとあくなき情熱を持ってまい進する覚悟」と答辞を述べた。