【鈴木宏子】筑波銀行(本店 ・土浦市、生田雅彦頭取)は13日、2021年3月期第2四半期決算を発表した。新型コロナに見舞われた半年間(20年4~9月)について、中小企業への貸出金が前年度末と比べ501億円増加するなど、預金、貸出金ともに中間期ベースの1年間の増加額としては、同行誕生(2010年)以来、最大となった。
預金は、個人の特別定額給付金(1人10万円)の入金のほか、地元中小企業の手元資金確保などにより大幅に増加し、前年度末比1427億円増の2兆3944億円になった。貸出金は、コロナ関連融資に力を注いだ結果、中小企業貸出金が前年度末比501億円増の7021億円、貸出金全体でも同比621億円増の1兆7478円となった。
貸出金は業種に関係なく万遍なく増えているという。一方、コロナ倒産は現時点で限定的だとしている。
生田頭取は「第1フェーズが(地元中小企業への)資金供給だとすると、資金供給のピークは過ぎた。これから第2フェーズとなる」とし、「これだけ膨らんだ融資を(企業は)今後、返済しなくてはいけないが、(収益が)元に戻っただけでは返済できない。元に戻して、プラスアルファの超過収益を得るためにどうしていけばいいかを一緒に考えないといけない」「販路拡大、業態転換、事業継承支援など、超過収益が得られるようビジネスモデルをつくらないといけない。できることはたくさんあるので、いろいろな手段を使いながらお客さんと向き合っていきたい」などと話した。
第2四半期の業績(連結)は、銀行本来の業務の収支である業務粗利益は、投資販売手数料や法人関連手数料の増加により役務取引利益は増加したが、有価証券利息配当金の減少により資金利益が減少したことなどから前年同期比12億2500万円減の141億800万円となった。
銀行の通常の活動から生じた利益を表す経常利益は、営業経費や与信関係費用の減少に加え、株式関係損益も改善したが、業務粗利益の減少により、前年度期比5700万円減の13億6500万円となった。