【コラム・玉置晋】「宇宙天気とは、太陽を上流とし、地球を下流とする1億5000万kmに及ぶ環境変化を示す。かつてはサイエンスに閉じた世界であったが、2010年前後より宇宙天気の実務利用についての議論が活発になってきた。03年10月に茨城大学の屋上で太陽の巨大黒点を観測していたのは、ついこの間の様に思える。あの日みた黒点で発生した太陽フレアとガスの塊は、地球を直撃し人工衛星を破壊した。あの時、僕は宇宙天気から人工衛星を護ると心に誓った」
「あれから14年後、僕は日本初となる『人工衛星運用現場の宇宙天気アナリスト』」の職域を宣言した。そして、これからは、宇宙天気防災の観点から多様な専門分野、立場の方々の協力が必要である。私は、この協力体制を『宇宙天気防災プロジェクトチーム』と名付けた!」
う~む、我ながらカッコよいぞ、と自己陶酔。上記は、17年12月12日に茨城大学理学部の地球物理学ゼミの学生に対して行った講演の出だしです。
僕は放送大学大学院の修士全科生です。いわゆる修士課程の学生です。05年に茨城大学大学院の修士課程に在籍していた私は在学中に就職し、働きながら1度目の修士号(理学)を頂きました。今は2個目の修士号(学術)に挑戦中です。
放送大学の授業は、TVやラジオ、インターネットで受講しますので、働きながら単位を取得するには最適な大学の一つです。とはいえ、大学院の研究となると、研究テーマに沿った教官につき、マンツーマンで指導を受け、他の学生と議論するために通学します。僕の場合は、「宇宙天気防災」をテーマに研究するにあたり、「太陽物理学」が専門の茨城大学理学部の野澤恵(のざわ・さとし)先生に師事しています。
宇宙天気防災について研究仲間を欲していますので、我こそはと思う方は茨城大学理学部の野澤研究室の門を叩いてください。僕の様に放送大学経由という手もあります。お待ちしております―。我が研究室の宣伝になってしまいました。
社会人学生。世の中ではどの程度いらっしゃるのか分かりませんが、最近は増えているのではないでしょうか。しかし、社会人向けの大学院が開設されている都市部に集中していると思います。我々、茨城の社会人も、負けてはおられません。折しも、働き方改革が叫ばれています。「残業を減らす」ことがその本質ではありません。仕事を効率化し、生み出された時間を自己研鑽に投入することが、その答えの一つだと僕は解釈しています。
来年は社会人の「学びなおし」が、キーワードに挙がってくると予言します。それでは、皆様、よいお年を。(宇宙天気防災研究者)